2018年1月13日16時30分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消防車の製造大手「モリタ」(兵庫県三田市)は、少ない水や海水でも十分威力を発揮する消火剤を開発した。
阪神・淡路大震災では水が確保できず、東日本大震災では津波で河川に海水が流れ込んだ。
大災害で想定外の状況に直面しても迅速に消火活動ができるように開発したという。
開発を担った坂本さん(55)は23年前、火に包まれた神戸の街で、消火栓から水が出ず、消火活動がなかなか進まない様子をテレビで見た。
「水がなかったらどうするのか考えさせられた」と振り返る。
日本では、市街地ならば消火栓があり、川の水も使える。通常は、水を集める苦労はない。
一方、欧州では、水に空気と薬剤を混ぜ、泡状にした消火剤が広く使われているという。
モリタは、少ない水でも対応できる泡消火剤の開発に乗り出した。
消火剤は河川や田畑に流れ込む可能性もあり、環境面に配慮。
水だけよりも10倍以上も効率よく火を消せる泡消火剤を完成させ、全国の消防で採用された。
ところが、東日本大震災の発生から約半月後、この泡消火剤が十分に効果を発揮しない火災があった。
現場は、津波で倒壊した宮城県気仙沼市の建物。
近くを流れる川の水を使ったところ、うまく泡が立たなかった。
海水が流れ込んでいた可能性もあり、坂本さんらは、海水でも使えるように改良に取りかかった。
気仙沼市の消防関係者に当時の状況を詳しく聞き取り、部下2人と朝から晩まで交代で実験室にこもり、人工海水に薬剤を混ぜる実験を繰り返した。
きちんと泡立つか。
金属を変色させたり腐食させたりしないか。
コストはかさまないか。
課題は山積みだった。
納得できるまで改良を重ね、試作品は400以上にもなった。
約1年後、最もよくできた試作品を持って気仙沼市を訪れた。
海辺で海水を使って試すと、淡水と同じように泡が立った。
立ち会った地元の消防関係者は、「相当有効な消火剤ができたと思った」と受け止め、13年春に発売された。
昨年4月には、零下20℃でも凍らない消火剤を開発した。
坂本さんは、「僕らの仕事は人の命がかかっている。だから慎重にもなるし、妥協もできない」。
その思いが開発チームを支えている。
出典
『震災で改良、泡の消火剤 少ない水でもOK、海水も使える 兵庫の会社開発』
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13312411.html?rm=150
※以下は、モリタ社HPに掲載されている記事。
『ミラクルフォームα+(PLUS)がさらに進化しました! 』
海水でも十分な発泡性能を確保した従来の特徴に加え、これまで-10℃までであった使用温度範囲を-20℃まで拡大しました。
CAFS消火は、ホースの軽さと消火効率の高さを利点とし、全国的に需要が拡大しています。
ミラクルフォームα+(PLUS)は、A火災用泡消火薬剤で、希釈する水は淡水でも海水でも十分な発泡性能を示します。
河川や消火栓から取水できない場合にも、海水を利用して効果的なCAFS消火を行えます。
また、従来品の-10℃~+30℃までの使用温度範囲を-20℃まで大きく拡大させたことで、寒冷地での使用に最適です。
天然成分由来の原料である界面活性剤(医薬部外品原料規格2006適合)を使用しているので、環境への影響が少ないことも特長です。
ミラクルフォームα+(PLUS)は型式を取得(泡第28~2号)した、国家検定合格品です。
次代の消火戦術に国家検定合格品のA火災用泡消火薬剤「ミラクルフォームα+(PLUS)」をお役立てください。
【水とミラクルフォームα+(PLUS)の比較】
ベニヤ板に水と泡消火薬剤を垂らす。
水は表面張力が大きく玉状になってしまいますが、泡消火薬剤は表面張力が小さいため一瞬にして板面に広がり浸透します。
更に、泡消火薬剤が浸透した板の上に水を垂らしても、水は板に浸透します。
以上のことから、ミラクルフォームα+(PLUS)は燃焼物を冷却し、再燃を防止する効果が高いことがわかります。
http://www.morita119.jp/related/parts/010.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。