







2018年10月10日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京証券取引所で9日、株や上場投資信託(ETF)などの売買システムで障害が発生し、売買の一部ができなくなった。
東証のシステムと証券会社を結ぶ4回線のうち1回線に不具合が出たためで、少なくとも40社弱の証券会社の取引に影響が出た。
東証を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)によると、今回の障害が起きたのは9日午前7時32分ごろ、ある証券会社から東証側に通常の1000倍以上のデータが送信されたことがきっかけ。
東証のシステムと証券会社を結ぶ4回線のうち、大量のデータを送られた1回線が異常を検知し、機能を停止した。
大量のデータはコンピューターの作動状況を知らせるもので、何らかの設定ミスによる誤送信という。
証券会社は通常、複数の回線を併用して東証側に売買の注文を出している。
1回線の機能停止を受けて、東証は他3回線を利用するよう証券会社に呼び掛けた。
しかし、一部で切り替えがうまくいかず、株などの売買ができなくなる状態に陥った。
JPXは事前にこうしたトラブルを想定しておらず、回線切り替えに必要な作業などを検証したり、証券会社と協議したりしていなかった。
横山常務執行役は、「事前にこういう事態を想定し、協議していればもっとスムーズにできたはず。証券会社とのコミュニケーション不足だった」と説明した。
東証では2005年に、システム増強時のプログラムミスで全銘柄の売買が一時停止。
06年には、当時のライブドア株に売り注文が殺到し、売買が全面停止した。
12年にも、金融派生商品(デリバティブ商品)の取引などでシステム障害が発生した。
15年に売買システムを更新して注文処理能力を従来の2倍に高めたが、今回の障害発生を防ぐことはできなかった。
出典
『東証 システム障害 1000倍データ誤送信 40社影響 きょう復旧』
https://mainichi.jp/articles/20181010/ddm/008/020/167000c
10月11日1時30分に日本経済新聞電子版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本株の売買インフラを担う東京証券取引所で9日に起きたシステム障害の原因が徐々に分かってきた。
東証によると、原因は「ある証券会社からの通常の1000倍を超える電文送信」。
背景を探ると、海外の超高速取引業者(HFT)の存在と、彼らが日本株売買で存在感を高める中、脆弱な体制も問題として浮かび上がる。
「まさかサイバーテロか」。
9日午前7時半すぎ。東証のシステム部は、最初の異常を感知した。
証券会社の発注システムと東証の取引サーバーをつなぐ回線に大量の「電文」が流れ込んだのだ。
電文とは、ログインや取引をする時にシステム間で発生するデータのやり取りを指す。
顧客と証券会社間、証券会社と東証間で、取引開始時に毎朝発生する。
それ自体は通常だ。
問題はなぜ、1000倍もの頻度で東証のシステムに流れ込んだのかということだ。
東証が名を伏せた「ある証券会社」はメリルリンチ日本証券。
「ノーコメント」とするが、関係者の話からは、顧客の海外HFTが浮かび上がる。
HFTはコンピューターを駆使し、過去の値動きを統計的に分析、1秒に数百万回の高頻度売買を行う。
その業者がログインしようとしたところ、何らかのプログラムミスか、システムに入れなかったことで、ログイン動作が繰り返されたようだ。
HFTとメリル間のやり取りがそのまま東証のシステムに入った理由は、この業者の「DMA」という取引形態にある。
「ダイレクト・マーケット・アクセス」の略で、証券会社に売買を委託せず、直接、東証に注文が入る。
東証にとって「落とし穴」だったのは、それが売買注文でなく、ログインという業務データだったことだ。
過去の誤発注やシステム障害などを経て、注文データに関しては、証券会社側も東証側も、システムを守るプログラムは強固になっている。
だが、今回のような、注文に関係ないデータの大量送信は想定外だった。
これが引き金となり、東証と証券会社をつなぐ4つの回線の1つで障害が発生。
「まだ3回線ある」。
そんな東証の楽観を覆したのが、証券会社側で頻発した「切り替え不能」の事態だった。
万一のバックアップのため、東証は証券会社に対し、4回線中、最低2回線との接続を義務付けている。
午前8時前から、東証は証券会社に、回線の切り替えを要請し始めた。
「マニュアルに基づき淡々と切り替えた」という証券会社もある。
だが、取引が始まった午前9時すぎ。
ネット上で個人投資家の苦情が広がった。
「ログインできない」、「注文を出せない」・・・。
投資家にとっては、使っている証券会社が切り替えできたか否かで、明暗が分かれた。
切り替えられたのは、ネット証券や外資系証券。
障害が起きたのは、野村、SMBC日興、みずほ、三菱UFJモルガン・スタンレーなどの大手証券だ。
両者の違いの一つは規模。
野村など大手は、店舗経由の取引とネット取引の両方を抱え、投資家別や手法別に回線が複雑だ。
東証の切り替え要請が出た午前8時前後は、既に顧客注文が入り始めており、「この時点で注文が流れる回線の切り替えは不可能」(大手証券のシステム担当者)だった。
一方、システムそのものでなく、運用ミスとの指摘もある。
あるネット証券の社長は、「大手はシステムベンダーに設計を丸投げしており、切り替え時の設定変更や人員対応を、普段からしていなかったのだろう」と話す。
人工知能(AI)やアルゴリズムが進化する時代に、東証が想定しない投資家の行動が増える可能性は高い。
資本主義を支える市場インフラの運営者として、東証は新たな課題を突き付けられた。
・・・・・
出典
『東証、障害招いた「想定外」 高速取引業者が引き金』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36341580R11C18A0EA2000/?n_cid=NMAIL007
2018年7月29日16時11分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井県あわら市、坂井市、永平寺町、おおい町で、証明書発行といった住民サービスが利用できなくなり、庁内業務を含めて計9市町に影響したシステムの障害は、発生から1週間が過ぎた30日に、ようやく完全復旧となる見通しだ。
県と全17市町の業務に関わる民間のシステム会社で発生した通信障害は、ほぼ1週間に及び、原因も解明されておらず、現代社会を支える情報通信技術が抱えるもろさを露呈した。
【失態】
「復旧作業は順調に進んでいる。明朝には解決する」。
運用するFシステムズ(坂井市)は、トラブルを公表した23日以降、楽観的な見通しを示しては翌朝に撤回、という失態を繰り返した。
障害の発生は、22日未明。
各役場の休みにデータをやりとりする会社のサーバーのソフトを更新しようとして、突然、システムが使えなくなった。
丸一日過ぎても復旧せず、23日には、転出入の届け出や庁内のメール送受信、財務会計や人事給与、電子決裁など、37もの業務に支障が表れた。
坂井、あわら両市と永平寺町の電算事務を担う福井坂井地区の広域行政事務組合(あわら市)のまとめでは、23~26日には、3市町の約500人の手続きを受け付けられず、後日回しや郵送での対応となった。
27日になっても、子ども医療費や重度心身障害者医療費の受給者証を更新、発行するなど、一部の業務を再開できなかった。
【後手】
深刻さを増すトラブルを前に、Fシステムズは、市町などとの協調を欠いた。
若狭の事務組合職員は、
「朝には『午前中に復旧』と言ったのに、昼過ぎに『今度は(サーバーの)本体がやられた』。約束した時間の連絡もなく、対策を考えようもない」
と嘆いた。
住民からも不信感を招き、坂井市の職員は
「こちらも、住民に『明日には』と説明したのに、翌日になって『できない』と電話することになり、何を伝えればいいのかも分からなかった」
と、ため息をついた。
行政サービスのシステムは、通常、トラブルに備えて補助の系統を持つなど、万全を期すのが前提だ。
住民基本台帳ネットワークシステムを運営する地方公共団体情報システム機構(東京都)は、
「複数の自治体から異動情報が届かない状態が数日続き、近年ない規模の深刻な状況だった。障害や故障がないわけではないが、ここまで長引くとは」
と驚く。
【弊害】
障害が起きている間、Fシステムズの復旧作業は、次々と不測の不具合に追われた。
異常に備えたバックアップのデータにもつなげず、一時は、本体機器そのものが動かせなくなった。
代わりの臨時サーバーを持ち出したり、データを移したパソコンを役場に持参したりしながら、サーバーのメーカーや通信技術の専門家を呼んでも、暫定的に動かすのが精いっぱいだった。
県内では競合業者が少なく、自治体がFシステムズに乗り合うことも、一因となった。
同社は1966年に設立され、県庁や県内全17市町で、何らかの形でサービスを利用する。
もし、保存データを損なうようなトラブルに発展すれば、計り知れない範囲に影響が及ぶ。
坂井市の担当者は、「税金を使うので、なるべく地元の業者をと考えるが、こけられるとどうしようもない」と、頭を抱えた。
神戸大の森井昌克教授(情報通信工学)は、
「特に地方では、請け負える会社が限られて、偏りがちだ。自治体側もリスクをよく認識し、危機管理に関しても企業に対処法を徹底させるなど、目を光らせる必要がある」
と指摘する。
出典
『システム障害「業者コケるとどうしようもない」』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180728-OYT1T50076.html?from=ycont_top_txt
上記記事の3日前、7月26日7時20分に福井新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井県内9市町の「総合行政情報システム」の障害は、発生から4日目となる7月25日も復旧せず、証明書発行や相談業務、職員の事務作業の一部ができない状態が続いた。
あわら市、坂井市、永平寺町などでつくる福井坂井地区広域市町村圏事務組合によると、復旧の時期は未定。
専門家は、「3、4日も住民サービスが滞るのは、かなり異常な事態」と指摘している。
「介護認定支援システム」が使えなくなっている小浜市、若狭、おおい、高浜町が入る若狭広域行政事務組合は、要介護度を決める審査会を8月1日に開く予定だが、「このまま長期化すれば、審査会が開けなくなる」としている。
システム障害は、9市町が共通して使うサーバーの通信障害が原因。
坂井市、あわら市、永平寺町、おおい町では、転出・転入手続きや今月21日以降の一部の証明書の発行などができない状態が続いた。
サーバー管理会社のFシステムズ(本社坂井市)によると、これまでに新たなソフトをダウンロードしたが改善せず、元のソフトに戻しても、通信障害は解消しなかった。
同社は、「サーバー本体とソフトの相性がよくない可能性がある」としているが、原因は特定できていない。
福井坂井地区広域市町村圏事務組合によると、このシステムは昨年10~12月に短時間の通信障害が5回発生。
今回の更新は、そうした障害の解消を目指した作業だった。
ただ、これまでは更新の際に業者からスケジュール案が示されたが、今回は知らされていなかったという。
同組合は、「事前に連絡があれば、万一の際の影響を最小限に食い止めるため、3連休などに行うよう指示できた可能性もある」とし、損害賠償の請求も視野に入れている。
兵庫県神戸市の行政システムの業者選定に携わっている流通科学大(同市)の福井誠教授(経営情報学)は、「住民生活に直結している行政は、高いレベルでシステムを運用する能力、体制が必要。システム停止時のバックアップは想定されているはずであり、それができなかったことは重大な問題」と指摘している。
出典
『行政システム障害「かなり異常」 復旧未定、専門家が指摘』
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/628936
(ブログ者コメント)
Fシステムズ社は、HPによると従業員180名。
株主として富士通、福井新聞社、福井テレビジョンといった名がある。
2018年7月13日10時33分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岡山県は13日までに、西日本で記録的な豪雨があった6日夜から7日午前にかけ、県の「おかやま防災情報メール」のシステムトラブルで、大雨の特別警報が発表されたことや各地の避難指示などを伝えるメール約192万件の配信が、最大約2時間遅れたと発表した。
登録している延べ約6万4000人の大半に影響したとしており、根石・危機管理課長は、「避難に影響が出た可能性は否定できない」としている。
川の堤防が決壊して甚大な被害が出た、同県倉敷市真備町地区の防災情報も含まれていた。
県危機管理課によると、6日午後6時半~7日午前11時半ごろに配信したメールが、21分~2時間程度、遅延した。
登録者のうち、延べ約3000人への配信がまずできなくなり、システムが再送する処理を繰り返して、大量のメールが滞留。
全体のメール配信に遅れが生じた。
短期間で多量のメールが配信されたことに伴い、セキュリティーの関係で受信できなくなったとみられる。
県職員が6日夜、遅延に気付き、システムの運用を委託している日立製作所に連絡。
原因とされる約3000人への配信を中止したことで、翌日に解消された。
〔共同〕
出典
『岡山防災メール2時間遅延 192万件、避難に影響か』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32953140T10C18A7AC1000/
7月12日16時51分にNHK岡山からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今回の記録的な豪雨で、岡山県が配信している防災情報メールの配信システムにトラブルがあり、今月6日から7日にかけて、およそ192万通のメールの配信に最大2時間ほどの遅れが出ていたことがわかった。
岡山県が配信している「おかやま防災情報メール」は、気象台が発表する警報や注意報のほか、自治体による避難指示などの情報を配信しているもので、およそ6万4000人が登録している。
県によると、今月6日の午後6時半すぎから7日の午前11時半までの間に配信されたメール、およそ192万通について、システムのトラブルにより、21分から最大2時間ほど配信が遅れた。
この間には、県内に大雨の特別警報が出されるなどして、あわせて609件のメールが配信されるはずだったが、受信用に設定されていた一部のフリーメールで、サーバー側が迷惑メールだと認識して受け取ることができず、メールを配信し直す処理に時間がかかったため、全体のメールの配信が遅れたという。
配信の遅れがわかったあと、県はメールのシステムを運営する会社に依頼し、原因となっていたフリーメールの、およそ3000のアドレスへの配信を中止したところ、遅れは解消したということだが、これらのフリーメールのアドレスには、メールが届かないままになったという。
県危機管理課の根石課長は、「ご迷惑をおかけして、申し訳ありません。利用者の安全に影響を与えた可能性も十分あると認識しているので、配信に遅れが出ない対策を検討し、再発防止に努めていきたい」と話している。
出典
『県防災メール遅延192万件影響』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20180712/4020000766.html
7月12日23時23分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
特定のドメイン(インターネット上の住所に当たるもの)にメールを送信した際に、迷惑メールと判断されたことで、大量の再送処理が発生。
これに伴い、他のメールの配信も滞ったという。
県は、再送処理が必要になった約3000人への配信を中止した。
県危機管理課は、「災害に影響があった可能性があり、重大な問題と受け止めている。対応を検討したい」としている。
出典
『西日本豪雨 防災情報メール192万件の配信が遅延 岡山』
https://mainichi.jp/articles/20180713/k00/00m/040/118000c
7月12日21時37分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県が調べたところ、特定のサーバーが防災情報メールを迷惑メールと判断。
再送が繰り返されたものの、登録した側には届かなかったという。
7日午前11時半ごろ、このサーバーへの配信を停止したことで解消。
延べ192万通のメールの配信が遅れたという。
出典
『岡山県の防災メールに遅れ 192万通、最大約2時間』
https://www.asahi.com/articles/ASL7D5RWML7DPTIL029.html
(ブログ者コメント)
〇岡山県HPの防災情報メール登録手順に、以下の注意書きが赤字で記されている。
今回のトラブルと関係あるかどうかは、不明だが・・・。
※登録を行う前に、迷惑メールの受信拒否設定等を確認し、bousai.pref.okayama.jpドメインからのメールが受信できる設定になっているかご確認ください。
http://www.bousai.pref.okayama.jp/bousai/sp/mail/disclaimer/
〇この防災メール、定期的に配信テストしていないのだろうか?
テストしていれば、その時に、今回表面化した問題が現れていたと思うのだが・・・。
2018年6月6日16時47分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県尼崎市は5日、中古の消防ポンプ車を競売に出した際、入札前の問い合わせに「エアコン付き」と誤って回答したため、落札業者に解決金9万4000円を支払ったと明らかにした。
市によると、競売は民間のオークションサイトで昨年5~7月に実施され、市が車の写真や年式、走行距離などを掲載。
これを見た奈良県生駒市の業者が電話でエアコンの有無を尋ねた際、担当者は「ある」と回答したが、業者が138万円で落札後、不備を指摘し、付けるよう求めた。
市は過失を認めたうえで、「市の所有でなくなった車の設備に予算は付けられない」と主張。
契約解消などを提案したが折り合わず、業者側が同年9月、尼崎簡裁に調停を申し立て、今年1月、市が解決金を支払うことで合意した。
この業者は入札前の消防車の下見に参加しておらず、市は「現物を見て入札してもらうべきだった。設備に関して電話で伝えるのはトラブルの元。今後は控える」としている。
出典
『消防ポンプ車「エアコン付き」と誤って市が競売』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180606-OYT1T50054.html
6月5日19時22分に神戸新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市消防局は昨年5月、インターネットの官公庁オークションサイトに更新時期を迎えたポンプ車4台を出品。
業者からエアコンの有無などの問い合わせがあったため、担当者はポンプ車を保管していた大庄出張所に確認し、「エアコンは付いている」と回答した。
しかし、エアコン付きは1台だけだったという。
出典
『消防車にエアコンないのにあると説明 オークションで尼崎市が解決金』
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201806/0011326998.shtml
2018年5月25日14時59分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米アマゾン・ドット・コムの人工知能(AI)スピーカー「エコー」が所有者の会話を録音し、許可なく知人に送信するトラブルが発生していたことが24日、米メディアの報道で明らかになった。
アマゾンによると、今回の誤作動はAIの「聞き間違い」が原因という。
アマゾンの本社がある米西部ワシントン州シアトルの地元テレビ局が最初に報じた。
エコーは、搭載されたAI「アレクサ」に呼びかけることで起動する仕組み。
アマゾンによると、スピーカーの不具合等ではなく、アレクサのマイクが所有者の声を聞き間違えたという。
所有者の夫婦が会話の中で「アレクサ」と聞こえた声に反応してエコーが誤って起動し、会話の録音を開始。
その後の会話の中の言葉を「メッセージの送信」のリクエストと勘違いした。
アレクサは、メッセージの送信先や、送信してよいかどうかをたずね返したが、背後の会話の中の言葉を、送信先の人の名前や送信許可と聞き間違え、誤送信してしまったという。
録音ファイルを受信した知人から知らされて判明したという。
アマゾンは再発防止に努めるとしている。
アマゾンのエコーをはじめ、グーグルの「グーグルホーム」やアップルの「ホームポッド」など、スマートスピーカー市場は拡大が続く。
声だけで操作でき、様々なタスクをこなしてくれる便利さが人気を集めるが、プライベートな情報の管理に対する一部消費者の警戒感は根強い。
ピューリサーチセンターの昨年末の調査では、音声アシスタントを利用していない人の約3割がプライバシーに関する懸念を持っているという。
出典
『アマゾンのスピーカー、夫婦の会話を録音し勝手に送信』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3095780025052018TJC000/
5月25日付でBBC NEWS JAPANからは、より詳細な下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米西部オレゴン州のある夫婦は、アマゾンの人工知能(AI)「アレクサ」が搭載されたスピーカー「エコー」が自分たちのプライベートな会話を聞いているんじゃないかと、冗談を言い合っていた。
それが急に冗談でなくなったのは、アレクサが実際に会話を録音していて、夫婦の連絡先のリストから無作為に選ばれたと思われる人々に送信されていたと分かったときだ。
最初にこれを報じた米ABCテレビ系列の地方局KIR07によると、録音を送られて当惑した人物から、「あなたのアレクサの電源を落としなさい。今すぐに!」と警告されたという。
なぜ起きたのかについて、アマゾンは釈明しているが、その前にまず、妻のダニエルさんがABCの記者に語った、ちょっと怖くなるような出来事の経緯について紹介しよう。
きっかけは、ダニエルさんの夫の部下からかかってきた電話だった。
「私たちの家の中で録音された音声ファイルが送られてきたと、彼が言い出したんです」とダニエルさんは話す。
「当初、私の夫は『そんなことはない!』と言っていましたが、(録音を受信した人は)『あなたは座って、堅木張りの床についてしゃべってましたよね』と。
それで私たちは、『なんてことだ。本当に私たちの話を聞いたんだ』となったわけです」
ちょっと気味が悪い話ではないだろうか。
今回は堅木張りの床の話で済んだが、今度は親密な愛のむつ言かもしれない。
なので、筆者はアマゾン社に、なぜこのようなことが起きてしまったのか問い合わせた。
広報担当者とのやりとりは以下の通りだ。
「エコーは、背景で聞こえてきた『アレクサ』に似た音を感知し、起動しました」
なるほど……
「そして、続いて聞こえてきた会話が『メッセージを送る』という指示だと認識しました」
それはまずい……
「その時点でアレクサは音声で、『誰あてですか?』という質問をしています。
そこで背景に聞こえてきた会話が顧客の連絡先リストにあった名前だと解釈しました」
ちょっと信じがたいけど、まあいい……
「そこでアレクサは音声で、『連絡先ですよね?』と質問し、背景に聞こえた会話を『そうだ』と言ったと解釈しました」
おかしな話になってきたぞ。
「一連の出来事はあり得ないように思えるかもしれませんが……」
言われなくても分かっている。
「……このような事例をさらに予防するための選択肢を検討しています」
すぐ一つの選択肢を思い付いた。
証明はできないものの、ダニエルさんは、アレクサが作動していると警告する音声は聞こえてこなかったとABCに語っている。
一つアドバイスできるとしたら、アレクサの声はかなり小さいと感じられる可能性があることだ。
特に、堅木張りの床などについて熱心に話しているときなどはそうだろう。
音声操作のデバイスに伴う危険性にあらためて気付かされる事例だった。
アレクサのように、所有者にフレンドリーで、親密になろうとするデバイスでは特にそうだ。
少なくともアレクサは、もう私たちのことを笑ったりはしないのだが。
(英語記事 Amazon Alexa 'heard and sent private chat')
出典
『夫婦のプライベートな会話を録音し送信 アマゾンのAI「アレクサ」』
http://www.bbc.com/japanese/44249440
2018年3月26日17時25分に日本経済新聞電子版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
定期的に変えるのはかえって危険―――。
総務省がインターネット利用時のパスワードについて、従来の“常識”を覆すような注意喚起を始めた。
「推測しやすい文字列になって、不正アクセスのリスクが増す」というのが理由で、複雑なパスワードを使い続けるよう呼びかけている。
方針転換に困惑する声も少なくない。
「定期的にパスワードを変更しましょう」。
3月1日、総務省の「国民のための情報セキュリティサイト」から、こんな記述が消えた。
2017年秋に「定期変更は不要」との文言を追加したことを受け、矛盾を解消したという。
パスワードは第三者による「なりすまし」を防ぎ、ネット上の個人情報や財産を守る。
ハッカーなどは他人のパスワードを把握しようと、文字の組み合わせを全て試す「総当たり攻撃」や、よく使われる語句を手当たり次第に試す「辞書攻撃」などを仕掛けてくる。
パスワードの定期変更は、不正を防ぐ有効な手段とされてきた。
しかし、サイバー攻撃が盛んになる中、米国などでは16年ごろから「定期変更を要求しない方がいい」という意見が高まってきた。
日本でも同年12月、サイバー攻撃対策を担う内閣官房の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が「必要なし」とする見解を示し、これを受けて総務省もサイトを変更した。
IT会社ソフトバンク・テクノロジー(東京)の辻氏によると、頻繁に変更を求められると、少ない字数で覚えやすい語句を使ったり、変更前と似た語句を使ったりするようになり、他人が類推しやすくなる。
例えば「Yamada201803」といった名字と年月、誕生日などを組み合わせ、末尾の数字だけを毎月「01」「02」……と変更する方法だ。
さらに、多数の機器やサービスでの定期変更が面倒になり、同じパスワードを使い回してしまうことで、芋づる式に個人情報などを盗まれるリスクも高まる。
政府の方針は省庁間でも十分に浸透していない。
経産省が16年3月に改訂した情報セキュリティ管理基準には「パスワードは定期的に及び必要に応じて変更させるようにする」と明記。
同省の担当者は、「省庁ごとに基準が異なると混乱を招きかねないため、変更も含めて検討する」という。
東京都内のある機械整備会社は、社員に数カ月ごとにパスワードを変更するよう求めている。
担当者は、「定期変更が不要とは知らなかった。これまでの呼びかけは何だったのか」とがくぜん。「早めにルールを見直した方がいいのだろうか……」と漏らす。
安全なパスワードを設定するには、どのような点に気をつければいいか。
NISCは「英語の大文字と小文字、数字、記号を組み合わせ、少なくとも10桁にするのが望ましい」としている。
規則性のある文字列や単語は使わず、不規則で複雑なものが望ましい。
また、盗まれた端末からログインされるのを防ぐため、ネット閲覧ソフトに自動でパスワードを記憶させる機能も使わない方がよいという。
変更のタイミングについては「パスワードが破られ、サービスが不正利用されたことが判明した時。その場合は速やかにパスワードを変更した上で、破られた原因についても特定してほしい」としている。
出典
『パスワード「頻繁に変更はNG」 総務省が方針転換』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28578370W8A320C1CC1000/?n_cid=NMAIL007
少し古いが、2017年10月18日付で日経TECHからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
2017年6月に全面改定が行われた米国標準技術研究所(NIST)が発行するガイドライン「SP800-63」の中には、「Webサイトは利用者に対し、パスワードの定期的な変更を要求すべきではない」という趣旨の一文が追加された。
複雑なパスワードの強制と同様、定期変更の要求はメリットよりもデメリットが多かったのだ。
これは、研究成果からも判明している。
OpenIDファウンデーション・ジャパンでSP800-63の翻訳を手掛けるメンバーの1人である、NRIセキュアテクノロジーズの勝原サイバーセキュリティ技術開発部セキュリティコンサルタントは、定期変更要求の非推奨につながった研究成果を紹介する。
米ノースカロライナ大学は、過去に大学に在籍していた学生とスタッフの1万のアカウントが使っていた、5万1141個のパスワードを解析した。
同大学は、パスワードは3カ月で変更が要求されるポリシーで運用していた。
結果として分かったのは、利用者はパスワード変更時に、推測されやすい以下の「変換」を行っていることだ。
・数字を増やしていく(例:1を2にする)
・類似した文字を置き換える(例:Sを$に変換)
・記号を追加/削除(例:末尾につけた!!!を!!にする)
・数字や記号の位置を移動する(例:末尾の数字を先頭に移動
する)
過去のパスワードが分かっている場合、利用者が次に選ぶパスワードの17%は5回以内の試行で推測可能で、パスワードの41%は3秒以内に推測可能だった。
研究を解説した米商務省のローリー・クレイナー チーフテクノロジストのブログ記事
パスワードの定期変更の狙いは、「不正ログインをされているかもしれない」というリスクに対して、侵害されている可能性のある期間を短くするためだ。
変更した後、攻撃者による不正ログインが不可能にならなければ意味がない。
しかし、そうした目的を達成するような変更を実施している利用者は少なかった。
EGセキュアソリューションズの徳丸代表取締役は、利用者心理をこう説明する。
「利用者がパスワードに使えるエネルギーの総量は一定だ。あれもこれもと要求されると、どこかで手を抜く。定期変更時に末尾の数字を変えるだけだったり、『どうせ変更するから』という意識でパスワードの複雑性を下げたりする」。
ソフトバンク・テクノロジーの辻・脅威情報調査室プリンシパルセキュリティリサーチャーは、「定期変更を要求され、そのたびに複数のWebサイトでパスワードを覚え直したり、メモを書き直したりするのはとても手間が掛かる。パスワードの使い回しを誘発する原因にもなっていると思う」と分析する。
「人間が怠惰でなければ、定期変更のデメリットは出ないかもしれない。でも、実際の人間はそうではない」。
EGセキュアソリューションズの徳丸代表取締役は、苦笑しながら話す。
・・・・・
出典
『パスワードを定期的に変えるのはデメリットが多い!?変更すべき4つの場合』
http://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/column/17/092800400/101500004/
2017年11月29日18時16分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午前11時すぎ、臼杵市を流れる佐志生川の山崎橋に設置されている水位計がはん濫危険水位を超えたと、県の防災メール「安全・安心メール」を通じて配信された。
しかし、これは誤った情報で、県はおよそ20分後に、情報は誤りだとして訂正と謝罪のメールを配信した。
大分県河川課によると、山崎橋では29日、外部の業者に依頼し、水位計を取り替える作業が行われていた。
水位計は10分おきに自動で情報を発信するため、電源を入れた状態での作業は、この10分の間に終えなければならないが、作業に時間がかかり、誤った水位の情報が発信されてしまったという。
誤った情報は、県の防災メールシステムに事前に登録をしているおよそ1700人に配信されたということで、大分県河川課の後藤課長は、「誤った情報を発信してしまい、申し訳ありませんでした。今後は作業中のミスをなくし、再発防止に努めたい」と話している。
出典
『県が誤った河川水位情報を配信』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/5073129831.html
12月1日付で大分合同新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県は29日、防災情報を知らせる「県民安全・安心メール」で誤った河川の水位情報を配信した。
業者が水位計の更新作業手順を誤ったことが原因。
県河川課によると、午前11時20分ごろ、「臼杵市を流れる佐志生川で氾濫危険水位を超えた」との情報を送り、1697人が受信。
約20分後に「ご迷惑をおかけしました」と訂正した。
当時、更新した水位計が正常に作動するかを確認していた。
本来は電源を切らなければならないが、入れたまま作業を続けたため、誤配信が起きた。
同課は、「再発防止のため、業者に作業手順の徹底を呼び掛ける」と話している。
出典
『防災メール誤配信 臼杵佐志生川 水位計の確認中』
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2017/11/30/JD0056392550
(ブログ者コメント)
装置トラブル時に「異常あり」の情報が流れたことから考えると、フェイルセーフで設計されたシステムだったのかもしれない。
2017年11月9日10時11分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
島根県浜田市は8日、同市弥栄町長安本郷の新川橋(長さ17.5m、幅5.1m)で、県の点検により橋げたにひび割れが見つかったのに、管理する市が2年以上、補修などをしていなかったと発表した。
市は今年5月に事態を把握して、改めて調査するとともに、7月26日に通行止めにした。
迂回路はあり、年度内に橋の廃止を含めて対応を検討する。
発表によると、新川橋は長安川に架かる農道のコンクリート橋。
1965年3月に県が建造し、合併前の旧弥栄村に譲与。
現在は市が管理し、近くの住民らが利用している。
県は、2014年7月~15年2月に同橋を点検した際、路面裏の一部にひび割れを確認。
国の基準で速やかに対策が必要な「レベル4」と診断したが、市に報告されたかどうかは、県が「15年3月頃に担当者が市に説明した」とする一方、市は「担当者は協議した記憶がないと話している」としている。
記者会見した市産業経済部の田村部長は、「点検結果が確実に伝わらなかったのは、連携のまずさがあった。危機管理意識が希薄で深く反省している」と陳謝し、経緯を検証する考えを示した。
出典
『橋のひび県が確認、市に報告うやむやで補修なし』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171109-OYT1T50031.html
2017年10月20日19時51分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小学館は20日、6月23日に出版した図鑑「小学館の図鑑NEO きのこ」で紹介した毒きのこの「ヒョウモンクロシメジ」の説明で、食べると下痢や嘔吐を引き起こすにもかかわらず、誤って「食用」と記載していたとして回収すると発表した。
編集部が監修者からの修正指示を見落としていたことが原因で、20日に読者から指摘があり発覚した。
5万部が発行され、すでに約1万6000部が販売されたが、これまでに誤記載による健康被害は報告されていないという。
同社によると、誤記載があったのは同書の25ページ左下の説明文で、「毒」と記載すべきところを「食用」としていた。
ヒョウモンクロシメジは少量でも食べると、下痢や吐き気、嘔吐などの胃腸系の中毒症状が出るという。
同社は、「多大なご心配とご迷惑をおかけして深くお詫びする。もしヒョウモンクロシメジを発見した場合には、決して召し上がらないよう注意してほしい」と謝罪した。
購入者には、正しく記載された本に交換するとしている。
出典
『小学館、図鑑で毒きのこを「食用」と誤記載・回収 食べると下痢や嘔吐』
http://www.sankei.com/affairs/news/171020/afr1710200032-n1.html
10月20日20時31分に時事通信からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小学館は20日、6月に発売した「小学館の図鑑NEO きのこ」で、毒きのこの「ヒョウモンクロシメジ」を、誤って「食用」と記載していたと発表した。
健康被害は報告されていないという。
日本きのこセンター菌蕈(きんじん)研究所(鳥取市)によると、ヒョウモンクロシメジは秋の雑木林に生え、食べると30分~3時間後に腹痛や嘔吐、下痢などの症状が表れる。
小学館によると、編集の過程で転記ミスがあり、監修者からの修正指示も担当編集部が見落としていた。
今後は編集体制を強化し、再発防止に努める。
購入者からは送料着払いで回収し、後日訂正した図鑑を返送する。
出典
『毒きのこを食用と誤記=「小学館の図鑑NEO きのこ」』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017102001176&g=soc
2017年6月15日4時13分にgooニュース(西日本新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡県柳川市は、14日、保管期間が過ぎた30〜50年前の中学校の指導要録など文書約400枚を、廃棄処分にするため運搬中、誤って同県八女市立野の県道に落としたと発表した。
警察に落とし物の届け出があって発覚。
職員25人で現場の県道沿い1kmを3時間半にわたって捜索し、ほぼ全てを回収したという。
会見した成松副市長は、「個人情報が記載された文書を一時紛失し、誠に申し訳ない」と謝罪した。
市の説明によると、落としたのは旧矢留中と旧両開中の生徒の指導要録と成績一覧表。
指導要録には、当時の生徒の氏名、住所、保護者名、生年月日に加え、成績や行動の記録、出欠日数などが記入されていた。
両校の合併でできた柳南中から同日午前、柳川市クリーンセンターに持ち込まれ袋詰めにされた後、市廃棄物対策課の職員2人が、再生利用するため、八女市の製紙会社にダンプで運んでいた。
柳川市は「袋の口の結び方が緩かった」とみている。
袋はロープで荷台にくくりつけていたが、覆いはしていなかった。
成松副市長は再発防止策として、「袋を閉める際の職員による二重チェックと、廃棄文書の搬送車に覆いを掛けることを徹底する」と述べた。
出典
『学校文書400枚落とす、職員25人で3時間半捜索しほぼ回収 廃棄運搬中、福岡県柳川市』
https://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/nation/nishinippon-20170615120854806.html
6月15日付で朝日新聞筑後版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
市によると、同日、2校統合後の市立柳南中の職員が、市クリーンセンターに廃棄文書が入った段ボールを持ち込み、袋に詰め替えして4トントラックで運搬中だった。
文書が入った9袋のうち、1袋の上部のヒモが緩んでいたのが原因という。
2017年4月28日8時9分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
秋田市が、3月、市内14万戸に全戸配布した洪水ハザードマップのうち、北西エリア版(4万部)と中央エリア版(9万部)に計42カ所、誤った記載があることがわかった。
エリア内の幼稚園や医療機関などの施設のデータを、2年前から更新せずに使っていた。
市は平謝りで、修正版との交換に応じている。
このマップは、市内を流れる雄物川などが大雨で氾濫したときの浸水想定区域を、水深に応じて色別に表したもの。
国が昨年夏に想定区域を見直したのを受け、市は同年10月、マップを作り直す作業を開始。
そして920万円をかけて、市内5エリアと市全図の計6種類のマップを計15万部刷り、10年ぶりに全戸に配った。
想定区域には、いざ避難するときに手助けが必要な子どもやお年寄りがいる「要配慮者利用施設」がある。
マップでは、それらの施設の所在地に番号を振り、一覧表にして番号と対応する施設名を載せた。
ところが、作業を担当した市の職員が、施設名などのデータを一昨年3月末時点の状態から更新するのを怠ったまま、印刷会社に送ってしまった。
その結果、マップを配り始めてから約1週間後、市内の女性から「施設名が間違っている」と苦情電話が来た。
市が改めて確認すると、
▽認定こども園「山王幼稚園・保育園」を、以前の「山王幼稚園」や「山王幼稚園附属さんさん保育園」と表記
▽閉鎖した婦人科や産婦人科のクリニックやデイサービス施設を記載
▽施設の所在地が違う
など、北西エリア版で9カ所、中央エリア版で33カ所の間違いが見つかった。
市は、今月20日、ホームページの防災コーナーで訂正を公表した。
修正版との交換を希望する人には、市民サービスセンターやコミュニティセンターなどで応じている。
市防災安全対策課の夏井課長は、「災害から身を守るために作製しているマップに誤記載をすることはあってはならず、深くおわびする。今後は作業工程を見直し、確認を徹底したい」と話している。
出典
『防災マップ間違いだらけ 秋田市、更新怠り平謝り』
2017年2月10日7時38分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月10日付で毎日新聞東京版から、2月10日8時49分に岐阜新聞から、2月9日20時49分にNHK NEWS WEBから、2月14日20時23分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
先月30日に出版大手「KADOKAWA」から発行された、岐阜市と織田信長ゆかりの歴史・観光情報を紹介する歴史雑誌「岐阜信長 歴史読本」の中に多数の誤りが見つかったと、市教育委員会が9日、発表した。
同社は9日、資料提供などの協力を受けた岐阜市に担当部長が訪れて謝罪し、作り直すことを明らかにした。
市教委によると、3日に市の関係部署に雑誌を配布したところ、職員らから複数の指摘が市教委に寄せられ、6日に同社へ連絡した。
指摘内容は下記など。
・ハイグレードホテルが廃グレードホテル
・地図で、岐阜市が三重県、岐阜県岐南町や笠松町が愛知県
・写真説明で、昭和4年の西暦が1828年
・信長の参謀として活躍した僧「沢彦宗恩」と軍師「竹中重治(半兵衛)」の説明文が入れ替わり
・別々のホテルと旅館の紹介文で、重複した部分がある。
同社によると、雑誌の編集は同社が行っているが、校正は別会社に発注していた。
この本の校正を担当した東京・新宿区の出版関連会社「ぷれす」の社長によると、KADOKAWAから依頼を受け、校正作業を行った上で年明けに納品したが、一部が反映されないまま出版されてしまったという。
社長は、
・問題発覚後に、依頼された原稿を再確認したところ、市などから指摘があった箇所は、全て「ぷれす」の校正者が誤りを伝えていた。
・印刷の段階で本の内容のデータが入れ替わることがあるため、最終的なチェックが重要だが、そこが十分ではなかったのではないか
・校正した原稿に地図が入っていないなど、指摘のしようのない部分もあった
と説明しているが、インターネット上で「ぷれす」に対し、「校正が甘い」などの風評が立ってしまったという。
社長は「長年コツコツと築き上げてきた信用に関わる問題なので、KADOKAWAさんにはミスが発生した経緯をしっかりと発表してほしい」と話した。
市教委の若山事務局長は、「このような事態に至り、非常に残念。適切な対応をしていただきたい」と話した。
出典
『「信長読本」誤植だらけ…岐阜を三重と表記など』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170209-OYT1T50167.html
『歴史読本 信長さん、本の字「変」 ミス30カ所、KADOKAWA作り直し』
http://mainichi.jp/articles/20170210/ddm/041/040/035000c
『信長読本、一転刷り直し SNSで反響、謝罪』
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170210/201702100849_28992.shtml
『“岐阜市は三重県に” 大手出版社の歴史の本に多くの誤り』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170209/k10010870781000.html
『信長読本のミス 編プロ「校正で誤り指摘、反映されず」』
http://www.asahi.com/articles/ASK2G5D4GK2GOHGB00G.html
2月15日付でKADOKAWA社のHPに、以下の社内調査結果報告が掲載されていた。
社内調査の結果、こうした事態を招いた原因として、以下の 2 点を認識しております。
第1 に、本来 2 回行うはずの校正・校閲作業が『岐阜信長歴史読本』では、1回しか行われていなかった事実 です。
弊社では「校正・校閲は 2 回以上行う」ことを編集製作の大原則としております。
校正・校閲作業の結果が的 確に反映されていることの確認、また、出版物の内容・体裁が発行に適正かどうか精査するためには、複数の校正・校閲作業が必然だと考えているからです。
しかし今回の『岐阜信長歴史読本』の編集製作過程においてはスケジュール管理の不備から、その大原則が遵 守されておりませんでした。
第2には、『岐阜信長歴史読本』編集部内での校正刷の内容確認作業において、組織的なチェック体制が機能 していなかった、という事実です。
以上のことから、今回の事態は歴史読本編集部ならびに所管するビジネス・生活文化局、ひいては弊社として の業務管理体制の不備に起因するものであったと強く反省しております。
・・・・
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20170215_n3evi.pdf
(ブログ者コメント)
〇上記以外、以下のようなミスもあったような気がする。
・原稿作成者が、自分が書いた原稿を見直さなかった
・校正会社への校正依頼時、原稿に地図を添付しなかった
・印刷所に原稿を送る際、最終版であることを確認しなかった
〇ちなみに、ブログ者のパソコンで「はいぐれーどほてる」と入力すると、一発で「廃グレードホテル」と変換された。
2017年1月26日5時0分に福井新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ネット上で「福井県 道路の状況」などと検索すると表示される福井県の「道路の状況」ページのリンク先の一つが、人気ゲームの攻略法紹介サイトにつながる状態だったことが、24日、分かった。
県によると、このページは既に運用しておらず、「古い情報のページのリンク先がゲームのサイトに変わっていた」として、同日中にページに接続できないようにした。
このページは県が作成したが、最終更新日は「2009年11月4日」。
ページには「福井県」の表題と、道路の積雪状況などを提供する複数のサイトがリンク先として表示されたが、その一つがゲームの攻略サイトにつながる状態になっていた。
県によると、リンク先のサイトが閉鎖され、当時のリンク先と同じドメインでゲームサイトが設置されたのが要因とみられるという。
県内各地が雪に見舞われ、道路情報への関心が高まる中で、7年以上前に運用をやめたページにアクセスできる状態だったことについて、担当の県危機対策・防災課は、「今後はきっちり管理していく必要がある。最新の情報はちゃんと更新し、県のサイトで提供しているので活用してほしい」としている。
出典
『県ページリンク先がゲーム攻略法 同じドメインでサイト設置される』
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/113911.html
2016年7月9日20時3分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月9日19時48分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府泉大津市選挙管理委員会は、9日、参院選当日用の選挙区と比例代表の全投票用紙計8万3760枚を誤って廃棄処分していたと発表した。
府などに予備の投票用紙を手配し、10日の投票には支障がないとしている。
市選管によると、市内の20カ所の投票所で使用する予定だった4万1880人分。
6月9日に府選管から配布された用紙を、市庁舎1階の市民課にある金庫室で段ボール箱3箱に入れて保管していたが、選管職員が9日早朝、投票所に交付するため確認しようとして、用紙がないことに気付いた。
防犯カメラを確認したところ、市民課の職員数人が、1日、保存期限が過ぎた文書を入れた段ボール箱を廃棄する際に一緒に運び出していた。
投票用紙はお茶のペットボトルの空き箱に入れられ、職員らは気づかなかったという。
箱はごみ処理場に持って行き、焼却処分した。
市選管によると、市民課には金庫室で保管することをあらかじめ伝えてあったが、職員らは失念していたという。
市選管の天野事務局長は、「大変申し訳ない。管理方法を改め、再発防止に努めたい」と話した。
泉大津市選管から連絡を受けた大阪府選管は、府の予備分として用意していた2万枚のうち1万9千枚と、点字用600枚のうち200枚を提供。
近隣の堺市と岸和田市からも届けられた。
総務省によると、2014年の衆院選や13、10年の参院選で、各選管からの報告に同様の事例はなかった。
府選管の担当者は、「ここ5年ほどで、少なくとも府内では聞いたことがない」と話している。
庁舎内にある市選管では、同日午後、報道で誤廃棄を知った市民から、「どういう管理してるんや」、「なんでこうなった」といった苦情の電話が相次ぎ、約10人の職員が事情の説明に追われた。
出典
『投票用紙8万枚を誤廃棄 大阪・泉大津、職員が焼却』
http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040007_Z00C16A7000000/
『投票用紙8万枚、誤って焼却 参院選前日に気づく』
http://www.asahi.com/articles/ASJ795KNMJ79PPTB004.html
(ブログ者コメント)
箱にどのような表示をしていたのだろうか?
ブログ者であれば、「今回選挙用投票用紙 7月9日引き取り予定 選管」などと赤太字で大書した紙を貼っていたところだが・・・。
2016年6月27日10時34分にテレビ朝日から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
佐賀の県立高校の「教育情報システム」に不正にアクセスしたなどとして、無職の17歳の少年が再逮捕された。
生徒の個人情報など、20万ファイル以上を不正に入手したとみられる。
佐賀市の無職の少年は、佐賀県の県立高校生徒の個人情報を管理する教育情報システムに不正にアクセスした疑いなどが持たれている。
警視庁によると、少年は、学校の教職員用のIDやパスワードを使ってこのシステムにアクセスしたとみられ、少年のパソコンからは、少なくとも6校分の職員や生徒・保護者の住所や電話番号などを含む20万ファイル以上の個人情報が見つかった。
少年はさらに、不正に入手した情報を佐賀県内に住む複数の少年とネット上で共有していたとみられる。
出典
『佐賀の県立高の個人情報、20万ファイル以上が流出か』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000077877.html
6月27日13時45分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「ICT(情報通信技術)化が最も進んでいる佐賀県のシステムが破られた。とても驚いている」。
佐賀県立高校の生徒の成績などが流出した事件で、文部科学省の担当者はショックをあらわにした。
同省は、27日、佐賀県教委に事実関係の早急な報告を求めた。
全国の公立小中高校の普通教室に設置されている電子黒板の整備率(2015年3月時点)は、全国平均が9%なのに対し、佐賀県は76.5%で全国1位。
パソコンの整備状況も生徒2.6人に1台と全国トップで、国が第2期教育振興基本計画(13〜17年度)で定める目標の3.6人に1台を唯一、超えており、ICT化の先進地域として知られていた。
同省によると、児童や生徒の学籍や成績などの情報をコンピューターで管理するシステムは「校務支援システム」と呼ばれ、各地の学校で導入が進んでいる。
教職員同士が情報を共有することで、きめ細かな指導をしたり、教員の校務負担の軽減を図ったりするメリットがあるとされる。
佐賀県のシステム「SEI−Net(セイネット)」は、全国に先駆けて、13年度から導入された。
学校側が授業支援のためのデジタル教材を提供し、児童生徒が家庭でダウンロードして予習や復習に利用したり、ネット経由で相談に乗ったり、学校行事の確認をしたりすることも可能にしていた。
佐賀県教委によると、このシステムには5月1日現在で小中学生3万4739人、高校や特別支援学校などの県立学校生5万6590人、教職員7987人の情報が登録されていた。
教職員が成績や住所などの個人情報にアクセスするには、校内ネットワークに接続したうえで、IDとパスワードを入力する必要がある。
児童生徒は、IDとパスワードを入力すれば、校外からでもネットに接続して、自分のテスト結果や電子教材などは閲覧できるという。
出典
『不正アクセス 「最先端の佐賀県システム破られるとは」』
http://mainichi.jp/articles/20160627/k00/00e/040/156000c
7月7日1時22分に西日本新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
佐賀県の教育情報システムが不正侵入され、延べ1万5千人分の個人情報が流出した事件は、7日で発覚から10日になる。
「情報通信技術(ICT)教育先進県」を標榜する佐賀県の情報管理の甘さが浮き彫りになり、識者からは、「原因の解明と運用方針の見直しが急務だ」との声が上がる。
「どこまで広がっているか分からない」。
佐賀県教育委員会は、成績や家庭環境調査など流出した情報がどこまで拡散したのかつかめておらず、不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕された無職少年(17)と関わりがあった県内の高校生15人から聞き取り調査を進める。
県教委や学校には、5日までに「うちの子の情報は大丈夫か」と心配する保護者らから133件の相談や問い合わせがあった。
少年を逮捕した警視庁や県教委によると、少年は独自開発した攻撃用ソフトウエアを使って佐賀県独自の「教育情報システム(SEI-Net)」に接続。
県立中学、高校などにある校内ネットワークにも、無線LAN経由で侵入していた。
警視庁の調べに少年は、「教育機関や教員に恨みがあった」、「中学時代にいじめを受け不登校になった。その際の学校と教員の対応に不満があった」などと供述しているという。
校内ネットワークへの不正侵入で、少年はほとんどの情報が閲覧できる管理者用のIDやパスワードを入手。
これらは、教員や生徒が個人IDで閲覧できるファイルに暗号化して保管されており、「ある程度の専門知識があれば解読できる」(県教委)状態だった。
県教委は、被害を食い止める機会も逃していた。
昨年6月、何者かの不正アクセスで、校内ネットワークのアクセス権限が変更されたことが判明。
県教委は、情報流出の痕跡がなかったことから、管理委託業者にパスワードを変更させただけで、警察への通報も、内部協議もしなかった。
今年1月、別事件で押収された少年のパソコンから大量の個人情報を含むファイルが見つかる。
県教委は、2月、警視庁から情報流出の可能性とシステムの脆弱性を指摘されたが、生徒や教員のIDやパスワードを変更しただけで、5月には、「少年にやり方を教えてもらった」と話す男子生徒(16)の不正侵入を許す。
県教委の担当者は、「今考えると情報管理の認識が甘かった」と認める。
「なぜそんな運用をしていたのか…」と驚くのは、長崎県教委の担当者。
同県も成績などのネットワーク管理を進めるが、アクセスは県教委と学校内のパソコンからしかできず、指静脈認証が必要という。
福岡県は、あらかじめ登録された教職員のパソコンから専用回線を利用しないと、接続できない仕組み。
「そもそも、全てが閲覧できるIDがあること自体が問題だ」と首をかしげる。
情報セキュリティーの専門機関、独立行政法人情報処理推進機構の白石歩調査役は、「ネットワークの情報管理対策は日々刻々と変わり、100%守れるものではない。不正アクセスされた場合でも重要情報は簡単に閲覧できないよう、個別に『鍵を掛ける』工夫も必要だ」と指摘した。
出典
『「情報先進県」管理は“素人” 佐賀・少年不正アクセス事件』
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/saga/article/257034
2016年6月23日付で河北新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月22日20時34分にNHK東北NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
石巻市は、22日、納入業者や建設業者、行政委員などへの各種支払いで305件、1億2603万円を二重払いする事務処理ミスがあったことを明らかにした。
市によると、6月14日午前9時半ごろ、会計課の担当職員が銀行への振り込みデータを、銀行の支払いを行うデータの処理業者に2回送信した。
パソコンでのデータ送信後は、通常、プリンタに結果が印字されるが、プリンタの電源を入れ忘れて印字されなかったため、送信していないと勘違いして、再送信した。
パソコン画面での送信確認も怠った。
1月にシステムを更新する前にはあった、二重送信を防止する機能が働かなかったこともミスにつながった。
データを受け取った処理業者も同じデータと気づかず、そのまま銀行にデータを送った。
6月16日に二重支払いに気付いた住民から銀行に照会があり、判明した。
二重支払いの対象は31人と100社に上り、市は、銀行を通じて返納を依頼。21日までに約3500万円の返納があった。
再発防止策として、今後は管理職が立ち会った上で、銀行振り込みのデータを送信する。
亀山市長は、「関係者に多くの迷惑を掛け、市民の信頼を失墜する事態となった。信頼回復に向け、確認作業を徹底したい」と謝罪した。
出典
『石巻市が事務処理ミス 1億2603万円を二重払い』
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2016/06/20160623t13016.htm
『1億2000万円を二重送金』
http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20160622/3393041.html
2016年6月15日付で毎日新聞東京版朝刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月14日23時19分に産経新聞から、6月15日10時30分に読売新聞から、6月16日6時32分にNHK首都圏NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大手旅行会社のJTBは、14日、海外からの不正アクセスによって、最大で約793万人分の個人情報が流出した可能性があると発表した。
取引先を装ったメールの添付ファイルを開き、ウイルスに感染したのが原因。
JTBは警察に被害を相談し、警察は、不正指令電磁的記録(ウイルス)供用や不正アクセス禁止法違反などの容疑も視野に調べている。
流出した恐れがあるのは、「JTBホームページ」、「るるぶトラベル」などのオンラインを利用して2007年9月28日から16年3月21日に予約した顧客の個人情報。
項目は
(1)氏名
(2)性別
(3)生年月日
(4)メールアドレス
(5)住所
(6)郵便番号
(7)電話番号
(8)パスポート番号
(9)パスポート取得日。
パスポート番号のうち、約4300件は、現在も有効という。
提携するNTTドコモの旅行サービス「dトラベル」を利用した33万人分の情報も含まれている可能性がある。
クレジットカード番号、銀行口座情報、旅行の予約内容は含まれていないという。
現時点で、個人情報が悪用された被害は報告されていないとしている。
JTBによると、旅行商品をインターネットで販売する子会社「アイドットJTB」のサーバーに、今年3月15日、巧妙に業務関連のメールに偽装されたメールが送りつけられた。
メールアドレスの『@』マーク以下のドメインは取引先である全日空のもの、『@』より前は日本人のありふれた名字がアルファベットで表記され、メールの表題は「航空券控え 添付のご連絡」となっていた。
本文には、『お世話になっております』などの通常の挨拶文のあとに、『eチケットを送付しますのでご確認下さい』という趣旨の文章があり、送信元として、実在する取引先の会社名・部署と担当者名の署名もあった。
担当した20代の女性オペレーターが通常の業務と判断して添付ファイルを開封したところ、パソコン6台とサーバー2台がウイルスに感染し、海外への不審な通信が確認された。
JTBによると、不正アクセスを受けた子会社のアイドットJTBでは、知らない人物からのメールは開かないようにしているほか、定期的に標的型メール攻撃に使われるものに似た疑似メールを送るなどの訓練を行っていたが、被害は防げなかった。
JTBの対応も遅かった。
同月19日には、外部のセキュリティー会社から不審な通信があることを知らされていたにもかかわらず、完全に通信を遮断したのは、個人情報がコピーされた同月21日よりも後だった。
この間にサーバーを遠隔操作されたとみられ、1人しかアクセス権限のないサーバーから顧客データをコピーされた。
今回、少なくとも2種類のウイルスの感染が確認され、いずれもパソコンを遠隔操作するタイプだという。
こうした手口について、セキュリティー会社「トレンドマイクロ」の高橋昌也シニアスペシャリストは、「2種類のウイルスを使うことで1つのウイルスが検知されても、もう1つのウイルスで情報を盗み出すねらいがみえる。こうしたサイバー攻撃では、取引先を偽装するのは日常的に行われ、クリックしないという対策は非常に難しい。ウイルスに感染しても、情報が外部に流出しないよう、対処できる仕組みを作ることが大切だ」と話していた。
特定の企業の情報を盗むため取引先を装うメールは、「標的型メール」と呼ばれる。
企業の個人情報をめぐっては、通信教育大手のベネッセホールディングスで、14年に約3500万件の流出が判明。
15年には、日本年金機構に標的型メールが送られ、基礎年金番号や氏名など101万人の個人情報が流出した。
出典
『JTB 不正アクセス、793万人分流出か 旅券番号など』
http://mainichi.jp/articles/20160615/ddm/001/040/177000c
『JTB情報流出 巧妙「標的型メール」 被害防げず 3月19日に判明』
http://mainichi.jp/articles/20160615/ddm/041/040/098000c
『情報流出…JTB、対応後手に 巧妙な標的型メール』
http://www.sankei.com/affairs/news/160614/afr1606140034-n1.html
『JTB個人情報793万件流出か?…標的型攻撃の巧妙な手口』
http://www.yomiuri.co.jp/science/goshinjyutsu/20160615-OYT8T50004.html
『JTB感染は全日空装うメール』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20160616/3189541.html
2016年5月28日23時18分にNHK北海道NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
28日午後7時20分ごろ、JR北海道の指令センターにある、千歳線と室蘭線の信号やポイントなどを自動的に切り替えるシステムにトラブルが発生し、JRでは、一時、新札幌駅と東室蘭駅の間の区間で、手作業でポイントや信号を切り替えた。
この影響で、列車を間引いて運行しているため、札幌などと新千歳空港を結ぶ快速エアポート13本と、普通列車16本のあわせて29本が運休や部分運休となった。
JRによると、トラブルの原因は、システムのサーバーが置かれている部屋の配管の老朽化による水漏れだったという。
システムは、3時間近くたった午後10時に復旧し、JR北海道によると、ダイヤの乱れは今夜いっぱい続くものの、29日は通常通りの運行を予定しているという。
出典
『千歳線などでトラブル影響続く』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20160528/5694301.html
5月29日19時21分にNHK北海道NEWS WEBからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月30日0時16分に北海道新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道の千歳線と室蘭線の列車運行管理システムは、28日に続いて29日午前7時すぎ、信号やポイントなどを自動的に切り替えるシステムにトラブルが発生し、これまでに、快速エアポートを含む65本が運休や部分運休となっている。
原因は、システムのサーバーが置かれている部屋の上の階にあるエアコンの結露を排水するための配管が詰まって水漏れしたためだと分かり、28日夜のトラブルは、水漏れを止め、部品を交換して28日中に復旧させたが、29日は、同じ装置の別の部品が不具合を起こしたという。
修理作業は29日正午ごろに終了したが、ダイヤは終日乱れ、札幌駅は2日連続で混乱が続いた。
JRは、ほかの部屋のエアコンの配管の点検も緊急で行うなどして、再発防止を図ることにしている。
出典
『JRトラブル原因は水漏れ』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20160529/5698841.html
『JR北海道、制御装置が連日トラブル 1万3000人影響』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0275922.html
2016年5月31日6時35分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午前11時ごろ、札幌市内のJR北海道指令センターで、千歳線と室蘭線の列車の信号やポイント(分岐器)を自動制御できなくなるトラブルが起きた。
同様の不具合は3日連続で、3日間で計140本が運休、部分運休し、計約3万1千人に影響した。
JRによると、28日に制御装置の一部が水に漬かったことが原因。
装置は、導入から25年たって部品調達が難しい部分もあり、動作が不安定な状態が続いているという。
31日は通常通りの運行を予定するが、装置の完全復旧のめどは立っておらず、JR北海道の大動脈になお影響が出る可能性もある。
JRによると、不具合が生じているのは、自動制御するシステムの一部。
列車の位置を感知してポイントや信号の切り替えを指示する列車集中制御装置(CTC)と、運行ダイヤなどから走っている列車を特定する自動進路制御装置(PRC)の情報を連動させる機器が故障した。
指令センターでは、28日、空調設備の配管から水が漏れ、この機器が水に漬かった。
JRは、浸水したとみられる部品を同社が保管していた予備品と交換。
29日午前にも不具合が起きたため、機器内の別の部品を代替品と取り換えたが、30日にまた異常が起きた。
出典
『JR北海道の大動脈3日連続混乱 指令所、水漏れで機器異常』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0276335.html
(ブログ者コメント)
5月31日付でJR北海道のHPに、下記趣旨の記事が掲載されていた。
水がかかった部位については、水が乾いたため、どの部位に不具合があるかは目視だけではわからない状況です。
そのため、部品個々にデータ伝送状況の測定などを実施し、不具合箇所の探索に努めております。
出典
『千歳線・室蘭線の列車進路制御の今朝の状況について』
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160531-1.pdf
2016年3月16日21時53分に産経新聞から下記趣旨の記事が、モニタリングポストの配置図付きでネット配信されていた。
九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)周辺の放射線測定装置(モニタリングポスト)のあり方を批判した朝日新聞の記事に、装置を設置した鹿児島県や原子力規制委員会が、猛反発している。
県は、「国の指針に基づいた配置であり、問題はない。不安をあおる記事だ」と憤った。
「あたかも(避難を)判断できないように報道をし、立地自治体に無用な不安を与えたことは、非常に犯罪的だ」
原子力規制委の田中俊一委員長は、16日の定例会で、朝日の記事を批判した。
問題の記事は、14日付朝刊に掲載された。
『モニタリングポストのうち、ほぼ半数が、事故時の住民避難の判断に必要な放射線量を測れない』
『事故時の住民避難の態勢が十分に整わないまま、原発が再稼働した』
鹿児島県の態勢の欠点を強調するものだった。
共同通信も、同日午前、「監視装置、半数が性能不足」の見出しで、「監視態勢が不十分なまま、再稼働したとの批判が出そうだ」との記事を配信した。
モニタリングポストは、空間の放射線量を計測する。
原発事故が発生した場合、放射性物質が漏洩していないかを知る目安となる。
では、鹿児島県の実態はどうか。
県は、67地点に計74台の測定装置を置いた。
川内原発から30km圏内でみると、線量が比較的高い毎時100ミリシーベルト(mSv)まで測定できる装置を42台、線量が低い同80マイクロシーベルト(μSv)や同10μSvまで測れる装置を計29台設置している。
「1μSv」は、「1mSv」の1千分の1だ。
高線量と低線量、双方が測れる装置を組み合わせて配置したのには、わけがある。
低線量用の計測装置で、高い放射線は測れない。
逆に、高線量用の装置で、低い放射線は正確には計測できない。
体重計で1gの重さを量れないことを想像してもらえばよい。
高線量に対応する装置しかなければ、仮に原発から放射性物質がわずかに漏れた場合、把握できない恐れもある。
双方の装置を組み合わせ、万一の事故に備えるというのが、鹿児島県の言い分だ。
県原子力安全対策課の岩田課長は、「わずかな線量の違いを把握できるのは低線量が測れる装置。住民避難には、高線量と低線量の測定装置をバランスよく配置することが必要だと考えている」と説明した。
そもそも鹿児島県は、原子力規制委が決定した事故時の住民の避難指針を踏まえている。
原発で重大事故が発生した場合、国が周辺住民に避難指示を出す際の指針だ。
福島第1原発事故を教訓に、原発から5km圏では即時避難、半径5~30km圏は毎時500μSvの放射線量が測定された場合、即時避難する。
これは、高い放射線への備えだ。
一方、比較的低い放射線にも備えなければならない。
半径5~30km圏で毎時20μSvが1日続いた場合は、1週間以内の避難を指示する。
住民避難には、毎時20μSvといった低い線量を正確に把握することも必要となる。
原発事故を経験した福島県も、高線量と低線量対応の装置を組み合わせている。
同県危機管理部の担当者は、「現在のように線量の低い状態が続くときは、少しのレベルの変化をいち早く確認するのに、低線量の装置が活用できる」と述べた。
2つの装置の組み合わせは、原発事故への備えとして、専門家の間では常識といえる。
だからこそ、規制委の田中委員長も、強い言葉で非難したのだろう。
長崎大の高村昇教授(被ばく医療学)も、「鹿児島県の対応に不備がある印象は受けない。測定装置は測定できる(線量の)範囲によって用途が異なり、うまく組み合わせて配置することが大事だ。自治体は住民に配置の意図を説明し、理解を得られればよいのではないか」と語った。
鹿児島県の朝日報道への怒りは、これだけではない。
鹿児島県は、原発から5km圏内に高線量用の装置を16台配置する。
毎時500μSv以上が測れる機器だ。
しかし、朝日、共同通信とも、記事中でこの5km圏の装置には、まったく触れなかった。
また、朝日の記事には、「不十分だったり、未設置だったりする状態で再稼働するのは問題だ」とする規制庁職員のコメントも掲載された。
この規制庁職員は、産経新聞の取材に、「一般論として『不十分であれば問題』と言ったことを再稼働とつなげられ、不本意だ。鹿児島県の対応は問題ないと考えている」と述べた。
朝日の記事をきっかけに、ネットでは、「案の定、原子力ムラは福一事故から何も学べなかった」、「こんな状態で再稼働なんてあり得ない」など、反原発の意見が噴出した。
原発・脱原発を論じることは必要だろうが、不安を扇動する記事は、冷静な議論を封じ込めるだけで、話にならない。
出典URL
http://www.sankei.com/affairs/news/160316/afr1603160027-n1.html
(ブログ者コメント)
朝日新聞の記事は下記。
『川内原発周辺の線量計、半数が性能不足 避難判断の目安』
http://www.asahi.com/articles/ASJ346QWDJ34UTIL076.html
『(社説)放射線量計 事故の教訓はどこへ』
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12257697.html?rm=149
これは、産経新聞のほうに分がありそうだ。
低線量測定装置は事故の未然防止が目的、高線量測定装置は拡大防止が目的なのだろう。
片方だけでは、不十分だ。
しかし、その後も朝日新聞は17日付で反論記事を掲載し、それに対し、規制委員会は取材制限措置を打ち出したが、それでもなお、朝日新聞は「見解が異なる」というコメントを出すという騒ぎになっている。(記事転載は省略)
ブログ者思うに、朝日新聞の記者は、モニタリングシステムについて、県などに話を聞かなかったのではないだろうか?
聞いて入れば、このような記事は書けなかったと思うのだが・・・?
これは一種の報道事故?
そういえば、ちょっと前にも、福島第一原発退避報道で同じようなことがあったような・・・。
事故の教訓はどこへ。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。