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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20169231135分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

福岡県内の居酒屋のメニューでよく見かける「ごまさば」。

春に福岡に赴任して、どんな料理だろうと注文したら、運ばれてきたのは、何と生のサバ。

記者が育った東京では、生で食べる習慣はないうえに、「生サバを食べるとあたる」と聞いていた。

なぜ、福岡の人は平気なのか。

 

福岡市博多区博多駅前3丁目の飲食店「はじめの一歩」。

たれにつけたサバの刺し身に、刻みネギやすりごまをふりかけた「ごまさば」は、店の人気メニューだ。生サバ特有のコリコリした食感がたまらない。

 

福岡の人には常識かもしれないが、ごまさばの「ごま」は、すりごまのこと。

てっきり、サバの種類の一つ「ゴマサバ」のことだと思っていたが、多くの店で使われているのはマサバという。

その理由について、店の田中さん(女性、54歳)は、「身が締まって脂が乗っているから」と話す。

 

では、なぜ関東などでは危ないとされているのか。

関東近郊の海でもサバは水揚げされ、鮮度にそう違いがあるとは思えない。

 

魚の生態などに詳しい東京大大学院農学生命科学研究科の良永知義教授(魚病学)に聞いてみると、こんな答えが返ってきた。

「それは、寄生虫の違いですね」

 

良永教授によると、サバなど多くの魚の内臓に寄生し、食中毒の原因になる「アニサキス」に、その秘密があるという。

 

アニサキスは長さ2~3cmで、肉眼でも見ることができる。

酢に漬けるだけでは死なず、刺し身などで摂取すると、激しい胃痛や吐き気が襲う。

 

東京都健康安全研究センターは、2007~09年、全国14産地でとれた218匹のマサバの寄生虫を分析した。


すると、長崎、福岡など、日本海側のマサバに寄生するアニサキスは、高知から青森までの太平洋側のマサバに寄生するアニサキスと比べて、マサバの内臓から刺し身となる筋肉部位へと移る割合が約100分の1にとどまっていたという。

 

つまり、日本海側のサバに寄生するアニサキスは刺し身部分に移行しにくく、生で食べても食中毒になりにくいと考えられる、と良永教授は説明する。

 

福岡だけでなく、関サバで有名な大分など、サバの生食は九州で根付いている。

地域の食文化の違いに寄生虫が影響を及ぼしているとは、意外だった。

 

福岡の郷土料理に詳しい中村学園大非常勤講師の松隈紀生さんには、「ごまさばのような食べ方が広まったのは、しょうゆが一般的に手に入るようになった江戸時代後期から明治時代初期にかけてではないか」と教えてもらった。

 

食品学が専門の中村調理製菓専門学校の黒木晶子准教授によると、マサバは秋が旬。

脂のいっそう乗ったごまさばが楽しみだ。

 

出典

福岡の生サバはあたらない? 秘密はアレの違い

http://www.asahi.com/articles/ASJ8Y5213J8YTIPE010.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

ブログ者が長年疑問に思っていた本件、ようやく理由がわかった。

 

しかしながら、九州のアニサキスであっても、筋肉部位に移行する割合が低いだけで、移行しないということではない。

となると、たまには中毒事例があるはずだが、それでも九州には生食文化が根付いている。

 

なぜか?

 

ブログ者思うに、九州では、アニサキスが原因で食中毒になるリスクは、サバであってもその他のサカナであっても同程度であり、それは社会的に許容される範囲内・・・ということではないだろうか?

 

ブログ者も、以前、生のスルメイカを捌いた際、薄皮の下に数mm程度白くなっている部分を見つけ、包丁で切ったところ、中から白い虫が出て動き回った・・・そんな経験をしたことがある。

これがアニサキスかと酢をかけてみたが、確かに死ななかった。

 

ことほどさように、生のサカナやイカには、アニサキスが潜んでいる可能性がある。

以降、イカに限らず刺身を食べる時は、ジックリ眺め、その後、よく噛んで食べるようにしているが、気づかないままアニサキスを生食している・・・そんなことがあるかもしれない。

 

一方、なぜ日本海側のアニサキスだけが筋肉部分に移行しにくいのか疑問に思い、調べてみると、日本海側と太平洋側で、アニサキスの種類が違うという記事が見つかった。

以下は、その抜粋。

 

東京都健康安全研究センターHP)

アニサキス症とサバのアニサキス寄生状況

 

長崎県から石川県の日本海産のマサバに寄生するアニサキスの80%以上がアニサキス・ピグレフィーで、高知県から青森県までの太平洋側で水揚げされるマサバでは、80%以上がアニサキス・シンプレックス・センス・ストリクトの寄生でした。

すなわち、マサバの生息域でも海域により寄生するアニサキスの種類が異なることが分かりました。(図3)。

 

マサバの内臓から筋肉部位(刺身の部分)へのアニサキスの移行率は、表2よりアニサキス・シンプレックス・センス・ストリクトの方がアニサキス・ピグレフィーと比較して100倍以上高いことが明らかとなりました。

また、国内のアニサキス感染者100名より摘出した虫体の99%がアニサキス・シンプレックス・センス・ストリクトであったという調査結果が報告されたこともあり、アニサキスの種類の違いがヒトにおけるアニサキス症患者数に反映しているのではないかと考えています。

 

http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/health/webversion/web28.html

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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