2014年6月23日1時30分に中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午後3時ごろ、愛知県東海市東海町5の新日鉄住金名古屋製鉄所から黒煙が上がっていると、住民から119番があった。
市などによると、午後2時ごろ、構内で停電が起き、コークス炉への電気の供給が停止。
同2時50分ごろ、炉内にたまった一酸化炭素ガスを自発的に炉外で燃やしたため、大量の黒煙が上がった。
市によると、人体に有害なガスは検出されず、けが人もなかった。
コークス炉は、石炭を燃えやすくするため高温で蒸し焼きにした「コークス」を作っている。
停電は22日午後11時すぎに復旧したが、稼働再開の見通しは立っておらず、鉄の生産に影響が出る可能性がある。
名古屋製鉄所の担当者は、「復旧に全力を挙げる」と話している。
名古屋製鉄所では今年1月にも2度、停電が発生し大量の黒煙が排出された。
市民が外出を自粛し、一部幹線道路が通行止めになるなど影響が出た。
5月には、石炭運搬用ベルトコンベヤーを焼く火災もあった。
1月の黒煙排出事故では、県と東海市消防本部が立ち入り調査し、製鉄所は4月に再発防止策を市に提出。
停電発生時に煙の発生を少なくするため、電源を2系統にするなどの対策工事を2015年度末までの予定で進めていた。
1月と5月のトラブルでは、製鉄所側から消防や市への通報が最大で5時間後と遅れが問題となったが、今回は黒煙発生から5~10分後だった。
市消防本部は消防車などを出動させたが、火事ではなく、消火活動はしなかった。
製鉄所近くの40代の主婦は、「外出先から戻る途中、黒い煙と(一酸化炭素を燃焼させる際の)炎が見えた。自宅が近くなのでトラブルのたびに心配。繰り返さないように気をつけてほしい」と話した。
出典URL
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014062290174622.html
6月23日12時10分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
黒煙は、23日午前3時半ごろに収まった。
電気は22日午後11時過ぎまでにすべての施設で復旧。
同社は、黒煙が出た四つのコークス炉以外の施設を順次再稼働させていく。
同社によると、再稼働するのは、電源の回復後に安全点検を終えた施設。
問題のコークス炉4基は、再稼働ができるかどうかを慎重に検討しているという。
コークス炉では22日午後3時ごろに起きた停電で、炉内にたまった一酸化炭素を含むガスを処理できなくなった。
ガスがたまったままになると炉が破裂する恐れがあるため、燃やして放出。その結果、12時間以上にわたって黒煙や炎が噴出した。
同社は「あくまでも通常の安全対応をしただけ」としている。
同社は停電の発生場所や原因について「調査中」とするが、東海市によると、自家発電の一部を中部電力の電源に切り替える作業中に起きたとの説明が同社からあったという。
同製鉄所では1月に停電で黒煙が発生するトラブルが2度あり、自家発電所で大型ブレーカーがショートするなどしたことが原因だった。
愛知県は22日と23日、同製鉄所に大気汚染防止法に基づき立ち入り検査をした。停電の原因を把握することが主な目的という。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG6R3CWQG6ROIPE00B.html
6月25日12時2分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
停電によって大量の黒煙が上がった問題で、大村秀章知事は25日の記者会見で「再発防止をやると言って、また6月にあった。日本を代表し、地域の中核でもある企業が半年の間に3回もトラブルを起こした」と批判した。
「あれだけ黒煙がもうもうと出れば住民は不安になる。説明することが必要だ」と述べ、同社の説明不足も指摘した。
県は22、23日に大気汚染防止法に基づき同製鉄所に立ち入り検査を実施。
大村知事は停電の原因について、「一日も早く究明し、再発防止策を取っていただく」とし、「名古屋製鉄所じゃいかん。本社からしかるべき方に来て頂きたいと申し上げた」と語った。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG6T3J2VG6TOIPE00R.html
(ブログ者コメント)
1月に2回起きた黒煙トラブルは、下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3607/
5月のベルトコンベヤー発煙トラブルは、下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3894/
事故・トラブルというもの、同じような事故が、あるいは同じ会社で、それぞれ原因は異なるものの、起きる時には続けて起きることがある。
最近では、2012年にJFEの製鉄所でトラブルが多発した。(2012年ブログまとめ参照)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2594/
不思議なものだ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。