2022年5月26日11時33分にNHK佐賀から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大雨の際、たまった水をポンプで川に流す排水機場の佐賀県内の操作員400人あまりのうち、長時間拘束による疲労や作業の危険性を感じている人が100人以上いることがNHKのアンケートでわかりました。
県内の排水機場では去年、操作員の死亡事故が起きていて、再発を防ぐ対策が求められます。
大雨の際、低い土地が広がる佐賀県では、「排水機場」が住宅地や農地にたまった水をポンプで大きな川に流す役目を果たし、自治体から委託を受けた地元の住民などが「操作員」を担います。
去年8月の大雨では、排水機場で「操作員」が川から流れ着くゴミを取り除く設備に挟まれ、死亡する事故が起きました。
事故を受けてNHKは、操作員の実情や業務のリスクを調べようと、昨年度、県内の排水機場で業務にあたった操作員402人に市や町を通じてアンケートを行い、25日までに35%にあたる140人から回答を得ました。
このなかで、「業務上の課題」を複数回答で尋ねたところ、「長時間の拘束による疲労」と答えた人が65%と、最も多くなりました。
大雨の際、最も長い間排水機場に滞在した期間を尋ねたところ、「5日間」と答えた人が多くなっています。
課題はこのほか、去年、死亡事故が起きた「除じん機に関する作業の危険性」が27%、「単独での作業」と「避難したくてもできないことがある」が、それぞれ26%、「ポンプや水門などの操作判断が難しい」が24%、「人手不足」が20%、「研修や実習などの不足」が15%、「専門的な業務内容が多い」が10%、「大雨で排水機場にたどりつけない」が7%となりました。
また、「除じん機の作業の危険性」、「単独での作業」、「避難したくてもできない」といった回答が上位で、操作員からは作業の危険性を指摘する声が出ています。
こうした長時間拘束による疲労や作業の危険性を感じている人は、あわせて112人で、回答した操作員の80%に上り、事故の再発を防ぐ対策が求められます。
一方、排水機場を管理する国土交通省武雄河川事務所などは先月、ポンプを運転する際の禁止行為などを定めた「安全管理マニュアル」を新たにつくり、操作員に対して安全第一で業務にあたるよう呼びかけを始めています。
【取材班より】
NHK佐賀放送局では、私たちを水害から守ってくれている排水機場の操作員の業務負担や担い手不足などの課題を継続してお伝えしていきます。
このアンケートも引き続き、回答を受け付けています。
操作員に関する体験談や記事をご覧になった感想なども含めて、NHK佐賀放送局のホームページなどに、ぜひご意見をお寄せください。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/20220526/5080011747.html
(ブログ者コメント)
去年8月の事故は本ブログでも紹介している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。