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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20173211010分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

「クルマに気をつけて!」――

出かける子どもを見送るとき、こんなふうに声をかけることも多いでしょう。

 

ところが、家の中のほうが死亡事故のリスクが大きいという統計があります。

安全であるはずの家庭の、どこに凶器が潜んでいるのでしょうか。

家庭内事故に詳しい井上恵子さん(1級建築士)が解説します。

 


「人気のタワーマンションで思わぬ事故」


家庭内事故は、住人が思わぬところで発生しています。

まず、私が聞いた一例を紹介します。

 

ガッシャーン。

東京都内のタワーマンションに住む主婦のAさんが買い物から帰って、玄関のドアを開けたときのことです。

 

室内からの強い風にあおられたドアに押され、Aさんは転倒。腰を強く打ってしまいました。

ダイニングに飾っていたガラスの花瓶は風に飛ばされ、ガラスの破片が床に飛散していました。

ベランダ側の窓を開けっぱなしにしていたため、玄関を開けたとたん、部屋から一気に強風が通り抜けたのです。

 

最近、人気のあるタワーマンションですが、立地条件や風向きによっては上層階で風が強くなることがあり、こういう現象が起きることがあります。

 

新聞や雑誌が散らかってしまったという程度で済めばいいほうで、強風にあおられたドアの蝶番が曲がってしまったり、壁に掛けていた絵画が飛ばされたりしたという例もあります。

Aさんのように風圧で転倒するケースもあり、幼い子どもや高齢者なら、大けがにつながりかねません。

 

「事故」と聞くと、多くの人が真っ先に交通事故を思い浮かべるのではないでしょうか。

ところが、家庭内事故が交通事故の死者数を上回っています。

 

家庭にどのようなリスクが潜んでいるのでしょう?

 

 

「交通事故死の2倍以上」


厚労省がまとめている「人口動態統計」(2015年)によると、1年間に家庭内で発生した不慮の事故死は1万3952人で、この数字は交通事故死の5646人の2倍以上となっています。

 

どのような事故が家庭内で起こっているか、具体的な数字を挙げてみると、最も多かったのは「溺死及び溺水」で5160人。次いで「窒息」の3838人、「転倒・転落」の2634人、「煙・火災」の828人と続きます。

 

 

「溺死の9割は65歳以上」

 

家庭内事故で最も多い「溺死」は、65歳以上の高齢者が9割以上を占めています。

その多くは冬場の浴槽内で発生しており、住まいの断熱性と大きな関係があります。

 

断熱が十分でない古い家屋は、暖房をしている部屋としていない部屋に大きな温度差が生じます。

冬場、暖房をしている居間から冷たい廊下に出て脱衣室に移動し、服を脱ぎ、冷え切った体で熱いお湯につかるという行動をしたとき、急激な温度変化が原因で血圧が大きく上下し、心筋梗塞や脳梗塞を起こしてしまうのです。

 

このような現象は「ヒートショック」と呼ばれ、最近ではよく知られるようになりました。

ヒートショックを予防するために、高齢者が入浴する時には、あらかじめ暖房器具で脱衣室や浴室を温めておくこと、熱いお湯に長時間つからないようにするなど、入浴方法を見直すことが大切です。

家全体の断熱性能を上げるリフォームなどを検討しても良いでしょう。

 

 

「乳幼児が溺死する例も」

 

溺死の被害は、0~4歳の乳幼児でも16件発生しています。

幼い子どもが入浴している間は、目を離さないように注意することが大切です。

 

日中の目を離したすきに浴槽に転落する危険もあります。

幼児の手が届かない位置にカギがかけられる浴室ドア、フチが高め(50cm以上)の浴槽を採用するなど、建築部品で予防することもできます。

浴槽の水を抜きフタをしめておくなど、日常的な対策も欠かせません。

 

 

「訪問先でボタン電池を口に・・・」


家庭内事故で2番目に多い「窒息」による死亡事例は、高齢者や乳幼児で多く発生しています。 

食べ物、もしくは食べ物以外のものを飲み込んでのどを詰まらせる、または嘔吐物をのどに詰まらせてしまう事故です。


キャンディー、フルーツ、ナッツ類、一口ゼリーなどをのどに詰まらせる例が目立ちますが、窒息の原因となるのは食べ物だけではありません。

 

こんな例を聞いたこともあります。

山形県に住むBさんが、6歳、4歳、2歳の子ども3人を連れて実家に遊びに行ったときのこと。

しばらく、兄弟3人だけで2階で遊び、階下に戻ってくると、2歳の子どもが口に何かをくわえていました。

お母さんが口を開けてみると、出てきたのはボタン電池。

祖父が「ボタン電池はもう一つあったはずだ」と言い始めたため、病院に連れて行き、CT検査を受けました。

結局、祖父の勘違いで自宅にボタン電池があることが分かり、大事には至りませんでした。

もし飲み込んでいたら、大変なことになるところでした。

 

 

「誤飲リスクの目安は3cm」

 

誤飲が多いものには、たばこ、硬貨、ボタン、おもちゃなどがあります。

直径3cm程度のものなら簡単に口に入ってしまいます。

 

幼い子どものいる家庭では、子どもの手が届く範囲に誤飲する可能性のある物は置かないように、整理整頓を心掛ける人は多いと思います。

しかし、訪問先の家庭ではどのような状態になっているかわかりません。 

油断せず、注意するようにしてください。

 

 

                   (2/3へ続く)

 

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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