







2018年5月21日付で河北新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午前7時25分ごろ、仙台市青葉区のJR仙台駅東北線下りホームで、列車の屋根から煙が出ていると駅員から119番通報があった。
市消防局などが、一時、ホームを閉鎖し、現場を確認。
東北線と仙石東北ラインの上下線計7本が運休となり、約1500人に影響した。
警察によると、1番線ホームに停車中の仙台発利府行き(6両編成)から破裂音がし、先頭から3両目の屋根の計器用変圧器が破片となって焼け落ちていた。
消火作業前に鎮火し、乗客30人や運転士らにけがはなかった。
JR東日本仙台支社によると、同日午前7時20分ごろに東北線長町~東仙台駅間で、一時、停電が発生。
列車火災の影響とみられ、JRなどが原因を調べている。
火災発生直後、仙台駅は在来線のほとんどの運転を一時、見合わせ、改札周辺は再開を待つ人であふれた。
宮城野区の病院職員の女性(52)は、「常磐線に乗って山下駅に行き、友人と待ち合わせて食事に出掛ける予定だった。乗れないなら、キャンセルしなければならない」と不安を募らせた。
仙台駅には消防車など16台が出動。
東松島市の自宅に向かう途中だった病院職員の男性(53)は、「ホームも閉鎖されるなんて物々しい」と話した。
出典
『JR仙台駅で列車屋根から煙 東北線ホーム閉鎖、7本運休』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201805/20180521_13011.html
5月20日12時13分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察やJR東によると、車両は1番線に停車していた東北線仙台発利府行き普通列車(6両編成)。
「バーン」という破裂音を聞いた運転士が、3両目上部から白煙が出ているのを確認した。
ホームや線路上には、変圧器の破片が散らばっていたという。
出典
『JR仙台駅で列車から出火 けが人なし』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3074063020052018000000/
2018年5月16日21時11分にNHK福岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午後5時前、春日市の春日原駅で、西鉄福岡・天神駅行きの4両編成の普通電車がドアの1つが開いたまま発車したのをホームにいた乗客が気づき、この電車の車掌に伝えた。
車掌が確認したところ、前から3両目の車両の、片側に3つあるドアのうち左側の1つが完全に閉まらず、幅40cmほど開いていたという。
車掌は、ドアに近づかないよう周囲の乗客に呼びかけたものの、電車はおよそ1.5km先にある隣の雑餉隈駅まで、およそ4分間、そのまま走り続けたという。
ドアが開いた車両に乗っていたおよそ70人に、けがはなかった。
西鉄によると、ドアを開閉させる装置とドアをつなぐ金具が外れていたということで、運輸安全委員会は、事故につながりかねない重大インシデントにあたるとして調査を進めている。
運輸安全委員会の長田・統括鉄道事故調査官は、「きょうは関係者から聞き取りを行い、どのような異常が起きたのかや、どのような確認を行ったのかを把握した。あすは車両について調査したい」と話している。
出典
『ドア開け走行の西鉄を調査官調査』
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20180516/0000831.html
5月16日1時8分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本鉄道は15日、西鉄天神大牟田線の大善寺発、西鉄福岡行き普通列車(4両編成)が、春日原(かすがばる)駅(福岡県春日市)から雑餉隈(ざっしょのくま)駅(福岡県博多区)までの約1.5kmを約4分間、一部の扉が開いた状態で走行したと発表した。
時速は最大60kmだった。
扉が開いた車両の乗客約70人にけがはなかった。
扉が閉じなかった原因は調査中という。
西鉄によると、普通列車は15日午後4時50分ごろ、春日原駅を発車。
直後にホームの客が「扉が開いている」と男性車掌(23)に教えた。
車掌は走行中に3両目へ移動し、扉が約40cm開いていることを確認。
緊急停止ボタンで停車させるという内規を守らず、周囲の客に注意喚起しただけで、指令所に報告した。
雑餉隈駅で停車中に扉を施錠して発車したが、次の井尻駅(福岡県南区)で念のため全員を降ろし、運休したという。
出典
『西鉄列車、ドア開いたまま4分間走行 緊急停車させず』
https://www.asahi.com/articles/ASL5H7JC3L5HTIPE03K.html
5月18日5時5分に朝日新聞からは、片面のドアが2駅間で全開状態だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西鉄は17日、扉はさらに1駅手前の白木原(しらきばる)駅(福岡県大野城市)から雑餉隈(ざっしょのくま)駅(福岡市博多区)まで、2駅(約2.8km)間で開いたままだったと発表した。
乗客がインスタグラムに投稿した動画を社員が見つけ、発覚したという。
西鉄によると、列車は大善寺発西鉄福岡(天神)行きの上り普通列車(4両)で、15日午後4時47分に白木原駅を出発した。
約3分後、次の春日原(かすがばる)駅(福岡県春日市)を出発する際、車掌がホームの客から、3両目の扉1カ所が開いていることを指摘された。
車掌は、車内から扉が開いていることを確認したが、次の雑餉隈駅まで約4分間、最高時速60kmで走行した。
当初、扉の開き幅は車掌の目視から40cmと発表したが、動画を元に約65cm、両開き扉の左側が全開だったと確認した。
車両は1987年製。
最後に扉を詳しく検査した2016年9月時点で異常はなかったが、事故後の西鉄の調査では、扉の上にある開閉装置と扉をつなぐ金具が外れていた。
出典
『西鉄のドア、実は2駅間で開いたまま 投稿動画で発覚』
https://www.asahi.com/articles/ASL5K6F3NL5KTIPE027.html
2018年5月14日16時45分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月14日18時29分にTBS NEWSからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
小田急電鉄は14日、神奈川県伊勢原市の小田急小田原線の線路脇で4月30日、盛り土が陥没したトラブルは、線路下を横断する市の汚水管が破断し、土砂約4.5トンが流れ込んだことが原因と発表した。
破断した直接の原因は不明。
市は下水管のバイパス工事を行い、小田急が穴を埋め戻したという。
小田急によると、汚水管が水平方向に9cm破断し、上下に10cmずれ、隙間に土砂が徐々に流入したとみられる。
この汚水管は、約10m離れた線路下でも亀裂が見つかったため、影響を詳しく調べるほか、全線の線路下を通る配管約1200カ所も目視で点検する。
陥没は4月30日午前10時35分ごろ、点検中の係員が気付き、小田原線の一部区間で一時、運転を見合わせ、新宿(東京)と箱根湯本(神奈川)などを結ぶ特急ロマンスカーが同日夜まで運休した。
ゴールデンウイークを利用した観光客ら、約3万5千人に影響した。
出典
『線路下の汚水管破断が原因 小田急陥没トラブル』
http://www.sankei.com/affairs/news/180514/afr1805140020-n1.html
『小田急線の線路脇陥没、下水管の破断が原因』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3369288.html
5月14日18時21分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小田急電鉄は14日、同市が線路下に敷設した汚水管の破損が原因だったと発表した。
小田急電鉄は、沿線に埋められた上下水道や電気・ガスの配管についても、今月中に緊急点検するという。
小田急電鉄や市が調べたところ、陥没は上り線の線路脇で幅1m、深さ4.5mにわたり発生しており、陥没現場の真下にある汚水管で最大約9cmの亀裂が発見された。
市によると、汚水管は直径70cmのコンクリート製で、1991年度に地下約5mに敷設した。
また、陥没は起きていないが、下り線側の地下でも、管に最大約9cmの亀裂が見つかったという。
小田急電鉄などは、今後、この亀裂の付近の状況についても詳しく調査する。
出典
『小田急線の線路脇陥没、汚水管の破損が原因』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180514-OYT1T50066.html?from=ycont_top_txt
5月14日18時9分にNHK神奈川からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小田急電鉄などが陥没の原因を調べた結果、線路の地下4m余りに敷設された下水管が破損し、およそ4.5トン分の土砂が流出して起きたことがわかった。
この下水管は鉄筋コンクリート製で、設置してから27年がたっていたが、管理する伊勢原市によると、耐用年数は50年とされていたという。
出典
『小田急線路脇の陥没は下水管破損』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20180514/1050002550.html
5月15日8時0分にYAHOOニュース(神奈川新聞)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
汚水管は1991年に、市の委託で小田急電鉄が設計・設置した。
耐用年数は約50年で、老朽化はしていないという。
事故後、管はつぶれないようにモルタルを流し込み、バイパス管を設けたため、現在は汚水は流れていない。
この事故を受け国交省は、全国の自治体に6月末までに目視で点検し、報告するよう通知を出した。
出典
『線路脇陥没、原因は下水管破談 伊勢原の小田急』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180515-00025845-kana-l14
2018年5月12日18時5分にmBS NEWSから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本の豪華寝台列車「瑞風」で、食器洗いに使用されていた水から大腸菌などが検出され、12日の運行を中止した。
JR西日本によると、年に1度行われる定期検査で、「瑞風」のバーなどがあるラウンジカーの貯水タンクの水から大腸菌や飲み水としての基準値の約7倍の細菌が検出されたという。
水は、運行前に車両基地内でタンクに給水していて、食器を洗うためだけに使用していた。
今のところ、健康被害は確認されていないという。
これを受け、JR西日本は12日の「瑞風」の運行を取りやめていて、今後は水質の安全が確認され次第、運行を再開する方針。
出典
『豪華寝台列車「瑞風」運休、水質検査で大腸菌』
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20180512/GE000000000000022543.shtml
5月12日0時51分に共同通信からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本によると、年に1度の定期検査で2車両を調べて判明。
宿泊用車両の水は飲用に適していた。
今後、水タンクを搭載している残り6車両も検査する。
出典
『瑞風、水質検査で不適格 JR西の豪華寝台列車』
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/250664
5月18日19時11分に毎日新聞からは、運行が再開されるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は18日、21日から運行を再開すると発表した。
同社によると、ラウンジカーの5号車にある食器洗浄用の水から大腸菌群などが検出されたことが11日に発覚。
翌日から運休していた。
全てのタンクと配管を洗浄して再検査し、基準を満たしていることが確認された。
ただ、詳しい汚染の原因は不明だという。
出典
『豪華寝台列車 「瑞風」21日から運行再開』
https://mainichi.jp/articles/20180519/k00/00m/040/060000c
(ブログ者コメント)
年1回の検査頻度が妥当かどうか調べたところ、マンションなどの飲料用貯水タンクでも、検査は年に1回以上とのことだった。
瑞風では、食器洗い水は飲料用に準じるものとして衛生管理しているということかもしれない。
以下は、埼玉県HPに掲載されている、マンションなどでの受水槽管理方法(抜粋)。ご参考まで。
ビル、マンション、学校等に設けられた受水槽(タンク)などの給水装置は、「簡易専用水道」として水道法の適用を受けるものがあります。
「簡易専用水道」の設置者は、常に安全で衛生的な飲み水を確保するために正しい管理を行って、定期的に検査を受けなければなりません。
【簡易専用水道とは】
・市町村や水道企業団などの水道事業者から受ける水のみを水源とし
・その水を一旦受水槽に貯めた後、建物に飲み水として供給する施設で
・受水槽の有効容量の合計が10立方メートルを超えるもの
(1)受水槽から先の部分が簡易専用水道
受水槽の容量が10立方メートルを超えても、
・まったく飲み水として使用しない場合(工業用水、消防用水などとして利用する)
・地下水(井戸水)を汲んで受水槽に貯めている場合は、
簡易専用水道ではありません。
※ただし、地下水を汲んで受水槽に貯めて、飲料水として給水しているような施設は、「専用水道」、「自家用水道」として別の規制を受ける場合があります。
【管理方法】
簡易専用水道の設置者は、次の事項の管理を行ってください。設置者自ら管理を行わない場合は、実際に管理をする人を決め、適切な管理を行ってください。
(1)水槽(受水槽、高置水槽)の清掃
・1年以内ごとに1回必ず行わなければなりません。(水道法施行規則第55条)
・掃除は、専門的な知識、技能を有する者に行わせるのが望ましいとされています。
水道法に定められた定期的な検査
設置者は、1年以内ごとに1回、厚生労働大臣の登録を受けた簡易専用水道検査機に依頼して、簡易専用水道の管理について必ず検査を受けなければなりません。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0706/suidou/kansensui.html
2018年4月26日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8282/
(2018年5月16日 修正1 ;追記)
2018年5月10日付で河北新報から、線路わきの側溝が2~3cm沈下しケーブルが損傷したことが原因らしいという下記趣旨の記事が、模式図付きでネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
市交通局は9日、送電ケーブルの火災があった八乙女~黒松間の南行きの線路脇で、側溝の沈下が確認されたと明らかにした。
側溝の下を通るケーブルが損傷し、漏電が起きた可能性があるという。
推測される事故原因は図の通り。
八乙女変電所からの2本のケーブルは金属製の電線管に包まれ、北行き側から線路や側溝の下を通り、電柱に付設されて地上で架線に接続する。
側溝の沈下は2、3cm程度。
電柱が立つコンクリート擁壁と側溝の間にも1cm弱の隙間が見つかった。
側溝には、何かが燃えた痕とみられるすすがあった。
監視カメラによると、送電が止まった午後5時15分ごろ、電柱の2カ所で発火し、側溝から煙が上がった。
当初、電線管を金属バンドで電柱に固定した部分がケーブルの老朽化で漏電し、発火したとみられたが、焼けたのは電線管と金属バンドだけで、ケーブルに目立った損傷はなかった。
市交通局は、側溝が沈下した影響で地下ケーブルが押しつぶされたか、老朽化していて漏電が発生し、高圧の電流が電線管に流れ、金属バンドで固定した部分などが焼けたと推測する。
詳しい原因究明のため、9、10両日の営業運転終了後、消防と合同で側溝周辺を掘削し、地下ケーブルの損傷状況を確認する。
出典
『<仙台南北線停電>ケーブル損傷し漏電か 側溝の沈下確認』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201805/20180510_13029.html
同じ5月10日付の河北新報からは、下記趣旨の解説的記事もネット配信されていた。
市交通局によると、現場は黒松トンネルを八乙女方面に出て高架に差し掛かる区間。
斜面に盛り土をしてコンクリートの擁壁で土留めをし、線路を敷設した。
こうした場所に電柱が立つのは、南北線、東西線で、この1カ所だけ。
送電ケーブルが線路や側溝の下を通り、電柱に付設されて架線とつながる。
事故前に盛り土が沈下、側溝も沈んだとみられるが、現時点で原因は不明。
現場付近では、東日本大震災後、地震の揺れでレールの高さが8mm低くなったことが分かり、全線復旧前に補修工事を行っている。
市交通局は、側溝が地下ケーブルを押しつぶした可能性があると推測。
4月25日の現地調査で地下ケーブルを撤去しようとしたが、3トンの力をかけても引き抜けなかったという。
市交通局は9日、幹部職員による高速鉄道事故等調査委員会を設置。
事故調の委員長を務める森研一郎交通局理事は、「発火したのは地上だったが、ケーブルに損傷はなく、地下のどこかで漏電した仮説が成り立つ」と語った。
事故調は鉄道電力の専門家をオブザーバーに招き、助言を求める。
出典
『<仙台南北線停電>あすまでケーブル調査、原因究明へ』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201805/20180510_13020.html
(2018年5月20日 修正2 ;追記)
2018年5月19日付で河北新報から、漏電した経緯などについて、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
市交通局は18日、八乙女~黒松間で線路脇の側溝が沈み、地下の送電ケーブルが異常に変形して損傷、漏電が起きたことが原因と断定したと発表した。
再発防止に向け、事故現場のケーブルは地上を通すなど、配線を見直す。
市交通局によると、事故原因は図の通り。
当初2、3cmとみられた側溝の沈下は、現地調査で6cm程度と判明した。
直径3.9cmのケーブルに下方向の力が加わり、側溝と擁壁の接続部分で損傷、漏電した。
回収したケーブルを検証したところ、上側につぶれた跡があり、黒く焼け焦げていた。
樹脂の被覆は破れ、漏電に伴う高熱で溶けた銅線がむき出しだった。
ケーブルを覆う金属製の電線管も、一部が粉砕していた。
ケーブルの下側は損傷がなかった。
押しつぶされて発熱し、徐々に損傷が進んだのではなく、側溝の重みに耐えられなくなり、一気に折れ曲がって損傷した可能性が高いという。
地下ケーブルから地中に漏れた高圧電流は、レールを伝って広範囲に流れたとみられ、全4カ所の変電所で安全装置(ブレーカー)が作動。
影響が全区間に及んだ。
市交通局は、今後、鉄道電気設備の専門家にも意見を求め、側溝が沈下した理由などを調べ、事故調査委員会で改善策を検討する。
当初、ケーブルの老朽化が指摘された経緯もあり、メーカーに調査を依頼する。
出典
『<仙台地下鉄南北線停止>送電ケーブル損傷、漏電と断定 配線見直しへ』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201805/20180519_13009.html
5月19日7時4分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
現場は、線路の地下を横断してケーブルが埋設され、線路脇のコンクリート製の側溝の下部を貫いて電柱に接続される構造。
側溝の沈下によりケーブルが押しつぶされ、ある時点でさらに損傷し、漏電した可能性が高いという。
市交通局は、側溝の沈下の原因について現地調査を進めるが、「東日本大震災の地震の影響も可能性としてある」としている。
損傷したケーブルは昭和61年に設置。
市交通局は、漏電の複合的な要因として考えられるケーブルの老朽化の可能性について、メーカーに調査を依頼する。
出典
『4月の仙台・地下鉄南北線停電はケーブル損傷による漏電が原因』
https://www.sankei.com/region/news/180519/rgn1805190022-n1.html
2018年5月3日6時30分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鉄道の電化方式の種類は直流と交流に分かれ、またがって列車が運行する場合は、車両の電気方式を切り替える必要がある。
このような区間は、JRでは北陸線敦賀~南今庄(福井)など全国に7つ。
切り替えの手順は、境界に「デッドセクション」という架線に電気を流さない区間を設定し、列車が惰性で走る間に運転士が電気方式をスイッチで変えるというもの。
一瞬とはいえ、電気が通っていないため、国鉄時代の車両などは車内の照明が消え、驚く乗客も見られた。
【鳴り響く自動音声】
JR西の北陸線を走る普通電車521系。
福井側から長い北陸トンネルを抜けると、敦賀駅(福井)は目前だ。
すると、運転席に自動音声が繰り返し鳴り響く。
「間もなく交直切り替え」。
同線の上り線は、トンネルを出た直後の地点で、電化方式が交流から直流に変わるのだ。
切り替えは、架線に給電されていない数10mあるデッドセクションを惰行で通り抜けるときに運転士が行う。
その注意喚起のアナウンスだ。
切り替えずに直流区間に突入すると、車両故障につながる。
また、デッドセクションの途中で列車が停止してしまうと、電気の供給が受けられずに立ち往生する。
実際、過去にこのような事故は発生している。
敦賀駅に向かっては、下り勾配とはいえ、長さ13kmを超える長大トンネルの暗闇の中を運行し、出てすぐにデッドセクションを通るのは、運転士にとっては緊張の連続だろう。
その後、運転席の自動音声は「交直切り替え確認」に変わり、列車はスムーズにデッドセクションをクリア。
やがて、敦賀駅到着を告げる車内放送が流れた。
【動く切り替え境界】
日本の鉄道は、車両が比較的安く製造できる直流と、変電所などの初期投資が抑えられる交流に分かれている。
運行数が多い首都圏や関西圏は直流で電化されている一方、本数が少ない北陸、東北などは交流だ。
北陸線は昭和32(1957)年、敦賀~田村(滋賀)間で、日本主要幹線としては初めて交流電化された。
「交直切り替え」の歴史は紆余曲折をたどってきた。
当時、直流電化されていた東海道線の米原(同)と田村の間は非電化で残されたため、この区間の列車は蒸気機関車、ディーゼル機関車が牽引した。
田村駅が現在も広い構内を持つのは、機関車の待避線などが設けられた名残りだ。
37年にようやく米原~田村が直流電化され、田村の米原寄りに初めてデッドセクションが設けられた。
そして面白いことに、このデッドセクションは徐々に北上していく。
平成3年に新快速を長浜(滋賀)まで乗り入れるため、交流だった田村~長浜間を直流に変えたため、デッドセクションは長浜~虎姫(同)間へ。
さらに新快速延伸のため、18年に敦賀まで直流化。
敦賀以北は交流電化で、デッドセクションは敦賀寄りの北陸トンネル出入り口に移動した。
【3セクに移行】
平成35(2023)年春に予定されている北陸新幹線の敦賀延伸が実現すれば、並行する敦賀~金沢間は第3セクターへ移行するため、敦賀付近のデッドセクションは、その3セク区間となる。
また、交直切り替えで唯一、架線に流す電気を切り替え、パンタグラフの上げ下げで対応する方式が東北線の黒磯駅(栃木)に一部存在したが、ことし1月に廃止され、敦賀などと同じタイプに統一された。
運用が複雑な上、保守にも経費がかかるためという。
古い国鉄型の車両では、デッドセクションを通過する際、車内は非常灯だけになったものだが、新型車両は蓄えた電気で消えない。
乗客にとってはあまり関係ない存在になった交直切り替え。
しかし、運転士はきょうも緊張しながら、デッドセクションに突入する。
出典
『デッドセクションを切り抜けろ―列車運転士、緊張の一瞬「交直切り替え」JRに7カ所』
http://www.sankei.com/west/news/180503/wst1805030005-n1.html
(ブログ者コメント)
「デッドセクション」と同じような名称で「エアセクション」という区間もある。
本ブログで何件か紹介しているのは「エアセクション」におけるトラブル。
「デッドセクション」におけるトラブルは、一昨年の筑紫野市架線トラブルのみ紹介。
2018年5月4日19時0分に日テレNEWS24から、現場の映像やイメージ図付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午後7時過ぎ、この踏切内で山梨市に住むSさん(女性、85歳)が、下りの「特急あずさ」にはねられ死亡した。
現場は山梨市駅と春日居町駅の間、住宅地にある「赤斐山踏切」で、線路を渡りきるまでの距離は約10m。
Sさんは「シニアカー」と呼ばれる4輪の電動車いすを使用していたという。
なぜ、事故は起きたのだろうか?
警察によると、電動車いすで踏切を渡ろうとしたSさんは、特急列車が接近していることに気付いたのか、車いすの後ろ側に立ち、列車に手を振る。
それに気付いた列車の運転士がブレーキをかけるが間に合わず、列車にはねられたという。
畑作業から1人で自宅に帰る途中だったSさん。
ほぼ即死状態だった。
警察は、何らかの理由で電動車いすが線路上で立ち往生した可能性があるとみている。
【今年1月にも兵庫で同様の事故が…】
踏切内での電動車いすの事故は今年1月にも。
事故の目撃者「(電車と衝突して)ぼーんといって、(電動車いすが)ガラガラガラといって、そこでストップしたんです」
兵庫県高砂市にある踏切内で、電動車いすに乗っていた高齢の女性が普通列車にはねられ死亡した。
【相次ぐ事故について、専門家は・・・】
鉄道に詳しいライトレール・阿部等さん
「車いすのタイヤがレールの溝にはまって動けなくなってしまったとか、故障して動けなくなってしまったとか。障害物検知装置は車をターゲットにして開発しているので、車いすでは検知できないケースがあります」
JR東日本によると、今回の事故で列車の乗客400人にけがはなかった。
また、非常停止ボタンは押されていなかったということで、警察が事故の詳しい状況を調べている。
出典
『踏切で車いす女性はねられ死亡 同様事故も』
http://www.news24.jp/articles/2018/05/04/07392277.html
5月4日18時55分にテレビ山梨からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
踏切りは幅約2m、全長約10mで、警報機と遮断機は正常に動いていた。
捜査関係者によると、現場検証の結果、踏切内には車いすが脱輪したような目立った跡は見当たらなかったという。
また特急の運転士は、「車椅子の後ろで手を振る女性が見え、ブレーキをかけたが間に合わなかった」、「車いすが何かにはまっている様子は見受けられなかった」と話している。
一方、踏切内の障害物を自動的に検知して600m手前で運転士に知らせる装置は、事故当時は作動しなかったこともわかった。
出典
『山梨踏切り事故・障害物検知装置作動せず』
http://www.uty.co.jp/news/20180504/4143/
5月3日23時0分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運転士は「女性が手を振って合図を送ってくるのが見え、ブレーキをかけたが、間に合わなかった。女性は車いすを後ろから押そうとしていたようだ」と話しているという。
出典
『踏切で手を振り合図の車いす女性、はねられ死亡』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180503-OYT1T50093.html
(ブログ者コメント)
障害物センサーがシニアカーを感知しなかった例は、踏切以外でも起きている。
2017年4月4日掲載
『[昔の事例] 2016年9月 東京都武蔵野市で車庫からシニアカーで道路に出ようとした住人が下りてきた電動シャッターに挟まれて大けが、センサービーム2本ともに隙間をすり抜けていた』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6958/
2018年4月25日付で読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日午前7時45分頃、近鉄南大阪線矢田(大阪市東住吉区)~河内天美(大阪府松原市)間の大和川にかかる橋(197m)に設置されたセンサーが異常を感知した。
近鉄は徐行運転を続けていたが、約25分後、橋を通過した列車の乗務員が揺れを感じたため、同8時10分頃、大阪阿部野橋~河内天美間で運転を見合わせた。
近鉄によると、橋上のレールにゆがみが確認された。
現在、橋では9本ある橋脚のうち1本を補修工事中で、センサーはその傾きを検知するために設置されていた。
近鉄が原因を調べている。
25日中の運転再開は困難といい、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)やJR、南海で振り替え輸送を実施している。
南大阪線は大阪阿部野橋(大阪市阿倍野区)と橿原神宮前(奈良県橿原市)を結ぶ約40km。
駅は28あり、1日の利用客は約16万人に上る。
通勤時間に重なり、大阪阿部野橋駅は利用客らでごった返した。
出典
『線路にゆがみを確認、近鉄南大阪線が部分運休』
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20180425-OYO1T50008.html
4月26日9時17分に毎日新聞からは、原因などに関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「大和川橋梁」上の線路がゆがんだトラブルで、近鉄は25日、雨で川が増水し、橋脚下の川底が削られて傾いたことが原因とみられると発表した。
同日午前から大阪阿部野橋~河内天美駅間の上下線で運転を見合わせているが、再開のめどは立っておらず、影響人員は、この日だけで約16万2000人に達する見通し。
近鉄によると、橋脚は9本あり、矢田駅側から4本目の橋脚上部が上流側に7.8cm傾き、線路も上流側に最大で2.4cmずれていた。
3本目が昨年10月の台風21号で川底が削られて約2cm傾き、この2本の補強工事を実施している最中だった。
25日午前6時半ごろ、橋脚に設置した計測器が約8mmの傾きを検知したと、工事会社から近鉄に連絡があった。
その後、工事会社から線路がゆがんでいるとの報告があり、同7時44分から橋梁上では徐行運転。
乗り込んだ社員が通常より大きな揺れを感じたため、同8時8分に運転見合わせを決め、JRや南海、大阪メトロによる振り替え輸送を実施した。
近鉄によると、大和川橋梁付近の水位は、雨のない時と比べ、約3m上昇していた。
水位が下がるのを待って対応を検討する方針で、担当者は「水位が下がり、これ以上傾かないように措置をすれば、運転を再開できる」と説明している。
府内では、昨年10月の台風21号で、府南部の男里(おのさと)川にかかる南海本線の橋上の線路がゆがむトラブルが発生。
現場を通過した普通電車が一時脱線するなどして、乗客5人がけがをした。
出典
『近鉄 橋脚、上流側に7.8センチ傾く 南大阪線・大和川』
https://mainichi.jp/articles/20180426/k00/00e/040/210000c
4月25日17時31分に京都新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
近鉄は25日、記者会見し、橋脚が上流側に78mmずれていたことを明らかにした。
枕木などがあることからレールのゆがみは24mmにとどまったという。
運転再開のめどは立っておらず、同日は約16万2000人に影響する見込み。
近鉄によると、雨のため水位が24日夜から上昇し、川底が削られた可能性があるという。
橋の強度に問題はなく、水位が下がり次第、原因を調査する。
出典
『近鉄南大阪線橋脚78ミリずれる レールもゆがむ、16万人影響』
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180425000125
(ブログ者コメント)
今回は、たまたま工事用にセンサーが設置されていたため、事なきを得た。
仮にセンサーが設置されていなかったら、どうなっていただろうか?
2018年4月19日9時19分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
仙台市地下鉄南北線で18日夕、大規模な停電が発生し、同線全線で運転を見合わせた。
電車に電力を供給するケーブルで火災が発生し、4か所の変電所がストップしたためだが、原因調査や復旧に向けた作業は深夜も続いた。
仙台市によると、ケーブルのトラブルによる市地下鉄の運行停止は初めて。
トラブルは帰宅ラッシュ時間帯を直撃し、約7万2500人に影響したとみられる。
仙台市交通局によると、同日午後5時15分頃、仙台市泉区の八乙女~黒松駅間のケーブルで火災が発生。
ほぼ同時に同線の電車を稼働させる市内4か所の変電所が安全装置の作動により電力供給を停止し、全区間で停電となった。
停電が発生した当時、同線では南行きと北行きで計13本が運行しており、うち12本は各駅ホームで停車した。
南行きの1本は長町南~富沢駅間で止まり、一部の変電所が復旧して富沢駅まで移動するまでの約40分間、乗客約70人が車内に閉じこめられた。
この停電トラブルによるけが人はなかったという。
市交通局は、ケーブルで火災が発生した現場に職員ら数10人を派遣し、全線復旧に向けて原因を調査している。
地下鉄仙台駅の改札の外では午後6時前、多くの帰宅客らが運転再開を待ち、長い列を作った。
泉中央駅まで帰宅予定だった専門学校教諭(44)は、「明日も仕事なので早く帰りたい」と不安そうな表情を浮かべた。
JRや市営バスは深夜まで代替輸送や振り替え輸送を実施。
仙台駅近くのバスターミナルでは午後8時頃、泉中央方面に向かう振り替え用の臨時バスに100人以上が並んだ。
青葉区の無職女性(70)は、「ここまで長い列ができると、いつ乗れるのか分からなくて不安です」とため息をついた。
出典
『地下鉄で大規模停電、車内70人閉じこめ…仙台』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180419-OYT1T50028.html
4月20日付で河北新報からは、ケーブル劣化が原因らしいという下記趣旨の記事が、監視カメラがとらえた出火状況の写真付きでネット配信されていた。
仙台市地下鉄南北線の八乙女~黒松間でケーブルが焼けて送電が止まり、全区間の運行が約6時間停止した18日のトラブルで、市交通局は19日、ケーブルの劣化が出火原因とみて、同様のケーブルの緊急点検に乗りだした。
市交通局は、事故調査委員会を設置して原因究明を進める。
市交通局によると、八乙女変電所から南行き架線に接続し、1500ボルトの電気を送るケーブル3本のうち、2本が焼けるなどした。
焼損したのは樹脂を巻いた金属管に覆われた部分で、電柱に付設されていた。
昨年7月の目視検査、今年1月の漏電調査で、異常は確認されなかったという。
残る1本は別の電柱に付設され、影響を免れた。
焼損した2本を架線から切り離し、18日午後11時半に運転が再開された。
19日は始発から通常運行した。
現場付近の監視カメラは、ケーブルが燃え上がる様子を捉えた。
出火前後に人影や列車の通過はなく、市交通局は「外部の力が働いて起きた火災とは考えにくい」とみる。
ケーブルは開業前年の1986年に設置され、一度も更新されていない。
耐用年数は35~40年とされ、2022年度以降に更新する計画だった。
他の送電ケーブルも多くが開業当時のままで、担当者は「劣化が原因と断定されれば、更新時期を見直す」と話した。
緊急点検は、ケーブルが焼けた現場付近、長町南~富沢間、富沢車両基地の、いずれも地上を走行する区間が対象で、営業終了後の夜間に実施する。
ケーブルの接続を外し、漏電してないか1本ずつ確認する。
点検作業には3日程度を要するという。
出典
『<仙台南北線停電>ケーブル劣化原因か 交通局、緊急点検開始』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201804/20180420_13011.html
(ブログ者コメント)
河北新報掲載写真によれば、線路わきのケーブルが燃えているように見える。
2018年4月13日23時40分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本仙台支社は13日、東北新幹線の40歳代の男性運転士が今月1日、運転中に居眠りをし、仙台駅で停止位置を約20m通り過ぎ、非常ブレーキで停止したと発表した。
乗客約500人にけがなどはなかった。
発表によると、この車両は東京発盛岡行き「やまびこ59号」(10両編成)。
同日午後10時過ぎ、自動減速して仙台駅に近づいていた車両の速度が通常より速かったため、車掌が非常ブレーキをかけたが、停止位置を越えた。
車両を所定の位置に戻すため、1分半ほど到着時間が遅れた。
社内の聞き取りに対し、運転士は当初、「17両編成の新幹線と勘違いした」と説明していたが、曖昧な点があったため調査を続けたところ、13日になって「停車の約4分前から居眠りをしていた」と話したという。
同支社は、「迷惑をお掛けし、深くおわびする。運転士には厳しく指導した」としている。
出典
『新幹線の運転士居眠り、駅で車掌が非常ブレーキ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180413-OYT1T50128.html
4月13日21時5分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運転士は当初、社内調査に対し、長さ約250mのやまびこ号(10両編成)ではなく、約400mのはやぶさ・こまち号(17両編成)と勘違いして、停止位置を誤ったと説明した。
あいまいな点があり、確認していたところ、13日になって「仙台駅に着く4分ほど前から居眠りしていた」と申告した。
新幹線の乗務歴は6年で、乗務前点呼でも異常はなかったという。
出典
『東北新幹線運転士が居眠り 車掌が非常ブレーキ 仙台駅』
https://www.asahi.com/articles/ASL4F6D79L4FUNHB00N.html
(ブログ者コメント)
〇新幹線運転士が居眠りしたなど、あまり聞いたことがない。
そこで調べてみると、2003年に山陽新幹線岡山駅で、運転士が睡眠時無呼吸症候群(SAS)で8分間、26kmにわたり居眠り運転していたという事例が見つかった。
『鉄道機関における睡眠時無呼吸症候群対策』
http://www.iatss.or.jp/common/pdf/publication/iatss-review/35-1-04.pdf
今回は、単なるヒューマンエラー的居眠りだったのだろうか?
〇在来線では、たまに居眠り運転事例が報じられることがある。
以下は昨年の千葉県事例。
(2017/6/5 0:06 日本経済新聞)
JR東日本千葉支社は4日、逗子発千葉行きの総武線快速電車(15両編成、乗客約650人)が3日、津田沼駅に到着する際、50代の男性運転士が居眠りし、約30m手前で停止したと発表した。
運転士は「ブレーキ作業中に一時的に睡魔に襲われた」と話している。
同支社によると、快速は午後2時55分ごろ停止。
運転士は車掌の指摘を受けてすぐに出発させたが、乗客を全員降ろした後だと思い込み、今度は停止位置を約10m行き過ぎ、車掌が非常ブレーキをかけて停止した。
駅には8分遅れで到着した。
運転士は昨年、睡眠時無呼吸症候群と診断されていたが、治療して医師から乗務可能と言われていた。
3日の乗務前の健康状態も問題はなかったという。
同支社は、この運転士を当分は乗務から外すとしている。
〔共同〕
出典
『駅手前で電車停止 千葉、運転士「睡魔に襲われた」』
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG04H2G_U7A600C1CC1000/
2018年4月3日0時40分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後11時15分ごろ、東京都千代田区丸の内の東京メトロ千代田線二重橋前駅で、「停車中の電車から出火したとの情報がある」と119番通報があった。
東京メトロなどによると、同8分ごろに代々木上原発我孫子行きの10両編成の電車が駅に進入しようとしたところ、前方から2両目の車両の床下のモーターが破裂。
安全装置が自動的に作動し、一時、ホームに煙が充満した。
東京消防庁なども駆けつけたが、出火は確認されなかった。
乗客やホームにいた人にけがはなく、電車は約15分後に運行を再開。
東京メトロによると、モーターに一時的に過大な電流が流れたことが原因とみられる。
出典
『地下鉄二重橋前駅、電車のモーター破裂 ホームに煙、けが人なし』
http://www.sankei.com/affairs/news/180403/afr1804030002-n1.html
2018年3月30日12時46分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海道線で昨年12月、走行中の新快速列車床下にある箱状の機器からアルミ製カバー3枚(重さ最大約10kg)が外れて落下したトラブルで、JR西日本は30日、機器内にあるダイオードがショートし高温になったため、別の部品に塗られた塗料が溶けて気化するなどして気圧が上昇、カバーが外れたとする調査結果を公表した。
トラブルは昨年12月30日午後5時半ごろ、東海道線芦屋~尼崎間を走行中の播州赤穂発野洲行き新快速(8両編成)の2号車で発生した。
カバーはいずれも厚さ3mm、縦約50~60cm、横約45~85cm、重さ約4.5~10kg。
後続車がカバーに乗り上げるなどの事故や、けが人はなかった。
JR西によると、箱状の機器内にある電灯や空調に電源を供給する装置のダイオードが何らかの原因でショート。
電流を制御する部品に電流が長時間流れ続けて表面温度が1400℃となり、表面に塗られた塗料が溶けて水素とメタンが発生した。
最終的に電流を制御する部品もショートして機器内の気圧が爆発的に上がり、カバーの留め金が外れて落下したと推定されるという。
トラブル発生当時、新快速列車は芦屋駅付近を約60kmで走行しており、カバーは軌道から最大12m離れた線路内で見つかった。
JR西は、「発生時に対向車があったり、踏切近くを走行していたら何らかの事故につながった恐れもある。ご心配とご迷惑をおかけし、申し訳ない」として、早急に対応策をとるとしている。
出典
『昨年末の新快速アルミカバー落下、部品ショートで気圧上昇が原因 JR西が
調査発表』
http://www.sankei.com/west/news/180330/wst1803300062-n1.html
3月30日13時52分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県芦屋市のJR東海道線で、昨年12月、走行中の新快速の床下から機器カバー3枚が外れたトラブルで、JR西日本は30日、内部に約1400℃の熱が生じて部品が溶け、生じた水素やメタンガスが燃焼して爆発的に圧力が上昇したのが原因とみられると明らかにした。
部品の抵抗器に、通常より長く電流が流れて高熱が生じたという。
圧力が大きかったため、カバー1枚(重さ約4.4kg)は約12m離れた別の線路内まで飛んでいた。
出典
『JR西 内部で高熱、圧力上昇 新快速のカバー落下原因』
https://mainichi.jp/articles/20180330/k00/00e/040/318000c
※以下はJR西日本からのニュースリリース(抜粋)。
4 調査結果
3枚のカバーが外れたメカニズムについて、以下と推定しま
した。
(1)SIV装置のダイオードが何らかの原因でショートした。
(2)パンタグラフからダイオードに直列に組み込まれている充電抵抗に電流が継続して流れた。
(3)継続して流れた電流により充電抵抗が熱せられ、その周辺に気体が発生した。
(4)その後最終的に充電抵抗のショートにより機器箱内の圧力が上昇し、3枚のカバーが外れた。
5 対策
・抵抗やダイオードなどの部品にショートが生じた際には速やかに回路から部品を開放する対策を、4月上旬を目処に実施します。
・上記の対策が完了するまでの間、過電流の記録を定期的に確認することにより、ダイオードがショートする予兆を把握することとします。
http://www.westjr.co.jp/press/article/2018/03/page_12196.html
2018年3月10日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第6報修正5として掲載します。
第5報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8115/
(2018年4月2日 修正5 ;追記)
2018年3月27日21時16分に神戸新聞から、有識者会議から最終提言書がJR西の社長に手渡されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本の対応を検証する有識者会議が27日、大阪市内であった。
最終提言書は「JR西のリスク認識に甘さや油断があった」と指摘。
社員の判断力向上へ教育の強化や、新幹線のトラブルをJRグループ各社で共有することなどを盛り込み、来島社長に手渡した。
社外有識者がまとめた提言では、JR西が1月から保守担当経験者を東京の指令所に配置したことや、部門間での意思疎通が円滑に進むように改善した点を評価。
一方、異臭や異音を体験するなど頻度の低い事象への対応力を高めるなど、「より広い視点」での安全対策を求めた。
運行を止められなかった最大の要因について、座長の安部誠治関西大教授は、「岡山駅から乗り込んだ保守担当の3人が、自信を持って(指令に)伝えられなかったこと」と述べた。
「現場の社員が止める判断をするのは難しい。判断力を養うための訓練や教育が不十分だった」と強調した。
有識者会議は1月に発足し、計4回開催。
人為ミスの専門家ら3人の社外委員が当日の車掌らから聞き取った内容などを基に、副社長ら社内委員4人と議論を重ねた。
1年後をめどに、取り組みの進展を検証する会合を開く。
来島社長は、「報告を受け止め、着実に実現するよう努力していきたい」と述べた。
出典
『のぞみ台車亀裂「リスク認識に甘さや油断」 有識者会議が提言』
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201803/0011108059.shtml
3月28日6時37分にNHK関西からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書では、新幹線は在来線と比べ事故などが少なく、安全に対する認識に甘さや油断があったと指摘している。
その上で、保守担当者や指令員など社員の安全意識や技術力を高めるべきだとする一方、人間の判断には限界があるとして、異常を感知する装置などの早期の導入を図るべきなどとしている。
さらに、13年前の福知山線の脱線事故の後、JR西が進めてきた安全最優先の取り組みにはまだ課題が多いと指摘し、この問題を安全性向上の改革を加速させるきっかけにすべきだとしている。
有識者会議の座長で関西大学社会安全学部の安部誠治教授は、「今回の問題で、これまでの安全管理に弱点があったことが明らかになった。JR西は、会社全体の問題としてしっかり向き合う必要がある」と話していた。
出典
『新幹線の台車亀裂で最終報告書』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180328/5976571.html
(2018年5月31日 修正6 ;追記)
2018年5月31日付で毎日新聞東京版から、再発防止策2件に関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は30日、東海道新幹線の沿線に設置して走行車両の台車温度の異常を測る赤外線センサーを、従来の2カ所から2019年度末までに5カ所に増やすと発表した。
併せて、台車の空気ばね圧力を自動分析し異常を早期検知する装置を、今年度末までに、東海道新幹線のN700A型全車両に搭載する
センサー新設は、静岡県焼津市の瀬戸川、愛知県一宮市と岐阜県羽島市境の木曽川、大阪市の神崎川の橋りょう、計3カ所。
既に神奈川県小田原市の酒匂川と愛知県豊橋市の豊川の橋りょうにあり、亀裂のトラブル時に温度上昇を確認していた。
一方、空気ばねの装置は、台車の異常で車体との間にある一対の空気ばねのバランスが崩れると、運転台にアラームが表示される。
出典
『のぞみ台車トラブル 亀裂問題 台車異常、感知器増設 JR東海、亀裂防止策』
https://mainichi.jp/articles/20180531/ddm/012/040/125000c
(2018年11月18日 修正7 ;追記)
2018年11月15日付で大阪日日新聞から、JR西は安全性向上の取り組みを発表したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は14日、東海道新幹線の台車に亀裂などが見つかった昨年12月の「重大インシデント」を踏まえ、新幹線の安全性向上の取り組みを公表した。
異常検知装置を台車に装備したり、車両の異音を実際に体感する訓練などを通じ、ハード、ソフト両面で安全性に対する信頼回復につなげる。
ハード面では、車輪から車両本体に伝わる振動を軽減する「空気バネ」の圧力差で異常を検出する装置を、16両編成のN700Aタイプに、来年3月末までに順次取り付ける。
線路脇に設置したマイクで走行音を収録し、通常と異なる音を検知すると司令員に通知されるシステムも開発している。
車両に使う油脂類が焦げた臭いや、車両から発生する異音を実際に体感する訓練は、2017年度から継続中。
安全が確保できない場合の列車の停止手配などを、実際に列車を走行させて行う訓練も実施している。
大阪市内で会見した来島社長は、「新幹線の安全を高めるため、努力を続ける」と強調した。
出典
『新幹線の安全向上策公表 JR西日本』
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/181115/20181115037.html
11月17日6時28分にNHK首都圏からは、薄く削られた台車の交換が進んでいるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鋼材が設計より薄く削られていた台車は、ほかにも、JR西日本が所有する列車に101台、JR東海に46台あることが分かり、交換が進められている。
このうちJR東海では、今月14日までにすべての台車の交換が終わったほか、設計上の厚さは満たしていたものの、傷が見つかった3台の台車についても、合わせて交換した。
一方、JR西日本の台車についても、年内をめどに交換作業が終わる見通しだという。
出典
『台車亀裂 JR東海は交換終了』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20181117/0021437.html
2018年3月23日22時49分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
電車の網棚から落ちたカバンが頭に当たり、頸椎捻挫などのけがを負ったとして、兵庫県の50代女性が持ち主の男性に約1400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(田川裁判長)は23日、首の痛みなどの症状と事故の因果関係を認め、約430万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は平成23年3月、JR福知山線(宝塚線)の満員電車内で重さ7~8kgのカバンを右手で網棚に載せようとした際、座席にいた女性の頭部に落下。
女性は病院などで首の捻挫と診断され、痛みが残る状態となった。
一審神戸地裁伊丹支部判決は、「網棚から直接落下したのではなく、男性が支えきれずに当たったと認めるのが自然だ」と判断し、賠償額を約330万円とした。
田川裁判長は、「網棚付近の高さから落下したことで衝撃が加わったと推認される」と認定。
慰謝料などを増額する一方で、年齢による首の痛みも影響しているとし、男性が損害額計約780万円の半額と弁護士費用を負担するのが相当とした。
出典
『電車の網棚の荷物が頭に落下で首負傷 430万円賠償命令』
http://www.sankei.com/west/news/180323/wst1803230130-n1.html
2018年3月9日21時22分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午前6時半すぎ、中部空港駅から岐阜県の新鵜沼駅に向かっていた4両編成の回送列車が、中部空港がある空港島と対岸とを結ぶ連絡橋の上で故障し、動けなくなった。
名鉄によると、列車の2両目のパンタグラフが壊れ、架線の一部も損傷しているということで、列車は停車したままの状態になった。
名鉄によると、本格的な復旧作業は9日夜にほかの路線の営業運転が終わってから開始するということで、名鉄は、空港線の中部空港駅と常滑駅の間の上下線で終日、運転を見合わせた。
名鉄ではバスによる代行輸送を行ったが、常滑駅は一時、バスを待つ人たちで混雑した。
名鉄は9日夜の復旧作業を急ぎ、10日の始発から運転再開を目指したいとしている。
また、故障した回送列車の約20分前に別の列車が同じ場所を通過した際には異常はなかったということで、故障の原因も調べている。
今回のトラブルの原因について、専門家からは、架線が海の上にあることが背景にあるのではないかという推測も出ている。
※以下はナレーションなどの情報。
架線の一部、ブラケットの半分が壊れ、電線にぶら下がっている。
よーく見ると、ブラケットを柱につなぐ碍子という部分が破断しているのがわかる。
列車は、ここから少し走ったところに停まっていた。
進行方向から2両目の屋根の上、パンタグラフが外れている。
脇には破損したパンタグラフ。
作業員が取り外したという。
【鉄道の技術に詳しい工学院大学の曽根悟特任教授の話し】
潮風を受けてブラケットの本体にサビが出る。
サビが出て力がかかれば、(碍子から)抜けやすくなる。
今までの類似の例からすると、そんなことが考えられる。
壊れたパンタグラフは2両目のものだった。
教授は、1両目のパンタグラフの通過が破断を決定づけたのではないかという。
1つ目は壊れず通過したが、2つ目が落ちかけたブラケットにぶつかれば、ひとたまりもなく今回のように壊れる。
出典
『連絡橋で列車故障 空港線がまひ』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20180309/5888071.html
3月10日9時3分に読売新聞からは、翌日も運転見合わせという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋鉄道は10日、愛知県常滑市の名鉄空港線常滑~中部国際空港駅間の運転を終日見合わせると発表した。
同区間ではバスによる代行輸送を行う。
同線は9日、中部国際空港~りんくう常滑駅間で、回送電車(4両編成)が停電のため緊急停車。
2両目のパンタグラフ1基が破損し、付近の架線なども損傷していた。
復旧作業は10日未明以降に予定していたが、強風で実施できなかったという。
出典
『復旧作業できず、名鉄空港線は一部運転見合わせ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180310-OYT1T50011.html
3月12日19時5分にNHK東海からは、下記趣旨の続報記事がネット配信されていた。
名鉄によると、架線を安定させる金具が外れたことでパンタグラフが不安定な動きとなり、パンタグラフ自体や架線を次々と壊していったという。
ただ、金具が外れた原因は現在も調査中だという。
出典
『空港線トラブル 原因は架線金具』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20180312/5969431.html
3月12日18時49分にCBCニュースからは、より詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。
なぜ架線は損傷したのか、名鉄の説明では、
「曲線引装置(ワイヤ)が破損したことにより、トロリー線が内側に移動。その状況によって、パンタグラフの2両目が上部から外れた」。
つまり、トロリー線の位置を固定するためのワイヤーが何らかの理由で切れ、このため、通常はパンタグラフの上にあるはずのトロリー線が内側へ90cmほど移動。
これにより、2両目のパンタグラフがトロリー線から外れ、上昇したパンタグラフが架線を破壊しながら進んでいったと見られるという。
調査の結果、先頭から2両目のパンタグラフ1基が脱落していたほか、およそ230mにわたって架線などが損傷していたという。
名鉄によると、切れたワイヤーは、3月1日におこなった列車内からの目視検査では異常は無かったという。
出典
『名鉄空港線2日ストップの原因は架線を支えるワイヤーの切断か』
http://hicbc.com/news/detail.asp?id=00046347
2018年3月2日18時53分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新幹線「のぞみ」の台車に破断寸前の亀裂が見つかった昨年12月以降、JR西日本が異音などを理由に山陽新幹線の運転を止めるケースが急増し、3月1日までに10件に達した。
昨年4月から亀裂発見まではわずか1件。
結果的に大きな異常は見つかっていないが、今後も安全を最優先して停止させる方針だ。
JR西によると10件は、乗客や乗務員が異音などに気付き、駅や駅間で点検して10分以上の遅延が生じたケースだった。
異常が確認できなくても、念のため、乗客が別の車両に乗り換えたこともあった。
昨年4月から亀裂が見つかるまでの期間、異音などの報告は約100件あったが、うち1件で運転を止めて点検しただけだった。
亀裂問題では、30件の異変が報告されながら列車を止めなかった点が厳しく非難された。
従来の指令のマニュアルでは、異音の場合、「ゴゴゴ」や「カコンカコン」という音がしたら停止して床下点検をすると定められている。
ただ、判断が難しい場合があり、JR西は問題発覚後、グレーゾーンだった「異常がないと確認できない場合」について、迷わず停止するよう徹底している。
出典
『新幹線 のぞみ台車トラブルで臨時停止が急増』
https://mainichi.jp/articles/20180302/k00/00e/040/310000c
本日掲載した第4報がプロバイダーの字数制限オーバーになりましたので、引き続き、新情報を第5報として掲載します。
2018年3月2日19時54分に産経新聞westから、台車枠を削ったやや詳しいいきさつなどが、下記趣旨でネット配信されていた。
「指導票」は作業現場に張り出されていたが、40人の作業員はこれを読ます、責任者も内容を理解していなかった。
一方、業界内の作業基準では、溶接部位に近い場所に限り、鋼材を最大で0.5mm削ることを認めていた。
だが、責任者は「0.5mmまでなら全体を削ることができる」と誤解。
さらに、作業員への指示で「削るのは0・5mmまで」と告げなかったため、底面が広範囲にわたり削られ、中には厚さが基準の7mmを大幅に下回る箇所もあった。
鋼材を削ったのは、「軸バネ座」という部品を接合する際、密着度を高めるためだったという。
出典
『川重の作業責任者、「思い込み」で鋼材削る指示 マニュアルで禁止も理解せず』
http://www.sankei.com/west/news/180302/wst1803020095-n1.html
3月1日付で神戸新聞から、川重は今回の不手際で経営に大きな影響が出るかもといった、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
川崎重工業の鉄道車両事業は、1世紀以上前から業界の先陣を走ってきた。
近年は、新興国を中心に高速鉄道車両を積極的に売り込んで業績拡大を図ってきた同社の看板事業だけに、今回の台車亀裂問題が海外展開に影を落とす恐れも否定できない。
今後の経営への影響が懸念される。
川重の鉄道車両は、造船技術を核に、1907(明治40)年に南海鉄道(現南海電鉄)向けの木製電動車を製造したのが起源。
他社に先駆けて電気機関車を製造し、第2次世界大戦後はディーゼル機関車を開発して旧国鉄などに納入したほか、寝台車や貨車も数多く生産してきた。
国内同様に、海外展開も積極的に図ってきた。
1980年代に進出した北米では、米ニューヨーク市交通局向けの地下鉄で累計2000両以上の納入実績を誇る。
近年は、ワシントン首都圏交通局向けの地下鉄車両も受注している。
今年1月には、ニューヨークで新たに導入される地下鉄車両の受注を勝ち取った。
最大1612両で、受注総額は約37億ドル(約4000億円)に上り、同社の鉄道車両受注案件としては過去最大規模だ。
新興国での受注増が期待されるのが高速鉄道だ。
2012年に台湾で車両を初めて納入した。
16年には、計画を進めるインドのモディ首相が川重兵庫工場(神戸市兵庫区)を訪れ、安倍晋三首相が技術力をアピール。
日本の新幹線方式を採用することで日印政府は合意し、川重は17年に同国の重電最大手と技術協力を結び、車両受注を目指している。
16年度の鉄道車両の国内生産実績では2位のシェアを誇る。
売上高は同年度で約1372億円に上り、川重の連結売上高に占める割合は約9%に当たる。
出典
『川重、看板事業に痛手 海外の車両受注に影響懸念』
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201803/0011027736.shtml
3月2日5時0分に産経新聞からは、溶接部に傷がある台車は川重製が他社製にくらべ8倍以上多いという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
こうした溶接部に傷がある台車は、JR西とJR東海の台車製造元の中で川重製に集中していることが、1日、分かった。
川重製では6.9%に上り、他社製(0.8%)の8倍以上だった。
溶接部の傷は亀裂の起点になったとされており、川重のずさんな製造管理体制が改めて浮かび上がった。
JR2社は、同型の台車について、目視できない内部の状態を確認する超音波の探傷検査を実施。
川重製の検査を終え、日立製作所など他社製の検査を継続している。
JR西によると、川重製全303台のうち、溶接部分に微細な傷があったのは22台で、7.2%に上った。
一方、他社製は、検査済みの165台中、2台(1.2%)だった。
JR東海では、川重製で傷があったのは全130台中、8台(6.1%)で、325台のうち2台(0.6%)だった他社製を大きく上回った。
JR2社の台車を合計すると、川重製では433台のうち30台(6.9%)に傷が確認されたが、他社製は現状で490台のうち4台(0.8%)にとどまっており、製造品質に大きな開きがあることが確認された。
同型の台車は、JR西に921台、JR東海に約3900台ある。
出典
『溶接部傷、川重製が突出 JR2社台車、他社製の8倍』
http://www.sankei.com/affairs/news/180302/afr1803020001-n1.html
3月10日付で毎日新聞からは、神奈川と愛知にある台車温度検知装置が事故当日の午前に温度上昇を検知していたという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
博多で折り返す前の下り運行の際、神奈川~愛知県の約200kmを走行する間に台車の温度が約10℃上昇し、他の台車より約15℃高い40℃近くに達していたことが分かった。
異臭や異音として表面化する約4時間半前には、台車で異常が進行していたことになる。
JR東海によると、昨年12月11日午前9時前後に、神奈川県小田原市と愛知県豊橋市に設置した赤外線センサー「台車温度検知装置」で、モーター回転を車輪に伝える「継ぎ手」の温度上昇を記録していた。
基準値内だったため警報は出ず、亀裂発覚後の調査で判明した。
数値は公表していない。
毎日新聞が入手した内部資料によると、小田原で同じ列車の他の台車より突出して高い約30℃を記録。
豊橋では、さらに差が開いて40℃近くに達した。
この後、博多までの約800kmにセンサーはなく、温度変化は把握できていない。
亀裂で台車枠がゆがみ、変形した継ぎ手が高速回転して熱が発生したと考えられている。
出典
『のぞみ台車トラブル 亀裂問題 走行中、10度上昇 神奈川-愛知の200キロで』
https://mainichi.jp/articles/20180310/dde/041/040/013000c
3月8日付で毎日新聞からは、JR東海は台車温度検知装置を増設するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は7日、異常を早期発見するため現在沿線2カ所にある赤外線センサー「台車温度検知装置」を2019年度中に増設すると発表した。
検知装置は15年、東海道新幹線の神奈川県小田原市の酒匂(さかわ)川と愛知県豊橋市の豊川の鉄橋に設置された。
増設は東海道新幹線が対象だが、場所や数は未定。
柘植社長は、山陽新幹線についても「JR西日本と連携し、取り付けていきたい」と言及した。
また、今年6月から新幹線の運行を管理する東京、大阪の両指令所に専門の車両技術者を常時配置し、走行中の車両の状態などを確認できる端末も新設する。
4月には、約1500人の乗務員に対し、異常発生時の臭いや音などを体感する訓練も始めるという。
出典
『のぞみ台車トラブル 亀裂問題 台車センサー増設 19年度 JR東海、早期発見へ』
https://mainichi.jp/articles/20180308/ddm/041/040/063000c
2018年1月4日に掲載した第3報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第4報修正4として掲載します。
第3報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7916/
(2018年3月10日 修正4 ;追記)
2018年2月24日5時55分に神戸新聞から、新幹線台車の設計基準などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新幹線の台車は、目視で確認できる傷ができてから破断するまでに約16万km走行できる設計になっている。
亀裂発覚の昨年12月11日から、この走行距離をさかのぼると10月上旬ごろで、この間、11月に電気配線などを点検する「交番検査」と、12月11日運行前の「仕業検査」があった。
発覚時に亀裂は破断まで残り約3cmだったことから、保守作業に詳しい鉄道関係者は、「検査時点で、傷は相当の大きさになっているはず。見逃すとは考えにくい」とする。
両検査から亀裂発覚までの走行距離は、それぞれ約2万7000kmと約2500kmで、いずれも設計基準の約16万kmに達していない。
鉄道関係者は、「当日の運行中にできた亀裂が急速に進行したのでは」とも指摘する。
出典
『のぞみ台車亀裂は強度不足 製造段階で溶接不備か』
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/0011013132.shtml
2月27日15時9分に神戸新聞から、亀裂断面の模様から亀裂は急速に進行したと考えられるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台車は川崎重工業が2007年に製造。
同時期に製造されたのは計160台あり、うち10数台で同様の作業をしたとみられる。
亀裂の断面にできたスジ模様の間隔は、亀裂が進行するのにかかった時間を示すとされる。
徐々に圧力がかかって亀裂が進んだ場合は模様の間隔は狭く、数も多くなるが、今回のケースでは間隔が広く、数も少なかった。
さらに、亀裂の断面に酸化や汚れがないことからも、亀裂が新しく、急速に進行したと考えられるという。
国交省が定めた台車枠の検査マニュアルでは、台車枠の亀裂は「急激には進展しないことが明らか」としており、今回の台車も、目視できる傷があっても約16万kmの走行が可能なように設計されている。
また、同マニュアルは「亀裂を小さいうちに発見して処置できれば、脱線などの重大事故が防止できる」としている。
亀裂発覚の当日朝に行った点検で傷は確認されておらず、今回のケースが極めて異例であることがうかがえる。
出典
『のぞみ台車亀裂 強度不足、ほかにも数十台』
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/0011022703.shtml
2月28日22時43分に毎日新聞からは、台車枠に部材を溶接で取り付ける際に台車枠を削ってしまったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、過去記事ともどもタイトルも修正した)
メーカーの川崎重工業は28日、台車枠の製造過程で底部を不正に削り、鋼材の板厚が最も薄い箇所で基準の7mmを下回る4.7mmとなり、溶接不良もあったと発表した。
いずれも、亀裂の原因になったとみられる。
基準を下回る台車は、JR西日本と東海で他に計146台。
JR西は100台(1両に2台)あり、超音波検査の結果、強度に問題はないとし、運行を続けながら順次交換する。
JR東海の46台も安全性を確認しており、年内に交換する。
他のJR3社では該当がなかった。
川崎重工やJR西によると、2007年、兵庫工場(神戸市)でコの字形鋼材同士を合わせてロの字形の台車枠に溶接した際、コの字鋼材の曲げ方が不足し、底部が平面にならなかった。
「軸バネ座」と呼ばれる部品を溶接で取り付ける必要があり、本来の作業手順にない削る対応で平面にし、板厚が基準を大幅に下回った。
さらに溶接の際、底部2カ所の鋼材内部を傷付けるミスも加わった。
台車枠の鋼材は、製造の際、削る加工を原則禁じる決まりがあるが、同工場の班長が従業員約40人に徹底させなかった。
従業員は軸バネ座をしっかり取り付けようと削ってしまい、そのまま出荷したという。
台車枠は、運行を続けるうち、溶接不良で傷付いた2カ所を起点に金属疲労が進み亀裂が広がった。
起点は亀裂発覚の相当前に生じたとみられるが、その後は一気に広がったとみられる。
亀裂が生じた台車以外にも、基準以下の100台の台車で7mm未満に削り込まれていた箇所が見つかり、最も薄いもので4mmだった。
JR東海も46台のうち、6.5mm未満の箇所が確認された16台は優先して3月中に交換する。
出典
『のぞみ亀裂 川崎重工、台車146台交換へ JR西・東海』
https://mainichi.jp/articles/20180301/k00/00m/040/115000c
3月1日16時40分に毎日新聞からは、現場には製造時の注意事項などを記した「作業指導票」が張り出されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
川崎重工業が台車枠の底部を不正に削った2007年当時、現場の兵庫工場(神戸市)に台車枠の削り込みを禁止する社内規定が文書で張り出されていたことが分かった。
しかし、現場では、溶接部の最小限の削りを許容した別の規定を誤って適用。
ずさんな製造工程や品質管理体制で、欠陥製品が出荷されていた。
問題となった台車枠は、設計上、鋼材の板厚8mm、加工後は7mmと決められている。
しかし、川重が鋼材と部品を溶接する過程で、最も薄い箇所は4.7mmまで削られ、強度不足で亀裂が早く進んだと考えられている。
川重によると、製造時の注意事項などを記した「作業指導票」は、台車枠の鋼材を削ってはいけないと規定していた。
指導票は作業現場の掲示板に張り出され、担当の作業員約40人全員が見られる状態だった。
一方、台車枠以外の鋼材も含めた一般的な「組立溶接作業基準」で、溶接部付近は0.5mmまで削ることが許容され、作業員を統括する班長が拡大解釈して削り込みを指示。
さらに作業員がこの制限を超えて削り、最も薄い箇所で4.7mmにまで加工したことも班長は把握していなかった。
当時の作業員は底部に部品を溶接しようと削り込んでおり、規定に反しているとの認識はなかったという。
同社は、「部品をきっちり付けることと、削ってはいけない規定のどちらが重要か、作業員は分からなかった」と説明している。
さらに班長は完成した台車枠の確認をしておらず、作業の指示規定を作った生産技術部門も完成品の確認をしなかった。
JR西日本は、定期的に車両を解体して行う「台車検査」や「全般検査」で、磁気を利用する検査法で傷やひび割れがないか調べている。
ただ、台車枠の検査箇所は荷重が特に集中する8カ所に絞られ、今回の亀裂部位は対象外だった。
出典
『のぞみ亀裂 現場に「削り禁止」張り紙 川重兵庫工場』
https://mainichi.jp/articles/20180301/k00/00e/040/298000c
『のぞみ台車トラブル 亀裂問題 川重、発覚まで10年 作業手順現場任せ』
https://mainichi.jp/articles/20180301/ddm/002/040/108000c
2018年3月4日17時20分にNHK新潟から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月1日の夕方、南魚沼市にある上越新幹線の浦佐駅構内の送電設備から火が出て、上越新幹線は越後湯沢駅と長岡駅の区間で2時間近くにわたって運転を見合わせた。
JR東日本が現場を調べたところ、雪をとかすために送電設備に取り付けているヒーターの燃え方が激しかったということで、JRはヒーターが何らかの原因で発火したとみている。
このヒーターはゴム製のマットに電熱線を埋め込んだもので、長さ4m、幅40cm、厚さは2cm程度ある。
JRは、現場近くにある変電所から新幹線に電気を送る架線を支えるため、線路の周辺に複数の鉄柱を設置しているが、鉄柱に積もった雪が架線に落下して衝撃を与えないよう、鉄柱にヒーターを取り付けていた。
ヒーターは気温が下がると自動的に作動し、表面温度が20℃になるまで温まる仕組みになっている。
JRによると、国内の新幹線の路線で雪をとかすヒーターを設置しているのは上越新幹線の2か所だけで、平成18年に運用を始めてから、これまでに発火などのトラブルはなかったという。
JR東日本は、「当時、現場付近では強い風が吹いており、飛来物によって衝撃が加わった可能性も含めて、出火の詳しい原因を調査する」と話している。
出典
『鉄柱の雪とかすヒーターが火元か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20180304/1030002380.html
3月4日20時29分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社によると、ヒーターは線路上をまたぐ鉄製の梁に設置されていた。
出典
『上越新幹線の設備火災、融雪用ヒーターが火元か』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180304-OYT1T50116.html
3月4日18時31分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2006年の運用開始以来、火災発生の報告はなく、今年2月14日に目視で点検した際も異常はなかった。
火災は1日午後5時40分ごろ、浦佐駅から約1.5km地点で発生。
越後湯沢~長岡の上下線で一時運転を見合わせ、上下計16本に最大約140分の遅れが出た。
出典
『融雪ヒーターから出火か 上越新幹線、新潟・南魚沼の架線設備火災』
http://www.sankei.com/affairs/news/180304/afr1803040027-n1.html
2018年2月27日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全国で生息範囲を広げているシカと列車との衝突事故を防ごうと、鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)はシカの習性を利用し、仲間に危険を知らせる鳴き声とシカが嫌う犬の鳴き声を組み合わせた「忌避音」を作った。
列車からシカを遠ざける効果があり、試験では目撃回数が約45%減ったという。
実証実験を経て、来年度の実用化を目指す。
鉄道総研によると、シカは仲間とのコミュニケーションで13種類の鳴き声を使い分け、仲間に危険を知らせる場合は「ピヤッ」という甲高く短い声を出す。
試しに聞かせたところ、周囲を警戒して一斉に鳴き声の方向に顔を向けたという。
しかし、その場からは逃げないため、「ピヤッ」という3秒間の音の後に、シカが嫌う犬の「キャンキャン」という鳴き声を20秒間つなげて忌避音を作った。
JR北海道の協力で2016年1~2月に列車のスピーカーから忌避音を鳴らし続けたり、鳴らさなかったりしながら計約1760kmの区間を走行する実験をした。
100km当たりに換算すると、鳴らさない場合のシカの目撃回数は13.6回だったのに対し、鳴らした場合は7.5回だった。
鳴らすと約45%、目撃回数が減ったことになる。
また、忌避音を聞いた約200m先のシカの群れが遠ざかる様子も確認されたという。
環境省などによると、山間部の過疎化などが原因で、シカは14年度までの36年間で、北海道、東北、北陸地方を中心に生息域を約2.5倍に拡大。
個体数も15年度は推計で304万頭に上り、10年間で倍増している。
シカと列車との接触事故も頻繁にあり、JR北海道によると、北海道では16年度だけで1777件起きている。
事故があると、安全確認をするためにダイヤに遅れが生じたり、車両が損傷したりする。
JR各社は侵入防止柵を設置したり、シカの嫌いなにおいのする忌避剤を使ったりしているが、効果は限定的だった。
鉄道総研の担当者は、「研究を重ね、接触事故を減らして安定輸送につなげたい」と話している。
出典
『シカ鳴き声合成で退散 鉄道総研「忌避音」 列車衝突を防止』
https://mainichi.jp/articles/20180227/dde/001/040/058000c
(ブログ者コメント)
シカなどの衝突防止策としては、今年2月、近鉄の「シカ踏切り」を本ブログで紹介している。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。