(1/2から続く)
――お酒を飲むと免疫が下がると聞いたことがあります。
人の免疫は、そこまで弱くはありません。
普段1杯飲む人が、少し多く飲んだからといって、そこで免疫が落ちて感染するということは考えにくいです。
むしろ、酔っ払って帰宅して、手洗いもうがいも歯磨きもしないまま寝てしまう方が危ない。
口の中は大変汚い。
歯磨きなどをしないまま寝ると、その間にウイルスや、ばい菌が繁殖することを懸念したほうが良いでしょう。
――私には1歳と2歳の幼児がいます。子どもに感染させないためには、どんなことに気をつければ良いでしょうか?
現在の状況だと、発症して死亡した人のほとんどが60代以上で、持病があった方が多い傾向がみられます。
2歳の子が感染したという情報がありますが軽症で、その他の若年者で重症化したということは聞いていません。
今の段階では、子どもが感染しても重症には至りにくいのではないでしょうか。
昨年流行したはしかは、患者1人から10~20人への感染力があります。
インフルエンザは1人から4人程度。
まだ詳しいことは分かりませんが、新型コロナウイルスは、インフルエンザと同等か、それより弱いと推測されており、過度な心配をする必要はないでしょう。
1月27日時点では中国国外では、院内感染やコミュニティーへの感染拡大は報告されておりません。
この点から見ても、インフルエンザよりは広がり方が狭いのではないでしょうか。
人混みになるべく行かない、手洗いうがいをきちんとする、マスクは顔のサイズに合ったものを選んでフィットさせて装着することを意識すると良いと思います。
https://digital.asahi.com/articles/ASN1X621VN1XUHBI00T.html?pn=12
2月6日付で毎日新聞東京版からは、WHOの担当者もマスクの効果は限定的だと述べたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
世界保健機関(WHO)の担当者は4日、新型コロナウイルスについて「必ずしもマスク着用は感染予防にはならない」と述べた。
手洗いの方が効果的だという。
一方、ウイルスに感染した人は、流行を広げないためにマスクをすべきだと指摘した。
専門家の間では、家族が看病する場合など、近くで症状がある人の飛沫(ひまつ)を浴びる可能性がある場合には、マスクも一定の効果があると考えられている。
しかし野外などでは、マスクでは十分には予防できないとの意見が一般的だ。
記者会見したWHOのグローバル危機準備担当局長シルビー・ブリアン医師は、新型コロナウイルスを巡っては、警戒レベルが最高度の世界的大流行を意味する「パンデミック」ではなく、根拠のない情報が大量に拡散する「インフォデミック」が起きていると指摘。
WHOは科学的に根拠のある情報を発信していくと述べた。
https://mainichi.jp/articles/20200206/ddm/041/040/058000c
2月6日付で毎日新聞東京版からは、ネットでマスクが高額転売されているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消費者庁の伊藤明子長官は5日の定例記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの品薄感が急速に進み、転売目的で購入する動きがあることを明らかにした。
「本当に必要な人に届かなくなるのは問題だ」と述べ、取引サイトなどの運営業者に利用者への注意喚起を求める方針を示した。
同庁によると、各地の消費生活相談窓口に「マスクや消毒液が高額で販売されている」、「ぜんそくでマスクを使っているが手に入らない」といった相談が寄せられている。
大手フリマアプリを運営するメルカリは、マスクの出品数や購入数が増えているとして、利用者に適切な範囲での出品や購入を呼びかけている。
ネットオークション「ヤフオク!」のサイトにも、必要とする人が商品を確保できるよう配慮を求める告知が出ている。
https://mainichi.jp/articles/20200206/ddm/041/040/061000c
(ブログ者コメント)
関連情報を調査したところ、マスクの効果に関する弘前大学准教授の図解付き解説が3年前に朝日新聞から下記趣旨でネット配信されていた。
併せ読むと、より一層理解できると思い、紹介する。
ちなみに、今回の新型肺炎は症状が出ていない人でも検査で陽性反応が出ていることから考えると、潜在感染者から他者への感染防止にもマスクは役立っているということだろう。
(2017年1月21日8時15分に朝日新聞)
今回は「飛沫(ひまつ)感染」と「マスク」についてお話しします。
「飛沫感染」とは、せきやくしゃみなどによって飛び散る飛沫(直径5マイクロメートル=1千分の5ミリメートル=以上の水分)に含まれる病原体が、口や鼻などの粘膜に直接触れて感染することを言います。
飛沫は1メートルくらい飛んでから落下しますので、通常は1~2メートル以内の至近距離で飛沫を浴びることで感染します。
風邪のウイルスやインフルエンザウイルスがその代表です。
ウイルスそのものは直径0・1マイクロメートルくらいで、普通のマスクの網目よりずっと小さいため、ウイルス自体をマスクで防ぐことはできません。
しかし、ウイルスを含んだ水分の「飛沫」はマスクに引っかかりますので、感染した本人が飛沫を出さないためにマスクをすることは、周囲の人たちにとって十分効果的です。
一方、外出時にマスクをしても、至近距離からせきやくしゃみを浴びることがなければ、予防策としてあまり意味はありません。
ただし、花粉は直径30マイクロメートルくらいなので、花粉症対策としては効果があります。
どのくらい効果があるかは不明ですが、マスクの着用にはもう一つ、「口元の加湿」という意味もあるようです。
ウイルスは細菌と違って、湿度が高いと生存時間が短くなるので、口元の湿度を上げておけば、いくらか効果があると思われます。
マスクをする際は必ず鼻まで覆うように、そしてできるだけ顔とマスクとの間に隙間ができないように装着することが重要です。
しかし、残念ながら飛沫は目にも入ってきて、その粘膜から感染することも多いので、ゴーグルのようなものを着けないと本当の飛沫感染対策にはなりません。
日常生活でそこまでは、ちょっと難しいですね。
感染した本人のマスク着用は重要ですが、周囲の予防としては前回お話しした「手洗い」の方がもっと重要です。
飛沫感染する病原体は、当然、接触感染も起こすからです。
ある学生寮での研究で、「マスク着用と手洗いの両方をした群」は「両方しない群」と比べインフルエンザ様症状の人が35~51%に低下したのですが、「マスク着用のみの群」は有意な低下が認められなかったと報告されています。
手洗いとマスクの両方を実践することが重要なのですね。
一方、「うがい」については、専門家の間でも賛否両論あります。
「ウイルスは目や鼻からも侵入するので、ほとんど予防効果がない」という意見がある一方、水道水によるうがいは、しない場合に比べかぜの発症率を40%抑えたという研究結果もあります。
結論は出ていませんが、しないよりはした方が良いというくらいです。
私の個人的な印象ですが、ベテランの先生、とくに小児科の先生は、かぜをひくことが少ないように思います。
これは、数えきれないほどかぜのウイルスを浴びていて、ウイルスに対する免疫が強くなっているからかもしれません。
感染に神経質になりすぎて、病原微生物と全く接触しないのも、免疫がつかないという意味で問題があるかもしれませんね。
<アピタル:弘前大学企画・今こそ知りたい! 感染症の予防と治療>
https://www.asahi.com/articles/ASK1N65LBK1NUBQU00J.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。