2017年10月26日付で毎日新聞東京版夕刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地震と洪水の複合災害を模型で再現し、河川堤防の決壊状況を調べる公開実験が25日、東京理科大野田キャンパス(千葉県野田市)であった。
地震による地盤沈下や損傷の結果、堤防の耐久性が約3割低下することが確かめられた。
実験は長さ33m、幅60cm、深さ約1mの水路に土を積み上げて頂部をアスファルト舗装した堤防の模型(高さ50cm)を設置して実施。
1995年の阪神大震災に匹敵する約800ガル(ガルは加速度の単位)の地震動を人工的に起こした後、水路の水位を上げた。
堤防は揺れによって約15cm沈下し、アスファルトにも亀裂が入ったため浸食が早く進み、地震がない場合の7割ほどの水量で決壊した。
昨年4月の熊本地震では、震度7を記録した熊本県益城町で地震発生の約2カ月後に豪雨があり、地震で被害を受けて応急措置を講じた堤防が決壊、農地が浸水した。
国は河川堤防の設計で、洪水と地震の同時発生を想定していない。
今回の実験をした同大の二瓶(にへい)泰雄教授(河川工学)は、「地震と洪水が同時発生しても、決壊するまでの時間を稼げるような『粘り強い堤防』の技術開発につなげたい」と話した。
出典
『堤防 地震と洪水、同時に発生したら… 耐久性、3割減 東京理科大が実験』
https://mainichi.jp/articles/20171026/dde/041/040/063000c
(ブログ者コメント)
以下は、大学からプレスリリースされた公開実験の案内。
実験設備の写真などが掲載されている。
東京理科大学 理工学部(千葉県野田市)の土木工学科 教授 二瓶 泰雄の研究室では、巨大水害発生時でも粘り強く壊れない「河川堤防強化技術」の開発・実用化に向け水理実験を行っています。
本年6 月には、全長33m、高さ1m、幅0.6m の地震・洪水・津波複合災害用実験水路が完成しました。
(*1)この複合災害用としては、大学初の本格的な水路である。
この水路を用いて、これまで出来なかった、地震・洪水の複合災害時における河川堤防決壊の大型模型実験を行っています。
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『「地震と洪水の同時発生による堤防決壊」の公開実験のご案内 ~“想定外”の災害に備えるために~』
http://www.tus.ac.jp/today/20171016001.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。