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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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202111261分にYAHOOニュース(DIAMOND online)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東京・調布市を走行していた京王線の車内で1031日、乗客の男女17人が刃物で切りつけられるなどして重軽傷を負った。

停車した車内から多くの人が脱出するニュース映像を見て、次のように疑問に思った人は多いのではないか。

なぜ、乗客はドアではなく、窓から脱出しなければならなかったのか。

(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)


【小田急線の事件に続き またしても車内で凶行】

またしても、電車内で凶行が引き起こされてしまった。

1031日午後8時頃、京王電鉄京王線の上り特急列車が調布駅を発車後、24歳の男が3号車で70代男性を刃物で刺した後、5号車でペットボトルに入れたライターオイルを車内にまいて火をつけた。

電車は、乗客の通報を受け、本来は通過駅である国領駅に緊急停車し、駆けつけた警官が殺人未遂の現行犯で男を逮捕した。

刺された男性が意識不明の重体で、16人が煙を吸うなどして病院に搬送された。

電車内での無差別刺傷といえば、今年86日に小田急線で発生した事件を思い浮かべる人も多いだろう。

この時も、犯人は車内の乗客を刃物で無差別に刺した後、サラダ油をまいて火をつけている。

報道によれば、今回の事件の容疑者の男は、「小田急線の事件で電車内にまかれたサラダ油が着火しなかったことを踏まえ、可燃性の高いライターオイルを用意した」と供述しているようだ。

ガソリンやオイルによる放火は大火源火災と呼ばれる。

容疑者の男はペットボトル数本のライターオイルを持ち込んでいたとみられ、車内では大きな火柱が上がるほどの火災が起きているが、それでも、座席の一部が焼けただけで車両に延焼しなかったのは、日本の鉄道が車両の不燃・難燃化を進めてきた成果である。

だが、誉めてばかりはいられない。

今回の事件は、さまざまな教訓を残したといえるだろう。

その手がかりとなるのが、事件直後にツイッターに投稿された映像である。

刃物を持った男と燃え盛る炎、煙に追われ、上半分だけ開く窓からはい出るように車外に脱出する乗客の姿が映っている。

ニュースでも繰り返し使われたこの映像を見て、疑問に思った人も多いだろう。

なぜ、乗客は窓から脱出しなければならなかったのか。

避難が遅れれば、さらに多くの人が襲われた可能性もあり、また、充満する煙にまかれる人も出たかもしれない。

その理由は停車位置である。

京王によると、当該列車は走行中、手動でドアを開けるための非常用ドアコックが扱われたことを示す運転席のランプが点灯したため、緊急停止した。

列車が緊急停止した国領駅は、京王線では新宿、布田、調布、飛田給とともに、数少ないホームドア設置駅であり、通常の停車位置より手前に停車したため、ホームドアと車両のドアの位置がずれ、ドアを開けることができなかったのだ。

ドアが開いている可能性がある以上、わずかな距離でも電車を動かすことはできない。

ホームドアには、線路側からドアを開扉できる非常開扉ボタンがあるが、今回は、ほとんどのドアがホームドアとは大きくずれてしまったため、このボタンを活用することもできなかった。


【緊急時の脱出方法を 改善する二つの方法】  

今回の教訓を踏まえ、緊急時の車両からの脱出方法を抜本的に改善するとしたら、二つのアプローチがあるだろう。

ひとつは、緊急時でも確実に所定の停車位置に停車させる手段を講じること。

もうひとつは、停車位置がずれても脱出可能なホームドアを導入することだ。

在来線の非常用ドアコックは、走行中でも取り扱うことができる。

しかし、走行中の車両から脱出することは現実的ではなく、そのような用途も想定されていない。

そのため、特に高速で運転し、危険の大きい東海道・山陽新幹線では、走行中は非常用ドアコックのフタを施錠して扱えないようにしている。

今回の事件では、走行中の非常用ドアコックの操作さえなければ、所定の位置に停車することができ、車両のドアもホームドアも開けることが可能だった。

乗客からすれば、避難を意図した行為であったが、結果的に、避難を困難にする要因になってしまったのである。

在来線の全列車を改造するのは困難だとしても、新型車両から随時、導入する形で検討する必要があるのではないか。

また、ホームドアについては、設置によりホーム上の安全性は飛躍的に高まるが、半面、車両のドアとホームドアが一致する箇所でしか乗降できないという大きな制約が発生する。

そのため、故障時や緊急時に備え、ホームドアには非常脱出口が設けられている。

ただ、その構造は機種によってさまざまだ。

JR東日本が山手線に導入した初期型ホームドアでは、戸袋部が観音開きになる構造を採用していたが、現在整備を進めているタイプでは、ホームドアの間に小型のドアを設置している。

また、小田急電鉄が代々木上原~梅ヶ丘の各駅に設置したホームドアは、戸袋部を横にスライドさせて脱出口を確保するタイプだ。

ホームドアの普及により、さまざまなメーカーが独自の規格でホームドアを製造しているが、利用者の混乱を防ぐためにも、少なくとも今後、設置するホームドアは、非常口の構造と操作方法をある程度は統一する必要があるだろう。

さらに厄介なのが、東京メトロ南北線や京王線布田駅に設置されている、線路とホームを全面的に遮断するフルスクリーンタイプのホームドアだ。

現在、両線に導入されているものは、ホームの両端にある乗務員が使用するドア以外の非常口がない。


【韓国はポスターや動画で 積極的なPRを展開】  

京王によると、仮に今回の事件でひとつ手前の布田駅に停車し、同様に車両のドアとホームドアの位置がずれた場合、乗客を先頭車まで誘導し、乗務員用のドアから避難させることになるという。

南北線を運行する東京メトロにも聞いたところ、やはり、脱出口はホームの両端にしかなく、非常時も駅に自動的に停車しドアを開けると説明するが、そうでない場合は同様の避難形態を取らざるを得ないだろう。

ちなみに、韓国はフルスクリーンタイプのホームドアがスタンダードだが、戸袋部分が観音開きする脱出口が設けられている。

韓国の大邱(テグ)地下鉄では20032月、まだホームドアが設置される前のことだが、走行中の列車内で男がガソリンをまいて放火する事件が起きている。

火は駅の反対ホームに到着した列車に燃え移り、運転士がドアを開けないまま逃げたため、大勢の乗客が車内に閉じ込められ、200人近くが焼死した。

被害を拡大させた最大の要因は、指令員と乗務員の職務放棄であるが、緊急時の避難経路の確保を重視して、列車の非常用ドアコックとホームドア脱出口の操作について、ポスターや動画で積極的にPRを行っている。

日本では、フルスクリーンタイプのホームドアの採用事例は少ないが、脱出口の設置や使用方法のPRなど、学ぶ点は多い。

日本でも、同様の事例があった。

ちょうど70年前の19514月、京浜東北線の桜木駅構内で列車火災事故が発生。

しかし、火災の影響でドア操作ができなくなり、乗務員も乗客も手動でドアを開けることができず、100人以上が焼死した。

車両には非常用ドアコックが設置されていたにもかかわらず、乗客はおろか乗務員でさえ、その存在を知らなかった。

それ以降、非常用ドアコックの設置は義務化され、車内にも設置位置を示す掲示が貼られるようになった。

今回、乗客が非常用ドアコックを操作したのは、この時の反省が今も生きている証左ともいえるだろう。

ただ、知識は、必要に応じてアップデートしていく必要がある。

事故はいつも盲点を突いてくる。

これまで限られた路線しか設置されてこなかったホームドアが急速に普及している中、従来の発想のままでは安全対策は成り立たなくなっている。

今回の事件がそうだったように、今後、さらなる模倣犯が出てくる可能性もある。

各事業者は、京王を他山の石として、今一度、緊急時の対応を見直してほしい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f329e59565d4d546a8ad5730bd7b162aa9eb9af0?page=1

 

112238分に読売新聞からは、国交省は鉄道各社に対し緊急時には電車のドアとホームドアの両方を開けるよう指示したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

特急電車が国領駅(調布市)に緊急停車後、全乗客が避難を終えるまでに約10分間かかっていたことがわかった。

ドアが開かずに多くの乗客が窓から脱出したためで、国土交通省は2日、緊急時にはドアとホームドアがずれた場合でも、双方の扉を開けて乗客を誘導するよう鉄道各社に指示した。

京王電鉄が国交省に提出した資料などによると、事件では午後7時56分に車内で非常通報ボタンが押され、2分後、国領駅に適正位置の約2メートル前で停車した。

双方の扉がずれていたため、安全への配慮からドアが開けられず、乗客らは1分後の同59分から、窓を開けてホームに避難した。

非常用ドアコックなどが操作され、1号車と9号車のドアが開いたのは午後8時1分。

全乗客がホームに避難したのは同8時8分とみられるという。

事件では、非常通報ボタンが複数押されたが、乗務員は乗客から情報を聞き取れず、刃物の使用や放火を把握できなかった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211102-OYT1T50172/ 

 

1122148分に時事ドットコムからは、今回の事案ではホームドアに足をかけて避難している客もいたので車掌はドアを開けなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

国土交通省は2日、全国の鉄道会社の安全統括責任者らとオンラインで安全対策について意見交換した。

冒頭、京王電鉄が事件の概要と対応を報告。
乗客が非常通報装置を作動させたものの、混乱で通話できず、乗務員が状況を把握できなかったことなどが課題として挙がった。
議論を踏まえ、国交省は各社に再発防止策を検討し、報告するよう指示。

また、

▽車内で複数の非常通報装置が作動した場合、通話なしでも最寄り駅などで停車する
▽列車のドアがホームドアとずれていても、緊急時はドアを開けて乗客の避難誘導をする

との原則を示した。

京王電鉄担当者は会議後の取材で、ドアを開けなかった車掌の対応について、「窓から避難中の乗客がホームドアに足を掛けるなどしており、開けるのが危険な状況だった」と説明。
やむを得ない判断との見解を示した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021110201178&g=soc

 

 

  

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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