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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20151226日付で毎日新聞東京版朝刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

くい打ち業界で相次いで発覚した施工データ不正問題で、国交省の有識者委員会は、問題の発端となった横浜市都筑区のマンション建設に携わった3社について、建設業法違反やずさんな施工を列挙して批判した。

そのうえで、建設工事の元請けと下請けの責任分担の明確化を求めた。

 

「建築物の安全に対する信頼が揺らいでいます」。

そんな文言で始まる有識者委の中間報告書は、都筑区のマンション施工体制の問題点を次々に挙げていった。

 

公共性のある施設や多数の人が利用する施設の建設工事で、請負額2500万円以上の工事は、建設業法上、「重要な工事」と位置づけられる。

工事の適正な施工を、より厳格に確保するためだ。

主任技術者は、工事現場ごとに「専任」でなければならない。

都筑区のマンションのくい工事は、この規定に該当する。

 

しかし、1次下請けの日立ハイテクノロジーズの主任技術者は、他に四つの工事を掛け持ちしていた。

旭化成建材の主任技術者も他の工事や営業などに携わり、3カ月の工期のうち、現場に来たのはわずか12日程度。

くいが強固な地盤(支持層)に達したかどうかの判断は、他社から出向してきた現場責任者に任されていた。

 

「非専任」。
両社の主任技術者を記載する書類には、そう記されていた。


下請けを監督する元請けは、建設業法上、法令違反があれば下請けに是正を求め、是正がない場合は行政当局に通報しなければならない。

有識者委は、「下請け両社の主任技術者がほとんど現場に来ないことを認識しながら、是正指導も通報もしなかった」と、明確な建設業法違反と認定した。

 

企業としての姿勢にも、厳しい批判が続く。

 

「三井住友建設は、元請けとして、工事全体に一義的な責任を負う立場にもかかわらず、問題発覚後も、その責任を十分に果たしていなかった」。

決算記者会見で「旭化成建材を信頼していた。裏切られた」などと発言した、同社の姿勢を指すとみられる。

 

日立ハイテクへの言及も辛辣だ。

日立ハイテクが、「請け負ったくい工事の主たる部分を旭化成建材に請け負わせていた」、「自ら総合的に企画、調整、指導していた状況にはなかった」と指摘。

「実質的に施工に携わらない企業が介在していた」と突き放した。

いわゆる工事の丸投げに近い状態だが、丸投げが全面禁止になったのは2008年。

都筑区のマンションのくい工事は05〜06年の施工で、発注者の承諾があれば、丸投げも容認された。
しかし、国交省によると、日立ハイテクはそうした承諾を得ていないという。

 

課題と対策も指摘している。

 

くいの支持層到達を巡っては、「届いていない」とする元請けと、「現場は届いたと言っている」とする下請けの主張に食い違いがある。

また、施工データの報告のルールがなく、データ取得に失敗した場合の対応策もなかった。

 

有識者委は、これらを踏まえ、

▽元請けが、支持層到達に責任を負う

支持層到達は下請けの主任技術者が判断し、元請けは、その判断が正しいか確認する

データ取得失敗時の対応法を決める

といった、施工ルールの策定を求めた。

 

関連法令の改正や罰則の新設には踏み込まず、施工ルールの策定を求めた中間報告。

05年の耐震偽装事件の後、建築基準法が改正されて建築確認審査が厳格になったが、有識者委の深尾精一委員長は、「今回のデータ流用の問題は、耐震偽装事件とは次元が違う」と述べ、関連法令の改正には及ばないとの認識を示した。

 

 

有識者委の中間報告は、不正の背景として、建設業界特有の多重下請け構造を挙げた。

 

この構造は、1990年のバブル経済崩壊後の建設不況に源流がある。

業績が悪化した各社は、施工部署や建築機械を自力で持ちにくくなり、業界内で専門化、多層化が進んだ。

 

マンションなどの建設では、工事を受注した元請け建設会社の主な仕事は、作業全体の日程管理や下請けの監督など。

くい打ちなどの基礎工事、建物の骨格造り、内装など、工事は細分化される。

大規模物件なら、4次、5次下請けも珍しくない。

 

だが、こうした構造の問題点を、福岡県内の中小の電気工事業者はこう指摘する。

「7次や8次下請けに入ることもある。間に入り、利ざやを得る業者もいる。利ざやを抜かれると工事にかけられる資金が削られる」

 

有識者委は、多重下請け構造により、責任の所在があいまいになる点を問題視している。

このため、「元請けが全体の施工を管理する統括的な役割を果たすことが重要だ」と強調し、元請けや下請けの責任分担の明確化を求めた。

更に、再発防止策で、「実質的に施工に携わらない企業の施工体制からの排除」を促した。

 

国交省も、多重下請け構造の改善について、年明けから新たな議論を始める方針だ。

 

ゼネコンにも、多重下請け構造解消に向けた動きが出始めている。

鹿島は、下請けで内装工事を手がける技術者40〜50人を選び、多分野に精通する「多能工」として育成する方針を決めた。

鹿島が施工する現場で、さまざまな分野の工事を学んでもらう。

下請けに多能工が増えれば、多重下請けを減らすこともできる、という考えだ。

 

ゼネコンなどが加盟する日本建設業連合会は、「2018年までに原則、2次下請け以内に抑える」とする提言をまとめた。

ただ、各社が下請けに出す根本的な理由は、自社に社員を抱える余裕がないため。
ある大手ゼネコンの関係者は、「業界全体に明るい展望がないと人は増やせない。自社で人を抱えられない以上、大幅な解消にはならない」と明かす。

 

出典URL

http://mainichi.jp/articles/20151226/ddm/003/040/110000c 

 

 

以下は、関連報道。

 

20151226日付 毎日新聞東京版朝刊)

くい打ちデータ不正 流用許容の風潮批判 有識者委中間報告

http://mainichi.jp/articles/20151226/ddm/001/040/130000c

http://mainichi.jp/articles/20151226/ddm/001/040/130000c

 


 

 

(ブログ者コメント)

 

12月22日に、日本建設業連合会が、くい工事に関する管理指針を新たに制定したと報道されたばかり。(既報)

今回報道された対策の内容をみれば、当然といえば当然だが、両者、軌を一にしているところがある。

 

 

 

 

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そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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