20日、調布市の富士見台小学校で、5年生の11歳の女子児童が給食を食べたあとに気分が悪くなり、病院に運ばれたが、およそ3時間後に死亡した。
警視庁と調布市教育委員会によると、女子児童はチーズなどの乳製品やたまごにアレルギーがあり、いつもはアレルギーの食品を除いたこの児童向けの給食を食べていた。
しかし、20日は自分の給食を食べたあと、おかわりでチーズ入りのチヂミを食べたとみられ、警視庁は女子児童がアレルギーによって引き起こされる、アナフィラキシーショックで死亡した疑いがあるとみて調べている。
市教委によると、学校では調理担当の職員と栄養士が月に1度、女子児童の保護者と面談をしてアレルギーのある食品を除いた献立表の確認をしていたほか、給食の時間にはほかの児童の食事を間違えて食べないように、トレーと茶碗の色を変えた食事を調理担当の職員が直接、児童に手渡していたといい、20日もそうしたという。本人も知っていたという。
また、学校では、アレルギーのある児童が給食でおかわりをする際、担任の教諭がその食事に問題ないかどうか確認することになっていたということで、市教委などが学校の対応について詳しく調べている。
一方、校長などによる21日の会見では、普段からこの女子児童の給食は乳製品抜きで他とは別に作り、当日、調理員が女子児童に給食を渡す際、他のチヂミは食べられないことを伝えていたということで、学校や市教委は経緯を調べている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20121221/6daeff1bd55d3a285281be30805ee813.html
http://www.rnb.co.jp/nnn/news89049937.html
(ブログ者コメント)
報道された内容から考えると、管理は万全だったような気がする。
どこに落とし穴があったのだろう?
担任教諭がたまたま席を外した時におかわりした・・・そんなことでもあったのだろうか?
(2013年1月14日 修正1 ;追記)
2013年1月8日21時59分に毎日新聞から、担任の確認ミスが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市教委は8日、20歳代の男性担任教諭が誤って食べさせたことが原因とする調査結果を発表した。
市教委によると、同校ではアレルギーのある児童に対し、保護者の要望に応じて調理内容を工夫。女児の場合は翌月の献立内容をもとに保護者と栄養士らが事前に相談し、アレルギー食品を除いた給食を別途調理し、調理員が女児に直接渡していた。
また、おかわりによる事故を防ぐため、献立内容の中で女児におかわりさせてはいけない食品に「×」をつけた「除去食一覧表」を担任教諭向けに特別に作成。これは「おかわり表」と呼ばれ、おかわり時に必ず確認することになっていた。
しかし教諭は、保護者が念のためとして、おかわりできない食品にマーカーを引いて持参させていた前月配布の献立表で、チヂミにマーカーが引かれていなかったことから、おかわり表の確認をしないまま渡したという。
市教委の聞き取りに対し、教諭は「いつもは確認しているが失念していた。マーカーがなかったのでおかわりさせてしまった」などと釈明したという。
市の教育長は、「確認はおかわり表でするのがルール。指導が徹底していなかった」と学校側の責任を認め謝罪した。
市教委は今月中に医師や弁護士なども加えた検証委員会を設置し、再発防止策をまとめる。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130109k0000m040079000c.html
(ブログ者コメント)
正である「おかわり表」を使わず、副である「保護者マーカー表」だけでチェックしたことが原因の一つだった由。
管理体制から外れた運用をしているところはないか?正ではなく副をメインに運用しているところはないか?といった点で、産業現場でも教訓となる事例だ。
(2013年1月24日 修正2 ;追記)
2013年1月23日付で東京新聞から、同じ小学校で3ケ月前にも給食を食べた児童がアレルギー反応で救急搬送されていたという記事が、下記趣旨でネット配信されていた。
この小学校で、事故の3カ月前に別の児童が誤って給食を食べて救急搬送された原因は、卵アレルギーの児童が給食のオムレツの代わりのおかずを家から持参することを調理師側が情報共有できていなかったためだったことが分かった。
調布市教委によると、昨年9月27日の給食時間中、卵アレルギーがある小学1年の男児がオムレツを食べ、せき込むなど体調を崩した。保健室で養護教諭が付き添って休んだが回復せず、搬送先の病院で午後3時ごろに治療を受け、回復したという。命に別条はなかった。男児は医師からアレルギー症状を抑える自己注射薬「エピペン」の処方を受けていなかった。
学校では、食物アレルギーがある男児の保護者と栄養士が事前に話し合い、症状を起こす食材を取り除いた給食(除去食)を作るか、代わりの弁当を家から持ってくるかを決め、栄養士が調理師に伝えている。
取り除く食材などの情報は調理場内のホワイトボードに書いて共有するルールだが、おかずを持参することを調理師が書き漏らし、男児には他の児童と同じオムレツが配られた。
男児は9月初めからの2学期に転校してきた。学校と保護者は給食の対応を話し合っていた。
学校は事故後、食器の中身が見えるように、除去食にかぶせるふたをアルミホイルからラップに切り替えたほか、10月30日に講師を招いて研修会を行った。約3カ月後、除去食ではないおかわりを食べた女児が、アナフィラキシーショックで死亡した。
出典URL
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013012302000099.html
(2013年3月13日 修正3 ;追記)
2013年3月12日21時31分に毎日新聞から、同日18時31分にNHK NEWSWEBから、大きく3つの原因があったという検証委報告書に関する記事が、下記趣旨でネット配信されていた。
市教委が設置した、医師や弁護士などからなる検証委員会は12日、事故原因について「給食の提供方法と緊急対応の二つに大きな問題があった」とする報告書をまとめた。
報告書では、原因として
(1)チーフ調理員が女児にどの料理が(食べてはいけない)除去食かを明確に伝えなかった
(2)女児がおかわりを希望した際、担任教諭が除去食一覧表で確認しなかった
(3)担任と養護教諭がアナフィラキシーショックの症状を抑える注射薬エピペンを打たず、初期対応を誤った
などと指摘。
報告書は、「このうち一つでも実施されていたら女児の命を守れたのではないか」と結論づけた。
さらに、食物アレルギーに対応した給食調理現場の作業マニュアルがないとして、国に作成を働きかけるよう、市教委に求めた。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130313k0000m040068000c.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130312/k10013149501000.html
(2013年4月26日 修正4 ;追記)
2013年1月27日付で読売新聞からおかわり時の詳しい状況が、また2013年2月21日にNHKクローズアップ現代から食べたチーズは1gにも満たなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「余っているよ、食べる人いない?」。
5年生担任の男性教諭(29)はその日、給食時間の後半、チーズ入り「じゃがいものチヂミ」を持って教室内を回った。
「ほしい」と声をかけたのが、その女児だった。
女児は日頃からアレルギーに対応した特別食を食べているため、担任は「大丈夫か?」と尋ねた。
「これ見ればわかる」。女児が担任に見せたのは、保護者が女児に持たせた献立表。食べられない料理にピンクの線が引かれていた。
「じゃがいものチヂミ」には線がなかったので、担任はお代わりを渡した。
だが、担任にはこの前に確認しなければならない別の資料があった。栄養士から渡された女児専用の献立表「除去食一覧表」だ。
同校は女児にアレルギー原因食材を除いた「除去食」を提供しており、この日もチーズ抜きを1食分だけ調理して配膳。
除去食一覧表では、女児が通常の「じゃがいものチヂミ」をお代わりできないことが、「×」印で示されていた。
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出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20130127-OYT8T00478.htm
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3314_all.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。