2022年10月30日21時7分にYAHOOニュース(朝日新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
韓国・ソウル市内の繁華街「梨泰院(イテウォン)」で29日午後10時15分ごろ、路地に密集した大勢の人が折り重なるように倒れる事故が起き、韓国当局側によると、30日夜までに154人が死亡し、132人が負傷した。
在韓日本大使館は日本人の女性2人が亡くなったことを確認した。
付近にはハロウィーンのイベントで訪れた若者が集まっており、韓国政府によると、死者の多くが20~30代という。
在韓日本大使館や韓国警察によると、亡くなった2人の日本人女性は10代と20代。
日本に住む家族が近くソウルを訪れ、身元を確認するという。
家族によると、20代の女性は北海道出身の冨川さん(26)。
梨泰院は多くの外国人も訪れる地区で、韓国当局は死者のうち26人が外国人だとしている。
韓国政府によると、現場は地下鉄駅のそばの幅約3メートル、長さ約40メートルの坂道。
目撃者の証言などによると、多くの人が身動きがとれない状況の中で次々に倒れ、下敷きになった人を助けようとする人たちが、また折り重なるように倒れるなどしていたという。
居酒屋に有名人がいて人が殺到したとの情報もある。
人が過密な状態の中で起きる「群衆雪崩」と呼ばれる現象が起きた可能性がある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6b0dea0030fcfe10b45414e03760d7399a1b2ab5
10月31日1時29分にNHK NEWS WEBからは、ほとんどの人は心臓マッサージしても蘇生できない状態だった、現場では大音量で音楽が流れていたため「押さないで」などの声が聞こえにくかった、坂道を上がる人と坂道を下る人の動線が重なっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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韓国の通信社、連合ニュースは、事故当時、現場で救命活動に当たった医師の話として、死亡した人の多くは窒息が死因だったとしたうえで、「ほとんどは心臓マッサージをしても蘇生できない状態だった」と振り返ったと報じています。
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消防や韓国メディアによりますと、事故現場は地下鉄のイテウォン駅を出てすぐの、飲食店とホテルに挟まれた狭い通りです。
幅4メートルほどの細い坂道で、長さは45メートル程度です。
事故が起きた29日午後10時15分ごろ、現場やその周辺には数万人が集まっていたとみられ、突然、坂の上の方から次々と折り重なるように人々が倒れていったということです。
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現場にいた人は韓国メディアに対し、「みんなで『押さないで』と大きな掛け声をあげたが突然、悲鳴に変わった」と、混乱した様子を語ったほか、「5、6人が折り重なっていた」という証言も出ています。
ただ、大音量で音楽が流れていたため、こうした掛け声が聞こえにくかったとも伝えられています。
また、人が密集した原因については、地下鉄の駅を出て繁華街に向かうため坂を上がる人と、繁華街から駅の方向へと下りる人の動線が重なったためだという見方が出ています。
事故発生時には、壁をよじ登ったり、飲食店に駆け込んだりして難を逃れた人もいたということです。
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都市防災が専門で群集事故について詳しい東京大学大学院の廣井悠教授は、
「現場の詳しい状況はまだ明らかになっていないが、今回の事故は群集事故としては極めて大規模なもので、近年では2015年のサウジアラビア・メッカや、2010年のカンボジア・プノンペンの事故に次ぐ規模ではないか。
群集事故にはさまざまなパターンがあるが、今回は狭い空間と坂道で起きたということで、1人の転倒などをきっかけに同じ方向に人が倒れていく現象が発生した可能性がある。
1平方メートル当たり3人から5人程度以上の密度の高い空間で発生する現象で、誰かが段差につまずくなど、何らかのきっかけを引き金に同一方向に転倒が波及していく。
人が人の上に折り重なって呼吸困難になったり胸が押しつぶされたりするため、特に体の小さな子どもや高齢者にとっては危険な現象だ」
と指摘します。
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廣井教授は、
「狭い路地などボトルネックと呼ばれる構造や坂道などの状況に加え、誘導員が対応できる人数を超えたり、誰かが走り出したりするという状況になると、群集事故が起こりやすいと言われている。
単に過密な状態だけで起きることは少なく、予想以上の人出だったり、人々が興奮状態になると、発生のリスクが高まる。
人が過密になる場所には行かないことが有効だが、行かざるを得なかったり、人が集まっているところを目的にしたりしている場合には、あらかじめ決められたルールを守り、落ち着いて行動することが非常に重要だ」
と話しています。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221030/k10013874791000.html
10月30日18時21分にYAHOOニュース(東洋経済:ソウル新聞)からは、女性の死亡者が男性の2倍近く多かったのは女性のほうが背が低く体重も軽かったためと推定、下敷きになっている人を助けるため上にいる人を移動させようとしても難しい状況だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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ソウル・龍山消防署のチェ・ソンボム署長は、「被害者の多くが10~20代であり、性別では男性54人、女性97人」と発表した。
女性の死亡者が男性の2倍近く多い。
また、外国人の死亡者も19人となった。
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ユウォン大学警察消防行政学科のヨム・ゴンウン教授は、「事故初期の映像を見ると、人力ではとうてい解決できないものだった」と、圧死事故後の救助がとても難しい状況だったことを指摘する。
通りに傾斜があることが事故の原因となった可能性がある。
1人体重50キログラムとすれば、100人が集まれば5トンとなる。
このうち誰かがよろけて倒れれば、ドミノ現象が続いて誰もが倒れてしまう。
とくに女性の犠牲者が多かったのは、相対的に男性よりも背が低く、体重が軽かったためだと思われる。
ヨム教授はまた、
「圧死事故が発生した状況で、救助のためにすでに倒れている死傷者を抱き抱え移動させることさえ難しい状況だった。
一番下にいる人をすぐに助けなければいけないが、その上に倒れている人たちが重なっている。
であれば、上にいる人から移動させればよいのではないか、というと、それさえも事故現場ではとても難しい状況だった」
と説明する。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/f51ed2c7800ed5bf66b62f4fc192b1a0cfe793b7
10月30日14時13分にYAHOOニュース(ライターの寄稿文)からは、この路地は普段から混雑していて休日には圧迫感を感じるほどだった、当初はまだまだ、その場を面白がっているような雰囲気だったなど、という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故現場は、ふだんから「人通りの多い狭い路地」から「大通りに抜け出す」空間だった。
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筆者自身も、ここを今年9月に歩いてみた。
通常の土日だったが、密集した場所に人が混雑して、圧迫感を感じるほどだった。
「抜け出したい」と強く感じ、事故現場の一本先にある小道から大通りに出た。
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当日の状況はどうだったのか。
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当初はまだまだ場を面白がっているような雰囲気だった。
しかしある瞬間から、だんだん深刻な声に。
混雑から危険を察した人たちがそこを抜け出そうと動き始め、人が押し合う状態になっていったように感じた。
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https://news.yahoo.co.jp/byline/yoshizakieijinho/20221030-00321730
10月30日19時28分に産経新聞からは、5~6層に積み重なっていた、28日にも転倒した人がいたが通行規制強化などは議論されなかった、警備は麻薬・性犯罪・コロナ対策中心だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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惨事が発生したのは、繁華街と地下鉄駅入り口を結ぶ、ホテル脇の路地。
幅3・2メートルと狭く、傾斜10%の下り坂が40メートル続く。
聯合ニュースなどによると、前方で人が倒れた後も人波は前に進み続け、「5~6層に積み重なっていった」(目撃者)。
救急隊員が到着し、心肺停止状態の女性らの救助活動にあたる間、事態を把握していない坂の上側では、先に進もうとする動きが続いた。
「ドミノのように倒された。下で(人々が)倒れたことを知らないのか、(後ろから)ずっと押していた」。
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イベント初日の28日にも、人波に押されて参加者が転倒する事故の目撃情報がネット上に掲載されたが、行政当局による通行規制の強化などは議論されなかったという。
約200人態勢で現場周辺に配置された警察官は、主に麻薬の使用や性犯罪の監視・捜査を担当。
地元自治体が事前に公表した安全対策でも、コロナ関連が中心で、交通規制に関する記載はなかった。
事故想定が軽視された背景について、韓国の専門家は「行政の災害対策が高齢者中心に策定されており、若者文化に対する関心が不十分だった」などと指摘している。
10月30日21時8分にYAHOOニュース(朝鮮日報)からは、犠牲者の多くは立ったまま死亡していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
犠牲者の多くは立ったまま死亡していたと伝えられた。
一部の報道機関では消防当局の話として、「犠牲者たちは下敷きになって圧死したのではなく、立っている状態で押しつぶされて圧死した」と報道した。
インターネット上にも「立ったまま失神した人がいた」という現場での目撃談が投稿されている。
事実、あるインターネット放送運営者が事故発生時、現場からリアルタイムでアップロードした動画には、ある女性が立ったまま四方八方から押され、その圧力のために苦しくなり悲鳴を上げ、まもなく力が入らなくなったかのようにぐったりする様子がとらえられていた。
こうしたことについて、ネット上には衝撃的に受け止める人や、信じられないという人の反応もある。
一般的に、圧死と言えば「転倒して下敷きになる状況」が思い浮かぶためだ。
ところが、専門家らは「立ったまま圧死することはいくらでもあり得ることだ」と話す。
ソ・ジュンソク元国立科学捜査研究院院長は30日、本紙の電話取材に「死亡者のうち、かなりの数が『圧着性窒息死』と推定される。これは、立っている状態でも転倒した状態でも、姿勢とは無関係に起こる可能性がある」と語った。
人間は肋骨(ろっこつ)と肋骨の間の筋肉と横隔膜を動かして呼吸をするが、今回の事故の犠牲者たちは、立ったまま四方八方から加えられた強い圧力のため、胸郭運動に必要な空間を確保できずに死亡したものだろう、と推定しているのだ。
ソ・ジュンソク元院長は、
「もちろん、解剖をしてみるまで断言はできない。地面に下敷きになった状態で衝撃が加わり、心臓などの臓器が破裂した可能性もあるし、首の骨が折れた可能性もある」
「しかし、当時の状況から推定すると、最も可能性が高い死因は圧着性窒息死だ」
と語った。
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該当の職業に就いているという認証を経た上で参加できる匿名のインターネット・コミュニティー・サイト「ブラインド」にも、「医師」で登録されている人物が同様の投稿をしている。
この人物は、
「圧死の主な原因は臓器破裂でも腹腔内出血でもなく、単純呼吸不全だ」
「呼吸空間がない状態で呼吸筋が耐えられないほどの圧力で押されれば、息ができずに窒息する」
と説明した。
このような状況を避けるにはどうすればいいのか。
コン・ハソン教授は、
「道の端の方が荷重が最も少ないので、群集に巻き込まれたら端の方に素早く移動しなければならない」
「端の方に着いたら、その場で看板や塀・壁をつかんで踏ん張るべきだ」
と言った。
そして、「転倒したら最悪の事態になる」「もし転倒したら、すぐに体を丸めて、頭や胸、体を守り、呼吸する空間を確保しなければならない」と語った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cc37f830298f6767269d9b0b14633a05da70aba7
10月31日9時49分にYAHOOニュース(ハンギョレ新聞)からは、四方から胸を押さえつけられると胸を膨らませることができなくなり空気を取り込めなくなる、呼吸器が原因の心停止時は生存率はわずか5%など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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30日の医療専門家の話を総合すると、狭い空間に非常に多くの人が詰め込まれると、呼吸困難による心停止で致命傷を負う可能性がある。
人が息をする原理を見ると、胸に力を入れて胸郭が外に膨らめば、横隔膜が胸を大気圧より低い陰圧状態にし、それによって空気(酸素)が自然に肺に入ってくる。
今回の惨事のように四方から胸が押さえつけられる状況になれば、胸郭を膨らませることができなくなるため、外部の空気が取り込めなくなる。
この時、体内にたまった二酸化炭素の排出よりも酸素が供給されないことの方が大きな問題となる。
ソウル峨山病院のキム・ウォニョン救急室長(救急医学科教授)は、「肺が体内に酸素を供給しなくなると、細胞が持っている酸素で耐えることになるが、短くは4分、いくら長くても10分以上経つと細胞は死ぬことになる」とし、「そうなれば(体の部位の中で血を最も多く消耗する)脳が機能を停止し、続いて心停止が来る」と述べた。
心筋梗塞など、心臓そのものの問題で生じた心停止の場合は蘇生率が80%前後になるが、呼吸器が原因の心停止の場合は生存率が5%前後と、より低いことが知られる。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/ad1472d7348ed118ac9c950c46be12b3f87b5d42
10月31日10時30分にYAHOOニュース(朝鮮日報)からは、わずか18m2の空間に300人が密集状態となり、死傷者は全員、この空間にいたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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路地では多くの人がごった返すなかで一部の通行人が転倒した。
一瞬で数百人が一斉に波打ち、人の下にまた別の人が下敷きになり始めた。
目撃者によると、現場にいた多くの人が一方向に倒れ始めたその時点でも、路地には多くの人が入ろうとしていた。
そのため、倒れた人の上にまた別の人が倒れ、下敷きになった人たちへの圧力はどんどん大きくなった。
警察によると、現場にいた人たちが倒れて大きな被害が発生したこの場所は、路地の中でも全長5.7メートル、幅3.2メートルの広さ約18.24平方メートル(約5.5坪)しかない狭い空間だった。
約300人が、小さい部屋サイズのわずかなスペースで6-7重に折り重なって倒れたのだ。
犠牲になった154人と負傷した132人は全員がここにいた。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/c6899fd7506615ccf10ede417f6952462b505f3f
10月31日15時0分にYAHOOニュース(東洋経済)からは、今回は自発的イベントだったためイベント安全マニュアルが適用されていなかった、10月の花火大会は主催者がはっきりしていたため適用されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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行政安全省は、地域のイベントの安全と事故を予防するための「地域イベント場安全管理マニュアル」を2021年3月に公開している。
しかし、今回の梨泰院での事故は、自治体が主催したのではなく、同地域の商工人たちと参加者の自発的なイベントだったことに加え、マニュアルが適用されていなかった。
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10月初旬に開催された「ソウル世界花火大会」の場合、100万人を超える人波が押し寄せたが、人命に関わる事故は発生しなかった。
イベントの主催者が韓国企業ハンファグループとはっきりしており、ソウル市が安全に行われるイベントかどうかを審議する一方、ソウル市や汝矣島がある永登浦(ヨンドンポ)区、警察・消防署などが合同で安全本部を設置して対応したためだ。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/8b9d6699ae774ec66588d5434914375f6b2201cc
10月31日16時57分にYAHOOニュース(中央日報)からは、死亡した人の中には顔の見分けがつかないほどの人がいたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「顔の見分けが付かないほど…」
50代のイムさんは、数時間前に死亡した娘の最後の姿を繰り返し話した。
娘のパクさんは梨泰院(イテウォン)の道路で倒れ、発見された時は、すでに全身に多発性損傷を受けた状態だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4d70fbf5d2c7ec0bfa10d12c8eb38f3d1a6cf092
10月31日17時52分にYAHOOニュース(朝鮮日報)からは、事故の数時間前にも通行困難になっていたが、一人の女性が交通整理的大声を発したことで周囲の人も協力し渋滞は解消されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「下って! 下って!」
事故の数時間前、路地を埋め尽くした人々は一斉に、こう叫んだ。
狭い路地に大勢の人が殺到し、双方向の通行が困難になったため、その場にいた一人が「この先は人がぎっしりだから上って来られない。前の人に伝えてください!」と大声で叫び、路地にいた人たちも状況を理解して一方通行に協力したのだ。
現場にいた人たちは、この掛け声のおかげで無事に路地を抜け出せたという。
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隙間もないほど埋め尽くされて互いに行き詰まり、通行が不可能になっていたとき、ある女性が大声で
「前の人に伝えてください。この後ろ(坂の上部と交わる道)は人がぎっしりなので上がって来られません」
「上方面に行く方はしばらく待ってください。下る人から移動しましょう。前の人に伝えてください」
と叫ぶ。
その場にいた人たちは「いいですよ」「はい」と応じ、すぐに「下って! 下って!」と叫び声が路地いっぱいに広がり始めた。
その後、人々は秩序を守って下り始めた。
ほどなくして、路地の入口付近の渋滞も解消された。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/a1856a77aa1f84c2ebb2e66518352272ab57c8e6
(2/3へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。