2022年5月2日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/12454/
(2022年6月1日 修正2 ;追記)
2022年5月25日15時9分に毎日新聞からは、現場に新しい点字ブロックが設置されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受け、市は24日、現場に新たな点字ブロックを設置した。
古いものは設置から年月が過ぎて摩耗するなどし、視覚障害者に情報が伝わりにくくなっていた。
踏切を通る市道にある点字ブロックは15、16年前に市が設けたが、事故後の調査で、摩耗したり、一部がはがれたりしていたことが判明していた。
24日は、作業員らが踏切の入り口に計4カ所ある点字ブロックを、真新しいものに交換した。
線状の突起で進む方向を示す誘導用のほか、点状の突起で踏切などの危険な場所があることを知らせる警告用のブロックを、1カ所あたり10~11枚設置した。
前回より耐久性があるものに替えたという。
市によると、市内には近鉄とJRの踏切が計49カ所ある。
市の担当者は、「要望があれば設置を検討し、事故を無くせるような対策をしていきたい」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/08ab8b54be5dcb9b596156156a34854c8e5cf518
5月24日12時21分にNHK奈良からは、点字ブロックの面積も増やした、しかし踏切の内部に点字ブロックがないので視覚障害者側は納得していないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月25日、大和郡山市の近鉄橿原線の踏切で、近くに住む目の不自由な女性が列車に接触して死亡し、警察は、女性が踏切の中で自分の立ち位置が分からなくなってしまい、事故に遭ったとみて調べています。
この事故を受け、24日朝、市の担当者と委託業者らが、現場の踏切の手前で注意を促す点字ブロックを設置し直す作業を行いました。
本来、踏切手前の道路の両側の、左右あわせて4か所に、点字ブロックが4枚ずつ設置されているはずでしたが、市によると、事故当時は、劣化するなどして一部が剥がれていました。
作業員は、古い点字ブロックを剥がしたあと、道路に塗料を塗る剥がれにくいタイプの点字ブロックに設置し直していきました。
目の不自由な人により注意を促し、道路の方向を示せるように、点字ブロックの種類や面積を増やしたということです。
大和郡山市管理課の佐野課長補佐は、「関係団体と協力しながら、事故がなくなるよう、これからも対策を進めていきたい」と話していました。
市では今後、市内にあるほかの踏切についても点検を進め、点字ブロックの設置が必要かどうかを、検討していきたいとしています。
【辰巳会長コメント】
点字ブロックが設置し直されたことについて、奈良県視覚障害者福祉協会の辰巳会長は、迅速に修復されたことはありがたいとしたうえで、「踏切の内側には点字ブロックがないことなど、修復の内容についてはまだ納得がいくものではない。安心して踏切を渡れるように、引き続き、検討を続けてほしい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20220524/2050010463.html
・・・
【手前と勘違いか】
奈良県警郡山署によると、白杖を持った高垣さんは、踏切(幅約4メートル、長さ約9メートル)に入った後、警報音が鳴り、2本目の線路を過ぎた付近で立ち止まった。
あと少しで踏切の外に出られる位置だったが、後ろに戻ろうとしたところをはねられた。
同署は、高垣さんが踏切の手前にいると勘違いし、踏切から離れようとして後方に引き返したとみている。
現場の踏切内に点字ブロックはなかった。
踏切手前の道路の両端計4か所に点字ブロックはあったが、高垣さんは存在に気付いていなかったとみられる。
静岡県三島市でも昨年8月、目の不自由な男性(当時26歳)が電車にはねられて死亡。
国土交通省中部運輸局によると、男性も同様に踏切の外にいると勘違いしたとみられる。
踏切内や付近の道路に点字ブロックはなかった。
「足裏でわかる」
点字ブロックは踏切事故防止の有効策とされる。
踏切内にある点字ブロックは「エスコートゾーン」と呼ばれ、道路管理者の自治体が設置する。
踏切外側の道路の点字ブロックとは突起の配列や形状が違っており、奈良県視覚障害者福祉協会の辰己会長は、「足裏の感触で踏切の内か外かがわかる。設置されていたら、事故を防げたかもしれない」と話す。
しかし、JR西日本、阪急、阪神、南海、京阪、近鉄の6社の踏切計7669か所のうち、踏切内に点字ブロックがあるのは大阪府内の4か所(阪急2、南海2)しかない。
近畿地方整備局によると、管内(近畿2府4県と福井県、三重県の一部)でもこの4か所だけ。
日本視覚障害者団体連合(東京)は「関東でも確認されておらず、設置は大阪の事例だけとみられる」としている。
【基準なし】
求められる対策が、なぜ遅れているのか。
国交省によると、2006年施行のバリアフリー法により、障害者らの利用が多い道路の横断歩道や踏切付近などは点字ブロックの設置は努力義務とされているが、踏切内に基準はない。
大阪のエスコートゾーンは、府が11年以降、視覚障害者団体の要望を受け、豊中市の阪急宝塚線など、障害者がよく通行する踏切に試験的に導入。
しかし、近年、設置がストップしており、府の担当者は「明確なルールがないことが大きく、進んでいない」と明かす。
一方、ある鉄道会社の担当者は、「踏切だけでなく、周辺道路との一体整備でないと効果が薄い。まずは道路管理者の自治体に動いてほしい」と話す。
国交省は、「設置が好ましいが、基準策定まで至っていない。要望が少ないことが要因とみられる」とする。
筑波大の徳田克己教授(バリアフリー論)は、「国は踏切内の設置について早急にルールをつくるべきだ。自治体は視覚障害者から要望を聞きながら、障害者がよく通行するなど、必要とされる踏切から優先的に導入を進めていくことが求められている」と指摘する。
【障害物検知装置は作動せず】
奈良の事故現場の踏切には障害物検知装置はあったが、作動しなかった。
主に自動車を想定した装置だったためで、人も検知できる装置があれば防げた可能性があるが、導入は遅れている。
国土交通省によると、大きな障害物だけでなく、取り残された人を面的、立体的に高い精度で検知する装置は2019年度、全国の踏切約3万3000か所のうち、5%にあたる1800か所にとどまる。
同省の担当者は、「設置費用が高く、ネックとなっている。補助制度を活用して導入を進めてほしい」と話す。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220530-OYT1T50164/
(2022年6月7日 修正3 ;追記)
2022年6月6日17時21分に毎日新聞からは、市は踏切内に県内初のエスコートゾーンを設置するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
奈良県大和郡山市の近鉄踏切で4月、全盲の女性が特急電車と接触して死亡した事故で、市は踏切内で視覚障害者を誘導する「エスコートゾーン」を設置すると明らかにした。
障害者団体からの要望を受けて近鉄側と協議し、設置に合意。
鉄道各社によると、県内の踏切にゾーンが設けられるのは初めてという。
エスコートゾーンは点字ブロックに似た突起が付いた通行帯で、視覚障害者が進行方向などを把握しやすいようにする設備。
現場の踏切を通る市道は道幅が狭く、市などは安全確保が必要と判断した。
市は7日深夜から設置工事をする予定で、「敷設後は視覚障害者団体に利用しやすさを検証してもらう」としている。
ゾーンは踏切手前の点字ブロックと形状や幅を変える。
近鉄の広報担当者も「安全対策について行政や警察と協力し、何ができるか考えていく」と話した。
事故を巡っては、国土交通省も踏切内の安全確保強化を検討しており、踏切手前と踏切内に点字ブロックの設置を求めていく方針。
踏切に入ったことが分かるよう、踏切内のブロックは、手前のものと突起のパターンが違うものが望ましいとしている。
https://mainichi.jp/articles/20220606/k00/00m/040/166000c
(2022年6月11日 修正4 ;追記)
2022年6月8日15時35分にNHK奈良からは、踏切内に点字ブロックが設置されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大和郡山市は、踏切の中に点字ブロックを設置することを決め、8日未明から作業が行われました。
設置されたのは、すでに踏切の外に設置されている点字ブロックより、突起の形が少しとがっていて、1枚あたりの突起の数も多いことなどから、足で踏むと踏切の中と外を区別できるようになっています。
踏切内への点字ブロックの設置については、これまで、どのような形状のものを設置すればよいかなどについて、国のガイドラインがありませんでした。
こうしたことなどから、これまで設置された踏切は、関西でも4か所にとどまっており、奈良県内では、これが初めてとなりました。
完成したあと、踏切内への点字ブロック設置を要望してきた、視覚障害者の団体の関係者が現地を訪れ、足で踏んだり、手で触ったりして、ブロックの感触を確認していました。
国は、今回の事故を受けて、踏切の手前の点字ブロックや、踏切内で立ち位置を認識するためのブロックの設置を、自治体などの道路管理者に求めていく方針を決め、今月中にも関連するガイドラインを改定することにしています。
今回の設置は、事故のあと、大和郡山市と警察、視覚障害者の団体、それに近鉄が協議して設置を決めたもので、国のガイドライン策定を待たずに実施されました。
奈良県視覚障害者福祉協会の辰巳会長は、「設置されてうれしいです。事故で亡くなった女性の思いや私たちの活動が実ったのだと思います」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20220608/2050010573.html
6月8日22時44分に読売新聞からは、国交省は踏切内にも点字ブロックを設置するよう運用指針を改める方針だが、義務化は見送る方針など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は、道路のバリアフリーに関する運用指針を改定し、視覚障害者が鉄道の踏切の位置を把握できるように点字ブロックを整備することを道路管理者に求める方針を決めた。
近く、全国の自治体などに通知する。
国交省によると、運用指針はバリアフリー法に基づき作成され、点字ブロックの整備が必要な場所を定めている。
これまで踏切については記載がなく、道路管理者の判断に任されていた。
改定後の指針では、点字ブロックを「踏切の手前」だけでなく「踏切内」にも設置し、判別できるようにすることを求める。
このうち踏切内のブロックのデザインは、既存のものがないため、今後検討する。
ただ、国交省では、設置の義務化は見送る方針だ。
指針では整備を「義務」「標準的」「望ましい」の3段階で分類しており、手前のブロックは「標準的」、踏切内は「望ましい」という位置づけにとどめる。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220608-OYT1T50196/
6月11日0時19分にNHK関西からは、国交省は交通環境のバリアフリー化を進めるためのガイドラインを改定したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受け、国土交通省は交通環境のバリアフリー化を進めるためのガイドラインを改定しました。
この中で、踏切の手前については、目の不自由な人などに注意を促す点字ブロックや、適切に踏切まで誘導する線状のブロックを設置することを「標準的な整備内容」としています。
さらに、踏切内についても、立ち位置を認識し、誤って車道や線路にそれずに進むためのブロックを設置し、その形状は踏切手前のものとは異なるようにすることを「望ましい整備内容」として盛り込んでいて、国土交通省は、自治体などの道路管理者に通知しました。
ただ、これらの設置は国が指定する主要な箇所以外は「努力義務」にとどまり、歩道がない狭い踏切での設置方法は決まっていないなど、生活に密着した道路にまで広げるには課題もあり、ブロックの設置方法などについて有識者による検討を進めることにしています。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220611/2000062197.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。