2018年5月2日16時45分にNHK関西から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午前11時半ごろ、京都市左京区の南禅寺から「『方丈』という建物の近くで薬品のような異臭がし、呼吸がしにくい」などという通報が警察にあった。
警察によると、当時、「方丈」や周辺には参拝者など50人ほどがいて、男女24人がのどの痛みや体調の不良を訴え、このうち20歳から74歳のいずれも女性4人が病院で手当てを受けたという。
いずれも意識はあり、命に別状はないという。
当時、南禅寺では除草剤など薬品を使う作業はしていなかったということで、警察などが異臭の原因を調べている。
南禅寺は京都・東山の山ろくにある臨済宗南禅寺派の大本山で、「方丈」は境内の奥まったところにあり、国宝に指定されていて、境内や周辺の一帯は観光客でにぎわう人気のスポットだ。
愛知県から南禅寺に観光に来たという男性は、「方丈の中ほどに進んだ時、のどに粉みたいなものがあたるような気がし始め、周辺の人が同時にせき込みだした。息を吸い込むと粒子が入り、これ以上、息が吸えないような状態だった。目に見えない細かいものがのどにあたる感覚で怖かった」と、当時の状況を話していた。
大阪・堺市から来たという女性は、「のどがイガイガしている感覚で、おかしいと思い、すぐに外にでました。周りには20人ぐらいの人がいて、ぜいぜいと息をして呼吸困難で倒れそうな人もいました。においは覚えていませんが、コショウを思い切って吸いこんだような感覚でした。何が起きたか分かりませんが、怖かったので引き返してきました」と話していた。
南禅寺によると、寺では毎朝6時半ごろに境内の清掃をしていて、2日朝もいつもどおり清掃が行われたが、「方丈」やその周辺で異変はなく、不審物などもなかったという。
今回の異臭騒ぎを受けて南禅寺では、2日午後5時まで予定していた「方丈」の拝観を急きょ中止した。
3日からは通常どおり、午前8時40分から拝観を再開するという。
また、南禅寺では、もともと検討されていた防犯カメラの更新や増設を早める方針だという。
出典
『南禅寺で異臭 4人が病院に』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180502/4416284.html
5月3日12時10分にNHK京都からは、翌日は平常どおり拝観を受けつけたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
南禅寺では、2日は「方丈」の拝観を急きょ中止したが、警察などが調べた結果、化学物質などは確認されなかったとして、3日は通常通り、午前8時40分から拝観を受け付けた。
警察では、今のところ異臭の原因は特定できていないとしていて、防犯カメラの映像を分析するなどして異変の兆候などが写っていないか調べている。
出典
『南禅寺の「方丈」 参拝再開』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2014423631.html
5月7日17時9分にNHK京都からは、50m離れた山林でのイノシシ対策スプレーが原因だったらしいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市が7日会見を開き、市街地に出没する野生動物の対策を委託していた業者が原因となった可能性があることを明らかにした。
それによると、当時、この業者が「方丈」から北東におよそ50mほど離れた山林で、イノシシの出没などを防ぐ柵を点検していたところ、柵の下で掘り起こされたような跡を見つけたという。
このため業者は、イノシシよけのために野生動物を撃退する市販のスプレーを地面に数回まいたという。
スプレーには、とうがらしに含まれる「カプサイシン」という成分が入っていて強い刺激があるということで、京都市は警察に連絡するとともに、人が多く集まる場所の近くでは不適切な使用だったとして業者を注意したという。
警察は、このスプレーが異臭の原因ではないかとみて調べている。
出典
『南禅寺異臭 動物よけスプレーか』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2014494491.html
5月7日15時0分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
5月7日22時31分に産経新聞westから、5月8日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
市などによると、市の委託業者の男性作業員2人が、2日午前11時20分頃、建物の東約50mの山すそでイノシシ防護柵の点検作業中、イノシシが柵の下を掘った痕跡を発見。
地面2カ所に向かって計4回スプレーを噴霧した。
直後に次の現場に向かったため騒ぎに気付かなかったが、作業員が2日夜、テレビニュースで騒ぎを知り、3日午前に業者が市に報告した。
同寺周辺では昨年12月にイノシシ5頭が出没し、学校の敷地内に侵入するなど目撃が相次いでおり、市が防護柵やセンサーカメラ設置などの対策を進めていた。
4月下旬にイノシシがカメラに映り、2日午前の防護柵点検でイノシシが柵を破る可能性があると判断し、作業員が大型動物撃退用スプレーを散布した。
出典
『イノシシよけスプレー原因か…南禅寺の異臭騒ぎ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180507-OYT1T50038.html
『イノシシ撃退用にスプレー噴霧? 京都市が業者使用発表、指導実施』
http://www.sankei.com/west/news/180507/wst1805070064-n1.html
『京都・南禅寺の異臭 イノシシ対策スプレーが原因』
https://mainichi.jp/articles/20180508/ddm/041/040/087000c
(2019年1月25日 修正1 ;追記)
2019年1月23日11時15分に読売新聞から、作業員2人が書類送検されたが不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都府警が、現場近くでイノシシよけのためにカプサイシン(唐辛子の辛み成分)入りスプレーをまいた20歳代と30歳代の男性作業員2人を業務上過失傷害の疑いで書類送検したことが、捜査関係者への取材でわかった。
地検は2人を不起訴(起訴猶予)としたという。
捜査関係者によると、2人は昨年5月2日、南禅寺近くの山中でスプレーを地面に吹き付け、風に流された成分で女性4人に喉の炎症などのけがを負わせた疑い。
府警は当日の風向きなどからスプレーが原因と判断し、今月9日に2人を書類送検した。
出典
『スプレー噴射、風に流され4女性の喉に炎症』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190123-OYT1T50055.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。