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「家庭内事故が起きないためにすべきこと」
【対策1】リスクのある場所を知る
家庭内で発生する「不慮の事故死」の状況は、厚労省が毎年行っている「人口動態統計」をもとに、定期的に分析を行って取りまとめています。
また、消費者庁の「子どもを事故から守る!プロジェクト」でも、子どもの家庭内事故の体験談や事故防止対策などの情報を発信しています。
これらの情報を定期的にチェックして、まずは家の中のどんな場所でどんな事故が発生しているか、把握しておくことが大切です。
【対策2】事故が起こりにくくなる建物の工夫(ハード面)
事故が起きやすい場所には、あらかじめ対応を取っておくと安心です。
例えば、階段は年齢を問わず転倒、転落が起こりやすい危険な場所です。
もし、自宅の階段に手すりがついていなければ、なるべく早く設置するようにしてください。
また、室内を見渡してつまずきそうな場所がないか、点検してみましょう。
もし段差があったら、その部分に手すりを付けたり、床材の色を変える、照明を明るいものに変えるなど、「段差を見分けやすい」工夫をするとよいでしょう。
これから家を建てる人は、家庭内事故のリスクが少ない間取りや動線計画となっているか、確認してください。
例えば、洗濯機が1階、物干しが2階という動線だと、毎日、洗濯物を両手に持って階段を上り下りしなければならず、事故発生のリスクが高くなります。
洗濯機と洗濯物干場は、なるべく同一フロアに設けましょう。
キッチンの近くに浴室がある間取りであれば、家事をしながら高齢者や幼児が入浴する時に注意を払いやすくなります。
対面式キッチンの採用は、家事をしながらリビングにいる子どもの様子が分かるため、小さな子どもがいる家庭に適していると思います。
【対策3】日ごろの心がけを忘れずに(ソフト面)
もうひとつ大切なことは、日ごろからの心がけです。
例えば、高齢者に多いつまずきや、小さな子どもの誤飲を防ぐためには、床に何か落ちていたらすぐ拾う、小さな子どもの手が届く範囲にある小物は片付けるなど、日々の整理整頓が欠かせません。
また、子どもは成長のスピードが速く、昨日できなかったことが今日できるようになることもあります。
その動きを予測することは難しいものです。
決して油断せず、「危険が起きるかもしれない」と考えて、目を離さないようにしましょう。
出典
『実は、交通事故より多い家庭内の死亡事故』
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170317-OYT8T50019.html?from=y10
(ブログ者コメント)
日常生活で起きているこの種の事故情報は、これまで「製品安全」とか「挟まれ」といったカテゴリーに入れてきた。
しかし最近、住宅車庫で車後部トランクのボールをとろうとして男児が死亡した事故や、居間で放し飼いにしていた犬に幼児が噛まれて死亡した事故など、日常生活上の事故を紹介することが多くなった。
そこで新たに「日常生活に潜む危険&事故」カテゴリーを追加し、過去記事を含め、該当する事例は当該カテゴリーに編入するようにした。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。