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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201512232038分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

12241611分にNHK千葉からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

23日午前8時10分ごろ、千葉県君津市広岡の国道410号のトンネル「松丘隧道(ずいどう)」(全長91.3m)で、天井部分のモルタルがはがれ落ちた。
落下した部分は、長さ約20m、幅約5m、厚さ約10cm、重さは約23.5トン。
けが人や巻き込まれた車はなかった。

千葉県によると、2012年12月に中央自動車道の笹子トンネル(山梨県)で天井板が崩落した事故や、13年1月の国道410号「大戸見隧道」(君津市大戸見)のモルタル落下事故などを受け、13年2月に千葉県が実施した安全点検で、松丘隧道はモルタル部分がひび割れるなどの老朽化が確認されたことから、補修工事が昨年度から2年間の計画で進められていた。

14年6月から、古いモルタルを削るなどの工事をしており、今年度は8月から、トンネル南側の44m余りの補修工事が始まり、古いモルタルを削ったあと、厚さおよそ10cmのモルタルを吹き付ける作業が、1ケ月ほど前に終わったという。

当初の計画では、今月、モルタルにコンクリートの板をアーチ状に貼り付ける作業が行われる予定だった。
23日は、午前0時から午前5時ごろまで通行止めにして、モルタルの上にコンクリートパネルをつけるための基礎工事をしていた。
午前5時半ごろ片側通行にし、午前8時10分ごろ、交通整理人が落下に気付いた。

千葉県によると、県が現在行っている工事で、同じ工法によるものはないということだが、この工法ですでに工事を終えたトンネルは複数あるという。


出典URL

http://www.asahi.com/articles/ASHDR6DYYHDRUDCB00B.html

http://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/1084580311.html?t=1450987530261 

 

 

以下、その後の主だった報道の要旨を下記する。

 

20151224184分 NHK首都圏NEWS WEB)

 

モルタルがはがれ落ちた事故現場では、「PCL工法」と呼ばれる、モルタルを吹きつけたあとにコンクリートで固める工法がとられていた。
PCL工法とは、トンネルの天井や側面に、山の地肌に沿うようにアーチ型をしたコンクリートを設置し、固定する工法。


コンクリートの設置前に山の地肌にモルタルを吹きつけるケースもあり、今回の事故現場では、モルタルを吹きつけたあと、コンクリートで固めることになっていた。


PCL工法の研究や開発を行う「PCL協会」によると、PCL工法は、コンクリートの型枠などを用いるほかの工法とは異なり、工事中にも道路を全面的に通行止めにしなくてもよい利点があるという。

 

http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20151224/4580322.html

 

122576分 産経新聞千葉版)

24日、国とともに現地調査を行った県は、終了後、吹き付けられていたモルタルが地面や土台と接しておらず、天井や壁に接着しているだけの状態だったことが剥落の一因になった可能性があるとする考えを示した。

県の君津土木事務所によると、トンネルでは、10月上旬から11月中旬にかけて新しいモルタルを吹き付ける作業を実施。
剥落した23日には、モルタルの上からつける予定だったアーチ型のコンクリートパネルの土台を設置する作業などが進められていた。

ただ、トンネルのアーチ部分に吹き付けられたモルタルの最下部と土台の間には、施工上、15cmの隙間が必要とされていたため、モルタルは長さ44mにわたって地面側の支えがない状態になっていた。

隙間は、コンクリートパネル設置後に埋められる予定だったという。


http://www.sankei.com/region/news/151225/rgn1512250043-n2.html

 

122595分 読売新聞)

 

吹き付けられたモルタルの厚さが、設計上は10cmだったのに一部で20cm近くあったことが、24日、関係者への取材でわかった。

 

モルタルの重さを下部で支える施工も不十分で、国土交通省などの専門家は、同日の現地調査で、モルタルが自重で剥落したとの見方を強めた。

 

http://www.yomiuri.co.jp/national/20151225-OYT1T50052.html

 

1226日 読売新聞千葉)

 

2年前に近くのトンネルを全面通行止めにして補修工事をした際に出た利用者からの苦情に対応するため、工法が限定されていたことが、25日、わかった。

実質的な作業も夜間の3時間程度に限られており、県関係者は、「効率化にポイントを置いた工事だった」と背景を指摘した。

 

同じ国道のトンネル「大戸見隧道」で、2013年1月、天井のモルタル約3.7トンが剥落した。

県は、当時、壁面をコンクリートで覆う補修工事を実施。

コストが安く一般的な方法だが、コンクリートが固まるまで4週間かかり、トンネルを全面通行止めにする必要があった。


県は、同年末まで断続的に全面通行止めとして工事し、利用者からは、「迂回路の道幅が細くて危険だから早く何とかしてくれ」などの苦情が相次いだ。

 

これを踏まえ、県は、昨年6月から始めた松丘隧道の老朽化対策工事では、終日全面通行止めにしなくて済む工法を採用した。

壁面に既製のコンクリートパネルをはめ込むもので、通行止めは午前0時~同5時半に限定した。

工事を請け負った宮本組関東支店(同市)の関係者は、「準備や片付けを含めれば、実質的に作業ができたのは3時間程度だった」と語る。

 

http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20151225-OYTNT50210.html

 

12261014分 読売新聞)

 

24日に行われた専門家の調査では、モルタルと基礎部分の15cmの隙間は、44mにわたって続いていたことがわかった。

モルタルを一気に削った結果、大きな荷重がかかった可能性があり、県関係者は、「時間の制約があり、効率を優先させた」とみる。

 

補修工事は、

〈1〉モルタルを岩盤に吹き付ける

〈2〉コンクリートパネルをモルタルに沿って張り付けるための基礎(高さ約1.5m)を作る

〈3〉パネルをはめ込む

の順で行われる予定で、剥落箇所は、事故当日の23日未明に基礎工事が施工されたばかりだった。

 

パネル設置後、モルタルと基礎部分の隙間をコンクリートで埋める予定で補修が進められており、県が認めた施工計画だった。

また、段階的に基礎付近のモルタルを削り取るのが望ましいとされるが、44m分を全て削っていたという。

 

トンネル工学に詳しい早稲田大の小泉淳教授は取材に対し、「モルタルが金網などでしっかりと固定されていれば、通常は剥がれることはまずなく、事故は防げただろう」と指摘した。

 

http://www.yomiuri.co.jp/national/20151225-OYT1T50012.html

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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