2018年11月26日19時4分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中部電力は、台風21号と24号の影響で愛知県や岐阜県、静岡県などで大規模な停電が起きたことを受けて対策の検討を進めてきたが、26日、18項目にわたる対策を発表した。
それによると、設備の復旧に向けて被害予測の精度を高め、早い段階でほかの電力会社に応援を要請するなど連携を強化するほか、倒木や土砂崩れなどで立ち入りが難しい場所では、ドローンを活用して被害状況を確認するなどとしている。
また、スマートフォンで設定した地域の停電情報を自動的に受信できるようにしたり、利用者が相談できるようチャット機能を備えたアプリを開発したりして、情報発信を改善するほか、外国人向けにSNSなどで外国語での発信も行うとしている。
また、停電が長引いた原因とされる倒木の被害については、自治体と連携して森林の計画的な伐採を進めるとしている。
中部電力総務室の中村・防災グループ長は、記者会見で、「電力の復旧は3日以内が目標であり、今回の対策を進め、少しでも復旧までの時間を短くしていきたい」と述べた。
出典
『中電 大規模停電の対策強化へ』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20181126/0002052.html
11月27日10時20分に朝日新聞からは、下記趣旨の、より詳細な記事がネット配信されていた。
9月初旬に東海地方に最接近した台風21号では、中部電管内の愛知、三重、岐阜、静岡、長野の5県で、延べ約84万戸が停電した。
岐阜県高山市や郡上市など山間部を中心に、完全復旧までに6日半かかった。
9月末に列島を縦断した台風24号でも、中部電管内は平成に入って最大規模となる、延べ119万戸が停電。
愛知県新城市では、復旧までに5日かかった。
同市内では、信号機が消えたほか、水道用の水をくみ上げるポンプが止まり約1700戸で断水するなど、生活を直撃した。
勝野社長は10月26日の定例記者会見で、今回の大規模停電の要因の一つとして、山間部での倒木被害が広範囲にわたったと説明した。
台風の進路予想に基づいて事前に復旧要員を配置するなど、「復旧体制を見直す」とも述べた。
中部電によると、それでも、早期復旧は容易ではないという。
電線や電柱が倒木被害で停電した場合、各地の営業所の社員らが、被害現場を特定するために停電地域へ向かうことになっている。
ただ、山間部では土砂崩れや倒木で、簡単に現場に到着できないこともある。
設備の復旧まで含めると、かなりの時間を要することになるとしている。
【岐阜県では事前伐採も】
中部電岐阜支店では、昨年までの3年間、冬場の雪による倒木被害を減らすために、岐阜県と連携して、同県高山、郡上、飛驒、下呂の各市で、木々の事前伐採を進めてきた。
それが今秋の台風上陸時でも奏功し、事前伐採をしていた地域では、ほとんど倒木被害がなかったという。
きっかけは14年12月の大雪だ。
飛驒地方を中心に、雪による倒木で山間部の送配電設備が被災。
県内で延べ約2万3000戸が停電し、復旧に1週間以上かかった。
岐阜支店は地元自治体と協議し、倒木被害が起きそうな山間部で、道路沿いや水源地近くの電線、電柱周辺の木々を約2万2300本伐採したという。
また、同支店は郡上市で今年度、冬場の送配電設備への倒木対策として、市内の山間部で約3000本を事前伐採する計画という。
ただ、取り組みを広げるには、ハードルがあるという。
電柱の多くは、自治体や民間の土地所有者から借りた敷地にあり、敷地内の木の伐採にも所有者の同意が必要だ。
郡上市総務課の担当者は、「木を切られることに抵抗感を持つ方もいる。無理には伐採できない」。
同意を得ようにも、所有者が県外にいたり、相続人がはっきりしなかったりするケースもあり、時間がかかることもあるという。
【中部電、停電対応の改善策発表】
中部電力は26日、広範囲に停電をもたらした台風21号、24号を受けて、早期の復旧や情報発信の改善策を発表した。
現場の社員が確認した被害状況をすぐに共有する仕組みづくりや、電線に倒れるおそれがある樹木の計画伐採、外国語での情報発信など18項目を盛り込んだ。
送配電線の被害は、これまで、現場で確認した社員が拠点に戻ってから、紙で報告していた。
これを来年6月までに、携帯端末を使って現場から入力できるように改める。
早めに全体状況を把握し、早期の復旧につなげる。
台風の進路や風速から被害程度を予測するデータベースも精度を高め、事前の人員配置に役立てる。
停電状況などがわかるアプリも年内に開発し、今後は外国語での発信も進める。
【家庭での備え 自家発電機売れる】
一方、災害時の停電に備えようと、自家発電機の需要が伸びている。
「ヤマハモーターパワープロダクツ」(本社・静岡県掛川市)では、9月の自家発電機の出荷台数が前年比で約2倍だった。
同社では、2011年の東日本大震災後、出荷台数が大幅に増えた。
今年になって再び、西日本豪雨や北海道地震による停電が相次ぎ、「災害時のバックアップ電源として購入する人が増えている」。
自家発電機は、ガソリンやガスボンベで動かせるため、一般家庭でも扱うことができる。
市場価格で、出力が小さい1000W以下のもので1台4万~5万円程度、
消費電力が多い電気ポットや洗濯機といった家電も使える1000W以上の出力が大きいものだと10万~15万円程度する。
購入者は事業所が中心だが、個人で購入する人も増えているという。
出典
『台風で相次いだ大停電 山間部で長引いた理由は……』
https://www.asahi.com/articles/ASLCP7FD2LCPOIPE033.html
2018年11月27日付で信濃毎日新聞からは、計画伐採に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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計画伐採について中電は、昨年11月に上水内郡小川村と協定を締結するなど、管内の一部自治体と既に取り組みを始めている。
同村は、電線の近くで倒れそうだったり、枝が電線に触れそうだったりする木がどこにあるか、村内の全19区からの情報を中電に提供。
中電は地権者の了承を得て、今年3月、計画伐採を始めている。
今後も定期的に村が情報提供する予定で、中電長野支店は「小川村のような協力態勢を広げていきたい」とする。
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出典
『倒木の停電防げ 計画伐採推進 台風で大規模停電 中電が検証と改善策』
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20181127/KT181126ATI090018000.php
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。