2018年11月7日に掲載した第3報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第4報修正4として掲載します。
第3報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9015/
(2018年11月13日 修正4 ;追記)
2018年11月5日18時22分にNHK関西から、事故が起きた高槻市では公共施設のブロック塀を全て撤去するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし6月、大阪北部で震度6弱の揺れを観測した地震で、高槻市の寿栄小学校にあったブロック塀が倒壊し、小学4年生の女の子が死亡した。
これについて市の調査委員会は先週、調査結果を取りまとめ、倒壊の主な原因はブロック塀の施工不良にあったものの、市としてもブロック塀の危険性を認識する必要があったと指摘した。
5日は高槻市の濱田市長が会見を開き、改めて亡くなった女の子や遺族に謝罪したうえで、市としての再発防止策を発表した。
具体的には、
▽市の公共施設に設置されている全てのブロック塀について、今年度中に状況の調査を行い、撤去の計画を策定すること
▽学校内にある「ボール当て」など、ブロックでできた構造物も撤去を進めること
▽今後は、全ての公共施設でブロック塀を設置しないこと
などが盛り込まれた。
高槻市の濱田市長は、「二度とブロック塀が倒れて人が亡くなることがないように進めていく。撤去が全国に広がるよう、取り組んでいきたい」と話していた。
出典
『公共施設全てのブロック塀撤去へ』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20181105/0009425.html
(2018年11月18日 修正5 ;追記)
2018年11月16日13時8分に朝日新聞から、市議が点検業者などに対し損害賠償を求め提訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
塀の点検に落ち度があったとして、浜田市長を相手取った住民訴訟を16日、北岡・同市市議が大阪地裁に起こした。
業者や当時の市幹部らに、点検費計約2700万円を市へ賠償させるよう求めている。
訴状や監査結果によると、3年に1度の定期点検で、市教委から2010、13年度にそれぞれ委託された2業者は同校の塀を点検せず、16年度の業者は劣化状況のみを調べ、耐震対策の点検をしなかった。
北岡市議は、「業者が点検義務を怠ったために塀の倒壊を招いた」とし、当時の市教委担当者も「塀が点検されていないことを見逃した」と主張。
教育長も含め、市は賠償責任を追及すべきだとしている。
浜田市長は、「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。
市監査委員は10月、審査請求できる期間を過ぎたとして、市議の住民監査請求を退ける一方、市側に点検結果確認の徹底を求めた。
出典
『大阪地震のブロック塀倒壊死、住民訴訟「市へ賠償を」』
https://www.asahi.com/articles/ASLCH77NJLCHPTIL02N.html
(2018年12月22日 修正6 ;追記)
2018年12月18日0時17分に産経新聞westからは、捜査は長期化しそうだという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪北部地震で、大阪府高槻市立寿栄小学校のブロック塀が倒壊し、4年生の女児=当時(9)=が下敷きとなって死亡した事故は、大阪府警が業務上過失致死の疑いで捜査を続けている。
地震発生から18日で半年。
安全なはずの通学路で起きた悲劇は防ぐことができなかったのか。
これまでに施工や点検などの問題が次々に明らかになった一方、40年以上前に設置された塀ゆえ、事故の責任の所在特定が難航。
府警は過失の有無を慎重に見極める方針だが、捜査は長期化する可能性が出てきている。
【記録なし】
ブロック塀は6月18日午前8時ごろ、大阪北部地震により約40mにわたって倒壊、登校中の女児が下敷きとなった。
府警は事故直後から業務上過失致死容疑で捜査を開始。
市も専門家らで構成する第三者委を設置し、原因の究明を進めてきた。
同容疑での立件には、組織全体ではなく、個人として事故に対する注意義務と予見可能性があったことを裏付ける必要がある。
今回の事故のポイントは、
▽塀の設計や施工、点検の中で違法性の看過や人為的ミスなどがあったか
▽塀が倒壊し、死傷者が出る可能性を事前に認識できたか
▽設置、点検での市担当者らの役割の特定
だ。
昭和49年に設置された塀は、ブロックを鉄骨やモルタルでつなぐ「補強コンクリートブロック造」と呼ばれる技法が使われていた。
第三者委は、骨組みの鉄筋をブロックの形状に合わせて曲げるなど、複数の違法な施工状況を確認。
高さは約3.5mで建築基準法施行令の制限(2.2m以下)を超え、補強用の「控え壁」もなかった。
ただ、施工を担当した業者はすでに廃業。
設計図などの文書も市が定める保存期間を過ぎていて残っておらず、詳細な記録の確認ができない。
第三者委は、構造の不備は認定したものの、設計と施工のどちらに要因があったかについては判断しなかった。
【予見可能性】
公共建築物は同法で点検が義務づけられており、ブロック塀も3年に1度、点検が行われていた。
最後の点検は29年1月。委託業者が実施したが、目視のみで、ハンマーによる打音検査を行っていなかった。
27年11月には、講演で小学校を訪れた防災アドバイザーから危険性を指摘されていた。
28年2月に市教委の担当者が目視と打音検査を行ったが、安全性に問題はないと判断していた。
だが、第三者委は一連の点検について、目視のみなどの不備があったとしつつ、「塀の大部分を破壊検査する以外に安全性を確認することはできない」として、倒壊の予見は不可能だったと結論付けた。
点検の責任者も明確ではなく、大地震という特殊な要因で起きた事故に対し、どの時点で誰に過失があったのかを特定するのは難しい状況だ。
女児の遺族と市の間では11月までに和解が成立。
業務上過失致死傷事件では、遺族の処罰感情も考慮されるケースは多く、府警はこうした点も踏まえて捜査を続ける。
出典
『大阪北部地震半年 ブロック塀の倒壊、捜査長期化も』
https://www.sankei.com/west/news/181218/wst1812180007-n1.html
(2019年12月22日 修正7 ;追記)
2019年12月20日10時49分にNHK関西から、当時の市教委担当者らが書類送検されたという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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警察によりますと、ブロック塀は設置から40年余りが経過し、事故の3年前の平成27年には外部の防災アドバイザーから倒壊の危険性が指摘されていました。
このため当時の校長が教育委員会の学務課に点検を依頼しましたが、翌年、専門知識のない職員が目視点検などで危険がないと判断し、専門家への確認をしませんでした。
また、その後点検を行った業者も、内部の鉄筋のさびなどがあったにもかかわらず、異常がないと報告していたということです。
市の調査では、問題のブロック塀は地上の基礎部分をつなぐ鉄筋が短く、強度が足りない状態だったことがわかっています。
警察は一連の対応が事故につながったとして、当時の市の教育委員会の学務課長(62)と2人の職員、それに点検業者の担当者の4人を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
地震でのブロック塀の倒壊をめぐっては、3年前の熊本地震でも2人が死傷する事故が起き、所有者が書類送検されましたが、その後、不起訴になっていて、今回の事故を起訴するかどうか検察は慎重に判断するものとみられます。
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https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20191220/2000023576.html
12月20日22時36分に産経新聞からは、施工業者は担当者の特定が困難だったため容疑者不詳で書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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一方、塀の施工業者はすでに解散しており、府警は担当者の特定が困難だったため容疑者不詳で書類送検した。
https://www.sankei.com/affairs/news/191220/afr1912200043-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。