2016年8月17日9時12分に岐阜新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月16日23時36分に読売新聞から、8月17日付で朝日新聞(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
今年5月、岐阜市の長良川鵜飼の鵜舟の男性船頭=当時(73)=が流されて溺死した事故で、岐阜労基署は、16日、労安法(墜落等による危険の防止)違反の疑いで、船頭の雇用主にあたる同市長良の男性鵜匠(75)を書類送検した。
送検容疑は、5月23日夜の鵜飼終了後、午後8時半ごろ、長良橋上流付近で逃げた鵜を捕まえる作業を船頭にさせる際、川に落ちて溺れる恐れがあるにもかかわらず、鵜舟に浮き袋を設置したり、船頭に救命胴衣を着用させたりするなど、救命に必要な措置をしなかった疑い。
船舶職員及び小型船舶操縦者法では、鵜舟の乗船者の救命胴衣着用は、努力義務にとどまる。
しかし労基署は、鵜匠には雇用主として船頭の労働安全を守る義務があると判断し、労安法を適用した。
事故を受け、鵜飼漁を行う鵜匠6人と観覧船事業を実施する同市は、事故翌日から6日間、鵜飼を中止。
鵜匠が鵜舟に救命胴衣を配備して、書類送検された鵜匠を除く5人で鵜飼を再開。
市も、鵜飼観覧船の船頭に救命胴衣を着用させて、安全対策を強化している。
鵜匠の書類送検を受けて、山下鵜匠代表(77)は、「安全第一で今後も粛々と(鵜飼を)していく」と話した。
細江市長は、「事故後、鵜舟にも救命具を配備するなど安全対策を講じたが、引き続き、安全運航に努めたい」とコメントを発表した。
出典
『鵜匠を書類送検 長良川鵜飼、船頭死亡事故』
https://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20160817/201608170912_27865.shtml
『鵜舟の船頭長良川で溺死、労基署が鵜匠書類送検』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160816-OYT1T50108.html
(ブログ者コメント)
事故当時の状況は、下記記事参照。
(2016年5月26日付 毎日新聞大阪版)
岐阜市の長良川で23日、鵜飼の船頭の男性が川に流される事故があり、行方不明になっていた男性(73)の遺体が25日、川底で見つかった。
警察などによると、男性は23日夜、鵜匠と他の船頭2人の計4人で鵜舟に乗り、鵜飼実演中に逃げた鵜を見つけ、捕まえようと川に飛び込み、行方が分からなくなっていた。
遺体は25日午後1時10分ごろ、長良橋から上流約30mの川底(水深約2.4m)に沈んでいるのを警察や地元消防などの捜索隊が発見。家族が本人と確認した。
警察が死因を調べている。
市は、この日の鵜飼を捜索のため取りやめ、26日も安全対策を協議するため中止する。
出典
『水難事故 逃げた鵜追った船頭、流され死亡 岐阜・長良川』
http://mainichi.jp/articles/20160526/ddn/041/040/015000c
(2016年5月27日9時57分 岐阜新聞)
山下鵜匠代表は、「いまだかつて鵜匠や(鵜舟の)船頭が川乗りで事故を出し、死亡したというのは自分は聞いたことはない」と肩を落とした。
27~29日の鵜飼観覧船の乗船予約は1900人。
この週末、長良川河畔の旅館・ホテルの予約はほぼ満室だったという。
6日間で乗船予約を断った人数は計3342人になる。
関係者は、「打撃は経営に響くほどの大きさだ」とやるせなさをにじませた。
出典
『長良川鵜飼30日再開 船頭死亡事故受け安全対策を徹底』
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20160527/201605270957_27358.shtml
(2017年4月22日 修正1 ;追記)
2017年4月21日12時21分にNHK岐阜から、罰金の略式命令が出たという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 (新情報に基づき、タイトルも修正した)
鵜匠は4月に入って検察から労安法違反の罪で略式起訴され、その後、岐阜簡易裁判所から罰金20万円の略式命令を受けて、20日、納付したという。
この事故の後、長良川鵜飼では、鵜舟に乗る鵜匠や船頭に救命胴衣の着用を義務づけ、5月11日から始まる今シーズンは、船頭が亡くなった舟を含む例年通りの6艘で鵜飼いをすることにしている。
出典
『船頭死亡事故で鵜匠に略式命令』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/3085788151.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。