2015年12月15日10時10分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富山市内の水道水について「鉄臭い」「泥臭い」と悪臭の苦情が、12日午前から市上下水道局に相次いで寄せられている。
苦情の電話は、14日午後8時半までに、710件に上った。
同局は、水源地周辺の大雨で大量の泥水が流杉浄水場(富山市流杉)に流れ込んだのが原因とみており、「水質検査の結果、人体への影響はない」としている。
流杉浄水場からは、2005年の合併前の旧富山市の95%に当たる約13万世帯に配水している。
悪臭の原因については、同局は特定できていないが、11日に水源地の有峰湖周辺で降った大雨の泥水が同浄水場に大量に流れ込んだことが影響したとみている。
同浄水場では、臭いを取り除く活性炭1トンを、処理前の水をためておく原水調整池に投入。
13日午後10時には、悪臭がなくなったという。
ただ、臭いのする水が水道管に残っており、この水が全て使われると臭いがなくなるという。
同局には、「水を使って料理を提供しても大丈夫か」、「健康への影響や復旧のめどは」、といった飲食店などからの電話が相次いだ。
市内のすし店では、12日夜、飲食客から「水が臭い」とのクレームがあり、仕込みやお茶にペットボトル水を使って対応した。
市はホームページなどで、水の悪臭で気分が悪くなる場合は飲用に使うことを控えるよう呼びかけている。
希望者には、18ℓポリタンクやペットボトルに入れた水道水を無料で配送している。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151215-OYT1T50062.html
12月15日12時22分に読売新聞からは、活性炭投入を一晩見送っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富山市内の水道水の悪臭について、流杉浄水場の職員が異常を知らせる苦情通報を受けていながら、臭いを除去する活性炭の投入を一晩見送り、翌朝になってから投入していたことが、14日、市への取材で分かった。
同浄水場の本郷場長は、「これまで同様のトラブルがなく、水の濁度も高くなかったため、活性炭の投入が遅れてしまった」と説明している。
同浄水場によると、12日午前中から同局へ苦情電話が入り始め、夕方には殺到した。
これを受けて、市は苦情のあった地区の水道管内の水を入れ替える措置を取った。
職員が午後7時半頃に検査した際、味に異常を確認したが、臭いに異常は感じられなかった。
続いて、同11時半頃の検査では、臭いの異常を初めて確認したが、活性炭は投入しなかった。
翌13日朝に検査した際にも「鉄やこけに近い臭い」を感じたため、同日午前8時、活性炭の投入に踏み切った。
同日午前の検査結果では、かび臭さを生む「ジェオスミン」、「2―メチルイソボルネオール」が検出された。
同浄水場は、これらが臭いの原因とみて調べている。
ただ、いずれも「毒性がなく健康に影響はない」としている。
本郷場長は、「初期の検査で臭いに気付けば、より早いタイミングで活性炭を投入できた。迅速に対応できる体制作りを検討したい」と話している。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151215-OYT1T50067.html
12月16日10時3分に読売新聞からは、カビが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市上下水道局は、悪臭の原因について、有峰湖周辺で11日に大雨が降り、常願寺川の泥水が流杉浄水場に大量に流入して処理能力を超えたとした。
泥水には、落葉期の落ち葉と山肌との間に生じるカビが含まれ、このカビが臭気の原因物質を大量に含んでいたことから、水道水の悪臭につながったと推測した。
12日午後11時半頃には、浄水場の職員が水道原水の臭いを確認したが、脱臭のための活性炭を投入しなかった。
浄水場の本郷場長は、「濁度が下がってきたため収束すると判断し、活性炭の注入が遅れた。臭いを検知したときに活性炭を入れるべきだった」と説明した。
市上下水道局に寄せられた苦情や問い合わせの電話は12日以降、15日午後8時半までに756件に上った。
夜間の「赤ちゃんにミルクを飲ませたい」という訴えや、早朝から水を使う豆腐店から「臭いのない水が緊急に必要だ」という要望もあり、同局はポリタンクやペットボトル入りの臭いのない水道水を配送して対応した。
富山市内のスーパーマーケットでは、12日から水を買い求める客が詰めかけ、一時品切れとなる店が相次いだ。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151215-OYT1T50212.html
12月15日19時1分にNHK富山からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
15日開かれた富山市議会の建設委員会で、担当者が原因について説明し、常願寺川から流れ込んだ大量の泥の中にカビのような臭いを発生させる有機物が大量に含まれていたことを明らかにした。
また、臭いについての情報を12日の午前10時ごろには把握していたにも関わらず、水の濁りへの対応に追われたため、臭いを取るための活性炭を投入したのは翌日の13日の午前8時ごろまで遅れたことを明らかにした。
そのうえで、活性炭の投入が20時間以上遅れたことについて上下水道局は、「臭いに対する認識が薄く、対応が遅れた。判断を誤った」と述べた。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/3064318391.html?t=1450213538982
(ブログ者コメント)
富山は水道水が清冽で、水道水の処理にも最低限の手間しかかけていない由。
http://www.ccis-toyama.or.jp/toyama/magazine/h21_m/0906tks.html
今回、活性炭投入が遅れた理由は「これまで同様のトラブルがなく、水の濁度も高くなかったため」とされているが、その裏には、すぐに元通りのきれいな水質に戻るはず、活性炭を投入するほどのことでもないだろう・・・といった考えがあったのかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。