2018年11月27日21時26分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
認知症の高齢者らが起こした事故で家族らに多額の賠償金が請求されるケースがあることから、神戸市は、賠償金や被害者への見舞金を市が負担する制度を盛り込んだ「認知症の人にやさしいまちづくり条例」改正案を、28日の市議会本会議に提案する。
高齢者が自己負担なしで認知症診断を受けられる助成制度も導入。
全国初の「神戸モデル」として打ち出す。
認知症患者による事故での被害賠償に注目が集まったのは、平成19年に愛知県大府市で認知症の高齢男性が電車にはねられ死亡したのがきっかけ。
JR東海は、家族に約720万円の損害賠償を求め提訴。
最高裁で敗訴したが、判決は、家族が賠償責任を負う可能性にも言及した。
損害を受けた側にすると、責任が認められなければ補償がないという課題も浮き彫りとなった。
神戸市の改正案では、65歳以上の高齢者に無料で検診を行い、認知症の疑いが判明すれば、専門医が精密検査を実施。
認知症の有無や病名を診断する。
検査費用も市が助成、
実質的な自己負担を無くす。
市は、認知症と診断された市民を登録し、保険料を支払って保険に加入。
認知症患者が起こした事故や火災などで本人や家族が賠償責任を負った場合は、市が保険金(最高2億円)を賠償金として請求者に支給する。
認知症患者の事故などで被害に遭った市民には、最高3000万円の見舞金も給付。
自動車事故は、従来の自賠責保険で対応できるため、制度の対象外となる。
12月5日の市議会本会議で可決されれば、診断助成を来年1月、賠償金負担などの救済制度を同4月に開始する。
市は、必要予算を年間約3億円と見込んでおり、市民税を1人年間400円上乗せし、財源とする。
出典
『認知症高齢者の事故、神戸市が賠償金負担へ 全国初』
https://www.sankei.com/west/news/181127/wst1811270046-n1.html
(ブログ者コメント)
本ブログでは昨年7月、神奈川県大和市では、徘徊危険登録者が鉄道事故などを起こした場合、市が加入する保険から賠償金を支払う制度を作り、そのための予算を市議会に提案するという情報を紹介した。
今回の情報を機に、その後の展開を調べたところ、昨年11月から制度の運用が始まっていた。
当該情報は、昨年7月の記事に追記スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。