2015年8月5日23時58分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午前9時ごろ、山口県山陽小野田市の「T社」小野田工場で爆発があり、アセチレンガスをボンベに詰める鉄骨スレート造りの充填場と現場事務所計約556m2を全焼した。
男性従業員(34)が顔などに軽いやけどを負った。
警察によると、この火災でボンベ8本が工場の敷地外に飛び、最大で敷地から約60m離れた所に落ちた。
ボンベは高さ約1mの鉄製で、数10kgの重さがある。
同社によると、アセチレンガスは主に鉄などを溶断するバーナーの燃料に使われる。
充填場には約180本のボンベがあった。
午前9時前、複数のボンベが火を噴いているのに従業員が気付き、ボンベのバルブを閉めようとしたが、火の勢いが強く消火できなかった。
消防車15台が消火に当たり、約5時間後に鎮火した。
当時、工場は稼働前だった。
同社は山口県宇部市に本社があり、工業、医療用ガスの製造をしている。
5日午後、記者会見を開き、国広社長が、「近隣住民の方に深くおわびします」と陳謝した。
現場は、工場が建ち並ぶ沿岸部。
近くに住む女性(80)は、「ドンドンドンドンと何度も大きな音を聞いた。障子が揺れるぐらいの音だった。外へ出たら炎が見えた。その後、黒い煙が上がっていた。怖かった」と声を震わせた。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150806k0000m040120000c.html
8月5日18時39分にNHK山口からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後会見を開いた会社の説明によると、火災が起きたときの状況について、アセチレンガスをボンベに充てんしようと、充てんに必要なガスを圧縮する機械を動かす準備をしていたところ、何らかの原因で火災が起きて爆発したという。
この作業は通常行われるもので、周りに火の気は一切なく、今のところ火災が起きた原因は不明だと説明している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4063932651.html?t=1438808471745
(2015年8月30日 修正1 ;追記)
8月6日付の山口新聞紙面に、やや詳しい状況が、下記趣旨で掲載されていた。
アセチレンを発生装置につなげた配管を通してボンベに詰める準備をしていたときに、充填場付近から出火した。
敷地内には600~700本の充填済みのボンベがあり、次々に引火して爆発したとみられる。
高さ10数mの火柱が上がり、爆風で長さ1~1.5mのボンベ8本が工場から最大で約60m離れた場所まで吹き飛んだ。
出火当時は従業員ら7人が工場敷地内におり、近くの配管のバルブを閉めてから避難した。
やけどを負った従業員は、充填場の機械周辺にいたという。
8月8日付の山口新聞紙面には、アスベストを含む白い固形物が大量に飛散したという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
爆風によって破裂したボンベからアスベストを含む白い固形物が大量に飛散していたことが分かった。
同社が7日に会見を開いて明らかにし、謝罪した。
アスベストは、工場にあったボンベ約1200本のうち8割ほどに使用されており、アセチレンを吸着させる白いスポンジ状のケイ酸カルシウムに含まれていたという。
同社は、これまでにボンベ約100本の破裂を確認。
120kgほどのアスベストが飛散した可能性があり、専門業者に依頼して同日から回収を進めている。
同市によると、白い固形物は工場から約1.5km離れた国道190号でも見つかったという。
山口県は、6日夕に飛散が最も多かった工場周辺で大気中のアスベスト濃度を調査。
速報値は大防法で定める基準値を下回り、県環境政策課は「直ちに健康を害することは考えにくい」としている。
同社の社長は、アスベスト飛散の発表が火災発生の2日後になったことについて、「当初は爆発事故の被害状況の確認に追われた。着目できていなかった」と説明した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。