2016年6月10日1時22分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月14日7時20分に福井新聞からは、今回事故の総括的記事がネット配信されていた。
福井県若狭町で、先月下旬、ノロウイルスによる集団食中毒があり、食事を調理した同町給食センターが、調理員の勤務時間中の排便を今後禁止するよう、「衛生管理マニュアル」を改定したことが分かった。
再発防止に向けた衛生面での改善の一環だが、過剰ともいえる労働現場への規制に、専門家からは疑問の声が上がっている。
センターは8校の小中学校の給食を調理しており、19日か20日の給食にノロウイルスが付着したことが原因で、先月21日から、給食を食べた教職員や児童生徒が相次いで食中毒を発症した。
町が6月13日に終息宣言を出すまで、家庭内での2次感染者も含め、計496人が発症した。
このうち、児童生徒の発症は全12小中学校の子どもの24%に当たる306人。家庭内で感染した保護者や園児が155人。教職員らが35人。
センターは業務停止となり、来月中旬の再開に向け、マニュアル改定を進めていた。
新しいマニュアルでは、勤務時間(午前7時半〜午後4時45分)中の調理員について、「保菌などの状況を確認することが難しく、センターでは、原則、排便しない」と規定した。
センターの担当者は、「緊急事態であり、規定を厳しくした。排便を我慢できない場合は、早退などの対応をとる」とし、「調理員が早退した場合に備え、予備調理員3人を確保した」と説明している。
感染症に詳しいある男性医師は、「聞いたことがない対策だ。手洗いの励行やトイレの消毒などが現実的だ」と指摘。
文科省学校健康教育課も、「調理員の生理現象への制約は、学校給食衛生管理基準になく、国として同様の対策は取ったことがない」としている。
脇田滋・龍谷大教授(労働法)は、「公共目的での緊急対策と理解したいが、働く人の権利にも配慮は必要だ」と話している。
出典
『若狭町給食センター 勤務時間の排便禁止・・・食中毒受け』
http://mainichi.jp/articles/20160610/k00/00m/040/070000c
『若狭町の給食食中毒「終息」宣言 発症者は496人、11人を処分』
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/politics/97579.html
6月10日13時1分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
町は、調理員からノロウイルスが検出されたことを問題視し、給食を再開させるにあたって、センターの手洗い場を増設し、トイレの手洗い場を自動水栓にした。
町は、福井県の保健所の担当者も交えて衛生管理マニュアルの改訂案を作成。
「排便は出勤前にし、排便は給食センターでは原則しない」と明記する方針。
ただし、一切禁止というわけではない。
トイレを利用する場合は、出入り口に下げた記録用紙に、各自がトイレの利用時間や健康状態などを記録しなければならない。
調理が終わる前に排便した場合は、センター長(男性)か、衛生管理責任者となっている栄養士(女性)に報告し、調理以外の別の作業にあたるという。
小便の場合は、報告は不要。消毒後に、そのまま調理作業に戻る。
給食センターの担当者は、「絶対に排便してはいけないということではない。健全な便にもウイルスが入っているリスクがあり、あえて厳しくした。運用しながらマニュアルを改善したい」と説明している。
県医薬食品・衛生課の担当者は、「給食再開にあたって一つでもリスクを減らすために保健所が指導した」と話している。
出典
『調理時間中は排便ダメ 給食センター「出勤前に」 福井』
http://digital.asahi.com/articles/ASJ6B3GN1J6BPGJB009.html?rm=513
6月13日17時10分に毎日新聞からは、町は表現が厳しすぎたと考えて努力目標に変更したという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
町は、マニュアルを再改定する方針を決めた。
排便回避を努力目標とし、我慢できなかった場合は消毒強化と報告を求める運用にするという。
再改定では、「原則排便禁止」としていた表現を「排便しなくてすむように心がける」に改める方針だ。
そのうえで、「やむを得ず排便をした時は、トイレの消毒などを強化し、責任者に報告する」などと運用を指導するという。
この問題を毎日新聞が10日に報道した後、インターネットなどで批判の声が上がり、町職員や保護者からも「違和感がある」などの声が多数上がった。
町の担当者は、「反響の大きさから表現が厳しすぎたと考えた」と説明した。
福井県と協議し、見直しを決めたという。
出典
『若狭町給食センター 排便禁止「なるべく」に 運用変更』
http://mainichi.jp/articles/20160613/k00/00e/040/139000c
6月14日付で毎日新聞から、町が排便回避を努力目標としたことに県が難色を示しているという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
若狭町が調理員の排便回避を「努力目標」とするとしたことに対し、福井県が「生理現象を制約する内容と取られかねず、今後も検討が必要」と難色を示していることがわかった。
町は当初、改定したマニュアルで、排便を原則禁止するとしていたが、同町は13日、会見を開き、「出勤前に排便を済ませ、調理作業中にしなくて済むように心がける」と再改定。
▽便をした調理員は、その後の調理には従事せず、消毒後の設備・器具に触れない
▽トイレの清掃・消毒をする
▽責任者に(排便を)報告する
などの内容も盛り込んだ。
県医薬食品・衛生課は、再改定の内容について問題が残るとして、町と再協議に乗り出す考えを示した。
また町は、マニュアルの2度の改定について「どちらも県の指導によるもの」としたが、同課は「協議はしたが、指示はしていない」と否定した。
出典
『「排便禁止」また協議 県、検討必要』
http://mainichi.jp/articles/20160614/ddn/012/040/046000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。