2018年1月15日5時7分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
労災による死亡と認定された外国人技能実習生が2014~16年度の3年間で計22人に上ることが、14日、厚労省のまとめで分かった。
大半が事故とみられるが、過労死も1人いた。
政府統計で実習生の労災死の実態が明らかになったのは初めて。
労災保険の給付対象となる休業4日以上の労災件数は、3年間の平均で年475件だった。
実習生は職種が限られており、労災死比率が、日本の雇用者全体の労災死比率を大きく上回っている。
実習の名の下に日本人より危険で過酷な労働を負担している現実が示された。
専門家は「労災隠しが横行している」と指摘しており、実際の件数はさらに多い可能性がある。
新たな職種として介護が加わるなど拡大を続ける実習制度だが、制度の存廃も含め、在り方が抜本的に問われそうだ。
厚労省によると、死亡した実習生のうち、労災認定されたのは14年度が8人、15年度が9人、16年度が5人。
労基署に報告があった実習生の死亡事案の中で、労災認定されたものを集計した。
実習生の国籍や都道府県別の人数は不明。
法務省によると、実習生の数は14年16万7641人、15年19万2655人、16年22万8589人。
集計が年と年度で違うが、単純計算すると、3年間の労災死は10万人当たり3.7人になる。
一方、日本全体では、厚労省の集計で14~16年の労災死は計2957人。
総務省統計局による雇用者数の3年間合計(1億6964万人)で計算すると、労災死は10万人当たり1.7人。
実習生の仕事は農業、機械加工など70余りの職種だけという違いはあるものの、差が大きい。
実習制度を巡っては、賃金未払いや職場の暴行などが相次ぎ指摘され、国際的にも「強制労働」との批判が絶えない。
【鈴木江理子・国士舘大教授(労働社会学)の話】
技能実習生が就ける職種は、母国で経験のある仕事という前提があるほか、実際に働く前に日本語教育の座学や実地の安全教育も行うこととされている。
だが、実習生の労災死の多さは、こうした前提や仕組みが機能しておらず、危険な現場で即戦力として使われる現実を示している。
長時間労働の上、日本人がやりたがらない仕事を強要されることもある。
実習生には原則、職場移動の自由がなく、最長で5年後には帰国する。
これでは、事業主にコストをかけ職場環境を良くする動機は生まれない。
この制度が続く限り、実習生の労災は減らないだろう。
【ことば:外国人技能実習制度】
外国人を日本の企業や農家などで受け入れ、そこで習得した技術を母国の経済発展に役立ててもらう制度。
1993年に創設。
期間は最長3年だったが、昨年11月の技能実習適正化法の施行で最長5年になった。
職種は農業や機械加工、自動車整備などに介護が加わり、77に上る。
昨年6月末時点での実習生は約25万人。
国籍別ではベトナム、中国、フィリピンの順に多い。
違法な時間外労働や賃金の不払い、職場の暴力などが絶えず、適正化法には人権侵害への罰則などが盛り込まれたが、実効性には疑問の声も根強い。
出典
『厚労省 外国人技能実習生の労災死22人 14~16年度』
https://mainichi.jp/articles/20180115/k00/00m/040/123000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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