2019年7月17日11時43分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岡山県警察学校(岡山市北区)で昨年12月、訓練中に教官の男性警部補がサバイバルナイフで新人巡査だった男性を誤って刺したとして、業務上過失傷害罪で今年3月に略式起訴され、罰金50万円の略式命令を受けていたことが判明した。
刺された巡査は今年1月に依願退職した。
県警は翌2月、男性警部補を所属長訓戒処分にしたが、「発表する対象の事案ではない」として明らかにしていなかった。
県警などによると、昨年12月10日に凶器を持った犯人を1対1で取り押さえる訓練を実施した際、警部補が模造刀を持って犯人役を担当。
説得を受けて模造刀を手放した後にもみ合いになり、隠し持っていた本物のサバイバルナイフを出して元巡査の胸を2回刺し、うち1回は肺の一部に達した。
元巡査は数日間入院した。
サバイバルナイフは別の授業で使ったもので、訓練に使う予定はなかったが、男性警部補は県警の調べに対し、「緊張感を出すために本物のナイフを出した。刺すつもりはなく、寸前で止める予定だった」と説明しているという。
元巡査は6月に県を相手取って、慰謝料など550万円を求めて岡山地裁に提訴した。
県警監察課は、「県として誠実に対応していく」とコメントした。
出典
『岡山の警察学校教官、訓練中にナイフで巡査刺す 「緊張感出すために本物を」』
https://mainichi.jp/articles/20190717/k00/00m/040/059000c
7月17日10時54分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
訓練では本来、模造刀を使う運用だが、警部補は銃刀法違反を説明する別の授業で使った本物のナイフを持ち込んでいた。
元巡査側の主張では、模造刀をいったん置き、ナイフを持ち出したという。
県警は、警部補が「けがをさせるつもりはなかった」との趣旨の説明をしたとしているが、なぜ持ち込んだのかは明らかにしていない。
元巡査は1月、依願退職。
警部補は現在も県警に在籍している。
出典
『警察学校の教官、巡査刺す 訓練なのに本物のナイフ使う』
https://digital.asahi.com/articles/ASM7K32FGM7KPPZB00C.html?rm=342
7月17日10時24分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ナイフの刃の部分には、カバーのようなものが付けられていた。
出典
『警察学校教官が誤ってナイフで巡査刺す 訓練中』
https://www.sankei.com/affairs/news/190717/afr1907170005-n1.html
(2019年7月26日 修正1;追記)
2019年7月25日13時40分に毎日新聞から、元巡査は刺した警部補が逮捕されないことに怒っており、県に損害賠償を求め提訴したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
元巡査の男性(19)が毎日新聞の取材に応じ、「何も知らないまま刺された。一般人なら逮捕されるのに、(警部補は)なぜ逮捕されないのか」と、県警の対応の甘さに怒りをあらわにした。
元巡査は県(県警)を相手取り、慰謝料など550万円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴しており、26日に初弁論が開かれる。
元巡査は、高校卒業後の昨年4月、警察学校に入り、警察官の道へ。
昨年7月の西日本豪雨で大きな被害を受けた同県倉敷市真備町地区で人々を助ける機動隊員を見て、「柔道で鍛えた体力を生かして機動隊員になり、人を助けたい」と夢を描いていた。
訴えなどによると、訓練は昨年12月10日に実施。
模造刀を持って暴れる犯人を説得し、捨てさせる想定だった。
元巡査が、犯人役の警部補に刃物を捨てるよう呼びかけると、一旦応じたが、直後に警部補は腰に隠し持っていた本物のサバイバルナイフを取り出して元巡査に突進し、胸を2回刺したという。
元巡査は、何が起こったか分からないまま、病院に運ばれた。
刺し傷は肺に達し、入院したが、3日後に退院。
翌日に警察学校に復帰すると、警部補はいつも通り学校にいたという。
元巡査は不信感が募り、精神的にも落ち込んだ。
今年1月に退職、県警に被害届を提出した。
県警によると、警部補は「緊張感を出すためだった」と理由を語ったというが、元巡査が県警から理由を聞かされたのは退職後だった。
男性は、その後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、「嫌がらせされるかも」との不安から、県外に引っ越すつもりだという。
警部補は業務上過失傷害罪で4月に罰金50万円の略式命令を受けた。
また、県警は2月、警部補を所属長訓戒としたが、7月に報道陣の取材を受けるまで公表していなかった。
【ジャーナリストの大谷昭宏氏の話】
「これは本物だぞ」といって緊張感を出すのはまだ分かるが、いきなり刺しておいて、それが本物だったというのでは、「緊張感を出すため」という理由は通らない。
極めて悪質な事案である可能性があり、県警が公表しなかったのは隠蔽と言われても仕方がない。
警部補は50万円の罰金が確定したのに、懲戒免職にならないのもおかしい。
出典
『なぜ逮捕されないのか」訓練中、警部補に刺された元巡査が怒り 賠償提訴、岡山地裁で第1回弁論へ』
https://mainichi.jp/articles/20190725/k00/00m/040/091000c
(2010年2月6日 修正2 ;追記)
2020年2月5日11時8分に読売新聞から、和解が成立したという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県に慰謝料など550万円を求めた訴訟が岡山地裁であり、県が解決金200万円を支払うことで和解した。
1月21日付。
解決金はすでに支払われた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200205-OYT1T50120/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。