







2018年9月25日0時8分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午後4時55分ごろ、札幌市白石区のJR函館線苗穂~白石間で、橋りょうの下から煙が出ているのを札幌発新千歳空港行き快速エアポートの運転士が発見し、緊急停止させた。
乗客や車両、線路への被害はなかったが、快速エアポート21本を含む函館線や千歳線などの計62本が運休し、約1万4000人に影響が出た。
JR北海道などによると、現場付近では同日午前中に枕木を固定するボルトを焼き切る作業をしていた。
橋りょうの下で雑草や木材が燃えていたといい、警察などが出火原因を調べている。
出典
『JR函館線 橋りょうの下から煙 千歳線含む62本運休』
https://mainichi.jp/articles/20180925/k00/00m/040/119000c
2018年9月16日付でサンテレビから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日夜7時すぎ、神戸市灘区中原通の阪急神戸線の王子公園駅と六甲駅の間にある踏切で、神戸市灘区に住む無職の向井さん(男性、73歳)が普通電車にはねられ、病院に搬送されたが、まもなく死亡が確認された。
警察によると、向井さんは電動車いすに乗り、南から北に渡っている途中で、近くにいた人が非常ボタンを押したものの、間に合わなかったという。
また、「遮断機が下りた踏切内で、車いすの前に立っている男性がいて、頑張って動いて出ようとしていた」という目撃情報があるほか、電車の運転士は、「車いすらしき物影があり、非常ブレーキをかけたが、間に合わなかった」と話しているという。
警察は、向井さんが電動車いすで踏切を横断していた際に、何らかの事情で立ち往生したとみて、詳しい状況を調べている。
出典
『車いすの男性が電車にはねられ死亡 阪急神戸線』
https://www.youtube.com/watch?v=EoeFHjyhNXM
9月18日6時30分に神戸新聞からは、踏切内の起伏にタイヤが引っ掛かったらしいという下記趣旨の記事が、当該踏切の写真付きでネット配信されていた。
踏切内に起伏があり、車いすが立ち往生した可能性が高いことが17日、警察への取材で分かった。
警察によると、「男性が車いすから立ち上がって、北へ向かおうとしているように見えた」との目撃情報があり、踏切内の起伏がある部分に車いすのタイヤが引っ掛かるなどした可能性があるという。
近隣住民によると、この踏切は、車いすやシルバーカーを押す住民らが通行に苦労する光景がよく見られたという。
現場近くに住む自営業の女性(82)は、「踏切内の凹んだ部分にタイヤが引っ掛かり、強く押したり持ち上げたりして通る人が多い。電車もスピードが出るし、普段から危ないと思っていた」と話す。
阪急電鉄によると、現場の踏切には、主に身動きできなくなった車などを赤外線で感知する「障害物検知装置」があったが、作動しなかった可能性が高い。
同装置は、高さ約80cm以上の障害物にしか反応せず、車いすや人では作動しない場合があるという。
踏切の非常停止ボタンも押されていたが、間に合わなかった。
出典
『踏切内に起伏 死亡の男性、立ち往生か 神戸・灘』
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201809/0011649975.shtml
(ブログ者コメント)
近所の人はヒヤリ情報を持っていたということだが、そういった情報を鉄道会社が吸い上げる仕組みはあるのだろうか?
たまに「〇〇の際は××に連絡ください」と書かれているプレートを目にすることがあるが、そういった形で危険情報を収集するのも、一つの方法のような気がする。
2018年9月11日11時43分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日、大分県内のJR日豊線の一部区間が、停電により最大10時間半にわたって運転見合わせになった交通障害について、JR九州は、架線に鉄道施設とは関係のない金属製のワイヤーが引っかかっていたことを明らかにした。
JRでは、このワイヤーで特急列車のパンタグラフが壊れて架線を傷つけたことで、停電が発生した可能性が高いと見ている。
JR日豊線は、10日午前7時20分ごろ、大分県の中津駅と宇佐駅の間の上り線で停電が発生した影響で、中津駅と杵築駅の間の上下線が最大で10時間半、運転を見合わせた。
JR九州によると、この影響で、特急と普通列車合わせて81本が運休するなどして、およそ1万6200人に影響が出たという。
これまでのJR九州の調べでは、停電が起きた時に、宇佐市内を走行していた上りの特急列車「ソニック6号」の3つのパンタグラフが、すべて壊れていたという。
さらに、この特急列車が通過したおよそ900m手前の架線が切れていたという。
また、これより手前の区間で、架線に鉄道の施設とは関係のない金属製のワイヤー1本が引っかかっているのが見つかった。
このためJR九州では、特急列車のパンタグラフがこのワイヤーに接触して破損し、そのままの状態で走行したことで架線を傷つけ、停電が発生した可能性が高いとみている。
JR九州は、ワイヤーがひっかかっていた原因について調べることにしている。
出典
『日豊線ワイヤー引っかかり停電か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20180911/5070001887.html
9月12日3時1分に大分合同新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は11日、停電の原因になったとみられるワイヤの提供をJR九州から受け、所有者は誰なのか調査を始めた。
何らかの法律違反に当たる可能性も含め、詳しく調べる。
警察やJR九州によると、ワイヤは鉄製で、長さ約1.5m、太さ約1cm。
西屋敷(宇佐市)~立石(杵築市)間の架線に引っ掛かっていた。
同社の所有物ではないという。
付近の線路は国道10号が並走。
線路と国道は10数メートル離れ、道路が線路より約10m高い位置にある。
警察は、ワイヤがなぜ引っ掛かっていたのか、ワイヤが停電の原因になったのかも調べる。
停電は10日午前7時20分ごろ発生。
上り特急列車の車掌が異常音に気付き、宇佐市長洲で緊急停車した。
車両の約1km後方の同市西大堀付近で架線が切れていた。
列車81本が運休し、1万6000人以上に影響が出た。
同社の調査では、ワイヤが見つかった場所から架線の切断箇所までは約11km。
特急のパンタグラフがワイヤに接触して破損し、架線を傷付けたとみている。
出典
『日豊線の停電トラブル ワイヤ所有者調査へ 杵築日出署』
http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/09/12/JD0057306498
9月12日12時24分にNHK大分からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察やJRによると、ワイヤーは長さが1.5m、重さがおよそ1kgで、鉄道とは関係がなく、クレーンで物をつるす際に使われるものに似ているという。
警察は、ワイヤーが架線に引っかかっていたいきさつを知るためにはワイヤーの所有者を割り出す必要があるとして、製造元や販売先からたどるなどして所有者を調べている。
出典
『停電の原因かワイヤー所有者調査』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20180912/5070001894.html
(ブログ者コメント)
国道を走っていたトラックなどから落ちたワイヤーの可能性も考えられる。
2018年9月10日付で東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後3時半ごろ、東京都江戸川区臨海町6のJR京葉線新木場~葛西臨海公園間の下り線の鉄橋上で、線路付近から煙が出ているのを乗務員が見つけた。
いったん消火したが、その後に火花が確認されたため、東京~南船橋間、西船橋~市川塩浜間の上下線で、終日、運転を見合わせた。
JR東日本千葉支社によると、10日の始発からは通常通り運行しているが、日曜日に沿線にある東京ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)などを訪れた人たちがJR京葉線舞浜駅で足止めされるなどし、約12万4000人に影響があった。
同社は、上り線に問題はなかったことから、9日深夜から10日未明、舞浜駅や新木場駅などから東京駅に向かう電車4本を臨時で運行し、利用客らを輸送するなど対応。
東京駅では停車中の新幹線を開放し、約180人が車内で一夜を過ごした。
同社によると、線路に流れる電流が鉄橋に伝わらないように遮るための絶縁体が燃えていた。
何らかの原因でショートが起こり、線路の下の絶縁体に引火したとみられる。
消火後の復旧作業のため、線路上を流れる電気を停止しようとしたが、止めることができず、断続的に火花が出たという。
けが人はいなかった。
【「早く帰りたい」 舞浜駅に長い列】
東京ディズニーリゾート(TDR)の最寄りのJR京葉線舞浜駅では、9日夜、TDR帰りのグループや家族連れが、駅前の路線バスやタクシー乗り場に長い列をつくった。
東京メトロ浦安駅行きのバスを待っていた高松市の主婦(48)は、「そのうち電車が動くと思ってレストランで食事をしていたけれど、動かないまま。午後9時ごろから2時間近く並んでいる。習志野市のホテルに戻りたいのに、終電に間に合うか不安」と疲れた様子。
タクシー乗り場に並んで3時間以上という東京都江東区の男性会社員(25)は、「明日は仕事だから早く帰りたい」とこぼしていた。
列に並ぶのをあきらめ、家族に車での迎えを頼む人や、徒歩で宿泊先や別の駅を目指す人も目立った。
神奈川県小田原市の看護師女性(53)は、「終電に間に合わないので、長男に車で迎えに来てもらう」。
舞浜駅近くを歩いていた長野市の女性会社員(26)は、「途中でタクシーに乗れるといいんだけれど、潮見(江東区)のホテルまで一時間半ぐらい歩くことになるかも」と困惑していた。
出典
『京葉線で煙、運転見合わせ TDR客ら12万人影響』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201809/CK2018091002000058.html
9月10日11時59分にテレ朝ニュースからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本によると、線路に流れる電流が何らかの原因で鉄橋にも伝わり、ゴム製の絶縁体に引火して煙が発生した。
電流が漏れる状態がその後も続き、繰り返し、同じ場所から煙が上がって、おさまらなかったという。
出典
『同じ線路から何度も発煙…12万人超に影響 JR京葉線』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000135870.html
2018年9月4日20時22分に朝日新聞から下記趣旨の記事が、装備一式の写真付きでネット配信されていた。
JR東日本は4日、新幹線車内のセキュリティー向上策として、車掌らが使うために車内に積み込む防護盾や防刃服(ベスト、手袋)を公開した。
今年6月に東海道新幹線「のぞみ」車内で起きた乗客殺傷事件を受けたもので、運転台や車掌室など、1編成あたり3カ所に配備する。
これとは別に、車掌ら乗務員はフラッシュライトと催涙スプレーを携帯する。
新幹線駅や在来線主要駅には、さすまたや防刃服を配備する。
血圧計や止血用具などの医療器具とともに、年内には配備を済ませる予定という。
防護盾はポリカーボネート樹脂製で、狭い車内でも使えるサイズに設計し、中型(縦80cm、横50cm)と小型(縦50cm、横30cm)の2種類を用意。
長さ1.3mの警戒杖は、不審者との距離を保つために使う。
JR東海やJR西日本も、東海道・山陽新幹線に、同様の護身用具や医療器具を搭載する方針だ。
出典
『新幹線に盾や防刃服配備へ JR東、乗客殺傷事件で対策』
https://www.asahi.com/articles/ASL945QJRL94UTIL02W.html
9月4日18時54分にTBS NEWSからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東海道新幹線の車内で乗客が襲われ3人が死傷した事件を受け、JR東日本は、新幹線の車内に防護用具を配備すると発表した。
JR東日本では、乗務員や警備員が新幹線の車内で不審者に対応することを想定し、防護用の盾や防刃ベストなどを年内に配備する。
東海道新幹線の事件では、車掌が座席シートを外して身を守ったが、JR東日本の新幹線はシートが取り外しにくいことから、一部を外しやすい構造に変えるという。
出典
『JR東日本、新幹線車内に防護用具を配備へ』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3464027.html
(ブログ者コメント)
今年7月には、JR東海が護身用品を新幹線車内に常備するという情報を本ブログで紹介している。
2018年5月16日に掲載した第2報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正3として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8336/
(2018年9月5日 修正3 ;追記)
2018年8月29日18時58分にNHK東北から、東日本大震災後に側溝の沈下が確認されたものの対策が取られなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日、市の事故調査委員会が開かれた。
会合では側溝の沈下の原因について話し合われ、東日本大震災のあと、今回事故のあった辺りを調査したところ、側溝の沈下が確認されたものの、対策をとっていなかったことが報告された。
また、線路の下に設けられている排水路の入り口に騒音対策としてマットを敷いていたため、雨水が排水されず、側溝の下にしみ込み、盛り土が浸食されたことも沈下の原因と考えられるという。
さらに今回の調査で、火が出た場所以外の2か所でも側溝の沈下が確認されたという。
調査委員会は、こうした内容を盛り込んだ報告書を10月中にまとめたいとしている。
出典
『側溝の沈下を把握も対策せず』
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20180829/0002568.html
2018年8月24日16時41分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がイメージ図付きでネット配信されていた。
JR西日本が新幹線のトンネル内に、通常業務では線路内に立ち入らない車両検査の社員を座らせ、最高時速300kmを間近で体感させる研修をしていることが、同社や関係者への取材で判明した。
同社は、ボルト締め付けの確認などの重要性を学んでもらう目的だと説明するが、労働組合や専門家には、効果を疑問視する声がある。
【社員「怖かった」】
JR西によると、トンネル内には上りと下りの線路の間に、幅約1m、深さ約1mの中央通路がある。
研修は、通路に数人がうずくまり、頭上の間近を通過する新幹線2~3本の風圧を体感する。
2015年に福岡県のトンネル内であった部品落下事故を受けて、車両検査を担う博多総合車両所と同広島支所が16年2月に始めた。
今年7月末現在、小倉~博多間と広島~新岩国間で計24回実施し、車両検査の担当者約190人が体感した。
50代のベテラン男性社員によると、研修は「300km/h近接体感研修」と呼ばれる。
怖いと聞いていたため、上司に「行きたくない」と申し出たが、「順番なので」と認められなかった。
当日は2班に分かれて順にトンネルに入り、ヘルメットと防護眼鏡を着けて通路内に座り、新幹線が近づくと頭を下げた。
男性社員は上下3本をやり過ごしたが「風圧がものすごく、ドンと押さえつけられるようで怖かった。研修に何の意味があるのか」と言う。
グループごとに議論し、感想を書いて研修は終了。
別の日に研修を受けた同僚も「怖い」と話していたという。
研修のきっかけとなった事故は、15年8月8日に発生。
国の運輸安全委員会の報告書によると、新幹線2両目下部のアルミ合金製の板(幅71cm、高さ62.5cm)が落下して側壁や車体側面に当たり、衝撃で3両目の乗客が負傷した。
ボルトの締め付けが不十分だった可能性が高く、検査時の確認不徹底も一因とされた。
男性社員は、「ボルトが緩かったらどうなるか、トンネル内で速度を体感せずとも理解できる。社員を危険にさらすのは問題だ」と訴え、別の社員も「見せしめのようだ」と憤る。
JR西日本労働組合(JR西労、組合員約700人)は昨年5月以降、中止を申し入れているが、会社は応じていない。
同様の研修は、JR東海が15年度まで約5年間、一部社員を対象に実施していた。
JR西は、「中央通路での待機は、線路内に通常業務で立ち入る機会のある社員は経験している。車両関係の社員にも経験する機会を与え、作業の重要性を学んでもらうことが目的。安全には十分配慮している」と説明する。
【方法として問題】
中村隆宏・関西大教授(ヒューマンエラー論)の話
労災防止のため、疑似的に危険を体感させる安全教育は一般にあるが、トンネル内はリスクがゼロでなく、研修方法として問題がある。
インパクトがある経験で人間は変わるという前提かもしれないが、そんなに簡単にヒューマンエラーはなくならない。
トンネル内で体感することと検査の重要性を実感することは、ステップが離れすぎている。
間を埋める教育がないと意味がない。
出典
『JR西 新幹線300キロ体感 トンネル内で座らせ研修』
https://mainichi.jp/articles/20180824/k00/00e/040/305000c
8月25日付で東京新聞からは識者のコメントが、下記趣旨でネット配信されていた。
<甲南大の熊沢誠名誉教授(労使関係論)の話>
走行中の新幹線を間近で体感させるという研修は労務管理の良識に反しており、研修の域を超えている。
社員に恐怖感や閉塞感を与えるもので、ハラスメントに近く、今すぐやめるべきだ。
列車の整備について学ぶためなら、列車が停止した状態の方が適切であり、走行中の列車であるべき技術的な合理性はない。
出典
『JR西、時速300キロ風圧研修 新幹線トンネル内 至近距離』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201808/CK2018082502000163.html
(ブログ者コメント)
〇この研修方法については賛否分かれるところかもしれないが、座学でいくら部品取り付けの重要性を教えても、そこには限界があるのではないかとブログ者は感じている。
というのは、一般論として、教育を受けて頭では理解しても、どこかに他人事という気が潜んでいる・・・そんな気がしているからだ。
しばしば聞くのは、過去に事故を起こした人は、その危険性を肌で感じているので、二度と同じ事故は起こさない、ということ。
そういう観点から考えると、頭上を新幹線が通る際の恐怖感が頭に残り、車両検査時の確実な作業につながる・・・そのような考え方もあってしかるべしだと考える。
ただ、気になるのは、JR西が「安全には十分配慮している」という、その内容、ならびにJR東海が同じような研修を行い、その後は止めているという経緯だ。
そのあたりも、毎日新聞には取材してほしかった。
その内容次第では、ブログ者の考えも変わるかもしれない。
〇2015年の事例は下記参照。
『2015年8月8日 福岡県のトンネルで山陽新幹線のカバーが脱落し架線接触で緊急停止、カバー衝突で乗客軽傷、カバーのボルトは走行試験担当者が素手で締めただけだった』
(第1報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5124/
(第2報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6078/
2018年8月24日9時18分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鳥取と京都を結ぶ特急「スーパーはくと」で座席の足置きを手で操作した際に指を挟まれ、切断するけがを負った60歳代の女性が、運行する智頭急行(鳥取県智頭町)とJR西日本(大阪市)に対し、計約4200万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。
23日にあった第1回口頭弁論で、2社は争う姿勢を示した。
訴状によると、女性は2014年11月、JR大阪駅から乗車。
足置きの高さを調節しようとしたがうまくいかず、左手で操作した際、金具に中指が挟まれ、第一関節付近で切断した。
女性側は、「足置きに不具合があったのに、それを発見し、改善する義務を怠った」などと主張している。
スーパーはくとは智頭急行の車両で、JR西の路線に乗り入れている。
智頭急行は女性に約285万円の支払いを提案し、足置きは指が挟まりにくいよう改善。
JR西は治療費など約640万円を支払っている。
出典
『特急足置きで手の指挟まれ切断…乗客が損賠提訴』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180824-OYT1T50019.html
(ブログ者コメント)
以下は、ウイキペディアに掲載されている鉄道車両の足置き。
ブログ者も何回か使ったことがあるが、足で操作したため、危険性を感じたことはなかった。
しかし、いざ、挟まれ事故があったという情報に接すると、たしかに2か所ほど挟まれ危険個所があるようだ。
ただ、手で操作することまでを想定しての器具とは思えないような気もする。
2018年7月28日付で東京新聞夕刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は8月1日から、駅のホームにある発車ベルを押して流れるメロディーが駆け込み乗車を助長している可能性があるとして、ベルを使わず、車両に設置された車外向けのスピーカーでドアの開閉を知らせる実証実験を始める。
常磐線各駅停車の亀有(東京都葛飾区)~取手(茨城県取手市)間が実験対象で、駆け込み乗車を減らす有効性が確認されれば、拡大していく考えだ。
駆け込み乗車への対応で列車が遅れるケースは日常的で、死亡事故も発生。
同社は、大音量のメロディーがホームから離れた改札口付近でも聞こえてしまうことが駆け込みを誘発しているとみて、実験を決めた。
スピーカーからの音声が聞こえる範囲は、ホーム上にとどまるという。
ホームのベルを使わない方法が広がれば、蒲田駅(東京都大田区)の「蒲田行進曲」や高田馬場駅(新宿区)の「鉄腕アトム」など、一般的なメロディーの代わりに使われている「ご当地メロディー」が消える可能性もあるが、JR東は「検討段階で、決まっていない」としている。
JR東によると、実験では、乗務員室の「乗降案内スイッチ」を操作して、ホームに向け発車を知らせる音と「扉が閉まります。駆け込み乗車はおやめください」との自動音声を流す。
従来は、乗務員がホームに降り、ベルを押していた。
常磐線各駅停車に乗り入れる東京メトロや小田急電鉄の車両も、同様の取り組みをする。
出典
『発車ベルやめます JR常磐線が来月から実験』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018072802000248.html
8月1日11時30分にFNN PRIMEからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
【8月1日からJR常磐線で実証実験がスタート】
JR東日本は8月1日から、駅のホームにある「発車ベル」を押して流れる「発車メロディー」が駆け込み乗車を助長している可能性があるとして、常磐線の一部区間で、「発車ベル」を使わずに、車両に設置された車外向けスピーカーからドアの開閉を知らせる実証実験を始める。
実験の対象は、常磐線各駅停車の「亀有~取手」間。
検証結果を踏まえて、拡大を検討するという。
「発車ベル」と「発車メロディー」の違いもいまいち分かりづらいが、今回の実証実験によって、どのような効果が期待できるのか?
JR東日本・東京支社の広報担当者に聞いた。
【「発車メロディー」が聞こえる範囲を狭める】
Q あらためて、「発車ベル」を使わない実証実験をやることにした理由は?
A 従来の発車メロディーは、駅のホームにある「発車ベル」を押して、ホームに設置されたスピーカーから「発車メロディー」を流しているので、音量が大きく、広範囲に聞こえるため、駆け込み乗車を助長している可能性があります。
そのため、ホームに設置されたスピーカーから発車メロディーを流すのをやめ、代わりに、電車の車両に設置された車外スピーカーから発車メロディーを流します。
発車メロディーの聞こえる範囲を狭めることで、駆け込み乗車を減らすことができるかどうかを検証します。
国交省のデータによれば、10分未満の電車の遅れにあたる小規模な遅延が起きる原因は、「乗車時間超過」、次いで「ドア再開閉」が約6割を占める。(「電車が毎日遅れるのはナゼ?」)
こうしたことからも、駆け込み乗車を減らすことが電車のスムーズな運行につながることはうなずける。
【混同しがちだが「発車ベル」と「発車メロディー」は別の
もの】
Q 「発車ベル」を押すのをやめるだけで、発車メロディーは流すということ?
A はい。車両の車外スピーカーから発車メロディーを流します。
Q 「発車ベル」と「発車メロディー」は同じものと捉えて
いたが?
A 違います。
「発車ベル」は、駅のホームにある「発車メロディー」を流すスイッチのことです。
Q 車外スピーカーから発車メロディーを流す場合、スイッチはどこにあるの?
A 車両内にあります。
Q 実証実験の対象を常磐線各駅停車の「亀有~取手」間にした理由は?
A 他の路線では駅独自の発車メロディーがあるため、自治体などの調整が必要なのですが、常磐線各駅停車には駅独自の発車メロディーがないことから、今回選定しました。
Q 実証実験は8月1日から始めて、どのぐらいの期間やる予定?
A 現時点では決まっていません。
確かに、発車メロディーが聞こえると急いでしまう心理はわかる。
聞こえる範囲を狭めるという今回の試みが電車の遅れによる乗客のイライラを解消できるのか、結果を待ちたい。
出典
『駆け込み乗車防止で「発車ベル」をやめる?JR東日本に意図を聞いた』
https://www.fnn.jp/posts/00344300HDK
2018年7月21日付で中日新聞静岡版から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
静岡市葵区のJR東海道線東静岡駅で19日、中学3年の男子生徒(14)が列車とホームの間に挟まれ死亡した事故で、男子生徒が歩行中にスマートフォンに気を取られ、ホームから転落していたことが、警察関係者への取材で分かった。
警察関係者によると、ホームの防犯カメラに、男子生徒が下を向き、手にしたスマホを見ながら歩く様子が写っていた。
複数の同級生と下校していたが、エスカレーターからホームに降りた後、一人だけ線路側に向かって斜めに歩行。
そのままホームから左足を踏み外し、後ろから入線してきた列車と接触し、ホームとの間に挟まれたという。
JR東海静岡広報室によると、「歩きスマホ」の危険性を訴えるため、県内の主な駅に啓発ポスターを貼り付けているほか、ホームのアナウンスで歩行中のスマホの使用を控えるように呼び掛けている。
担当者は、「転落事故や利用客同士の衝突を防ぐため、歩きスマホは控えてほしい」と話している。
◇
男子生徒が命を落としたのは、歩行中にスマートフォンの画面を見る「歩きスマホ」が原因だった。
スマホを含む携帯電話使用時の線路上の転落事故は増加傾向にあり、専門家は、「視界が著しく狭まり、気付かずに蛇行して歩いてしまう人もいる。事故に遭う可能性は非常に高い」と警鐘を鳴らす。
国交省が鉄道会社の報告をまとめた統計によると、携帯電話使用時に線路上に転落した人は、2010年度には10人だったが、15年度に42人、16年度に24人に達した。
県警鉄道警察隊によると、今回の事故を除けば、県内でこれまでに歩きスマホが原因の人身事故は確認されていない。
しかし、八木副隊長は、「歩きスマホで線路に転落しても、自力でホームに上がる人もいる。けがや人身事故がなければ計上されず、他に転落者はいる可能性もある」と話す。
過去には、主に首都圏で大事故につながったケースもある。
13年5月、東京都新宿区のJR四ツ谷駅ホームで、携帯電話を操作しながら歩いていた小学5年の男児が線路上に転落し、重傷を負った。
10月には東京都板橋区で、携帯電話を見ながら歩いていた男性が誤って踏切内に進入。列車にはねられ死亡した。
繁華街の交差点や駅ホームで歩きスマホの危険性を検証している愛知工科大の小塚一宏名誉・特任教授(交通工学)は、「視界が狭まり、目線が足元を向くため、前方から近づく人に気付きにくく危険だ」と説明。
小塚教授の検証実験によると、通常歩行時の視界は左右に約3mの広がりがあるが、歩きスマホは20分の1に縮まるという。
前方の人や物を認識するのは、約1.5mまで近づいた時点とされ、向かってくる歩行者を避けられない。
また、小塚教授は、「実験では、真っすぐ歩いているつもりでも、画面に熱中すると無意識に蛇行して歩く人もいた」と指摘。
「事故防止にはモラルの向上が必要だが、条例制定や通信会社の対策も有効ではないか」と語る。
出典
『転落中学生 歩きスマホ 東静岡駅死亡事故』
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/tokai-news/CK2018072102000099.html
(ブログ者コメント)
板橋区の事例は、本ブログでも紹介スミ。
2018年7月4日20時3分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4日午後3時10分ごろ、埼玉県越谷市のJR武蔵野線越谷レイクタウン駅で、構内に進入してきた貨物列車(19両編成)のコンテナ上部を覆うカバーが開き、隣の線路で停車中の府中本町発東京行き普通電車(8両編成)の前部にぶつかった。
けが人はいない。
貨物列車は、構内で緊急停止した。
JR東日本などによると、カバーは鉄骨にシートを張ったもので、縦約10m、横約3m、重さ約450kg。
貨物列車は、18両目のカバーが開いて車両側面にぶら下がった状態で構内に入ってきた。
JR貨物は、走行中に外れたとみて原因を調べる。
出典
『貨物車カバーが電車に接触 埼玉の越谷 JR武蔵野線』
http://www.sankei.com/affairs/news/180704/afr1807040051-n1.html
(ブログ者コメント)
はずれたカバーがどのようなものかは、ネットに写真が出回っているので、そちらを参照。
2018年7月1日1時11分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午後6時55分ごろ、東京都世田谷区の東急世田谷線松陰神社前駅で、三軒茶屋発下高井戸行き下り電車(2両編成)が扉の一部を開閉せずに出発した。
乗客計13人が松陰神社前駅で降車できず、2人が乗車できなかった。
東急によると、扉は1両に2つずつ、2両で計4つある。
30代の運転士は、1両目の前の扉が開いたため、残り3つの扉も開けたと勘違いした。
出発した後に、同乗する案内係に指摘されてミスに気付いたという。
降車できなかった客は、次の世田谷駅で降りた。
車内には当時、約100人の乗客がいた。
出典
『東急世田谷線 電車の扉開閉せず15人乗降できず』
https://mainichi.jp/articles/20180701/k00/00m/040/107000c
7月1日1時14分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午後6時50分過ぎ、東急世田谷線の松陰神社前駅で、三軒茶屋発下高井戸行きの下り電車(2両編成)の4つのドアのうち、3つが開かないまま出発するトラブルがあった。
東急電鉄によると、30代の男性運転士が、2つある開閉ボタンのうち1つを十分に押し込まなかったとみられ、操作後の開閉の確認も怠ったという。
この影響で、乗客13人が降りられず、2人が乗れなかった。
13人の乗客には次の世田谷駅で降りてもらい、松陰神社前駅までの乗車券を渡したという。
東急は、「ご迷惑をおかけしたことをおわびします。乗務員を再教育し、正しい作業を徹底します」としている。
出典
『ドア開かないまま出発、乗客降りられず 東急世田谷線』
https://www.asahi.com/articles/ASL71059YL6ZUTIL02D.html
2018年6月29日20時42分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
走行中の東海道新幹線「のぞみ」車内で乗客3人が殺傷された事件を受け、JR東海は29日、催涙スプレーや耐刃ベスト、盾など、乗務員が使うための護身用品を新幹線内に常備すると発表した。
今後の乗務員教育では、乗客の避難誘導などに加え、反秩序行為への対応や、けが人救護も充実させていくという。
JR東海によると、今回の事件では、車掌がシートから取り外した座面やキャリーバッグで身を守りながら、刃物を振るう容疑者を約15分間にわたって説得した。
新たに搭載する護身用品は、どの車両でトラブルが起きても対応できるように、車内の複数箇所に配備。
止血用具なども搭載する予定だ。
出典
『新幹線内に催涙スプレーなど護身用品を常備 JR東海』
https://www.asahi.com/articles/ASL6Y4W80L6YUTIL01X.html
6月30日付で毎日新聞東京版(夕刊)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は29日、東海道新幹線殺傷事件を受け、乗務員や警備員が列車内で使う防犯スプレーや盾などの装備を配備すると発表した。
三角巾や止血パッドといった医療用品も拡充する。
同日の記者会見で金子社長は、「警察と相談しながら、できるだけ早期に、実効性のある装備を充実させる」と話した。
JR東海によると、9日夜に起きた殺傷事件では、小島容疑者(22)に対し、男性車掌長がシートやキャリーケースで身を守りながら、「やめてください」と説得を続けた。
今後は、スプレーや盾のほか、耐刃手袋やベストを、車内の複数箇所に置く。
JR東海は事件後、既に、民間警備会社の警備員や警察官による車内巡回を強化した。
乗務員全員がスマートフォンで同時に会話し、情報共有する仕組みも導入する。
一方、乗客のボディーチェックや手荷物検査について金子社長は、「鉄道の利便性を著しく損なうので実施しない」と明言した。
出典
『東海道新幹線殺傷 事件受け、新幹線に防犯スプレーや盾配備 JR東海』
https://mainichi.jp/articles/20180630/dde/041/040/040000c
(ブログ者コメント)
座席シートを車掌が盾として使用した件、よくぞ思いついたものだと感心していたが、以下の報道によれば、JR東海ではそのような教育を行っていたとのこと。
教育を受けていたからといって、今回のようなケースでは頭がパニックになり、実践できないこともありそうな気がするが、この車掌の方、よくぞ、教育されたとおりに対応できたものだ。
(2018年6月11日 20時16分 NHK NEWS WEB)
今月9日、東京発・新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ265号」の車内で乗客3人がなたのような刃物で切りつけられ、兵庫県尼崎市の男性会社員が死亡したほか、20代の女性2人がけがをした。
この事件が起きたとき、現場に駆けつけた新幹線の車掌は警察に対して、「座席を外して容疑者に近づいたが、倒れた男性を見下ろすような形で無言で切りつけていた」と説明していたという。
また、発生直後の車内の様子を映像で見ると、座席のシートがいくつも取り外されて、乗客が身を守る盾として使った様子がうかがえる。
【JR東海では前から教育】
実際、JR東海では、日頃から乗務員に対して、不審者が暴れるなどした際、座席のシートを取り外して利用したり、カバンを使ったりして相手との距離を取り、安全を確保するよう教育しているという。
JR東海によると、平成28年5月に新幹線「のぞみ」の車内で男が包丁2本を持っているのが見つかり、男を取り押さえる際に、車掌の女性がけがをする事件が起きた。
その後、乗務員に対する安全教育が徹底されたということだが、「座席のシートを盾に」するよう教育し始めた時期は分からないという。
・・・・・
【他の鉄道会社では?】
実は、「座席のシートを盾に」するよう乗務員に教育している鉄道会社は、少数派のようだ。
JR東日本では、「盾のように使うことは想定していない」。
JR北海道でも、「座席は汚れた時のために取り外しが可能だが、盾として使うことは想定していない」とのこと。
新幹線ではないが、私鉄にも聞いてみた。
小田急電鉄では、「ロマンスカー5種類のうち、古いタイプを除いて、座席のシートは外れるが、飲食をしてこぼしてしまったときなどのため。簡単に外せるし、車内にはシートのスペアも置いてある。盾として使うことは想定していない」とのことだった。
近鉄も、「盾のように使うことは想定していない」とのこと。
一方で、通勤電車などに使われる長い「ロングシート」も、数人がかりなら取り外しが可能。
小田急や名鉄など、多くの私鉄では、事故が起きたときなどにとり外して、線路に乗客を降ろす「はしご」のように使うことが想定されているという。
少なくとも、回答のあったJR5社と大手私鉄の6社では、「シートを盾に使う」ことは想定されていなかった。
・・・・・
出典
『「座席を盾に」は有効か』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180611/k10011473131000.html
2018年6月29日11時7分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地方の鉄道でレール2本の間(軌間)の拡大が原因の脱線事故が平成28年10月~29年5月に4件相次ぎ、木製枕木の状態の悪化に起因していたことを受け、国交省は第三セクター鉄道や中小私鉄、貨物鉄道計116事業者に、コンクリート製枕木への交換を進めるよう通知した。28日付。
通知では、木製に比べコンクリート製の方が耐久性が高く、保守も容易だとして、交換を推進。
コストがかかることから、全面的な交換が難しい場合、数本に1本の割合でコンクリート製にすることも有効だとし、国が費用の3分の1を補助する制度の活用も求めた。
4件の脱線は、岐阜県の西濃鉄道、和歌山県の紀州鉄道、熊本県の熊本電気鉄道、群馬県のわたらせ渓谷鉄道で起きた。
運輸安全委員会は、木製枕木やレールと枕木を固定する部品の不良が連続していたことが軌間拡大につながったと結論付け、国交相に事業者への指導を求めていた。
出典
『木製枕木の交換を推進 脱線4件受け国交省通知』
http://www.sankei.com/affairs/news/180629/afr1806290004-n1.html
6月28日10時3分に朝日新聞からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
全国の地域鉄道で8カ月に4件も脱線が相次ぎ、国の運輸安全委員会は28日、レールを支える「枕木」を木製からコンクリート製に換えるよう促す提言書を、石井・国交相に提出した。
国交省は、全国の鉄道事業者に対応を求める方針だ。
提言書などによると、和歌山県御坊市の紀州鉄道で2017年1月、1両編成の車両が左カーブを走行中に脱線した。
調査の結果、木製の枕木が腐食したり割れていたりしていた。
その結果、くぎでレールを固定する力が低下し、外側にレールが傾いて2本の間隔が広がり、間に車輪が落ち込むように脱線したという。
1カ月後には熊本市の熊本電気鉄道で、右カーブを走行中の2両編成が脱線。
木製の枕木にレールを固定するくぎが緩み、レールが傾いて間隔が広がったことが原因だった。
17年5月には群馬県桐生市のわたらせ渓谷鉄道でも、同様の事故が起きた。
16年10月に岐阜県大垣市の西濃鉄道で同様の脱線が起きてから、約8カ月で4件も脱線が続いたことになる。
運輸安全委は、対策として、線路の枕木を木製から、より耐久性が高く固定する力が強いコンクリート製へ交換していくことを提言。
コスト的に難しい場合は、数本に1本の割合で交換するだけでも事故防止に有効だという。
他の対策としては、脱線防止ガードの設置などを挙げた。
運輸安全委によると、都市部の鉄道では枕木のコンクリート化が進んでいるが、経営環境が厳しい地方の中小民間鉄道では、今も木製の枕木が高い割合で使われている。
同委は、国や自治体の補助金や鉄道・運輸機構による技術支援制度などを活用できるよう、地方への情報提供を進めることも石井・国交相に求めた。
出典
『鉄道の枕木「コンクリ製に交換を」 運輸安全委が提言』
https://www.asahi.com/articles/ASL6W0SNQL6VUTIL079.html
(ブログ者コメント)
上記記事に記されている4件の事故のうち、わたらせ渓谷鉄道の事例のみ本ブログに掲載スミ。
2017年5月28日掲載
2017年5月22日 群馬県桐生市のわたらせ渓谷鉄道でJRから借り受けた線路点検車両が脱線、木製枕木の劣化で通常車両より1.5倍重い点検車両に耐えられなかったか? (修正2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7161/
2018年6月29日21時58分にNHK鳥取から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米子市と兵庫県を結ぶJR山陰線の普通列車が、ATS(自動列車停止装置)などの安全装置が作動しても自動の非常ブレーキがかからない状態で、1週間以上走行していたことがわかった。
JR西日本米子支社によると、自動の非常ブレーキがかからない状態で走行していたのは、鳥取県の米子と兵庫県の城崎温泉を結ぶ山陰線の普通列車で、通常は開いているはずの、非常ブレーキを空気圧で作動させるためのコックが閉まった状態だったという。
28日の定期点検で明らかになった。
20日、検査担当の社員が誤ったチェックリストをもとに点検したため、コックを閉じたままにしていたという。
車両は、20日と22日から28日にかけて1週間以上走行を続けていたが、通常のブレーキは正常に作動しており、乗客にけがはなかった。
ミスについてJR西日本米子支社は、「乗客に不安な思いをさせ、深くおわび申し上げます。作業の仕組みを改善し、再発防止に努めてまいります」としている。
出典
『JR西が自動の非常ブレーキ不備』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20180629/4040000721.html
6月29日付でJR西のHPには、下記趣旨の記事が掲載されていた。
4 概況
6月28日、検査担当社員は当該車両を点検中、保安装置(ATS,EBなど)が動作した際、ブレーキを動作させるための配管に取り付けられているコックが「閉(へい)」となっている事を認めました。
調査の結果、同装置が動作した際、自動的にブレーキが動作しない状態で走行していたことが判明しました。
※注釈:ATSとは、信号が赤信号であるにもかかわらず、運転士が適切なブレーキ操作をしなかった場合、自動的に列車を止める装置です。
※注釈:EBとは、1分間以上運転士が運転機器を全く操作しないと警報ブザーが鳴動し、運転士が5秒以内に運転機器を操作しない場合に、自動的に列車止める装置です。
※注釈:この事象によるお客様のおけがはありません。
5 原因
当該コックを「開(かい)」とする作業を失念したため
です。
出典
『非常時に自動でブレーキが動作しない状況での走行について』
https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/06/page_12602.html
(ブログ者コメント)
「誤ったチェックリストをもとに点検した」ことが原因だったのか?
それとも、「作業を失念した」ことが原因だったのか?
そのどちらかによって、ミスの意味あいが大きく違ってくると思うのだが・・・。
2018年6月18日0時32分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午後1時56分ごろ、宮城県内の仙台~古川間を走行中の下りの東北新幹線で一時的な停電が起き、非常ブレーキが作動した。
列車は立ち往生が続き、乗客約800人は、上り線路を使って横付けされた救援用車両に乗り移り、約3時間後に仙台駅に戻った。
この影響で、東北、秋田、山形各新幹線は6時間近くにわたって全線が上下線ともストップ。
午後7時40分ごろに運転再開した後も、ダイヤの乱れが続いた。
JR東日本によると、停電が起きたのは、東京発新函館北斗・秋田行き「はやぶさ・こまち21号」(17両編成)。
電気はすぐに復旧したが、自動的に作動した非常ブレーキが緩まない状態が続いたため、運転を再開できなかったという。
同社が車両を点検したところ、車体屋根のパンタグラフ下部に何かがぶつかってショートした痕跡があり、これが停電の原因になったとみられる。
また、停電が起きた場所付近では、鳥の死骸が見つかった。
この事故により、上越、北陸新幹線を含め計25本が運休したほか、154本に遅れが出て、計約15万人に影響したという。
はやぶさ21号に乗っていた青森県むつ市の男性(75)によると、仙台駅を出てまもなく列車が止まり、「電気系統の故障のため、緊急停車しました」、「点検のため停電します」とアナウンスが流れた。
「車内が暗かったので不安だった。みんな静かに待っていた」。
仙台駅に戻った後、臨時列車に乗り込んだ男性は、「午後一番に帰ろうと思ったのに」と疲れた様子だった。
出典
『東北新幹線、6時間近く全線不通 鳥衝突が停電の原因か』
https://www.asahi.com/articles/ASL6K54Z9L6KUTIL01F.html?iref=com_rnavi_arank_nr03
(ブログ者コメント)
非常ブレーキの作動確認など、定期的に行っていると思うのだが、なぜ緩まない状態が続いたのだろうか?
2018年6月17日17時50分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午後1時40分ごろ、兵庫県伊丹市のJR宝塚線猪名寺~伊丹間で、一部の信号が赤から変わらなくなった。
大阪総合指令所の指令員がモニターで確認。
近くを走っていた新三田発高槻行き普通電車が40~50分ほど停車した。
JR西によると、伊丹駅の約100m南に設置された信号近くで線路上に数gの鉄粉があり、誤って電車通過と認識したとみられる。
鉄粉を取り除き、午後3時ごろに通常速度の運転を再開。
上下21本が運休し、計11本が最大84分遅れ、約7100人に影響した。
同社は、なぜ鉄粉があったのかを調べる。
出典
『線路上に鉄粉、信号誤作動 JR宝塚線で運行乱れ』
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201806/0011362705.shtml
(ブログ者コメント)
鉄粉があった理由はともかくとして、数gの鉄粉でも感知した、その精度に驚いたので、参考までに紹介する。
2018年6月15日0時45分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午後2時11分ごろ、北九州市の小倉駅を発車した博多発東京行きの東海道・山陽新幹線のぞみ176号の先頭車両のボンネットに割れがあるのを、同駅ですれ違った別の新幹線の運転士が発見した。
JR西によると、山口県下関市の新下関駅で臨時停車し、緊急点検を実施。
破損部分から人体の一部が見つかった。
博多~小倉駅間で人と接触したという。
警察によると、北九州市八幡西区の線路上で、体の一部が複数見つかった。
この影響で、博多~広島駅間の上下線は17日の運転を取りやめた。
九州新幹線にも影響が出た。
新幹線の乗客にけが人はいなかったという。
出典
『新幹線ボンネット割れる 博多―小倉間で人と接触』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3176356014062018AC8000/
6月15日12時11分に朝日新聞からは、運転士は小動物とぶつかったと思ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同じ朝日新聞から6月15日18時44分にも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
運転士は、衝突音を聞いた後、総合指令所から破損による停止を求められるまで、指令所に異音を報告しなかったことが、JR西への取材で分かった。
同社福岡支社は、「安全上、速やかに報告すべきだった」との認識を示した。
JR西によると、運転士は博多~小倉間を走行中、「ドン」という衝突音を聞いた。
だが、「駅間に人が立ち入ることはなく、小動物とぶつかったと思った。以前も大きなトラブルになっていないので、今回も大丈夫だと思った」と、報告すべきだと判断しなかったという。
昨年12月には、のぞみ34号の乗務員が異音に気付きながら、台車に入った破断寸前の亀裂を発見するのが遅れる事案があった。
同社が2月に公表した「安全考動(こうどう)計画」では、異常を感じたり安全が確認できなかったりした場合は迷わず列車を止め、結果的に異常がなくても安全を最優先にすることを全社員で共有するとしていた。
山陽新幹線では、異音などによる停止が今年1月~4月17日に18件あり、昨年4~12月の1件から大幅に増えていた。
しかし今回、運転士は異音の報告をせず、すれ違った別の列車の運転士がのぞみ176号の破損に気づいて総合指令所に報告し、指令所が停止を指示した。
福岡支社の担当者は、取材に「運転士が報告項目に当てはまらないと独自に判断した。反省すべき点だ」と話した。
出典
『衝突音「小動物と思った」指令所に報告せず 山陽新幹線』
https://www.asahi.com/articles/ASL6H2FQ1L6HTIPE00D.html
https://www.asahi.com/articles/ASL6H6284L6HPTIL04B.html
6月16日0時29分に毎日新聞からは、衝突後に停車した小倉駅の駅員も血痕などに気付いたが鳥だと思ったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
前掲の6月15日18時44分発信の朝日新聞にも、同趣旨の記事が掲載されていた。
運転士は、衝撃音を聞いた時は前面のモニター装置を見ていたという。
一方、小倉駅の駅員は、ホーム中央付近でのぞみが入ってくるのを確認。
同社の聞き取りに対し、「先頭車両に血のりがあり、鳥と衝突した跡だと思った。少しひびが入っているように見えた」と説明、運転に支障はないと考えたという。
駅員が指令所に連絡したのは、小倉駅を出発後、指令が臨時停車を命じた後だった。
15日に大阪市の本社で記者会見した平野副社長は、「運転士はマニュアルを失念か誤解していた。駅員も直ちに指令所に伝えていれば、早い段階で次の行動を引き出せた」と述べた。
同社によると、事故は、北九州市八幡西区の石坂トンネルから西に約600m離れた高架橋で発生。
点検用のはしごを上り、線路内に侵入した形跡があるという。
福岡県警は15日、遺体の身元について、同県直方市の男性介護士(52)であることを明らかにした。
自殺の可能性が高いとみている。
連結器カバーは炭素繊維強化プラスチック製で、縦70cm、横35cm、奥行き45cmにわたって損傷。
一部は線路に落ちたが、後続車両が粉砕したとみられ、脱線の危険性はないという。
【日本大生産工学部の綱島均教授(鉄道工学)の話】
新幹線の先端には、軽量で強度が強く、加工しやすい素材が使われている。
今回のような破損状態ならば、走行自体に問題はなく、脱線の危険性も極めて低い。
一方、剥がれた破片が風圧で巻き上げられ、人や架線などにぶつかる問題は起こり得る。
小動物だと思ったとしても、念のための情報共有を怠らず、外観のチェックなどで安全確保につなげることが重要だ。
【安部誠治・関西大社会安全学部長(交通政策論)の話】
今回は明らかに、小倉駅で運行を止めて点検すべき事案。
運転士や駅員のヒューマンエラーがなぜ起こったのか、最優先で要因を調べるべきだ。
会社の安全方針が現場まで浸透していないのならば、すぐに対処しなければならない。
出典
『のぞみ事故 ひび認識、停車させず JR西が謝罪』
https://mainichi.jp/articles/20180616/k00/00m/040/106000c
2018年6月6日19時40分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は6日、安全管理体制について第三者機関から受けた評価結果を公表した。
報告書は「現場からの気がかり報告に対して適切に対処する」など、8項目で改善を求めた。
「安全マネジメントの仕組みの基礎を完成させる道筋は見えてきた」と、取り組み全体を評価しながらも、組織風土の改善に初めて言及した。
尼崎JR脱線事故の遺族らでつくる「安全フォローアップ会議」の提言で実現し、3回目。
神戸市中央区に日本法人のあるノルウェーの評価機関が2017年5月末から約1年間、国交省のガイドラインに基づき調べた。
8項目のうち、安全管理体制の整備や有効性向上の分野で、3項目が該当した。
経営層の安全に対する取り組み姿勢を人事評価に盛り込むことや、人事異動のたびに社員の技量や方向性が変わらないよう、仕組みを構築することを求めた。
調査中、書類の提出遅れや一般社員の聞き取り中に上司が同席したケースなどにも触れ、「過度な組織防衛的、権威勾配的風土の改善に取り組むことが必要」と指摘した。
緒方副社長は、「多くの気付きをいただいた。スピーディーに是正したい」と述べた。
一方、駅業務の現場間でメールマガジンを共有する活動など、6項目が評価され、前年度に指摘された16項目のうち、6項目は改善が「完了」とされた。
出典
『JR西の安全管理 8項目で要改善 第三者機関が評価』
https://kobe-np.co.jp/news/sougou/201806/0011330065.shtml
6月6日22時5分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書は、社員が内部監査を受けた際、事前にレクチャーを受けていた可能性や、上司が同席するケースがあったと指摘。
「過度に組織防衛的で、安全最優先の姿勢に負の影響を及ぼしかねない」などとして、組織風土の改善を求めた。
出典
『組織風土など8項目で「要改善」 JR西の安全管理体制、第三者評価報告書』
https://www.sankei.com/smp/west/news/180606/wst1806060101-s1.html
6月6日22時55分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3回目の今回は、委託先の外資系認証機関の日本法人が昨年5月~今年5月、JR西の安全管理体制の内部監査に同行して評価した。
期間中の昨年12月、新幹線のぞみの台車に亀裂が見つかったが、新幹線管理本部の内部監査は、今回の対象に含まれていないという。
評価報告書は、組織風土について「(監査に)ありのままを答えようとせず、可能な限り指摘を避ける」、「情報や資料をできるだけ開示しない」などの姿勢が見られたと指摘。
「現場からの報告への適切な対処」、「経営層の安全への姿勢が厳しく評価される仕組み」など、7項目で「改善が望まれる」とした。
出典
『JR西の安全管理体制「過度に組織防衛的」外部評価公表』
https://www.asahi.com/articles/ASL664CQ4L66PTIL00D.html
※以下はJR西のHPに掲載されている記事の序文。
鉄道の安全を向上させていくためには、安全管理体制が有効に機能しているかを定期的に確認し、必要により改善していくことが大切です。
その確認の機能として、「安全管理体制監査」を実施しておりましたが、一般的に内部であるがゆえの課題がありました。
その課題への対処として、社外の第三者機関である「DNV GLビジネス・アシュアランス・ジャパン」による安全管理体制の評価を2015年度から導入しました。
「第三者評価」を導入した目的は、客観的な評価、安全マネジメントシステムに関する専門的なアドバイスを受けることで、より有効な安全管理体制に向けた仕組みの構築と運用について、さらにレベルアップを図るためです。
・・・・・
https://www.westjr.co.jp/safety/report_safety/
2018年5月30日17時32分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月30日15時23分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午前8時半ごろ、千葉県勝浦市浜行川のJR外房線行川アイランド~上総興津間の全長約510mのトンネル内で、走行中の安房鴨川発千葉行き普通電車(6両編成)の窓から同市の漁師の男性(19)が転落し、右脚の骨を折るなどの重傷を負った。
警察によると、男性は当時、窓を全開にして窓枠に腰を掛けていた。
下半身は車内、上半身を車外に出した状態だったという。
警察によると、男性は「車内が暑かった」と理由を説明。
バランスを崩して落ちたとみて調べる。
男性は友人と2人で遊びに行く途中で、友人が警察に通報。
男性は出口から約100mの地点で地面に落下。
線路脇に倒れており、病院に搬送された。
JR東日本によると、事故の影響で、上下線の一部区間に運休が出たほか、最大約100分の遅れが生じ、約500人の足に影響が出た。
出典
『JR外房線 「暑かった」電車の窓から19歳転落し重傷』
https://mainichi.jp/articles/20180531/k00/00m/040/020000c
『列車の窓から転落、漁師の少年重傷 「電車の中が暑かった」 JR外房線のトンネル内』
http://www.sankei.com/affairs/news/180530/afr1805300011-n1.html
(ブログ者コメント)
まさか今の時代に、このような事故が起きるとは・・・。
想定外も想定外・・・の事例として紹介する。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。