2016年4月23日19時17分にNHK長崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長崎港では、短い周期で海面が上下する「副振動」が23日朝から観測されていて、気象台は、船舶などの被害に注意するよう呼びかけている。
長崎地方気象台によると、23日午前8時ごろから、長崎港を中心に短い周期で海面が上下する「副振動」、地元で「あびき」と呼ばれる潮位の変化が観測されている。
午前9時50分ごろには、海面の上下の差はおよそ1mを観測し、周期はおよそ40分となっている。
長崎港での満潮の時刻は、23日が午後9時6分、24日が午前8時51分となっており、消防などによると、これまでのところ、浸水の被害などは報告されていないということだが、長崎港では、今後も大きな海面の変動や強い流れが繰り返し起きるおそれがあるとして、気象台は、船舶などの被害に注意を呼びかけている。
出典
『あびき発生 船舶被害に注意を』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5034796891.html?t=1461448459270
(ブログ者コメント)
「あびき」に関しては、長崎地方気象台のHPに、下記趣旨の説明があった。
あびきとは、長崎湾で発生する副振動のことをいい、30~40分周期で海面が上下振動します。
過去には、大きなあびきで、係留していた船舶の流失や低地での浸水被害が発生しています。
あびきの語源は、早い流れのため魚網が流される「網引き」に由来すると言われています。
現在は、長崎に限らず、九州西方で発生する同様な現象に対して、広く用いられるようになっています。
副振動とは、数十分周期の港湾の振動で、長方形の容器に水を入れ、一方の端を持ち上げて少し傾けてから元に戻すと、しばらく水全体が左右に振動するのと同じ現象です。
http://www.jma-net.go.jp/nagasaki-c/kaiyo/knowledge/abiki/
また、発生機構に関しては、日本海洋学会誌から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長崎湾内で通例は冬期にしばしば見られるあびきが, 1979年3月31日に長崎海洋気象台観測史上最大の規模で発生した.
これを例として,数値シミュレーションを行ない, その発生機構について, 定量的な考察を試みた
その結果、発生の過程については,
1) 東シナ海大陸棚上での気圧波との共鳴的カップリングによる海洋長波の振幅10cmに及ぶ増幅
2) 長崎湾内での浅水増幅および反射干渉による増幅
3) 長崎湾の固有振動系と, 五島灘領域の振動系との干渉による共鳴増幅効果
など, 数段階の増幅作用が絡んでおり, これらによって生成された約35分周期の一連の波によって, 同湾の固有周期に相当する36分および23分周期で共鳴的に増幅されたことが,定量的に結論づけられた。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kaiyou1942/38/3/38_3_172/_article/-char/ja/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。