2018年11月12日8時13分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長野県は11日、同県茅野市の旅館「TS温泉」で9日の夕食に除菌洗浄剤が混入したお茶漬けが誤って提供され、食べた埼玉県の40~70代の男女3人がのどの痛みや舌のしびれなどを訴える食中毒があったと発表した。
全員が快方に向かっている。
保健所は、旅館側が、鍋に除菌洗浄剤を入れて汚れを落とした状態の液体を、だし汁と誤って焼きおにぎりにかけてお茶漬けとして提供したことを確認。
同保健所は除菌洗浄剤による食中毒と断定し、11、12両日に調理部門を営業停止とした。
同旅館によると、お茶漬けは10人中8人が口にし、うち3人が大事を取って搬送された。
「お客さまや多くの関係者の皆さまに多大なご迷惑とご心配をお掛けし、おわびする」としている。
調理場内で除菌洗浄剤入りの鍋がだしの鍋の置き場所と近く、注意喚起の表示や周知が不十分だったとして、今後は置き場所を離した上で、配膳と洗浄の時間が重ならないようにするなどの対策を取ると説明している。
(共同)
出典
『食中毒 洗浄剤入りのお茶漬け提供、3人搬送 長野の旅館』
https://mainichi.jp/articles/20181112/k00/00e/040/113000c
(ブログ者コメント)
以下は、当該旅館のHPに掲載されていたお詫び記事の抜粋だが、記事中、事故原因と対策が図解付きで、かなり詳しく説明されている。
起きたことは起きたこととして、該社の安全に対する取り組み姿勢がよくわかった。
さすが大正15年創業の老舗だけのことはある。
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【異物混入食中毒事故の概要について】
平成30年11月9日TS温泉にて、ご夕食をされた社員旅行10名のお客様より、宴会コース料理の最後にお出しする“焼きおにぎり茶漬け”の出汁の味がおかしいという報告を受けました。
結論から申しますと、その出汁と思われる液体は実際に調理担当が作った出汁では無く、鍋の焦げを落とす為にお湯と希釈された洗浄剤が入った液体でした。
10名様中8名様が口につけ、内3名様が大事をとって緊急搬送されました。
その後病院での検査し9日中にお戻りになられ、翌日ご出発されました。
【事故原因】
今回の事故の原因と考えられるのは下記の通りです。
(1)今回の事故は、焦げを取るために洗浄剤を入れた鍋の置き場所とお客様に提供するお茶漬けの出汁が入っている鍋のいつもの置き場所が近かった事(2メートル)、及び洗浄剤が入っている鍋に注意喚起の表示及び周知が強くされていなかった為に、サービス担当社員が間違う原因となっておりました。
場所の配置につきましては、後半の調理場見取り図及び洗浄材入り鍋の位置関係をご覧下さい。
本来Aの出汁入り鍋を食事会場近くに移動させるはずが、誤ってBの洗浄剤入り鍋を移動させ、お茶漬けの出汁として使用してしまいました。
また、調理チームスタッフも盛り付け台に移動しており、サービス担当社員が移動させる鍋の把握が出来ませんでした。
(2)最後に食品衛生に関して、厳しい衛生基準検査を外注にて毎月行い続けているという社内の慢心から起こしてしまった事も根底にある原因と感じております。
【今後の改善策】
上記に対応しまして下記に改善策を記載いたします。
(1)に関しましては、
本日より洗浄剤の入った鍋とお客様に提供するお食事の材料が入っている鍋の置き場所を離します。
また、配膳をする時間と鍋の洗浄の時間が重ならないようにします。
さらに、間違いが起きない様々な対策を講じます。
調理場からお客様にご提供する間の安全性に関しましては、調理チームのチェックだけに頼らず、全サービススタッフがお客様に提供前に必ず臭い、味に関してチェックを行う仕組みに変更します。
(2)に関しましては、
社長及び管理監督者の慢心が原因です。
よって、毎月2回行っている全社員参加する全体ミーティングを利用し、今回の事故を教訓とした食品衛生管理を中心とした社員教育の徹底を行います。
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。