2016年9月1日12時0分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
災害が起きると、必ず深刻な問題となるトイレ。
断水や排水管の損傷で家の水洗トイレが使えなくなったら、仮設トイレを使うしかない。
だが、日頃の準備次第では、家のトイレで用を足すことができるという。
「災害食」に関するコラムを、先月、寄せてくれた管理栄養士の今泉マユ子さんが、9月1日の「防災の日」を機に、災害時に家庭で使うさまざまなトイレを試し、体当たりリポートを書き下ろしてくれた。
失敗だらけの“奮戦記”を読んで、失敗しない「災害用トイレ」を準備してはいかがだろう。
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阪神・淡路大震災、東日本大震災など大震災が起きるたび、トイレの問題が浮上します。
トイレに行かなくて済むように水分摂取を控えたりすると、脱水症状を招きます。
最悪の場合、血栓ができて、エコノミークラス症候群など、命にかかわる事態になりかねません。
私は日頃、日本災害食学会災害食専門員、防災食アドバイザーとして、災害時の食事の大切さをお伝えしていますが、トイレは食事と同じか、それ以上に大事な問題だと考えています。
大きな震災があっても、自宅で過ごせるなら、家のトイレを使いたいもの。
でも、おそらく断水で、トイレの水は出ないはず。
排水管も、破損しているかもしれません。
水は流れるとしても、下水道が復旧するまでは、トイレの水を流してはいけません。
それまで、どうやって排せつ物を処理したらよいのでしょうか?
被災経験者に、ご自宅のトイレがどうなったか、聞き取ったコメントの一部を紹介します。
「便器は無事だったが、水の備蓄がなくて流せなかった」
「尿は便器にためて、1日1回、くみ置き水で流した。便は新聞紙に取ってポリ袋にためた」
「仮設トイレは遠かったので、庭に穴を掘って排せつ物を埋めた」
「満潮時に便器から下水が逆流してきた」
「便器に水を張らないと排水管の臭いがした」
これらを考慮して、家庭用の災害トイレに求めることを3つに絞りました。
・自宅のトイレで用を足せること
・誰でも簡単に使えること
・後始末が簡単で衛生的なこと
これらの条件に合うトイレとはどのようなものか、12歳の息子の協力を得て考えてみました。
「実験1:便器の代わりになるもの」
下水道が復旧するまで、排せつ物は家庭で保管しなければならないので、しっかり密閉できるポリ袋に用を足し、固めなくてはいけません。
どんなポリ袋がトイレの代わりになるか試したところ、女性は狙ったところに排尿できないので、小さいポリ袋だと失敗する恐れがあります。
最低でも,便器を覆うくらいの大きさが欲しいところです。
「実験2:おとな用紙オムツは吸収量に注意」
おとな用紙オムツも試してみました。
「しっかり2回分吸収」と書いてあるスリムタイプの紙オムツを使ったところ、1回で尿があふれてしまいました。よく読むと、1回の排尿量150mℓと書いてありました。
個人差もありますが、吸収しきれない場合を考えると、尿取りパッドを敷いておくほうが安心だと思います。
オムツの種類によっても吸収量は違います。
長時間タイプは吸収量が多いですが、お尻が膨らんで歩きにくくなります。
いろいろ試して考えた結果、オムツは、昼間活動する時には不向きだという結論に至りました。
「実験3:尿の量は1回平均200~400mℓ?」
何度も尿があふれるうち、まずは自分の尿量を知らなくてはいけないことに気づき、息子と2人で尿量を計ることにしました。
一般的に言われている尿量は、平均200~400mℓ。1日4~8回するとして、1日1~2ℓです。
でも、尿量は毎回驚くほど差がありました。
尿量は自分でコントロールできず、思ったより少なかったり多かったり。
尿量が少なかった時は数回分をためてから凝固剤などで固めて捨てる、反対に多かった場合はスペアの吸収シートやキッチンペーパーなどを入れて固めればよいということも分かりました。
(2/3に続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。