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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2018424630分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

昨年12月に起きた新幹線台車亀裂問題は、JR西日本が抱える組織の課題を改めて示した。

 

JR福知山線脱線事故から25日で13年。

安全という「使命」について考える。

 

 

【重圧感じる人いてもおかしくない】

 

複数の異音があり、焦げた臭いもした。

昨年12月、台車に破断寸前の亀裂が見つかった新幹線のぞみ34号の運行中、それらは計30回にも及んだ。

 

しかも、明らかな異常を、車掌ら現場の社員は認識していた。

にもかかわらず、なぜ止められなかったのか。

 

「あれ(台車亀裂)が起きる前までは、自分にもできれば止めたくないという思いがあった」

 新幹線総合指令所(東京)の指令員として約10年のキャリアを持つJR西日本の30代の男性社員は、そう語る。

 

列車を停止させれば遅延が起き、払い戻しなどで莫大な損害が生じる。

「できれば止めたくない」という言葉からは、それらを起こす責任を負いたくないという思いが見える。

 

のぞみ34号の運行でも、さまざまな異常の報告を受けた車掌は、当初、「正常の範囲内」と判断。

指令員に「運行に支障なし」と伝えた。

 

その指令員は、岡山駅から乗り込んだ保守点検担当者と電話でやりとりしたが、「新大阪駅で床下点検をしたい」との申し入れを、別の対応で受話器から耳を離し、聞き逃した。

 

保守点検担当も、提案への回答を確認しなかった。

 

新幹線は、速度超過しても自動的に停止する自動列車制御装置(ATC)など、高度な安全設備に守られている。

だが、異常があった場合に「(運行の続行を)迷ったら止める」というのは、安全の基本動作だ。

 

「列車遅延」への懸念が、その基本動作を阻害し、重大な事案を引き起こしたのではないか。

新幹線の車掌として約20年勤務する50代の男性社員は、「今回はそれだけ判断に迷うケースだった」と推測しながら、こう指摘する。

「(遅延すれば)お客さまにすごく言われることもある。自分は仕事だと割り切っているが、重圧を感じる人がいてもおかしくない」

 

 

【上意下達に批判】

 

安全より経営重視。

乗客106人が犠牲になった平成17(2005)年のJR福知山線脱線事故では、JR西のそうした姿勢が問題視され、安全投資の不十分さに加え、自由な議論を許さない「上意下達の雰囲気」が批判された。

 

そうした教訓を踏まえ、外部機関による安全管理評価制度の導入やヒューマンエラー(人為的ミス)を懲戒処分の対象から外し、申告しやすくするなど、先駆的な安全対策を進めてきた。

 

だが、今回の問題は、安全対策が次々と打ち出されている一方、それを実行する現場の間には、「列車遅延に伴う影響」に重きを置く姿勢が残っていることを示した。


それは、組織としての問題でもある。

 

有識者会議の座長を務めた関西大教授の安部誠治(65)は、「JR西が脱線事故前に戻ったとは思わない」とした上で、「対策をとったらそれで終わりで、適正に進んでいるかという検証が不十分だった」と指摘する。

 

有識者会議は3月、再発防止策とともに、「(JR西は)安全第一の組織風土に変革していない」などとする提言書を公表。

安部は「新幹線で起きた部分的な問題としてとらえず、組織全体にかかわるものとしてとらえなくてはならない」と強調した。

 

 

【安全優先 浸透せず】

 

脱線事故から2年後の19年に開館したJR西の社員研修施設「鉄道安全考動館」(大阪府吹田市)。

 

館内にある過去に起きた重大な鉄道事故の原因などを学ぶ学習スペースに、今月、「異常がないことを確認できない場合は、躊躇なく列車を止める」という教訓とともに、台車亀裂問題の記述が追加された。

 

「自ら考え、動く」社員の育成を目的に、考動館では全社員約3万人とグループ会社員約1万人に対し、定期的に講習を実施。

これまでに社員は3巡、グループ会社員も2巡したが、今回の問題は、「安全がすべてに優先する」という理念を現場に浸透させる難しさをあらわにした。

 

JR西社長の来島(63)は、今月18日の定例会見で、台車亀裂問題についてこう言った。

「謙虚に受け止め、(会社の安全対策を)見直す必要がある。形だけで終わらせることなく、中身を伴うようにすることが大事。現場と一緒に進めていく」  

 

出典

『安全という使命(上) 「自分なら止められたか…」 JR福知山線脱線事故13年 変えられなかったJR西の体質』

http://www.sankei.com/west/news/180424/wst1804240006-n1.html

 

 

以下は続編。

(中)(下)ともに文章転載は省略。

 

425630分)

(中)『加害企業に任せっきりにせず「声上げ続ける」遺族の責務 JR福知山線脱線事故13年』

http://www.sankei.com/west/news/180425/wst1804250004-n1.html 

 

426630分)

(下)『「監視役」の運輸安全委員会、のぞみ台車亀裂問題で存在感示せず』

http://www.sankei.com/west/news/180426/wst1804260004-n1.html 

 

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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