2019年3月1日付で中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
四日市市山田町の食品素材製造会社「T化学」は28日、同町の関連会社「T社」の原料貯蔵タンクから「メチルエチルケトン(MEK)」の薬液7トンが漏れ出し、敷地外の調整池に流出する事故があったと発表した。
周辺住民の女性が気分の悪さを訴えて、医療機関を受診した。
MEKは、食品添加物などの製造過程で特定の不純物を取り除くために使われる。
無色透明で特異な臭いがあり、毒劇物法で劇物指定されている。
T社によると、漏出は27日午後4時ごろに発生。
タンク内にあった11トンのうち、7トンが漏出したとみられる。
1時間余り後に作業員が異臭に気がつき、漏出が発覚。
手動バルブを閉めたが、薬液の一部は雨水側溝などを通り、同社から南東方向に200~300mの場所にある調整池に流入した。
漏れた7トンのうち、半分ほどは回収済み。
調整池から河川への流出を防ぐ措置も講じたが、雨の影響で染み出しているという。
調整池のモニタリングを実施しており、薬液の検出値が低い状態であることなどから、人への影響について「問題はないと判断している」と説明。
四日市市環境保全課担当者も、「河川に流れ出した量は少ないと思われ、直接的な影響はないだろう」と話している。
タンクは操業停止中で、27日に配管などに圧縮空気を入れる作業を実施。
タンクの自動開閉弁がソフトウエアの誤作動で開いたとみられる。
手動で開閉する別の弁も開いた状態だったため、そのまま敷地外に出たと推定される。
同社はポンプ車による回収作業を進め、原因の特定を急いでいる。
28日に記者会見を開き、吉野社長が「不安とご心配をおかけして大変申し訳ない。原因究明し、再発防止策を取り、信頼を再び得られるようにしたい」と陳謝した。
出典
『劇物指定の薬液流出 四日市の企業、近隣女性が医療機関へ』
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20190301/CK2019030102000022.html
2月28日19時28分にNHK三重からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
MEKは消防法で危険物に指定されており、タンクの配管に付けられたバルブの誤作動や閉め忘れなどにともない流出したとみられる。
消防によると、近くの住民1人が異臭で気分が悪いと訴えたという。
出典
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20190228/3070001117.html
(ブログ者コメント)
以下はNHK映像の1コマ。
アップで映されていたので、おそらくはこの弁が開いたものと思われる。
見た目、遠隔操作弁。
側溝に流出したという点から考えるとドレン弁かもしれない。
報道では、配管などに圧縮空気を入れる作業中だったということだが、何の配管だったのだろうか?
配管を通じてMEKが流出した点から考えると、ドレン配管?ではなさそうだ。
もしかして、遠隔操作弁の作動用空気配管?
もしそうだったとしたら、万一の誤作動に備え、手動弁は閉めておくべきだった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。