2018年11月27日19時8分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京成線が10月、停電により10時間以上も全線運休し、約45万2000人の乗客が影響を受けたトラブルで、京成電鉄は27日、台風で飛散した塩分が配電設備や列車に付着し故障した「塩害」が原因と発表した。
設備の耐塩化などを急ぐ方針。
京成線は10月5日午前7時41分ごろ、車両のパンタグラフが焦げ付いたほか、高圧配電線から施設へ電力を分岐する「ケーブルヘッド」の火災が各所で相次ぐなどして、計1080本が運休。
復旧は遅れ、一部区間は終日、運転を見合わせた。
調査の結果、ケーブルヘッドのカバーに塩分が付着し、雨の影響も受けて絶縁性能が低下し、焼損が発生。
変電所は、異常を感知して停電した。
列車のパンタグラフも、塩害で同様に不具合を起こした。
直前に関東圏を通過した台風24号で巻き上げられた海水の塩分などが付着したとみられる。
同社は、「塩害対策のスピードが遅かった」と陳謝。
送電設備やパンタグラフなどの清掃を強化するほか、平成31年度までに塩害に強いケーブルヘッドへの交換を進めるなどとしている。
出典
『京成線の大規模運休、原因は台風の「塩害」 耐塩化の対策急ぐ』
https://www.sankei.com/affairs/news/181127/afr1811270049-n1.html
11月27日18時45分にNHK千葉からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
先月5日、千葉県内の京成電鉄で複数の電線から火が出て停電が相次ぎ、7つの路線すべてで9時間余りにわたって運転を見合わせた。
このトラブルについて京成電鉄は、関東地方に接近した台風24号によって巻き上げられた海水の塩分が電気設備に付着した「塩害」が原因だったと発表した。
応急対策として、これまでに損傷した設備の交換や設備の水拭きなどを行ったが、来年度中に電気設備を塩害に強い材質や構造のものに交換することにしている。
また、成田空港線につながる都内の区間は、電線を地上に下ろすケーブル化を検討するとしている。
出典
『京成電鉄 設備の塩害対策強化へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20181127/1080004375.html
11月28日付の千葉日報紙面には、やや詳しい下記趣旨の記事が掲載されていた。
停電の主な原因となったのは、変電所からの電力を高圧配電線から踏切や券売機などに分岐する接続部分にある「ケーブルヘッド」という設備。
台風で巻き上げられた海水が付着して絶縁機能が下がり、微弱電流が流れて炭化、高圧配電線がショートして送電が止まった。
再発防止策として、2019年度の早い時期までに、全線のケーブルヘッド約1500個のゴム製カバーを、全て塩害に強いシリコーン製に交換する。
東京都内と成田空港を結ぶ区間では、線路上部にある高圧配電線をコンクリートの箱に入れ、地上に敷設する方針。
京成電鉄では、12年にも塩害による一部運転見合わせがあり、田中・鉄道副本部長は、国交省で報道陣に「打つべき手は打ってきたが、スピードが遅かった。深くお詫びする」と謝罪した。
(ブログ者コメント)
台風24号による塩害の被害は、京成電鉄事例を含め、今年10月に本ブログで紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。