2017年9月30日15時28分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本鉄道(福岡市)でバス運転手を30年余り務め、中皮腫を発症して昨春死亡した佐賀市の男性について、車両点検中にアスベスト(石綿)を吸引したことによる労災と佐賀労基署が認定していたことが、30日、被害者団体への取材で分かった。
被害者団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」(東京)の西山全国事務局員によると、整備士らではなく、運転業務を主としている運転手が石綿労災を認定されるのは異例という。
西山さんや労災認定に関する資料によると、男性は1964年3月に西鉄に入社してバス運転手を務め、97年9月に退職した。
毎朝の運行前の10分程度、車両の下に潜り込み、作業用のハンマーを用いて点検していた。
タイヤ交換をすることもあった。
ブレーキ部品などに石綿が使われており、労基署は、業務により石綿に暴露し中皮腫を発症したと認定した。
男性は、退職後の2015年8月ごろ体の不調を感じ、その後、中皮腫と診断された。
昨年4月に誤嚥性肺炎のため83歳で死亡し、遺族が労災認定を申請した。
西鉄によると、作業時に石綿が飛散する恐れのあるブレーキなどの部品は、03年までに全て取り換えた。
担当者は、「今後、このようなことがないよう、安全面、健康面に最大限配慮していく」とコメントした。
出典
『バス運転手の石綿労災認定 西鉄に30年余勤務 車両点検中に吸引』
http://www.sankei.com/west/news/170930/wst1709300056-n1.html
9月30日6時30分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本鉄道(本社・福岡市中央区)でバスの運転手として30年あまり勤務し、アスベスト(石綿)関連疾患の中皮腫を発症して死亡した佐賀市の男性について、佐賀労基署が今年5月に労災認定していたことが分かった。
男性は毎日、乗務前にバスの下に潜って点検するなどしており、同労基署はブレーキなどに使われていた石綿を吸い込んだと判断した。
バス運転手の石綿被害は知られておらず、被害者団体は、「健康診断などの対策が必要だ」と警鐘を鳴らす。
遺族などによると、労災認定を受けた河野さんは1964年に西鉄に入社し、97年まで北九州市と佐賀市、福岡市の営業所でバスの運転手として勤務した。
退職後の2015年8月に中皮腫を発症して、昨年4月に83歳で死亡。
遺族が同6月に労災請求した。
河野さんは生前、「毎朝、運行前に作業用のつなぎに着替え、バスの下に潜り込んで約10分間、タイヤハウスやマフラーの周りをハンマーでたたいて点検していた」などと家族らに話していたという。
河野さんの元同僚も、同様の証言をした。
一方、西鉄は同労基署の調査に対し、バスのブレーキやクラッチなどに石綿含有部品が使用されていたことを認めた。
同労基署は、「1日の作業時間は短いものの、間接的に石綿ばく露を受ける作業に(病気休職の2年を除く)約31年間従事し、その結果、中皮腫を発症したと考えられる」として、労災認定した。
厚労省によると、バスなどの自動車のブレーキには、04年に禁止されるまで石綿が使用され、自動車整備工場などで働く整備士らが石綿関連疾患になっているが、運転手の健康被害はほとんど知られていない。
河野さんと遺族を支援した被害者団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」(東京)の西山・全国事務局員は、「河野さんと同様に働いていた他の運転手も石綿を吸い込んでいる可能性があり、企業側は労働者の健康管理を徹底し、労災請求にも協力する姿勢が求められる」と指摘。
西鉄は、「今後このようなことがないよう、安全面、健康面に最大限に配慮してまいりたい」とコメントした。
出典
『西鉄バス運転手 石綿労災認定「点検で吸引」 昨春死亡』
https://mainichi.jp/articles/20170930/k00/00m/040/210000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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