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(8月18日付 毎日新聞東京版)
巡回車の安全対策について、国の統一基準がないことが分かった。
今回の事故では、同パーク独自の安全対策が不十分だった可能性が指摘されている。
ただ、基準の設定には慎重な意見もあり、環境省は「事故の原因を把握した上で判断する」と話している。
日本動物園水族館協会は、「動物をより魅力的に展示する各園の取り組みが阻害される懸念もあるが、最低限でも設定すれば、園の安全意識は高まる」と指摘する。
ただ、ある施設関係者は、「基準がないから事故が起きるのではない」と、基準設定には慎重な考えだ。
出典
『群馬サファリパーク 死亡事故 巡回車、安全統一基準なし 環境省「原因把握し判断」』
http://mainichi.jp/articles/20160818/ddm/041/040/143000c
(8月18日11時50分 毎日新聞)
パークによると、車両点検はほぼ毎日行っているが、パイプの強度点検は1カ月に一度程度だった。
パーク担当者は、「日ごろの安全点検が十分とは言えない水準だった可能性がある」と話し、安全体制の見直しを検討する。
巡回用の車には、窓から動物に投げ与える麦やトウモロコシなどの餌を常備されていた。
他の施設関係者からは「えさを狙ったのではないか」と指摘する声も出ているが、パークの矢島・お客様本部長は、「クマには毎日十分な量の餌を与えており、空腹から車両を襲ったとは考えにくい。本当に『なぜ』という気持ちだ」と話した。
女性を襲ったクマについて、矢島本部長は、「動物愛護法などに照らし、現時点で殺処分はしない予定だが、放し飼いも当面は行わず、獣舎内で管理する」としている。
出典
『群馬サファリ パイプ点検は1カ月に一度 えさ十分、なぜ』
http://mainichi.jp/articles/20160818/k00/00e/040/273000c
(8月18日14時37分 読売新聞)
運転席側の窓枠に取り付けられた動物防護用パイプの片端がねじで直接固定されておらず、事故で外れていたことが、17日、捜査関係者への取材で分かった。
警察は、車内に乗り込もうとしたクマの重さにパイプが耐えきれなかったとみており、同パークの安全管理に問題がなかったか調べている。
車の運転席側の窓枠には、直径約2cmのステンレス製パイプが、横向きに取り付けられていた。
片端はねじで直接固定されているが、もう片端は金具に1.8cm差し込むような形で付けるだけで、溶接されていなかった。
同パークは、「動物がこれまでパイプをつかむようなケースはなく、想定外。ただ、毎朝の始業点検でパイプを揺するなどして、しっかり固定されているかどうか確認している」とする。
女性は、事故当日、クマの餌付け用にキュウリを持ち込んでいた。
車内に一部が欠けたキュウリが残っており、近くの地面にはキュウリの切れ端が落ちていた。
窓ガラスは割れておらず、女性は窓を開けたまま作業をしていたとみられる。
同パークは、「視界を確保するためにも、職員が窓を開けたまま作業することはある」としている。
出典
『防護パイプ、ねじで固定せず…サファリ死亡事故』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160817-OYT1T50244.html
(8月20日15時20分 読売新聞)
同パークは、19日、車の窓に鉄格子を取り付けるなどの再発防止策を実施した。
県動物愛護センターに提出した改善計画書に基づくもので、県は、現地視察で実施状況を確認した。
同パークは安全性が確保できたとして、20日、営業を再開する。
窓に鉄格子を付けたのは、クマがいる「日本ゾーン」や「トラゾーン」、「ライオンゾーン」を巡回する普通車で、計6台。
運転席と助手席のドアに鉄枠をねじで固定し、そこに約5cm四方の網目の鉄格子を溶接した。
事故前のステンレス製パイプ1本と比べて頑丈な作りだが、視界の確保と演出用の餌やりのため、窓の中央部分に上下約13cmの隙間を設けた。
窓は開けたままにするという。
同パークは、「この隙間ならクマは体を入れることができない。鼻先が少し入るかもしれないが、よけたり車を動かしたりして、大きな事故は回避できる」と説明している。
軽乗用車は、今後、三つのゾーンでは巡回に使わない。
同パークは、このほか、改善計画書に沿って、
〈1〉1ゾーンを車2台ずつで巡回
〈2〉従業員を襲ったクマは当分、屋内に隔離。ほかのクマも道路外にある電気柵で囲ったエリアでのみ放し飼いにする
〈3〉職員のミーティングを従来の夕方1回から朝夕2回に増やし、情報共有を強化
の3項目について、20日から実施する。
従業員用の安全マニュアルの改訂も、早急に進める。
同パークの川上園長(63)は、「多大な心配や迷惑をかけてしまい申し訳ない。できる限りの安全対策を施し、職員への注意喚起も行った。野生観察を楽しみに、またサファリを訪れてほしい」と話した。
県は、「サファリも事故を真剣に受け止め、防止対策を講じたと考えている」としている。
出典
『車のドアに鉄格子付け営業再開…事故のサファリ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160820-OYT1T50002.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。