(2/3から続く)
2022年11月4日14時35分にYAHOOニュース(朝鮮日報)からは、現地を所管する警察署の署長は情勢報告を受け取ってから1時間半の間、指揮をとった形跡がないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故の当時、現場で対応に当たった警察官の監察を進めている警察庁特別監察チームは、事故発生の1時間半前から李林宰(イ・イムジェ)前竜山警察署長(総警=警視正に相当)の足跡が不明な点について、集中的に調査を行った。
本紙の取材を総合すると、竜山署は事故当日の先月29日、「竜山署長が午後10時20分ごろ、現場指揮を始めた」との状況報告を残した。
しかし、監察チームは李総警が実際に事故現場のハミルトンホテル周辺の路地近くに到着した時刻は午後11時すぎだったことを確認した。
李総警は同日午後、竜山区三角地付近で開かれた政治集会に対応するため、機動隊を指揮した。
午後9時ごろに集会が終了し、李総警は三角地の飲食店で食事を取ったが、店内で「梨泰院の状況が危険だ」という趣旨の報告を受け、午後9時半ごろに食堂を離れたとされる。
そして午後10時40分ごろ、梨泰院近くで車を降りたが、事故現場に到着したのは午後11時すぎだったという。
地下鉄三角地駅を基準にすると、事故現場までは直線距離で約1.8キロで、歩いても30分程度だ。
ところが、車で約1時間半もかかったことになる。
監察チームはまた、李総警が飲食店を離れ、梨泰院の現場に到着するまでの約1時間30分の間、指揮を行った形跡を発見できなかった。
報告を受けたり、現場に対し無線などで指揮を取ったりしなかったことになる。
李総警は監察チームに対し、「渋滞していたため、途中で降りて歩き、現場到着が遅れた」という趣旨の釈明を行ったという。
これに関連し、虚偽報告の可能性も指摘されている。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/916196de15693902574f43e3a71ead506f4065a3
11月4日15時6分にYAHOOニュース(朝鮮日報)からは、緊急通報を受け付ける部署のトップは本来は5階の状況室にいなければならないが10階の自室にいたため把握と対応が遅れた、状況室では同じ通報が繰り返される場合はチーム長に報告しなければならないが数人がバラバラに通報を受けたため危険シグナルに気付かなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
当夜、ソウル地方警察庁の112番治安総合状況室で状況管理官を務めた柳美真(リュ・ミジン)前同庁人事教育課長(総警=警視正に相当)は、状況室ではなく自分の事務室にいたという。
そのため、柳総警が状況室のチーム長(警正=警視に相当)から事故に関する報告を受けたのも、事故発生から1時間24分が経過した午後11時39分だった。
ソウル地方警察庁の幹部が交代で担当する状況管理官は、112番通報の受付をはじめ、ソウル市内の夜間の緊急状況を統括する総合状況室を指揮する役割を担う。
当直の状況管理官は午後6時から翌日午前1時まで状況室に待機しなければならないが、リュ総警は状況室がある庁舎5階ではなく、10階にある自分の事務室にいた。
柳総警が梨泰院で事故が起きている状況室チーム長の報告を受け、状況室に復帰したのは午後11時39分だった。
梨泰院ではすでに数百人が倒れ、心肺蘇生法が施されていた時間だった。
当日の112番通報の受付体制も問題点を露呈した。
警察のマニュアルによると、類似する内容の通報が繰り返される場合は、状況室勤務者は、受理段階でチーム長(警正)に報告しなければならない。
事故直前、警察に寄せられた通報11件のうち9件が事故現場の路地近くから入電したが、チーム長はそれを直ちには認識できなかったという。
警察関係者は、「梨泰院からの通報11件は当時状況室に勤務していた数人がばらばらに受け付け、危険シグナルに気づかなかったとみられる。状況管理官が席を外した状況で、マニュアルもまともに機能しなかった」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/72cd5bcbc9b84985e1b4bd91e012354e6cfb94bb
11月4日15時26分にYAHOOニュース(朝鮮日報)からは、当夜はソウル中心部で大規模なデモや集会計14件が行われていたため、ソウル全域の全機動隊員と地方の機動隊員がそちらに投入されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月29日、ソウル中心部(鍾路・南大門・竜山)のあちこちで左派団体・右派団体の大規模集会4件など計15件の集会およびデモが行われた。
こうした集会・デモは事故発生の約1時間15分前まで続いていた。
ソウル警察庁はこの日、各集会・デモに対応するため、ソウル全域の全機動隊員3540人を動員しても足りず、京畿南部庁など地方警察庁の機動隊員480人を追加投入していたことが確認された。
事故が発生する前に梨泰院の状況が伝えられていれば、ハロウィーンで人々が集まる所に機動隊の人員を別途配置することもできたが、ソウル・竜山署は現場の状況を上部にもきちんと報告しておらず、午後9時の事故直前になっても、警察は衝突により人命被害が出るかもしれない集会・デモの対応に力を入れていたことになる。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/3d5f2d301156a9b68161cad66b5e8ddb7842999b
11月6日5時0分に読売新聞からは、ショックウエーブと呼ばれる人波のうねりが発生していたらしいという下記趣旨の記事がイメージ図付きでネット配信されていた。
大勢が亡くなった狭い通路周辺で「ショックウェーブ」と呼ばれる人波のうねりが発生していたとみられることが、神戸大の北後(ほくご)明彦名誉教授(避難行動学)による現地報道などの映像分析で分かった。
人々が相次いで転倒する「群衆雪崩」を誘発したとみられる。
ショックウェーブは、狭い道などで滞留した群衆が、波のように繰り返し揺れ動く現象。
人が隙間なく密集することで一つの塊のようになり、押し合う力が伝わりやすくなる。
1平方メートル当たり8人を超えると起きやすいという報告がある。
欧米では1970年代頃から知られ、11人が死亡した兵庫県明石市の明石歩道橋事故(2001年)や、ドイツの音楽イベントで20人超が犠牲になった雑踏事故(10年)でも起きたと指摘されている。
北後名誉教授は歩道橋事故以来、この現象を研究しており、今回も現地のテレビ映像やSNSに投稿された動画などを調べた。
その結果、大勢の犠牲者が出た幅約3メートルの通路周辺では、群衆の密度が1平方メートル当たり8人を超えていたと推定。
事故発生前に、体がふらつくような2秒間隔の小さな波と、その場にとどまっていられないほど前後左右に大きく揺さぶられる30秒間隔の大きな波が生じていたと分析した。
このうち大きな波の影響で群衆が動いて瞬間的に隙間が生まれ、そこに人が倒れ込んだことが群衆雪崩のきっかけになった可能性があるという。
北後名誉教授は、「ショックウェーブが起きてしまうと、なすすべはない。通路を一方通行にするなどして人の流れを制御して密集しすぎないようにするのが唯一の防止策。事前の警備計画が全てだ」と話した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221105-OYT1T50341/
(ブログ者コメント)
予想をはるかに超えた数多くの事故要因が挙げられていいる。
それだからこそ大事故になった・・・ということかもしれないが・・・。
(2023年1月14日 修正1 ;追記)
2023年1月12日11時31分にYAHOOニュース(聯合ニュース)からは、特捜本部は人災と結論付け、大勢の関係者を逮捕・起訴したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察庁特別捜査本部は13日、捜査結果を発表した。
今回の事故について、管轄の自治体や警察、消防など法令上、安全予防や対応の義務がある機関が事前の安全対策を怠るなど事故の予防対策を取らなかったために起きた「人災」と結論付けた。
事故発生後も各機関のマニュアルに従った人命救助や現場の統制などが行われず、各機関の過失が重なって多数の犠牲者が出たと判断。
各機関の職員を業務上過失致死傷容疑の共同正犯とした。
特別捜査本部は、ハロウィーンイベントの事故を予想できたにもかかわらず予防措置を怠ったとして、朴区長や李前署長ら区庁と警察の幹部4人を逮捕した。
竜山警察署の情報官が作成した事故発生を懸念する報告書の削除を指示したとして、証拠隠滅教唆の疑いなどでソウル警察庁の朴成ミン(パク・ソンミン)前公共安寧情報外事部長ら警察幹部2人も逮捕・起訴した。
また、ハロウィーンイベントに多くの人が集まることを事前に把握していたにもかかわらず安全管理対策を取らなかったとして、金光浩(キム・グァンホ)ソウル警察庁長らソウル警察庁の幹部3人を書類送検した。
ソウル市全体を管轄する警察の最高責任者である金庁長の場合、逮捕状を取って身柄を拘束するとみられたが、公判で十分に責任を追及できると判断し、逮捕には至らなかった。
竜山警察署と梨泰院派出所の警察官5人、救助作業の指揮を執る竜山消防署のチェ・ソンボム署長と現場指揮チーム長、竜山区庁の副区長や竜山区保健所長、梨泰院駅の駅長らについても書類送検した。
事故現場となった路地に面するハミルトンホテルの代表取締役とホテル1階の飲食店の代表は違法建築物を設置したとして、建築法・道路法違反の疑いで書類送検した。
違法建築物のため、路地の密集度が高まったかどうかも調べたが、事故の責任を問うほどではないと判断し、過失致死傷容疑は適用しなかった。
行政安全部の李祥敏(イ・サンミン)長官やソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長、警察トップの尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長らは人出の危険性に対する具体的な注意義務がないなどし、「嫌疑なし」とした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4c05c0f4e3396e0dc908d3bab6bcbe098b04233
1月13日16時37分にYAHOOニュース(聯合ニュース)からは、専門家による分析結果、双方向通行だと800人で詰まるが一方通行だと1000人でも詰まらない、押されなくても気絶した隙間に倒れ込んで転ぶことがあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
現場となった路地には1平方メートル当たり6~11人がひしめき、人々に平均224~560重量キログラム(kgf)の力がかかっていたと推定される。
警察庁特別捜査本部が13日に捜査結果を発表した際、専門家による分析結果が公表された。
金烏工科大のパク・ジュニョン教授(機械設計工学科)が、群衆密度を推定した国立科学捜査研究院の鑑定書を基にシミュレーションした。
事故が起こった昨年10月29日の午後9時~10時半に現場の群衆密度は1平方メートル当たり6~10人で、人々に加わっていた力は平均2200~5500ニュートン(N)と推定された。
これは224~560重量キログラム毎平方メートルに当たる。
パク氏は「シミュレーションしたところ、事故現場の路地が双方向通行の時は区間内の人が800人になると(人の流れに)詰まりが生じ、圧死が発生する確率が高まるが、一方向の通行なら1000人でも詰まりが生じなかった」と説明した。
また、道幅が狭まるボトルネックを誘発する構造物は、歩行者が転倒する確率を高めると指摘した。
ボトルネックで歩行者にさらに大きな力が加わり、それが密集した状態で起きれば人が倒れやすくなるという。
こうした密集した状態では誰かが押さなくても転ぶこともあるかとの問いに、「一定以上の圧力が数分間続けば気絶する人があり、この時にできた隙間に人が倒れ込むことも発生し得る」と答えた。
路地の梨泰院駅に近い側には1800人程度がいたと推定した。
その半数以上に平均4000N以上の力が加わっていたと分析した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ce400ad1a453ce7e7102a87c6787092464dc551
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。