2020年1月28日13時17分に産経新聞から、壁を貫通している窒素配管の写真付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、同日午前に鹿児島県の種子島宇宙センターで予定していた政府の情報収集衛星光学7号機を搭載したH2Aロケット41号機の打ち上げを、2月以降に延期すると発表した。
機体に窒素ガスを供給する地上設備の配管に穴が見つかり、原因究明や対策に時間がかかるため。
打ち上げ作業を指揮する同社の田村宇宙事業部副事業部長は、「打ち上げ中止となり、期待に応えられず残念。きちんと原因を究明して対策を講じ、打ち上げ成功に向けて全力を尽くしたい」と謝罪した。
同社などによると、穴は直径約5センチ。
配管は鉄製で、約30年前に建物の外に設置された。
同センターは海沿いにあるため、塩害による腐食が考えられるという。
ロケットの機体を発射地点まで移動させた後の27日深夜、機体の温度管理に使う窒素ガスの供給を始めたところ、急に圧力が低下。
配管内を窒素ガスが流れたことで穴が生じた可能性があるという。
昨年12月23日に配管を点検した際は、異常は見つからなかった。
配管の耐用年数は15年間で、その後も点検しながら使用。
背景には、同センターで問題視される施設の老朽化があるとみられる。
https://www.sankei.com/life/news/200128/lif2001280039-n1.html
2月7日17時7分にNHK鹿児島からは、窒素配管が壁を貫通している部分に塩分を含んだ雨水がたまったため腐食したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三菱重工業と設備を管理するJAXAは7日、南種子町の種子島宇宙センターで、打ち上げ延期の原因となった配管の腐食について会見を開きました。
この配管は、ロケットの温度調整に必要な窒素ガスを送り込むものですが、JAXAによりますと、配管が通る壁との隙間に塩分を含んだ雨水が長年にわたってたまり続け、腐食が進んで穴が開いたと説明しました。
配管は新しいものに交換され、異常がないことを確認したとしています。
JAXA射場技術開発ユニットの西平技術領域主幹は、「腐食は壁の内部から進んでいて、事前の確認は困難だった。今回の事態を踏まえて、点検のしかたを見直したい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20200207/5050009277.html
2020年2月7日 19時41分にSankei Bizからは、腐食原因に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JAXAによると、建物に降った雨水が、潮風に運ばれた塩分を含みながら外壁を流れ落ち、その下にあった配管を長い時間かけて腐食させたという。
配管を交換し、センター内にある他の配管など約20カ所を補修した。
https://www.sankeibiz.jp/business/news/200207/cpc2002071941001-n1.htm
2月8日22時23分に朝日新聞からは、つなぎ目に水が溜まりやすくなっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三菱重工業JAXAによると、外部施設の配管に直径5センチの穴があった。
雨水にさらされる場所で、つなぎ目に水がたまりやすくなっていた。
昨年12月の点検では異常は見つからなかったが、腐食は進んでいたとみられ、窒素ガスを流した際の圧力で穴があいたらしい。
配管約2・7メートルを新品に交換し、隙間は樹脂で埋めた。
配管にガスを流し、問題ないことを確認したという。
JAXAの西平・技術領域主幹は、「打ち上げ設備全体の老朽化というより、ここだけ腐食が進みやすくなっていた。今後の点検のやり方は議論していく必要がある」と語った。
https://www.asahi.com/articles/ASN2876C1N27ULBJ01C.html
(ブログ者コメント)
産経新聞掲載写真を見ると、壁貫通部のシール材が見た目、凸凹になっている。
その凹んだ部分、あるいは壁との隙間に雨が溜まったのかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。