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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20131122日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正3として掲載します。
第1報、第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3438/
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3439/


(2015年1月17日 修正3 ;追記)

2015110日付の朝日新聞ちば首都圏版紙面に、受入れタンクに他の廃油が少なかったためガソリンが薄まらなかったなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。

千葉県警は9日、当時の常務で部門長の男性(46)ら5人を、業務上過失致死傷容疑で書類送検した。
県警によると、部門長ら4人は容疑を認め、1人は一部否認しているという。

発表によると、部門長ら5人は13年11月15日、取引先の油類運送会社「H社」千葉営業所(市原市)から、引火性の高いガソリンが9割を占める廃油約9900ℓを回収して、処理機能がない工場の廃油精製ラインに流して爆発を引き起こし、EC社の作業員2人を死亡させ、作業員や周辺の住民ら21人に重軽傷を負わせた疑いがある。
部門長は、ガソリンを回収しないように明確に指示しなかったとされる。

爆発によって、工場以外に近隣の企業約60カ所と住宅15戸などに被害が出た。2.6km先の窓ガラスも割れたという。
同工場を除く被害総額は、13億円余りに上ったという。

県警によると、同施設は廃油をリサイクルするところで、エンジンオイルなどの引火性の低い廃油を扱い、不純物を取り除いて販売用に精製していた。
今回の事故では、引火性が高く、施設で処理できないガソリンを扱ったため、密閉されていない遠心分離機から気化したガソリンが漏れ出したという。

白煙と異臭に気付いた作業員が窓を開けたため、気化したガソリンと酸素が混合。爆発しやすい状態になり、作業員の衣服などに帯電した静電気によって引火し、爆発が起こったという。

県警によると、ガソリンは社内規定で回収してはいけないものとされていた。
県警の作業員への聞き取りによれば、当時の部門長の常務が、水以外なら何でも持ってこいとハッパをかけていたという。
回収した廃油の量が個人の成績として賞与や昇進に影響し、作業員の実績が部門長や支店長の成績にもつながっていたという。

一方で、事故以前からガソリンを回収・処理していたのに、なぜ、今回の爆発事故が起きたのか。
県警は、複数の要因が重なったとみる。

通常、回収してきた廃油は、工場のタンクに集められて作業をする。
だが、爆発当日はタンク内の廃油の総量が少なく、ガソリンが薄まらず、純度が高いまま処理が始まった。
さらに、普段はガソリンを薄めて流していたが、部門長が他の業務に対応して細かな指示が出せなかったほか、作業に慣れた検査員も不在だったという。


110日付の千葉日報紙面にも、同趣旨の記事が掲載されていた。

警察によると、当日は普段検品する担当者が休みで、別の検査員が、揮発性の高いガソリンが回収した油に含まれていることを十分確認せず、タンクに流し込んでいた。
タンク内に別の廃油が入っていれば希釈されるが、当時はタンクがほぼ空だったため、薄められないまま処理作業がスタート。
その結果、ヒーターで70℃程度まで熱せられ、気化したガソリンが遠心分離機の隙間から漏れて滞留すると、換気で入った外気と混ざり、作業員に帯電していた静電気で引火したとみられる。

県警は研究施設で再現実験を繰り返し、立件に向けて慎重に捜査を続けてきた。

県警によると、同社の資料などの分析で、11年ごろからガソリンなどを受け入れていたことが判明。処理が慢性化していたらしい。
当時の支店長は県警の事情聴取に、「危険と分っていても、これまでは無事だったので、今回も大丈夫だと思った」と供述したという。
当時の常務も、社員から混合油回収の伺いを受けながら、黙認していた。



(ブログ者コメント)

事故防止のための、さまざまな歯止めが、ことごとく機能しなかった事例のように感じた。



(2015年2月5日 修正4 ;追記)

2015222027分にNHK千葉から、廃油の引火性などを確認しないまま処理することが常態化していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

施設ではガソリンが混ざった廃油を処理していたが、千葉県は2日、廃油の引火性などを確認しないまま処理することが常態化し、事故につながったとして、廃棄物処理法に基づき、産業廃棄物の処理に関する県内のすべての事業を90日間停止するよう命じる行政処分を行った。

出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/1085159131.html?t=1422911983490



(2015年9月2日 修正5;追記)

20159175分に産経新聞千葉版から、作業員らが危険性を報告していたがガソリンが含まれた廃油の回収を止めなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

業務上過失致死傷罪に問われた運営会社元常務(47)と、当時の支店長(43)に対する初公判が31日、千葉地裁松戸支部で開かれた。
両被告は「間違いありません」などと起訴内容を認めた。

検察側は冒頭陳述で、使用済みのエンジンオイルなどの廃油から再生重油を精製する同工場では、24年ごろから爆発の恐れのあるガソリンなどを含む廃油を精製目的で回収。
作業員らが危険性などを報告したときも、N被告らが「回収をやめさせなかった」と指摘した。

事故当時も、ガソリンが含まれているのを知りながらN被告らが廃油回収を指示していたとした。

出典URL
http://www.sankei.com/region/news/150901/rgn1509010028-n1.html
 

 

 

 

 

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経験、感、度胸は禁物
 ガソリンの危険性は分かっていたが、慢性化の怖さの典型ですね。最初は恐る恐る処理したのでしょうが条件が揃わず、発災には至っていなかった。原理原則を無視すると何時か条件が揃うことがある良い例でしょう。慢性化を防止するには原理原則を厳守する覚悟が大切ですね。
森本 厚吉 2015/01/18(Sun)20:10:02 編集
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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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