2021年3月3日11時34分にYAHOOニュース(西日本新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「セルフのガソリンスタンドで、携帯電話を使用しながら給油しても引火しないのか」。
西日本新聞「あなたの特命取材班」に、そんな疑問が寄せられた。
スタンドに行くと「携帯電話使用禁止」との注意事項が目に入る。
静電気が原因とみられる火災も毎年のように発生してきた。
給油中、スマートフォンなどの電子機器は電源を切り、車内に置いておかないといけないのだろうか。
消防庁危険物保安室によると、2015年までの10年間で、セルフスタンドでの給油中の火災は約40件発生。
一部が静電気由来とみられ、利用者の服や体にたまった静電気の火花が、給油口から立ち上るガソリンの可燃性蒸気に引火した可能性がある。
こうした火災を防ぐため、多くのスタンドには静電気除去シートなどが設置されている。
一方でスタンドでは近年、従業員が業務でタブレット端末などを使う機会が増えている。
そのため消防庁は、スマホなど携帯型電子機器について実験で検証。
すると、可燃性蒸気の中で電子機器を使ったとしても、電流が弱いため引火しないことが分かった。
機器を落下させても火花は発生しなかった。
これを踏まえて消防庁は18年8月、「通常の状況下であれば、給油所で使用しても安全上支障がない」と都道府県などに通知。
これまで、スマホなどから引火したとみられる火災事例は、国内では確認されていないという。
スタンド側の対応はどうだろうか。
出光興産(東京)は、給油中に携帯電話を使用しないように注意書きを掲出。
その理由を「注意散漫となり、事故に結び付くのを防ぐのが目的」と説明する。
同じく禁止を呼び掛けているコスモエネルギーホールディングス(同)も、「そもそもガソリンは危険物。噴きこぼれなどがないよう細心の注意が必要だ」と理解を求めている。
歩きスマホならぬ“給油スマホ”も思わぬトラブルのもと。
消防庁も、「電子機器使用の安全性が確認されているとはいえ、利用者には給油中の操作は必ず控えてほしい」と強調している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/30202a204b1db4b82d67a0540e8fa40a4e2dd7a8
(ブログ者コメント)
〇平成18年の消防庁通知は下記参照。
上記記事とは若干ニュアンスが異なっている。
『給油取扱所において携帯型電子機器を使用する場合の留意事項等について』
・・・・・
1 給油空地等で使用する携帯型電子機器は、防爆構造のもの又は下記のいずれかの規格に適合するものとすること。
・・・・・
2 給油空地等における携帯型電子機器の使用は、業務上必要な範囲において、以下の点に留意して行うこと。
(1) 携帯型電子機器の落下防止措置を講ずること(肩掛け紐付きカバー等)。
(2) 危険物の取扱作業中の者が同時に携帯型電子機器の操作を行わないこと。
(3) 火災や危険物の流出事故が発生した場合は、直ちに当該機器の使用を中止し、安全が確認されるまでの間、当該機器を使用しないこと。
・・・・・
別添
『携帯型電子機器による給油取扱所での引火可能性に関する実験報告
書』
(平成30年3月 消防庁危険物保安室)
・・・・・
本報告書では、一般に流通している携帯型電子機器から4機種を選定し、可燃性蒸気の中で作動させた場合に引火するかどうか、及び地面に落下させた場合に火花が発生するかどうかを実験により確認した。
・・・・・
5 まとめ
可燃性混合気中において携帯型電子機器に規定動作を20回実行させ、ガソリンを想定した可燃性混合気に引火しないことを確認した。
また、「4 携帯型電子機器の落下時危険性評価実験」では、床上2.0mの高さから携帯型電子機器を20回落下させ、火花が発生しないことを確認した。
以上のことから、本実験で選定した携帯型電子機器の引火性は確認されなかったため、危険物の漏えいや火災が発生しているなどの特殊な状況を除き、給油取扱所の通常の状況下であれば、給油取扱所内で当該機器を使用しても安全上支障ないと考えられる。
https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/300820_ki154.pdf
〇関連情報調査結果、ガラケーを使った実験でも着火源とは
ならなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されて
いた。
『携帯電話によるガソリン等の爆発混合気へ の着火危険の実証について』
(消防科学研究所報 37号 平成12年)
概要
ガソリンスタンドの可燃性蒸気が爆発範囲内の濃度になっている怖れがある場所で携帯電話を使用した場合、この携帯電話が火源となって可燃性蒸気が着火するか否かについて、確認することを目的として実施した。
この結果、携帯電話からの発信実験 924回、着信実験 800回、バッテリ一着脱実験を 4000 回行ったが、いずれも爆発は発生しなかった。
・・・・・
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-gijyutuka/shyohou2/37/37-19.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。