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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20151226日付で毎日新聞大阪版朝刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東洋ゴム工業による防振ゴムの品質データ不正問題で、同社がまとめた調査報告書は、2007年の断熱パネル、今春の免震ゴムに続き、「規範意識の低さや職場内のコミュニケーション不足という企業風土が不正を招いた」と、三たび結論づけた。

 

実際にデータ偽装に手を染めた子会社「東洋ゴム化工品」の明石工場(兵庫県稲美町)の品質保証課の担当者は4人。

恒常的な人手不足による材料試験の遅れや、他部門からのプレッシャーという背景もあった。

 

データの偽装方法は歴代担当者に引き継がれ、直属の上司もそれを認識。

本社役員4人も不正を把握していた可能性が大きく、「組織ぐるみ」の構図が浮き彫りになった。

 

「本社の役員が(防振ゴム不正の)事実を知っていたことは大変重く受け止めている」。

不正の把握時期が当初発表の今年8月ではなく、約2年前に本社役員が知っていた可能性が高いとの指摘を受け、清水社長は沈痛な表情を見せた。

 

東洋ゴムは、社内調査チームをつくり、検査担当者やその上司、管理者ら現役社員とOB計33人から聞き取りを実施。

調査対象者が使用するパソコンや、社内のメールシステムなどに残っていた約14万5000通のメールも調べた。

 

報告書によると、13年12月26日に防振ゴム事業を統括する本社の取締役(当時)ら6人が会議を開き、防振ゴムの検査成績書作成時に過去の材料試験結果を転用していた事実を共有し、法令順守担当の執行役員(当時)に報告されたと複数の担当者が回答した。

その前後には、材料試験の「問題点」として「過去のデータから推測」などと記述したメールも担当者間でやりとりされていた。

 

本社取締役は調査に対し、「あったかもしれないが明確な記憶はない」と回答。

法令順守担当の執行役員は、「全く記憶にない」と否定したという。

逆に、明石工場を運営する当時の子会社社長(本社執行役員兼務)らは不正を把握していたと認めた。

山本卓司前社長を含む他の取締役は、「(不正を)認識していない」と調査に答えているという。

 

報告書は、「取締役(ら十数人)が、不正行為が行われたことを認識しながら、十分な職責を全うしていなかった可能性が認められる」と指摘した。

 

また、調査報告書は、不正の背景として、人員不足を指摘した。

今回の調査で、データ偽装の実行者とされた担当者4人は、調査に対し、品質保証課の人員不足や業務量の過多、営業・製造部門からのプレッシャーなどを理由に挙げた。

4、5人いた明石工場の検査担当者は08年から1人になり、人員不足を認識した当時の子会社社長が13年12月に1人増員したものの、直後に子会社社長は交代し、その後も抜本的改善はされなかった。

 

今後、東洋ゴムは、関与の疑いのある現職社員については、処分を検討する。

 

東洋ゴム工業は、25日、一連の不正を受けて、新たな再発防止策を発表した。

外部機関の協力を得て実施する全事業の再監査や、品質保証部門の人員倍増などが柱。

だが、20年以上にわたり数々の不正を続けた企業風土の闇は深く、今後、改革の実効性が問われる。

 

同社は、不正の原因を、過去の不正に対する全社的な反省や再発防止策が不十分で、企業人としての倫理観の欠如や、不正を黙認する企業体質、組織機能の不全があったと総括した。

 

再監査は、来年1〜9月に国内12拠点で実施。

免震ゴム不正を受けて今夏実施した監査の手法は抜本的に見直し、4段階に細分化した監査でチェックを徹底する。

 

また、防振ゴム不正の背景に品質保証部門の人員不足があったことを踏まえ、品質保証部門の人員を約60人に倍増。増員分のうち約20人は外部から招く。

 

防振ゴムなどを生産するダイバーテック事業をタイヤ事業の幹部が監督するなど、事業の垣根を越えてチェックし合う仕組みも作る。

 

ただ、東洋ゴムは、2007年の断熱パネル問題後にも再発防止策を打ち出したが、免震ゴムと防振ゴムの不正を見逃した。

免震ゴム不正を受けて今夏実施した社内監査でも、防振ゴム不正の報告は上がらなかった。

 

防振ゴムについては、役員が不正報告を見逃した可能性が高い。

免震ゴムの外部調査チームが指摘した「法令順守を鈍らせる企業風土」は根強い。

清水社長は記者会見で、「『来年は会社としての最終年で、これで社内風土改革ができなければ会社は続かない』との思いで会社を引っ張っていきたい」と決意を示した。

 

この日の発表で、防振ゴム製品の不正品の合計数は最終的に前回発表時より684個増え、4万7330個に修正。

東洋ゴムは、「防振ゴム製品の不正判明は製造途中段階だけで、出荷段階の製品検査は適正。必要な機能や性能の保持は確保されている」とした。

 

出典URL

http://mainichi.jp/articles/20151226/ddn/003/040/038000c

 

 

以下は、関連報道。

 

20151225140分 日本経済新聞電子版)

東洋ゴム、防振用偽装を2年前認識 現場報告の対応先送り

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO95526610V21C15A2EAF000/

 

20151225日 東洋ゴム工業HP)

社内調査報告書

http://www.toyo-rubber.co.jp/uploads/2015/12/20151225_3.pdf

 

 

(平成27729日付)

免震材料に関する第三者員会報告書

http://www.mlit.go.jp/common/001098850.pdf

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

過去にあまた起きているデータ偽装問題。

そのうちのかなりの事例は、人員不足が大きな要因となっていた。

 

仕事量はそのままで人員だけ減らされた・・・。

仕事量は増えたのに、人員はそのまま・・・。

仕事量は増えたのに、人員は減らされた・・・。

 

仕事量と人員のギャップを、機械化や効率化などでうまく埋められなかった・・・そんな場合に、偽装という逃げの一手が出てくるのかもしれない。

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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