2017年8月5日6時21分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月3日、東京・中央区の「築地場外市場」で、飲食店などが入った建物から火が出て、火はおよそ15時間後に消し止められたが、周辺の建物なども含め、あわせて7棟、およそ935m2が全焼した。
警察は、建物の1階にあるラーメン店が火元で、厨房のコンロの熱が付近の木製の壁に伝わって出火したとみているが、この壁は火事の前から内側が熱で劣化して炭のような状態になっていたことが、警察への取材で分かった。
警察によると、この店では3日は営業を終えたあと、従業員がコンロを使って仕込みの作業を行い、火を消して店を出たという。
警察は、長年にわたって調理の熱が伝わり、壁が燃えやすい状態になっていたとみて調べている。
一方、東京消防庁によると、今回のように、壁の内側にある木材などの燃えやすい素材に熱が伝わって火が出ることを「伝導過熱」といい、去年、都内で起きた「伝導過熱」が原因の火事は21件で、このうち13件が飲食店だったという。
東京消防庁は、飲食店には火力の強い調理器具が多く設置されているため、壁の構造によっては熱がこもって火が出るおそれがあるとして、調理器具を壁から一定程度離したり、日頃から壁や器具の状態をこまめに点検したりするよう、注意を呼びかけている。
出典
『築地火災 炭化した壁伝わり出火』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170805/5801361.html
8月4日21時25分に朝日新聞からは、模式図付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
伝導過熱による火災は、一般家庭の台所でも起きることがある。
東京消防庁によると、昨年、管内で伝導過熱が原因で起きた火災は21件。
ほとんどが飲食店や工場だったが、3件は住宅で発生していた。
2007年以降でみると、計62件が住宅で起きている。
諏訪東京理科大学の須川修身教授(火災科学)によると、厨房の壁は下地の木材の上に石膏ボードなどの断熱材を入れ、ステンレスなどを張るのが一般的。
通常なら伝導過熱は起きないが、改築を繰り返して断熱材が省かれている場合などには起きる恐れがあるという。
伝導過熱は、出火まで時間がかかる特徴がある。
須川教授は、「壁裏からの出火はすぐに見えないし、においも届きにくく、火災感知器も反応しづらい」と、その危険性を指摘する。
飲食店で起きたとみられる今回の火災については、「熱が毎日、木材にたまっていき、発火点を超えたのだろう」とみる。
出典
『壁が突然発火…「伝導過熱」家庭でも 築地火災の原因か』
http://digital.asahi.com/articles/ASK8466RRK84UTIL04R.html?rm=244
8月6日付で毎日新聞東京版からは、模式図付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、コンロの周辺の壁にはステンレス製の板が設置されていたが、その裏の木製の壁が激しく焼けていた。
4日実施した実況見分で、以前から壁が炭のような状態だったことが確認されたという。
コンロでは、ずんどう鍋などを使って調理が行われており、その熱が蓄積した可能性が高いとみられる。
ラーメン店の従業員は、火災発生の119番がある約50分前の3日午後4時ごろ、コンロの消火を確認して店を出た。
一方で、隣の店の関係者は「午後3時20分ごろに焦げ臭いにおいがした」と話しており、警察は出火の経緯を確認する。
出典
『東京・築地場外市場の火災 ラーメン店、コンロ熱で壁発火か 「伝導過熱」の可能性』
https://mainichi.jp/articles/20170806/ddm/041/040/171000c
8月4日21時21分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火元と断定されたラーメン店は行列が出来る人気店で、3日は午前4時半から午後1時半まで営業。
閉店後の調理場で、男女3人の従業員がスープの仕込み作業をしていた。
壁際のコンロで数時間、ずんどう鍋を火にかけ、4時頃にガスの元栓を閉めて退店した。
出典
『築地火災、火元はラーメン店…コンロの熱が壁に』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170804-OYT1T50074.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。