2016年3月1日20時41分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月1日22時16分に読売新聞から、3月2日7時0分に福井新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午前10時8分ごろ、関西電力の発注を受けて福井県美浜町竹波の山中で、上空約100mを飛行していた関電の協力会社のA社(本社・東京)のヘリコプターが、鉄塔に設置する陶磁器製の碍子(がいし)54個入りの木箱(計約800kg)を落とした。
けが人はいなかった。
国交省は、事故につながる恐れのある「重大インシデント」と判断。
同省運輸安全委員会が、1日、航空事故調査官2人を現地へ派遣した。
関電によると、ヘリは美浜町内のヘリポートを離陸し、2.1km離れた送電線の鉄塔建て替え工事現場に向かっていたが、ヘリポートを出て数分後、約700m飛行したところで、運搬用のナイロン製ネット(約4m四方)ごと木箱を落とした。
ネットは、ワイヤロープ(直径14mm、長さ約8m)で吊り下げていて、ネットの四隅を絞る「玉掛け用ワイヤロープ」の片方が、ヘリ下部につり下げたフックから抜けていたという。
(別報道)
フックに通していたワイヤロープの輪っかのうち、一つが外れたのが原因とみられるという。
飛行前、A社の担当者がワイヤロープの両端をヘリの金属製フックに固定したが、飛び立って数分後に落下した。
鉄塔は、関電美浜原発から変電所に向かう送電線を支えるもの。
A社のヘリは、2010年12月にも、同県おおい町の山中と海に、2回にわたり、資材などを落下させている。
同社西日本航空支社の支社長は、取材に「事故を受け改良したフックを使用していたが、再び発生させ申し訳ない」と陳謝した。
また、関電発注の空輸を巡っては、昨年10月にも同県高浜町で、別の協力会社がヘリから空の木箱を関電施設内の庭に落下している。
出典URL
http://mainichi.jp/articles/20160302/k00/00m/040/067000c
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160301-OYT1T50135.html
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/accidentandincident/90525.html
3月2日19時28分にNHK福井からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
調査官は、2日朝9時ごろから、A社の操縦士など関係者から聞き取り調査などを行った。
調査官は、ヘリコプターの機体から木箱をつり下げるフックに異常がないかや、どういう状態で木箱がつり下げられていたのかなど、当時の状況を確認していた。
T調査官は、「機体の状況を見る限りでは、荷物が外れないよう正常にロックが作動していて、特に問題はみられないが、今後、さらに聞き取りを行い、1年以内をメドに事故原因の報告書をまとめたい」と話していた。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3053331971.html?t=1456953032642
(2016年3月21日 修正1 ;追記)
2016年3月18日7時0分に福井新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2016年3月17日20時0分にNHK福井からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
関西電力とA社は、17日、資材を吊り下げていたフックのロックがかかっておらず、ワイヤーが抜け落ちたと推定されると発表した。
ヘリ機内でロック完了を示すライトが誤って点灯し、操縦士が気付かなかったという。
資材は、端が輪になったワイヤをフックに通し運搬する。
ヘリが上昇してフックに重さがかかることで自動的にロックがかかり、機内のライトも点灯する仕組み。
同社が同型フックで検証したところ、ワイヤがねじれてフックのキーパー(ワイヤが抜けないようにする装置)にかかった場合、キーパーが持ち上がってロックがかからないことがあった。
その際、機内のライトが誤って点灯する異常もあった。
操縦士は、ロックがかかっていないことに気付かず運搬を始め、ワイヤが抜け落ちたと考えられるという。
A社のヘリは2010年12月にも同県おおい町で資材などを落下させており、今回のフックはロック機能を追加する改良を加え、14年8月から使用。
これまで、ライトの異常の報告はなかったという。
関電は、再発防止策として、フックを手動でロックするタイプに変更。
運搬前にロックがかかっていることや、ワイヤのねじれがないことを目視で確認するよう、マニュアルを変更する。
他の協力会社にも周知した上で、来週にもヘリ輸送の作業を再開する。
原因と対策は、14日に国交省東京航空局に報告。
16日に福井県と美浜町、敦賀市に説明した。
出典URL
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/accidentandincident/91669.html
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3053779421.html?t=1458252221454
(2017年8月3日 修正2 ;追記)
2017年7月28日付で朝日新聞福井全県版(聞蔵)から、ワイヤのねじれが原因と推定した調査報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国の運輸安全委員会は27日、資材を吊り上げるワイヤが飛行中にフックから外れ落下したと推定する調査報告書をまとめ、公表した。
報告書によると、ヘリコプターは資材2個を、それぞれワイヤでフックにひっかけて飛行していた。
うち1個は、ワイヤがねじれたままフックに取り付けられたため、持ち上げられる過程でワイヤがねじり戻され、フックに正しく掛からなかった可能性があるという。
通常は、荷物を持ち上げるとフックはロックされる仕組みだが、ワイヤがねじれていたため、フックへの荷重のかかり方が変わり、ロックされなかった可能性も考えられるという。
報告書では、作業実施要領にロックの位置を確認する手順が盛り込まれていなかったこと、作業員に時間的な余裕がなく、ねじれを直す作業が不十分だった可能性も指摘している。
(ブログ者コメント)
運輸安全委員会の報告書は下記参照。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-inci/AI2017-3-1-JA9678.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。