2019年12月7日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
神奈川県は6日、借りていたサーバーに入っていたハードディスク(HDD)18個がインターネットオークションサイトで転売されていたと発表した。
購入者からの連絡で判明した。
サーバーはリース契約の終了後、データ消去のため専門業者の「B社」(東京)に移されていた。
今年7月から消去作業が始まる予定だったが、その前に同社の男性社員がHDDを抜き取って転売したという。
同社は警視庁に被害を届けた。
HDDには氏名や住所を記した納税記録などが保存され、消去が不十分な状態だった。
黒岩祐治知事は6日、記者会見を開いて「消去の履行確認が不十分で、結果として不安を与えた。こういうことが起きるとは想定外だった。甘さがあったと認めざるを得ない」と謝罪した。
サーバーは富士通リース(東京)から借りたもので、県は契約の終了により、今年4月に表面上データが見えないようにする「初期化」をした上で、富士通リースからデータ消去の委託を受けたB社にサーバーを渡した。
県は、富士通リースとの契約でデータを復元できない状態にするよう求め、富士通リースはB社にデータの完全消去か物理破壊を指示していた。
しかし処理前にHDD18個が抜き出され、オークションサイトで転売されていた。
HDD1個のデータ容量は3テラバイト(3兆バイト)。
1テラバイトの情報量は文庫本約1万冊に相当する。
B社が今月3日、社内で抜き打ちの手荷物検査をした際、データ消去担当の男性社員のカバンに、処理するはずのHDD数個が入っているのが見つかった。
事情を聴くと、これとは別に、問題のHDD18個を持ち出して転売したことを認めたという。
サーバーは入室時に指紋認証が必要な部屋にあり、男性社員は入室できた。
県はHDD18個のうち9個をオークションサイトで購入した人から連絡を受けて、18個は製品番号から県が使っていたものと確認した。
県によると、この購入者が復元したところ、壊れていて開けないファイルも多く、復元された状態でもパスワード付きファイルは開けなかったという。
確認できたデータは自動車税申告書、営繕工事の予定調書、会議に参加した際の書類などで、県は「公開情報や内部資料が多いが、一部、個人情報や重要情報もあった」としている。
この購入者から9個を回収した一方、残り9個は三つのアカウントにより落札され、回収できていない。
一方、サーバーの返却に際しては、データ消去の証明書を受け取るなどの確認手順があった。
しかし県は、問題の18個を含む504個のHDDについて、消去の証明書を受領していなかった。
また、富士通リースがB社に委託していることも認識しておらず、その存在も知らなかった。
県は今後、サーバーを処分する際は「物理破壊」に職員を立ち会わせる方針という。
【防衛省も契約】
防衛省によると、2018年度には海上自衛隊呉地方総監部と防衛大学校がB社と計約66万円で、廃棄対象となったノートパソコンやHDDなど、計867台の売り払い契約を結んでいた。
電子情報を含む機器の処分は、防衛省の内部規定に沿って、同社に渡す前にHDD部分に穴を開けて壊していた。
防衛省は「HDDは復元不可能な状態」として、情報流出はないとみている。
https://mainichi.jp/articles/20191207/ddm/041/040/090000c
12月7日4時50分に朝日新聞からは、ネット購入した男性が漏洩に気付いた時の様子が下記趣旨でネット配信されていた。
神奈川県が持っていた個人情報を含む膨大な行政文書が流出した問題は、本来なら破壊処分されたはずのハードディスク(HDD)を、ネットオークションで落札した男性が見つけたことで発覚した。
「なんだこれは……」。
IT関連企業を経営する男性は、この夏、パソコン画面を見つめながら絶句した。
税金の滞納者と滞納額、差し押さえを検討する書類、入札金額について検討した書類、学校の教職員名簿、発電所の設計図とみられる図面、職員の勤務表、水道局の工事に関する図面……。
これまで見たことがないような情報ばかり。
「これはまずい」と直感し、背筋が寒くなった。
・・・・・
(以下は有料)
https://www.asahi.com/articles/ASMD65CTGMD6UTIL040.html
12月7日16時38分に朝日新聞からは、情報漏洩を発見した男性は朝日新聞の記者を通じて県に伝えたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
表面化するきっかけをつくった男性はIT関連企業を営む。
業務に使うため7~8月、元社員が出品していた中古のHDD9個をネットオークションで落札した。
使用前に大量の文書が保存されているのに気づき、朝日新聞の記者を通じて県に伝えた。
https://digital.asahi.com/articles/ASMD755SBMD7ULOB00B.html?pn=3
12月7日1時37分に朝日新聞からは、指紋認証の作業場に入れる入社4年目の社員(逮捕)が3年前から転売目的で持ち出していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警視庁は7日、HDDの処理を請け負ったB社の社員高橋容疑者(男性、50歳)=横浜市旭区都岡町=を窃盗容疑で6日夜に緊急逮捕した、と発表した。
容疑を認めているという。
捜査3課によると、高橋容疑者は3日午前6時40分ごろ、同社の本部テクニカルセンター(東京都大田区)で、HDD12個(2万4千円相当)を盗んだ疑いがある。
調べに対し、「転売する目的だった。2016年3月ごろから盗んでいた」と供述しているという。
同社が6日、高橋容疑者が今回の問題とは別のHDDを不正に持ち出したとして被害届を提出。
警視庁は高橋容疑者から任意で事情を聴くなど、捜査を進めていた。
同社によると、HDDの流出情報を受けて社内を調査。
3日の退勤時に高橋容疑者に声をかけ、私物用ロッカーの荷物の中から、処分するはずだったHDD5~6個を発見した。
神奈川県庁のHDDについても聞き取ったところ、持ち出してネットオークションで転売したことを認めたという。
高橋容疑者はデータ消去担当で、入社4年目。
作業場に入るにはIDカードと指紋認証が必要で、私物も持ち込めないルールだった。
https://www.asahi.com/articles/ASMD702QGMD6UTIL08X.html
12月6日20時53分に朝日新聞からは、小遣い稼ぎなどでやった、シフトの境目の人目に付きにくい時間帯にカバン(持込み禁止)に入れて盗んだなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警視庁捜査3課などによると、HDDのデータを消す作業をする「消去室」にある防犯カメラの映像などで特定した。
2016年3月の入社直後から盗みと転売を繰り返したとみている。
同社関係者によると、高橋容疑者は技術職で、HDDなどのデータ消去や破壊を担当していた。
今月3日の抜き打ち検査で問題を確認した同社の調査に、「ヤフーオークションで転売していた。小遣い稼ぎで、親族の医療費にも使った」と説明したという。
6日付で懲戒解雇になった。
高橋容疑者の職場は、日勤(午前9時~午後6時)と夜勤(午後9時~午前6時)の時間帯に10~20人の従業員がいるものの、逮捕容疑となった午前6時40分ごろは人目に付きにくかった。
職場への持ち込みが禁止されたカバンにHDDを入れて盗んだとみられる。
3日に盗み出したとされるHDDは神奈川県が借りていたものとは別で、3課の取り調べに「どんな情報が入っていたかは分からない」と供述しているという。
https://mainichi.jp/articles/20191207/k00/00m/040/169000c
12月8日6時0分に朝日新聞からは、毎日のように盗み出していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
調べに対し、「簡単にできるから、毎日のように盗み出していた」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。
「入社直後からやっていた」とも話しているという。
県庁のHDDの持ち出しについても認め、「中身は知らなかった。転売する目的だった」と説明しているという。
https://www.asahi.com/articles/ASMD75GJ1MD7UTIL00Z.html
(2/3へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。