2020年2月5日6時10分に神戸新聞から下記趣旨の記事が、手洗い方法などの図解付きでネット配信されていた。
新型コロナウイルスによる肺炎への不安を背景に、使い捨てマスクの品薄状態が続く中、公衆衛生の専門家の間で「予防に有効なのは、マスクより手洗い」と呼び掛ける声が高まっている。
緊急事態宣言を出した世界保健機関(WHO)も、「マスクは感染症拡大を抑止する助けになるが、せきなど呼吸器症状がない一般の人に必要ではない」と明言。
神戸市保健所は、「うつさないためのマスク、うつらないための手洗い」と、手洗いの重要性を強調する。
世界的な感染拡大が連日報じられる中、ドラッグストアなどでマスクの売り切れが続出。
患者との接触が多い医療機関向けが品薄状態となったり、ネットで高額転売とみられるものが出品されたりしている。
しかし、WHOの本部直轄機関である神戸センター(神戸市中央区)は、「いくつかの国では、文化的慣習の中でマスクが着用されているが、防御への有用性について明確なエビデンス(証拠)はない」とする。
WHOは、マスク着用を推奨するのは、呼吸器症状がある人やその看病をする人、医療従事者とした上で、「必要ない状況でマスクを着用すると、誤った安心感を与え、手洗いなど必須の予防手段を怠る可能性がある」と警鐘を鳴らす。
神戸市保健所予防衛生課も、「マスクは原則、症状のある人がするもの」という考えだ。
「予防的使用では、医療従事者のように、一瞬手が触れただけでも廃棄するような正しい使い方であれば、一定効果はある。しかし通常の使い方の場合、雑菌の付いた手で不用意に触るなど、むしろ感染のリスクを高める場合さえある」と話す。
一方、同課は手洗いの重要性を強調する。
ドアやつり革など、不特定多数の人が触れる場所に接触したときには、せっけんを使って手首まで30秒以上洗い、15秒以上水を流し続けてすすぐことが望ましいという。
「新型コロナウイルスによる肺炎は空気感染ではなく、せきやくしゃみのしぶきでうつる飛沫(ひまつ)感染。過剰に心配せず、通常のインフルエンザと同様の対策を心掛けてほしい」と話す。
https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/202002/0013090280.shtml
1月29日20時45分に朝日新聞からは、下記趣旨のより詳しい記事がネット配信されていた。
中国・武漢市を中心に新型コロナウイルスによる肺炎が広がっています。
中国では多数の死者が出ており、ヒトからヒトへの感染も報告されています。
日本でも感染が確認され、2人の幼児を育てる筆者は、子ども用のマスクを探して薬局をのぞきましたが、在庫切れと言われました。
街中でマスクを着ける人の姿が多く見られますが、正しい装着法ってあるのでしょうか?
また、マスクで新型肺炎は防げるのでしょうか?
役立つ予防法とともに、専門家に尋ねました。
武漢市で、公共交通の一部遮断や高速道路の封鎖が行われた今月23日。
市内に住む大学教員の男性(30)は「N95」のマスクを求めて薬局をはしごした、と取材に答えました。
「普通のマスクじゃダメだとネットのニュースでやっていたんだ。『N95』じゃないと防げないって」
「N95」って、何ですか?
大手マスクメーカーによると、「N95」マスクとは、粉じんやウイルスの吸入を防ぐマスク。
名前の由来は、米国労働安全衛生研究所(NIOSH)の規格に合格した、つまり米国規格を満たしたマスクのことです。
数字の「95」が使われるのは、直径0・3マイクロメートルの粒子を95%以上除去する効率がある、ということだそうです。
0・3マイクロメートルというのは、スギ花粉の数百分の1で、たばこの煙に含まれる粒子と同じです。
中国のSNS上では「『N95』マスクでなければ意味がない」といったニュースが連日流れ、通販サイト「タオバオ」では偽の高性能マスクが出回り消費者の混乱を招いていると話題になっています。
ちなみに日本でN95に相当するのは、厚生労働省が定める規格を満たした、いわゆる「防じんマスク」と呼ばれるものです。
一方で、コンビニエンスストアやドラッグストアで手軽に購入でき、花粉症の時などに使う「サージカルマスク」とは何が違うのでしょうか。
メーカーの担当者は、「『サージカルマスク』は、口からの唾液(だえき)や飛沫(ひまつ)などを飛散させないことを目的に使うマスクです。サージカルマスクは、ウイルスなどの『吸入』を防ぐことを目的として設計されていません」と説明してくれました。
サージカル(surgical)とは英語で「外科の」という意味で、医師や看護師ら医療従事者が使います。
ただ、例えば合併症などがある患者に対する喀痰(かくたん)検査をするときや、結核病棟で診察する場合には、N95が使われます。
検査対象の飛沫を吸い込んでしまうのを防ぐ効果があるからです。
では、新型肺炎を予防するには、やはりN95でないとだめなのでしょうか。
海外で働く人に医療とセキュリティーのアシスタンスサービスを提供する「インターナショナルSOS」(東京都)を訪ね、葵佳宏医師(42)に聞きました。
――N95マスクで新型コロナウイルスは防げますか?
N95は0・3マイクロメートルの粒子を除去できるフィルターがありますが、新型コロナウイルスは0・1マイクロメートルです。
フィルターの穴を通過してしまい、吸引を防ぐことはできません。
また、防じんマスクは通常、丸いものが多いですが、これでは鼻周りにフィットさせることができません。
隙間ができてしまうのです。
さらに、フィルターの目が細かい分、呼吸が苦しくなるので、長時間つけ続けることは難しいです。
――でも、N95は一般のサージカルマスクより高価です。サージカルマスクよりは効果があるのではないですか?
感染症を扱う頻度が高い医療従事者を対象に、N95とサージカルマスクを使って急性呼吸器感染症への罹患(りかん)率を比較したデータがあります。
両者に差はありませんでした。
別の臨床試験でも、インフルエンザを含む罹患率の比較を行っていますが、N95が優位であったという結果はありませんでした。
つまり、サージカルマスクをつけていてもN95をつけていても、変わらないのです。
――では、どんなマスクであれば予防できるのでしょうか?
基本的な考え方として、マスクに予防効果はありません。
マスクは、自分が風邪を引いたときなどに、くしゃみやせきで唾液の飛沫を周囲にまき散らさないため、他人を感染させないために着けると考えるべきです。
その場合も、マスクの種類ではなく、どう装着するかが大事です。
特に鼻とマスクの間、口角とマスクの間に隙間があると、効果が半減します。
顔に合ったサイズを選び、正しく装着することが重要です。
――防じん用ではなく、市販のもので構いませんか。
構いません。その代わり、
①しっかり口と鼻を覆い、隙間をすくなくする
②汚れたら取り換える
ことが大事です。
「もったいない」と言って何度も同じマスクをつけたり、ポケットに入れたりするのはだめです。
口だけにして鼻を出すのも効果はありません。
あごの下にマスクをつける「あごマスク」は、つけていないと同じ。
汚れたマスクから感染するので、あごマスクをするくらいなら捨てましょう。
――他に出来ることはありますか?
マスクをきちんと正しくつけたうえで、手洗いとうがいをしっかりすることです。
――手洗いはアルコール消毒しないといけませんか?
アルコール消毒が出来ればより良いですが、きちんと手洗いをすれば、せっけんでも十分です。
――きちんと、とは。
せっけんを泡立て、指1本1本をくるくる回すように洗い、指の間の「水かき」部分も洗いましょう。
また、爪の中にもばい菌がたまりやすいので、泡立てたせっけんで、片方の手のひらに指を立てるようにして洗いましょう。
手首も洗い、最後は必ず流水で流し、出来れば使い捨てのペーパータオルかハンドドライヤーを使うことが望ましいです。
家族間でも、タオルやハンカチを共有するのはおすすめしません。
――うがい薬を使ったほうが良いでしょうか?
水で大丈夫ですよ。
その代わり、頻繁に行ってください。
外から帰ってきた時はもちろん、食事をする前、人混みに行った後、電車の中でくしゃみやせきをかぶったあとは、きちんとうがいをしましょう。
――自分から感染させないために、他に出来ることはありますか?
せきエチケットって知っていますか。
くしゃみするとき、手で覆うのはNGです。
いま推奨されているのは、曲げたひじの服の部分を口に当て、覆うスタイルです。
――なぜでしょうか?
手で口を覆った状態でくしゃみやせきをして、その後にその手でつり革やドアノブを触ると、そこが汚染源になるからです。
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。