2022年1月26日13時0分に朝日新聞から、「「奇跡的」世界が称賛、初撮影の三角波 92歳海洋物理学者の写真展」というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
穏やかな波、荒々しい波、美しい波……。
世界を航海して波の観測と研究に打ち込んだ海洋物理学者で、九州大学名誉教授の光易恒(みつやすひさし)さん(92)が、初めての写真展「海の波を見る」を福岡市で開いている。
刻々と変化する波の一瞬をとらえた、貴重で不思議な光景が並ぶ。
会場には、「波の誕生」、「青年期の波」、「波齢・波の年齢」などと題した写真十数点が展示されている。
「海の波の一生は、人間の一生と似ている」と光易さん。
風が吹くと、さざ波が誕生し、風からエネルギーを吸収して成長する。
広大な海を悠然と伝わっていき、海岸に達して一気に砕け、終焉(しゅうえん)を迎える。
光易さんは大学卒業後の1952年、当時の運輸省運輸技術研究所に入り、港湾技術に関連して海の波の研究を始めた。
65年に九大に転じると、観測のために本格的に外洋に出るようになった。
船で沖に向かい、加速度や傾斜、位置などを測る機器を海に下ろし、データを集めて解析した。
同時に、波を目視でも観測し、写真で記録した。
データからは波高や周期、向きなどは読み取れるが、周囲の海全体に目を配り、白波や水煙など波が実際にどんな様子をしているかを知るには目視が適しているからだ。
「船は普通、波の静かな時に出港し、海がしけると戻る。私たちの場合は、その逆」。
波が立たないと、研究にならないからだ。
大揺れの甲板でしぶきを浴びながら、夢中で作業したと振り返る。
「よく遭難しなかったものです」
「三角波(さんかくなみ)」も、そうして写した1枚だ。
米国東海岸沖の北大西洋で、1980年秋の大しけの日だった。
風が少し弱まったひととき、甲板に下り、うねる波に向かってカメラを構えた。
狙って撮ったわけではなく、「やみくもにシャッターを切ったら、偶然写っていた」。
三角波は周りに比べて異常に大きな波で、船をいっぺんに転覆させる力があることから、古くから船乗りたちに恐れられてきた。
だが、どうやってできるのか、そのメカニズムは複雑で、現在も研究が続いている。
写真の三角にとがった波の高さは10メートル以上と推定される。
「三角波の撮影は世界初」「奇跡的だ」と研究者の間で注目を集め、「論文に使いたいので貸してほしい」という依頼も寄せられた。
近年は人工衛星やコンピューターの活用で、海に出なくても研究できる範囲が広がっている。
だが、「海の上で風や気温の変化、潮の香りを感じながら波を見る。そのアナログな現場感が魅力で、長年研究を続けてきた」と話す。
2007年に一般向けの著書「海の波を見る」(岩波書店)を刊行。
そこに収めた写真を目にした、息子でアートディレクターの清輝さん(64)が「誰も見たことのない光景が写っている」と、写真展の開催を勧めてくれた。
2月6日まで福岡市東区箱崎1丁目のブックスキューブリック箱崎店(092・645・0630、月曜休み)。
同月18~27日には同市南区高宮1丁目のHARU GALLERY(harugallery158@gmail.com)。
いずれも無料。
https://digital.asahi.com/articles/ASQ1T5TX7Q1NTIPE01K.html?iref=com_rnavi_arank_nr01
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。