2015年7月4日8時37分に産経新聞westから、「エアコン洗浄で火災!? 5年間で35件、神戸市消防局など注意呼び掛け」というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
エアコンの室内機に使う洗浄液が原因で火災になることがあるとして、消防などが注意を呼び掛けている。
節電効果が見込まれ、暑さが本格的になる前に洗浄する人が増える。
消防関係者は、「エアコンの構造をちゃんと理解した上で使って」と強調している。
製品評価技術基盤機構(NITE)によると、平成21~25年度に洗浄液などの液体がエアコン内部に残って発火した事例が全国で35件あった。
フィルターの奥にある熱交換器に詰まったほこりやカビを取ることで、熱効率の改善による節電や送られる風がきれいになる効果が期待される。
だが、洗浄の際に電源の基板や配線に液が付くと弱い電気が流れるようになり、電気の流れ道が炭化して発熱し、発火につながる恐れがある。
洗浄後、長期間たって起きることもあり、エアコンを使っていない時でも発火する可能性がある。
神戸市では、23~26年に洗浄液が原因のエアコン火災が2件あった。
市消防局予防課の担当者は、説明書をよく読み、熱交換器にのみ洗浄液がかかるよう注意を促した上で、「異変を感じたら、すぐにメーカーに連絡してほしい」と話している。
出典URL
http://www.sankei.com/west/news/150704/wst1507040018-n1.html
(ブログ者コメント)
平成27年4月13日付で神戸市HPに、「エアコン洗浄が起因する火災」というタイトルの下記記者発表資料が掲載されていた。
「概要」
日ごろのメンテナンスや省エネ対策としてエアコンの洗浄をおこなっているご家庭も多いと思いますが、エアコンの洗浄は、専門的知識、経験が必要で、誤った洗浄方法により火災も発生しています。
このエアコンの洗浄は、梅雨や夏を控えた春ごろから初夏にかけて実施されることが多く、この時期に注意喚起の広報をおこないます。
「火災事例」
(1)平成20年7月 22時ごろ 自宅寝室にて就寝中、居室内の運転中エアコンから異音 がしたため目を覚まし、その後異臭、炎が上がったもの。
(2)平成23年6月3時ごろ自宅にて就寝中、運転中のエアコンから「ポン」という異音と共に異臭がしたためすぐにコンセントを抜いた。
(3)平成26年8月4時ごろ自宅居室の使用していないエアコンから異音がし、白煙が上がってきたもの。
いずれの事案も発見が早く、家人により適切な初期消火がおこなわれたため、幸いエアコン周辺のみの火災で済んでいますが、就寝中やエアコンを使用していなくても火災が発生していることが分かります。
「火災原因」
これらの火災の原因は、うち1件がリコール該当製品でしたが、いずれもエアコン内のファンモーターの端子付近が強焼しており、高圧端子間においてのトラッキング現象と判明しました。
さらに、その端子周辺の炭化物等にはアルカリ性反応(エアコンの洗浄液に含まれる成分)が確認され、いずれも過去に個人や業者にてエアコンの洗浄をおこなっていました。これはエアコン洗浄の際、内部の電気部品周辺に洗浄液が掛からないように養生していない、又はしていても不十分であったため火災に至ったものです。
「類似火災を起さないために」
(1)ご家庭のエアコンがリコール該当製品かどうかを確認して下さい。リコール該当製品や使用時の機器に異常がありましたら直ちに使用をやめ、電源プラグを抜いて、販売店や修理相談窓口に相談してください。
(2)室内機を市販の洗浄剤などを利用して内部洗浄するときは、取扱説明書に従って正しく使用してください。
(3)業者による内部洗浄で起きた事故もあります。異変を感じたら購入店やメーカーに連絡してください。
また、エアコン洗浄を実施する業者にありましても、下記に掲載している関係機関のホームページをご覧の上、引き続き細心の注意を払ったエアコン洗浄に努めてください。
(参考)
News Release(平成26年6月26日)によりますと、平成20年度から24年度までの5年間にエアコンによる事故が347件報告されており、そのうち「洗浄液や結露水等の液体が電源基板等に付着し、トラッキング現象が発生して発火」事故が32件、うち火災により被害拡大したものは4件あります。
出典URL
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2015/04/20150413910201.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。