2023年8月17日6時48分にYAHOOニュース(現代ビジネス)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
【戦争当事国への人道支援】
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2023年3月31日、私は北九州市で開催した「石けん泡消火剤」の意見交換会で、ウクライナでの火災鎮火への人道支援として「石けん泡消火剤」を寄贈してはどうかと提案した。
【巨大災害による火災を防ぎたい】
「石けん泡消火剤」は、2007年に北九州市消防局とシャボン玉石けん株式会社(以下=シャボン玉石けん)、北九州市立大学の産官学で開発に成功した、火災鎮火のための「消火剤」だ。
消火用の水に発泡剤を混ぜて放水すると、燃えている部分に泡が付着し、空気を遮断する作用などによって水だけの場合よりも、より効率的な消火が可能となる。
【「合成系泡消火剤」の問題点】
だが、日本の消防が使っていた泡消火剤は米国製の合成系消火剤だったため、消防士の肌にふれると炎症が起こり、また、放水し発生した泡がいつまでも消えず河川に流入すると、長い場合には1週間も川面が泡で覆われたままになることもあった。
そして何よりも、合成系の泡消火剤には生物毒性があり、池に流入すれば魚が死ぬのである。
温暖化による森林火災が世界中で多発しているが、その鎮火に合成系の泡消火剤を使えば、生態系に影響を与えるのみならず、水道の水源を汚染するおそれも大きい。
そこで、環境にダメージを与えない泡消火剤として開発に成功したのが、「石けん泡消火剤」なのである。
私は、1995年1月の阪神・淡路大震災の現場取材で初めて巨大災害の深刻な被害を実感した。
とりわけ神戸・長田地区の大規模火災現場には、大きな衝撃を受けた。
以降、おもな巨大災害の現場には必ず駆けつけ、その実態を調べ、問題点を報告してきた。
2016年12月の糸魚川大火の現場にも2度、足を運んでいる。
火災をどう防げばよいのか……。
それは、近づいている次の首都直下地震での最大の被害「火災」を拡大させないための知恵を得たいからでもある。
北九州市での「石けん泡消火剤」に大きな関心を抱いてきたのは、巨大地震、それによる大規模火災が頭にあったからだ。
当初は「取材」で始まったが、いつしか「石けん泡消火剤」プロジェクトの一員となり、17年にわたり定期的な会合に参加してきたのである。
【在ウクライナ大使へ打診】
戦争当事国への人道支援は、国内の災害支援のようにはいかないだろう。
だが3月31日の会合に参加した北九州市消防局、北九州市立大学、シャボン玉石けんの主だった出席者は、「ウクライナへの支援を実現しよう」と意見が一致した。
だが、どのようなルート、手続きをとればよいのか。
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【キーウからの嬉しい返信】
唐突な依頼だったので回答が得られるか不安だったが、5月8日、在ウクライナ日本国大使館の経済班、一等書記官の山下さんから、「大使の松田の指示により、ご返信申し上げます」という返信をいただいたのである。
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【関係者が一堂に会するミーティングもスタート】
シャボン玉石けんは、早速、サンプルを航空便で発送したが、その到着前の6月6日、オンライン・ミーティングを行った。
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【「品質評価にパス」の朗報】
ウクライナの国家非常事態庁は、1996年のチェルノブイリ原子力発電所の事故に対応する政府機関として発足した経緯があり、今は対ロシア戦争の中枢部門の一つだが、スキンヘッドのプリムシュ副長官は人間味あふれるお人柄が画面からひしひしと伝わってきた。
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ウクライナへの3000リットルの「石けん泡消火剤」の発送が確定した。
「石けん泡消火剤」は、消火水に1%混ぜるだけでよいので、3000リットルの「石けん泡消火剤」は消火用の水、30万リットル分になる。
これで実際の火災で効果があることを願うばかりだ。
【ウクライナからインドネシアへ】
7月27日のオンライン会議では、国家非常事態庁に続き、松田大使との意見交換の機会が得られた。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/a8bb73efa51bbd90b3442d1a9b0e9ee60883f768?page=1
(ブログ者コメント)
本件、本ブログではインドネシアで実証実験が始まったという情報を2015年6月に紹介している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。