2015年2月23日23時56分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ハワイ沖を航行中、乗船していた函館水産高(北斗市)2年の男子生徒(16)が行方不明となった実習船「北鳳丸」(664トン)について、道教委渡島教育局は23日、生徒が船内から甲板へ出たとみられる時間帯に、甲板への出入り口付近に設置された夜間監視装置(赤外線センサー)の電源が入っていなかったと発表した。
函館市内で記者会見した同局の成田局長は、「重大な人為的ミス。心からおわび申し上げます」と陳謝した。
成田局長は会見で、「装置が稼働していれば早期に捜索に着手できた可能性があった」とした。
男子生徒は、現地時間17日朝の点呼でいなくなっていることが発覚。
その後、船内のビデオカメラの映像で、同17日午前0時すぎ(日本時間17日午後9時すぎ)、後部の出入り口から甲板に出る姿が映っていたのが確認された。
同局によると、同17日午前3時半(同18日午前0時半)ごろ、警報音が鳴らないことに乗組員が気付いた。
その後の調べで、日没前の同16日午後4時半(同17日午後1時半)に電源を入れる担当だった男性乗組員が、「電源を入れ忘れた」と話したという。
同局は日本時間23日夜、北鳳丸に乗船中の生徒38人の保護者51人にも経緯を説明した。
出典URL
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/594210.html
2月23日23時29分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
ハワイ・カウアイ島沖で海洋実習船「北鳳丸」に乗船していた北海道立函館水産高校の2年生男子生徒(16)が行方不明になった問題で、北海道教育委員会は23日、甲板の出入り口に設置していた夜間監視装置(センサー)が当時、稼働していなかったと発表した。
生徒は海に転落したとみられ、センサーが稼働していれば、操舵室にチャイム音がして異常に気付いた可能性があったという。
センサーは、生徒が禁止されている夜間に甲板に出ないよう設置されている。
発表によると、北鳳丸では日没時、航海灯の点灯と同時にセンサーを起動させるルールだったが、道教委職員の男性船員が現地時間の16日午後4時半にスイッチを入れ忘れた。
17日午前3時半に別の船員がスイッチを入れたが、同6時35分の朝の点呼に男子生徒の姿はなかった。
船内ビデオで、生徒は17日午前0時4分に甲板に出たことがわかっている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150223-OYT1T50102.html?from=ycont_top_txt
(ブログ者コメント)
監視装置の入れ忘れもさることながら、今回の事故の一番の原因は、ルールを破ったことだ。
そういったルール不順守対策の一つとして考えられるのが、なぜルールを守らねばならないのか、その理由を十分に納得させること。
今回の事例で考えると、夜間に甲板に出てはいけない理由を、どのように教えていたのだろうか?
仮に、「暗くてつまずく恐れがあるから」などとだけ教えていたとすれば、それだけでは説得力に欠けていたかもしれない。
なぜなら、「そういうことなら、注意しておけば大丈夫」などと思ってしまったことも考えられるからだ。
「夜間に甲板に出て万一転落すると、真っ暗な海では捜索不可」程度のことを教えておけば、出てはいけない理由を少しは納得できていたかもしれない。
もし、そこまで教えていたのに出たとすれば、安全教育上、他に妙案は浮かんでこない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。