2021年2月4日18時10分にNHK兵庫から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県西部の相生港で、タグボートに給油していた重油があふれ、およそ200ミリリットルが海に流出し、乗組員らが家庭で使う台所用洗剤をまいたとして検挙されました。
海上保安部は「海に油が浮いている場合は、118番に通報を」と呼びかけています。
姫路海上保安部によりますと、3日、相生港の岸壁で、広島市の会社が所有するタグボートに、姫路市の会社が所有する船が燃料の重油を給油していたところ、タンクから油があふれたということです。
甲板におよそ10リットルの油が広がり、このうちのおよそ200ミリリットルが海に流れ出たということで、乗組員らが台所用洗剤をまいたということです。
岸壁でこの様子を見ていた人から通報を受けた海上保安部が調べたところ、タンクの容量を確かめず給油したうえ、法律で禁止されている台所用洗剤を海にまいていたなどとして、双方の乗組員2人を海洋汚染防止法違反の疑いで検挙しました。
海上保安部によりますと、法律では、毒性が低く環境を汚染しない適合処理剤以外のものを海にまくことは禁止されていて、「海上の事故や海に油が浮いているなど不審な状況を見かけた際は118番に通報して下さい」と呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20210204/2020011941.html
(ブログ者コメント)
ちょっと漏れただけなので、油膜が拡がる前に、手元にある台所用洗剤で処理しておこう・・・そう考えてのことだったのかもしれない。
中途半端な知識しかないブログ者も、その場にいたら、同じ界面活性剤だからと、台所用洗剤を使っていたかもしれない。
なぜ、同じ界面活性剤なのに、台所用洗剤を使ってはいけないのかと思い、調べてみると、、油処理剤に関するパンフレットの中に、以下のように書かれていた。
『油処理剤の正しい知識』
(公益財団法人 海と渚環境美化・油濁対策機構)
・・・・・」
油処理剤とは何か
界面活性剤を主な成分とする物質です。
・・・
油処理剤の散布方法
必ず原液のまま散布機を使って霧状に散布します。
・・・
注意しなければならないこと
・・・
国から承認を受けていない油処理剤は海上で使ってはいけません。
・・・
川や沼、湖、ダムなどの淡水・真水では使うことができません。
・・・
家庭用洗剤は絶対に使わないでください。
家庭用洗剤では油を分散できません。
また、環境に悪影響を与えかねません。
家庭用洗剤を海で使用することは法律で固く禁じられています。
波にもまれてタール状になった油、にじ色にキラキラ光る薄い油には効果がありません。
・・・
灯油、ガソリン、軽油に対しては使えません。
・・・
油処理剤と油吸着マットは一緒に使えません。
・・・
・・・・・
http://www.umitonagisa.or.jp/pdf/manual/aburashorizai.pdf
一方、以下のような情報もあった。
『処理剤について』
(平成25年12月27日 東神油槽船㈱)
・・・・・
2.油処理剤の成分
油処理剤には、主に界面活性剤と言われるものと、溶剤の2種類が含まれています。
界面活性剤というのは、油を水と混じりやすくする薬剤だと思っていただければ間違いはないと思います。
溶剤は、界面活性剤を油に浸透しやすくしたりする役目をしています。
実は食器を洗う洗剤にも、界面活性剤というものが使われています。
水面に浮かべられた油が、一瞬にして小さくなるCMを見たこともあると思いますが、基本的な部分は油処理剤と同じです。
しかしながら、油処理剤と食器用洗剤では毒性が違います。
油処理剤のほうが、はるかに毒性が低く抑えられています。
・・・・・
http://toshin-marine.com/study/toshinstudy55.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。