2017年9月29日9時34分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
スマートフォンなどに使われるリチウムイオン電池の開発に関わり、ことし7月に名城大学の教授に就任した吉野彰さんが28日に名古屋市で講演し、「研究開発にはいくつもの関門があるが、後に続く人たちにも乗り越えていってほしい」と語った。
名古屋市天白区にある名城大学で行われた講演には、約430人が参加した。
講師の吉野さんは、電気自動車やスマートフォンなどに使われるリチウムイオン電池の開発に関わったことで知られ、ことし7月に名城大学大学院理工学研究科の教授に就任している。
講演の中で吉野さんは、リチウムイオン電池の開発のきっかけは新しい物質の基礎研究で、電池を開発するために始めたものではなかったことを明かした。
そして、電池は製品化されたあと5年ほどは全く売れず、パソコンやスマートフォンの普及とともに急速に市場が拡大したと振り返ったうえで、「世の中に貢献できる研究開発にはいくつもの関門があるが、後に続く人たちにも、ぜひ、その壁を乗り越えていってほしい」と語り、講演を締めくくっていた。
出典
『リチウムイオン電池開発者が講演』
http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20170929/3667661.html
9月29日付で中日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
リチウムイオン電池(LIB)開発者で、ノーベル化学賞の有力候補と注目される吉野彰名城大教授が28日、名古屋市天白区の名城大で講演し、「まったく売れずにつらかった」と、開発時の秘話を披露した。
電気を通すプラスチック新素材の研究を契機に、「たまたま」LIB開発に取り組んだという吉野教授。
1990年代初めに商品化されたが、「皆、関心はあると言ってくれるが、買ってくれない」。
95年の「ウィンドウズ95」発売などで世界中にIT革命が起き、LIBはノートパソコンやスマートフォンに不可欠に。
「こんな状況は想像もつかなかった」と振り返った。
研究に限らず、新しいものを生み出すため、「好奇心や洞察力を大事にしてほしい」とも。
会場には学生ら430人が集まり、立ち見も出る盛況ぶり。
講演後の記者会見では、10月4日発表のノーベル化学賞について、「アカデミア(学術)というよりインダストリアル(産業)出身の私が受賞できれば、産業界の人たちに希望を与えることができるのでは」と語った。
出典
『リチウムイオン電池の開発秘話披露 ノーベル賞候補の吉野教授』
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20170929/CK2017092902000086.html
(ブログ者コメント)
リチウムイオン電池については、発火事例などを本ブログに掲載しており、その関連情報として紹介する。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。